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自分でバトルストーリーを書いてみようvol.2

1 :気軽な参加をお待ちしてます:2001/08/24(金) 22:32
公式記録の影に埋もれた知られざる物語。
語り部達の手によって今、蘇える・・・!

前スレ
「自分でバトルストーリーを書いてみよう!!」
http://salad.2ch.net/test/read.cgi?bbs=zoid&key=976898587&ls=10
*容量オーバーで時間帯によっては普通には表示されません。お読みになる際には「かちゅーしゃ」か「ほっとぞぬ」をご使用ください。
*スレの性質上かなり容量を喰ってしまいます。250レスを目安に次スレに移行したいと思いますのでその辺りになりましたら1度書き込みを止めてください。ご協力をお願いいたします。

2 :名無し獣:2001/08/24(金) 22:34
現在、連載中のお話、連載開始順 敬称略

『ガニメデ』
作者:赤羽広々
旧バトスト

『悲しき戦線』
作者:T・I
新バトスト

『刃と誇りと復讐と』
作者:不詳(名無しですスティンガー)
新バトスト

『闇ゾイドバトル』
作者:ジェノ名無しー
アニメ第二部から/0の間

3 :ジェノ名無し−:2001/08/25(土) 18:28
http://salad.2ch.net/test/read.cgi?bbs=zoid&key=976898587&st=282&to=282&nofirst=true
の続きです。(総集編にするか迷ったけど)

『闇ゾイドバトル』(13)


作戦指揮担当アーシャ・ヘルニッヒは戦っていた。
ヴィルのように直接、敵と相対する戦いでは無く。自分自身、プレッシャーとの戦いだ。
闇闘士ヴィル・ヴァルヴェントの駆る軽量高速仕様セイバータイガ−、通称ライトセイバーは
高い運動性と機動性で相手を翻弄し至近距離からのビームガンの連射でトドメを射す戦法を得意としているが、
今対戦中のライトニングサイクスには通用しない。
サイクスはライトセイバーを遥かに上回る高機動と運動性を誇っている。真正面から戦っては圧倒的に不利だ。
だからアーシャは戦っているのだ。自分が判断を間違えば…
間違わずとも、一瞬遅れればヴィルを死地に追いやってしまう。
そんな多大なプレッシャーと戦うアーシャの神経を逆撫でするかの様に、敵パイロット…
かつての仲間であるカーヒュレス・フェスターグの狂気じみた笑い声が通信機から流れている。
これではヴィルに指示を送っても筒抜けになってしまう。慌てて通信チャンネルを変えるが、
「つれないな〜僕が助けてあげるって言ってるのに…」
チャンネルを変えた先にも割り込んでくる。
「ちっ!どうなってやがるんだ!?」
我慢できないといった感じで叫ぶヴィル。実際、長時間の高速戦闘で彼も限界に近いのだ。
「ガーディアンフォース特製の傍受割り込み通信なんだ、凄いだろ?」
「カル!!カーヒュレス・フェスターグゥゥゥ!!」
狂気に憑かれたカルの声からは疲労を窺い知る事は出来ない。その焦りを吹き飛ばすようにヴィルは叫ぶ。
しかし焦りは増すばかりで、小さなミスを繰り返す。
サイクスのパルスレーザーを横っ飛びにかわし、その勢いのまま砂からそびえ立つ巨岩を駆け上る。
サイクスが方向を変える一瞬のスキを狙い、岩を蹴り、自らを空中の投げ出す。
ブースターを使い空中で方向転換しサイクスの真上からストライククローを突き立てるが・・・
焦りのため未来位置予測を読み違え、簡単にかわされてしまった。
「マジにヤバいな…」
ヴィルの心に絶望が忍び寄ってきていた。

4 :絶望の淵で:2001/08/26(日) 19:39
>>http://salad.2ch.net/test/read.cgi?bbs=zoid&key=976898587&st=286&to=286&nofirst=true
ゾイド板消滅してたら、ここも終わりだったと思うと・・・。
『誇りと刃と復讐と(26)』

「第三防衛ラインが突破されました。防衛していたLF小隊は、全滅。敵数、小型3、中型2、大型1です!」
『本部! GT小隊は、隊長機が大破! 援護射撃をポイント3―12に要請する!』
「敵主力、9時の方向より、進撃中!」
『パチモンが単独で、基地南西方向に移動中! AX小隊と第三砲台を横から薙ぎ払うつもりだ!』
「DT小隊は、どうした!」
「撤退準備を急げ、基地内残った者は、速やかに第3格納庫のグスタフに乗り込め。工作班は、総員退去区画より、爆薬を設置、これをもって、封鎖区画としろ。
 整備班ももういい。戦闘中の部隊に弾が切れ次第、撤退に移るように通信しておけ!」
「敵主力、最終防衛ラインに到達。現在、DT・ER小隊と交戦中。」
『こちらER小隊。こっちは、もう駄目だ。基地の放棄準備はまだか!』
「こちら本部。後、一五分でいい。持ちこたえてくれ! 一五分後に、我々は、完全にこの基地を放棄する!」
『ER小隊、了解! 何とかして見せます。』
「パチモンが荷電粒子砲を掃射! 基地西南の第三砲台消滅。カノントータス…AX部隊にも被害が出ています。これにより我が基地の砲台は全門が沈黙。復旧の見込みなし。」
 誰もが、もう駄目だと思った。
 最悪の事態の前に誰もが、戦々恐々としていた。
 もはや、ここまでか・・・
 よく持った方だと思う。だが、もうこれまでだ。大切な部下をこれ以上、無駄に殺すわけには行かない。
 ディム・スロイスロットは、テーブルに置かれた物を見た。
 四角い箱。蓋は閉まっているが、中にテンキーと文字盤、そして赤いボタンがあった。
 箱の淵には、ご丁寧に黒と黄の危険を表す模様が付いている。
 箱にはこう記されている『パンドラボックス』と・・・。
 空ければ最後の希望も打ち砕く箱。

 基地の急所と言うのは、色々あるが、ここを押さえられると基地がほぼ機能しなくなるという場所は、数少ない。そのうちの一つである発電区画。
 ここには、特殊なゾイドが一体居る。発電の為だけの特化されたゾイド。
 コア出力は異常に高いのだが、戦闘に不向きなゾイドは、PA12基地の電力の80%近くをまかなっている。急造されたこの基地では、発電機の分散よりも基地の補強の方へ手を回されていた。
 無論、一番の重要区画なので基地最奥部に位置する。
 このゾイドにある刺激を与えると、出力が一時的に上昇するので、出力が足りない緊急時には、その刺激を与えるのだが、あるレベル以上の刺激を与えると暴走を開始する。
 無論、リミッターが掛けられているのだが、その5つのセーフティーのうち4つまで、すでに解除されていた。
 最後のセーフティーこそがディムの目の前にある四角い箱だった。
 解除の為のコードを入力し、赤いボタンを押すだけで、押してから15分後に、発電ゾイドの暴走の結果に生まれる膨大な熱量と衝撃が、工作班がせっせと設置している基地内各所のC4爆弾と連鎖して基地のすべてを奪い去る。

5 :絶望を満載した箱の底:2001/08/26(日) 19:44
>>4
誇りと刃と復讐と(27)

「すべてのチャンネルを開けてくれ。」
 喧騒の中でスロイスロット中佐は静かに、しかし力強い声で部下に指示を出した。
 途端に戦術指令室の皆が黙った。
基地内と基地敷地内の各所に設置された有線と短距離無線を組み合わせたチャンネルがすべて開かれた。敵に傍受される危険性もあるが、この際どうでもいい。
 最後の決断を下す。
「皆、聞いてくれ。」
 そう切り出した。机に置いた両方の拳を握り締める。
「我々は、今を持って基地を放棄する。」
 それをアドッサは、隣で愛機を失い、出撃できない己の無力をかみ締めながら聞いていた。
『脱出できる者は脱出してくれ。』
 ハイド・エミュリー曹長は、ジェノザウラーの攻撃を寸でのところで避けながら、それを聞いた。悔しかった。「くそっ」とだけ呟く。目尻に何かが溢れいた。
『できない者は投降して生き延びてくれ。』
 ミゼルフ・ミニマ少尉は、ハイドの援護をしつつ、冷静に撤退のプランを立てた。冷静に、冷静に・・・そうしないと、何かが、心の奥底に潜む何かが破裂しそうだった。
『もう闘って死ぬ必要はない。この基地は15分後に爆破する。』
 アレン・フォン少尉は、大破されたカノントータスのコクピット内で、血に塗れ、冷えいく体を投げ出したまま、ぼんやりとそれを聞いていた。死にたくない。それだけは確かだった。
『以上だ。皆、今までよくやってくれた。』
 戦場という中で皆、それぞれの思いでそれを聴いた。
 ディムは、握り締めた拳を開いて、通信を切った。
 戦術指令室を見渡す。皆、色々な表情をしていた。安堵する者、怒りに燃える者、呆然とする者。
 脱出とて、上手くいくとは限らない。
 撤退命令を下しとは言え、安全に脱出できるのは恐らく5割居るかどうかだ・・・。
 最後に、机の上の箱を見た。最後の仕事をせねばならない。
 そして最後をこの基地で迎えよう。
 自分は余りにも多くの部下を殺しすぎた。
「皆、早急に脱出を・・・。」
 言いかけた、とその時だった。
 通信回線が開いた。基地外部から通信。
 レーダー担当者は、ディムの言葉に耳を傾けていて、ちょっと間、それを見落としてた。
 レーダーに機影が映っていた。
 それは、共和国側からの部隊だった。
 外部通信を使ってのデータのやり取りで、基地のシステムが自動的に部隊名を照合する。
 共和国軍第四特別輸送中隊。
 通信機から、声が発せられた。
「それは、ちと早計と言う奴だな。」
 最後の最後で、絶望は打ち砕かれた。

 援軍だった。

6 :援軍(1):01/08/28 00:48 ID:2cFTASEM
>>5 IP表示される様になちまったねー。まぁ別にいいんだけど。

「誇りと刃と復讐と(28)」

 戦術指令所の大型のディスプレイに基地東側の映像が映る。
 近くの山の尾根の向こうにグスタフで構成された輸送部隊が、姿を現した。数は約、10機程度。小型なら2小隊は積んでるはずだ。
 黒で塗装されたそのグスタフは、ステルス仕様だと分かる。
 電波式レーダーに映らなければ、消音されている為に振動探査式レーダーにも、遮熱装甲の為に熱センサーにも引っ掛からない。
 そして、今は展開していないが、不完全ながらも試験的に光学迷彩機構も搭載されていた。
 輸送部隊には無駄に思える程、完璧なステルス。この近距離まで、レーダーに映らない訳だ。

『こちら、第四特別輸送中隊。PA12基地、応答を。』
 特別輸送部隊。共和国軍中での輸送部隊の中でも、特務任務に就くエリート中のエリートだ。弾丸が応酬しあう戦場を駆ける輸送任務などもお手の物だ。
 時として、敵陣に深く進行し、特務部隊の輸送さえする。あの天導山遺跡奇襲作戦でも途中まで奇襲部隊の輸送を手伝ったとの話もある。
 そして、アドッサに取って、聞き覚えのある声だった。
『こちらPA12基地。現在、当基地は西側にて、戦闘中。当基地は、基地放棄を決定した。来てもらってすまんが、その辺で待機して、当基地の撤退の援護を頼む。』
 返答したのは、無論、基地司令スロイスロット中佐だった。妥当な判断であり返答である。
「その命令は従えませんな。そちらに基地には、何が有ろうとも基地を死守せよとの命令が降りているはずだが?」
『現在、冗談を聞いている暇はない! 当基地に防衛の為の戦力はもうない! 現在ジェノザウラーを含む中隊クラスの敵勢力と交戦中。』
 共和国軍ゾイドの二小隊程度を投入した所で、どうにもならない事は明白だった。
 すでに、生き残っているゾイドは、DT小隊の2機とER小隊の3機だけだ。相手側は、その戦力をほぼ無傷で保有している上に、ジェノザウラーまで持っている。

7 :援軍(2):01/08/28 00:51 ID:2cFTASEM
>>6
 だが、ジェノザウラーの名を聞いても輸送部隊の方は驚きもしなかったし、ただ馬鹿にするような口調で続けた。
『は、こちらを何のための輸送部隊だと思っている? 戦力ならある。ここにな。舐められたものだ。当部隊の全戦力を投入してやる。それでいいな?』
 スロイスロット中佐はそれで折れた。
「…部隊は、ポイント1―132、最終防衛ラインに頼む。当基地は、あくまで撤退を主とするが、そちらの戦闘結果次第では、その撤退準備は取り下げよう。」
『それでいい。後、アドッサ・マークス中尉は、どこに居る?』
「アドッサ?」
 スロイスロット中佐は、驚いて隣のアドッサを見た。
 アドッサは、それを聞いて、抱いていた予想が当たっているを確信した。
「・・・ゴーン・マクウッド中尉・・・お久しぶりです。」
 アドッサの元上官であった元LQ小隊新隊長、ゴーン・マクウッド。アドッサを鍛え上げたうちの一人であった。
「おいおい、何年前の階級だ、アドッサ。今じゃ、立派な少佐どのだよ、俺は。」
「どうして、輸送部隊なんかに・・・?」
「歳だよ、俺はもう歳なんだよ。2年前に腰をやちっまてな。どこがどう買われたのか、知らんが、今のポストに配属された。」
 恐らく冷静な判断が出来る事と、優れた統率力を買われての抜擢だろう。
「してだな、お前の代えのゾイドを持ってきた。」
 アドッサの目が見開いた。
「何を?」
 しかし、ゴーンはそれに答えず、少し声を低くした。
「だが、しかしだ。別にお前に乗せてやる必要はない。こちらの控えのパイロットを乗せてもいいんだ。」
 相手の意図が読めない。アドッサは押し黙って、ゴーンの次の台詞を待った。
 やがて、問いがアドッサに投げかけられた、
「だから問おう。アドッサ・マークス。お前には、まだ彼女に追いつく気力は残っているか?」
 アドッサは何だか笑えた。にやりと口の端を吊り上げると、答えた。
「・・・あるさ。俺は、最速である必要が未だにある。ここまで言わすんだ。中途半端なゾイドを持ってきたら、例え少佐であろうともぶっ飛ばす。」
『ふん、安心しろ、共和国で最高のゾイドを用意してやったぜ、レオダスター。どこに着ける?』
「三番。」
『おーけー、楽しみにしてな。』
 それで通信は切れる。
 アドッサの姿はすでに戦術指令室になかった。

8 :援軍(3):01/08/28 00:52 ID:2cFTASEM
>>7

 第四特別輸送中隊の中核、隊長機グスタフ・スペシャルステルスカスタム『ダークエッジ』。
 その第一キャリアの上に載せらた戦術指令用のスペースの中で、ゴーンは腹を抱えて笑っていた。
「楽しそうですね。」
 彼の隣に居た、眼鏡を推し戻しながらやや苦い顔で副官がそう聞く。
「当たりめーだ。ピーピー鳴いてたひよっこが、いつの間にか、いい口を叩ける様になっていやがった。これが面白くなくてどーだって言うんだよ。」
「しかし、少佐も人が悪い。あのゾイドの控えのパイロットなんか、いやしないのに。」
「ま、な。あの気難しい奴を乗りこなせる人間なんか、数えるほどだけだ。」
「そうみたいですね・・・。しかし、本当に倒せるのでしょうか、あのジェノザウラーを・・・。」
「できるさ。それは『クレイジー・アーサー』が証明済みだろ?」
「しかし・・・。」
 副官のそれを無視して、ゴーンはアドッサが乗るゾイドを運ぶグスタフの方を見て、呟く。
「LQ小隊の残りの俺達は結局、彼女の居た「最速の領域」に達する事もできなかった。だが、彼女の死後、誰も乗りこなせなかった『ルーク』を乗りこなせたお前なら、できる気がするぜ、アドッサ。」
 そして、にやりと口に端を吊り上げた。楽しくて堪らないらしい。
 おもむろに顔を上げて正面を見据えた。基地はもう目の前だ。
 腕を横に降り、全部隊に通達する。
「さぁて、諸君、こちらもボチボチ行こうか。第一、第二、攻撃部隊!」
『準備OK。いつでもどーぞ。』
 威勢のいい返事が返ってくる。
「出撃! 状況内のジェノザウラーを除く敵全勢力を撃破せよ。」
『了解。ケツに痛いのぶち込んできまっせ。』
「G7機は荷を三番格納庫へ。」
『了解。特急便でお持ちいたしますよ。』
 最大速度で走行中のグスタフのキャリアのシートが宙に舞い。中から、見たこともないゾイドが姿を現す。二足歩行型の小型ゾイド。
 全身武器だらけのゾイド――ガンスナイパーと名付けられたそれらは、次々と走行中のグスタフから飛び降りて、背中のロケットブースターを点火させると戦闘速度でグスタフを追い越して、街道一直線に基地を目指した。
 その機敏な動きは、機敏が売りの小型ゾイドとは言え、その常識を遙かに上回っていた。
 ガンスナイパー部隊は、未曾有の戦場の方へ駆けていく。

9 :ジェノ名無し−:01/08/28 19:35 ID:3N7XZJXY
>>3の続きです。板がなくなる前に完結させないと…

『闇ゾイドバトル』(14)


絶望したら負け、希望を捨てれば負けとはよく言ったものだ。
長距離から互いの射線をかいくぐりながらの撃ち合いなどと消極的な戦いを続けるヴィルに勝機は無い。
ライトセイバー唯一の射撃系兵装である二連レーザーガンは短距離用の補助兵器だ。
相手の装甲に押し付ける様な至近距離で使用するからこそ、一撃必殺の威力を出せるのである。
長距離から発射された二連レーザーガンなど、たとえ直撃させてもサイクスの装甲で充分弾けるレベルでしかない。
同じコンセプトで創られ或は改造されたサイクスとライトセイバー。
兵装も装甲も運動性、機動性に至るまですべてサイクスが勝っている。
かつてのデータ−では両パイロットの腕は互角だったが、バトル慣れしている分ヴィルが有利かもしれない。
経験を生かし格闘戦に持ち込めば勝機はある。それでも容易ではないが…
その事が分っていてもアーシャは言い出せずにいた。
希望を捨て消極的になっている、今のヴィルにはあまりに危険すぎる。
だが…今のままでは…
ついに決心したアーシャが通信機向かって口を開いた直後にそれは起こった。

10 :k:01/08/28 20:44 ID:yW3SYQcQ
援軍だ!

最後の最後で、絶望は打ち砕かれた。

くぅー、かっこいい!

11 :ジェノ名無し−:01/08/28 21:17 ID:3N7XZJXY
>>9の続き

『闇ゾイドバトル』(15)


気を抜けば絶望の支配されそうな心を押さえつけながらペダルを踏み、レバーを倒し、トリガーを引く。
サイクスのパルスレーザーを絶妙なタイミングでかわして反撃。
一発目はサイクスへ、二発目はサイクスのやや左へ。
右にある背の低い岩を嫌ったサイクスは左に跳躍する。
ヴィルの予測通りの結果。しかし、予想外の結果。
「弾いた!?」
思わず叫ぶヴィルに更なる絶望が忍び寄る。
「一か八か、ヤルか!?」
低い姿勢を保ったまま左前方の高い岩にライトセイバーを走らせ、一気の頂上まで跳躍させる。
ヴィルはこの岩からサイクスの後方の岩へ跳び、後方上から跳びかかり格闘戦に持ち込む。
つもりだった。
しかし、カルはその行動を予想済みだったのだ。
「二回も上から来るって、ワンパターンじゃないかな?」
サイクスのパルスレーザーが連射され。
踏み蹴るはずだった岩を崩されたライトセイバーが宙に舞う。
「な!?」
頭で考えるより先にヴィルの体が反応して、ブースターのスロットルを空ける。
が、しかし
ライトセイバーは何も反応せず、モニターにはBooster−Breakの文字がうかぶ。
「ブースターにくらった!!」
姿勢を整える事も出来ずに、ただ落下して行くなか。
「ブースターをヤラれたダメージと砂に叩き付けられるダメージか、フリーズするな…」
などと、妙に冷めた視点で考えている自分に気付き苦笑する。
「おい!猫科の動物がモデルなら猫科の動物らしく受身ぐらいとりやがれ!」
無茶な事を言いながら、上半身を捻らせ足だけでも下に向ける。
「左前足を着くのをきっかけに右前足で体を蹴り出し、落下の勢いを受け流すんだ」
ライトセイバーに言い聞かせるように、自分が確認するための独り言。
3。集中しているせいか、落下が妙に遅く感じる。
2。焼けた砂の一粒一粒が見えるほど、大地を凝視する。
1。左前足を一杯に伸ばしタイミングを計る。
0。左前足が砂に触れ、右前足が砂を蹴る。
そして…三度目の絶望。
柔らかく降り積もった砂に力が加わった瞬間、大地が沈んだ。
焼けた砂の熱い抱擁を受けたおかげでダメージは無い。
焼けた砂の熱い抱擁の為に身動きが取れない。
流砂。枯れた地下水脈にパウダーサンドが流れ込み、巨大な蟻地獄を創る現象。
一度でも希望を捨てた者に幸運の女神は、あまりにも酷い仕打ちをする。
「飲み込まれる!?」
焦り、もがくほど沈んでいく。
「ひゃはははは!僕が手を下すまでも無く、自滅か?貴様にはお似合いだ〜」
「カ!カルゥゥゥ!!!!」
ヴィルが衝動的にコックピットハッチを開く前にライトセイバーは砂の中に消え、ハッチは開かれる事は無かった。

12 :名無し獣:01/08/28 21:39 ID:dzB8Gtkw
バトストじゃねーじゃん(ワラ

13 :名無し獣:01/08/28 21:58 ID:Wpkemgn6
盛りage 。

14 :名無し獣:01/08/30 21:48 ID:hYpr9ny.
何か対称的だよな。
絶望は打ち砕かれた。と 三度目の絶望。

で、続きはまだか?

15 :名無し獣:01/08/30 21:52 ID:OQaErl8s
なりきりスレみたいに意見、感想は別スレにした方が良いんじゃない?
またスレッドが大き過ぎます。とか言われちゃうよ。

16 :名無し獣:01/08/30 21:53 ID:OQaErl8s
ごめんageるんだよね?

17 :切り札の在りか(1):01/09/02 01:14 ID:M0MuU0C2
>>8 2chが潰れるのが先か、俺が書き終わらすのが先か、いざ尋常に勝負!(縁起でもない事言うな、俺)
「誇りと刃と復讐と(29)」

 12機のガンスナイパーの登場は戦況に随分な変革をもたらした。
 途端に戦況は、混沌と化した。
 小型ながらもガンスナイパーは新型。その力たるや、並の小型ゾイド所を凌駕する所か、中型、大型ゾイドすら対等に渡り合ってみせた。
 敵の主力は突然の乱入者達に浮き足立つ。そして一端、前進を取り止めざる得なかった。
 最終防衛ラインを挟んで、戦闘は一旦、こう着状態に陥った。
 それを見ていた戦術指令室の面々は、驚嘆の声を上げていた。
 そして、ディムは、どっと後ろに倒れこむ様に席に座り込む。
 安堵の吐息をひとつ。
 オペレーターがそんなディムに声を掛けた。
「司令、格納庫より第四特別輸送中隊の隊長の入電です。」
「繋いでくれ。」
「では、そちらのパーソナルモニターに回します。」
 ディムの机の右端に立てられているモニターを覗き込む。
映像回線が開かれて、敬礼している相手の顔が移し出された。
『えーっと、共和国機動陸軍輸送師団所属、特別第四輸送中隊 中隊長ゴーン・マクウッド少佐、輸送任務を果たす為に、当基地での滞在を許可願います。』
 一応、ゴーンは畏まって見せたが、どう見ても形が整ってない。だが、ディムはそれについては気にしなかった。
「基地司令、ディム・デー・スロイスロット中佐だ。久しぶりだな。出向かえに行けんですまんな。」
二人は、一応、旧知だった。そんなにお互いを知っている訳ではないが、顔を覚えているぐらいの仲ではあった。
『いや、気にしてませんぜ。』
「一つ聞かせてくれないか。何で遅れた?」
『ロブ基地を出た我々は、秘密工廠へ向かって、ガンスナイパー、ええっと、あの小型の新型の事ですな、を受理しに向かったんですが、納期が遅れてまして。
 何しろ新型ですからな、量産に当たってトラブル続きだったらしいですよ。』
「だから、本部のあるロブ基地は、援軍は送ったと連絡を寄越してきたのか。」
『恐らく。こちらも納期が遅れたから、本部に到着が遅れる旨を伝えて置けと言ったはずなんですが、今現在、共和国軍の情報統制は滅茶苦茶ですからな・・・。
 しかも、色々と秘密裏に事が進んでいるみたいで、情報が規制されています。』
 そんな言い方をされれば気になるのは当然の如くで、ディムは眉根をひそめて聞き返した。
「何のだ?」
 ゴーンは、右の人差し指を上に突き立てて話を続ける。
『まず、恐らく近い将来、大規模な援軍が本国から来ます。本国では、あちこちで本土防衛用の戦力の再編成が進んでいるらしいです。
援軍の中核になるのは、恐らく今は無用の首都防衛用の親衛隊ですな。
こんだけ派手な動きが敵に気付かれないなんて思っては無いんでしょうが、一応、秘匿しているらしいですぜ。』
「なるほど、それまで戦線が持てばいいけどな。」
『それともう一つ、きな臭い話です。『プロジェクト・D』と呼ばれる計画が本国で進められているそうです。』

18 :切り札の在りか(2):01/09/02 01:19 ID:M0MuU0C2
>>9
「『プロジェクト・D』?」
 ディムは聞いた事がない名前のプロジェクトだった。
「噂話ですが、一発逆転を狙う新兵器の開発らしいです。」
「それはいい話じゃないか、どこが、きな臭いんだ?」
「プロジェクトの中心になっているのは、恐らく頭の配線が何本か確実に逝っている開発者。
プロジェクトの詳細を知る者は、関係者以外は誰一人居ませんが、やはり噂や物資の流通などに口を閉じさすのは無理です。
…そして、一撃で街を一つ粉砕できる大量無差別破壊兵器というが、我々の見解です。
大統領は、それにゴーサインを出して、予算の一部を充てたとの話です。」
「大量無差別破壊兵器…落ちる所まで落ちたな、共和国軍も、そして大統領も。」
 苦い顔をするディムに対して、ゴーンも苦笑を返して、言う。
「あのクソババァもそろそろ辞め時ですな。」
 ちなみに共和国の現大統領ルイーズ・エレナ・キャムフォードは珍しい女性の大統領である。
 温和で知られる彼女に何があったのか、ディムには想像は付かなかった。
 ただ思う。
「軍人は、誇りを忘れれば、ただの殺戮者でしかない。その軍の頂点に立つ大統領がそれでは、共和国は先が暗いな。
 それはともかく・・・で、倒せるのか、あの新型12機で、ジェノザウラーを。」
 方眉を吊り上げて問うディムに対し、ゴーンの返答はあっさりした物だった。
『無理でしょうな。あの化物は本物だ。乗り手を選ぶらしいが、逆を言えば乗り手さえ居れば、ガンスナイパーを一個中隊を投入しても互角にやり合うでしょうな。』
「何だと?」
 ディムは眉を潜めた。
「返答次第ではただでは置かんぞ」という目線を送りつけれたゴーンはそれでも涼しげだった。
『ご安心を。切れる対抗札は、まだ我々にもあります。アドッサ・マークスが。』
「しかし、いくらアドッサと言え、どんな物なのかは知らんが、慣らしも終わっていない新型を渡して、幾らの性能を引き出せるとも限らんのだぞ。」
『その点は、問題なし。奴ならあれの100%の力を引き出す筈です。彼女には及ばないとしてもね。』
 そうやってモニター越しのゴーンは口の端を吊り上げて、いたずら小僧の様に笑った。

――――
応援くださる皆さんありがとうございます。もうちょっと続きそうです・・・。
して、次回『レオの系譜』ではあのゾイドがついに登場! って、もう何が来るのか分かるだろうけど(笑。

19 :名無し獣:01/09/02 08:07 ID:o276pAcI
更新Age。『レオの系譜』、待ってますぞ!

20 :ジェノ名無し−:01/09/02 15:57 ID:0pnbugUI
>>11の続き

『闇ゾイドバトル』(16)


「ヴィル!ヴィルー!!」
流砂に飲まれ、砂に消えるヴィルを見る事しか出来ないままアーシャが絶叫する。
「キャリーのクレーンを使えば、まだ間に合う!」
キャビンコンテナから飛び出しグスタフのコックピットに向かう
狭い通路を肩をぶつけながら駆け抜け、ドアを蹴り開ける様に外に飛び出し凍りついた。
「何処に行くんだよ、せっかく助けてあげたのに…」
カルのサイクスが目の前に立っている。
「何が助けてあげたよ!一体何を勘違いしてるの!」
気丈に振舞うアーシャだが、目の前に、全高8,8mの金属の獣が自分に対して身構えていて恐怖が無い訳がない。
しかも、その獣を操るパイロットは狂っている。
これで震えるなと言う方が無茶だ。
「はは〜ん、ヴィルを助けようと言うんだね。キミは優しいな〜。キミを連れ去り、苦しめたヤツなんてほっときなよ」
「あ、あなた、頭が変なんじゃない!?彼は…」
「僕をキチ〇イ扱いするな!!」
サイクスのストライクレーザークローがグスタフの頭部、コックピットに叩き込まれ、跡形も無く粉砕する。
「ごめん、ごめん。キミのグスタフ、壊しちゃったよ」
楽しげに笑いながら言うカルに絶望的な恐怖を感じたアーシャは、今出てきたキャビンへ逃げ込む。
「おや?アーシャ。何処へ行くんだい?ああ、荷物をまとめるんだね?手伝ってあげるよ」
カルはコックピットのハッチを開け焼けた砂の上に降り立ち、ゆっくりとキャビンへ歩いていった。

21 :ジェノ名無し−:01/09/02 21:15 ID:/ybAM81U
>>20の続き

『闇ゾイドバトル』(17)


切ないほど懐かしく感じる闇の中。
ヴィルは今、自分自身がどこにいるのか理解できないまま歩いている。
人が4人並んで歩けるほど広い通路。
落書きも傷もない、真新しいスライドドアが並んでいる。
壁には、まだ不慣れな者の為に艦内見取り図が付けられ。いい年齢した迷子がお世話になっている。
「ここは…」
確かに心当たりはある。
だが、しかし
「違う、俺はバトルをして…」
「ヴィル!ここ居たのか」
不意に声をかけられ思考を中断される。
苛立ちを覚えながら声の主を見やり絶句し、同時に全てを思い出した。
『カル!貴様!!』
心を支配する憎しみに任せカルに詰め寄るが…
「よう!どうした?」
体はマヌケにも普通に挨拶をかわしている。
『なに!?』
一瞬、理解出来ない現象に対する恐怖が膨らむが、続くカルとの会話ですぐに何が起きたか理解した。
「まあ。ここで話すのも何だし食堂に行かないか?」
カルは深刻そうに、声のトーンを下げている。
「ん?まあ良いが…お前、変だぞ?」
怪訝そうにしながらも着いていくヴィルを更に急かせるカル。
「大事な話なんだ…アーシャも待ってるし来てくれよ」
『あの時の話…これは、俺の記憶?夢か?』
ヴィルの世惑いをよそに記憶の中のヴィルとカルは食堂に向かって歩いていく。


かつて、初めてここに着た時ヴィルはその広さに驚き。
「帝国で一番広いレストランでもこれほどの広さは無いだろう」と絶賛した。
しかも、ただ広いだけでは無く。戦闘時に効率よく食事を済ませるためのシステムが施されている。
そのシステムの有効性はヒルツ一派のクーデター事件の時に体験済である。
しかし今回はゆっくりと落ち着いて話ができる。
「コーヒーでいいか?」
カルが遠慮がちにコーヒーを手渡す。
ヴィルは無言でコーヒーのカップを受け取ると、口もつけずにテーブルに置きカルと先にテーブルに着いていたアーシャを見回す。
アーシャと並んで座ったカルの向かいに座り、話を待った。
「このウルトラザウルスにヴィルが来て三ヶ月になるよな?」
おずおずと話し出すカルに苛立ちながら「ああ…」とだけ答え、先を促す。
「先月だったか、ヴィルが言ってただろ?なぜ共和国を憎むのか…」
「確かに言った。…また、聞きたいのか?」
ヒルツ一派のクーデターを阻止した祝賀会の時に酔った勢いでアーシャに聞かせた。
カルは…まあ、おまけで聞かせたようなものだ。
「いや、必要ない。聞かなくとも知ってる。」
「………なに!?」
カルの言葉の端に不穏なものを感じ、ヴィルは聞き返す。
しかしカルはそれに答えず話を続ける。
「実はな…」

22 :T・I:01/09/04 02:18 ID:EmcN/v/Y
こんにちは
ここで、自分の作品を投稿させてもらっていたのですが
データーが消失してしまったため続きが書けなくなったので報告いたします。
今まで、僕の低レベルな作品を読んで頂いてありがとうございました。

23 :T・I:01/09/04 02:20 ID:EmcN/v/Y
申し訳ありません!ageてしまいました。

24 :名無し獣:01/09/04 08:57 ID:KT2.N2UQ
>>T・Iさんへ。
パート1から拾ってきてみたらどうでしょう。
続きを楽しみにしているので、
なんとか頑張ってね。

25 :名無し獣:01/09/04 19:33 ID:CtSn0F4o
>>23T・I氏
え? データ消失って? 前スレはまだありますよ。

26 :T・I:01/09/05 00:17 ID:YZ1NxfMY
>>24
応援メッセージありがとうございます!
何とか考えて見ます!もしかしたら、別にストーリを書くかもしれません・・・
>>25
自分のパソコンに書いてからここに書いていたのです。
本体の方のデータが消失してしまったのです、言葉足らずすいませんでした。

27 :名無し獣:01/09/06 06:40 ID:1cEq/QbM
『ゾイドガールズのとある日常』

※ スレ違い扱いされるんなら消えます
  スレ違いっちゃスレ違いだが。


 とある所に、中央町という町がありました。
 どこだよそれはというツッコミは無視して。その町のあるところに、でっかいカメの形をした屋敷がありました。
 そこには、美人の四姉妹が住んでいました。

 末娘のプテラスちゃんは、今をときめく小学2年生です。誘拐されそうで怖いですねー。
 青いショートカットの髪を持つ、オレンジの瞳を持つ少女です。むかーしは灰色の瞳だったそうですが、この辺りは賛否両論。誰から? というツッコミはいけませんよ。
 ちなみに彼女の悩みは、気が弱いこと。そのため、一昨年辺りまでは隣町のレドラーさんにいっつも「役立たず」と虐められていました。
 でも、近頃クラスのみんなのために遠くまで調べ物に行ったりして、汚名挽回を果しています。人気も出てきました。
 健気なプテラスちゃんは、今日も頑張ってるのです。

 三女のレイノスちゃんは、思春期まっさかりの中学生です。
 勉強、運動とオールラウンドにこなす彼女は学校の人気者。いざという時の瞬発力は驚くものがあります。
 髪の色は、昔はスカイブルーだったのですがいまは何故かエメラルドグリーン。こちらの方は避難だらけ。けど、目の色は髪の色とあってて良いと言われてはいるのですが。
 悩み多い年頃でありながら、メイドのグスタフさんを助け家庭の家事をしっかりこなすえらい娘です。
 ちなみに。中学生なのに、胸が大きい事を密かに気にしてるようです。

 二女のストームソーダーさん(長いからストームさんで行きましょう)は、少々扱い辛い『キレやすい』高校生です。
 というのも、彼女はちょっと気性が荒いんです。なんでも『OS』のせいだと当人は言いますが……パソコンでも壊したんでしょうか?
 そんなストームさんは、高校では剣道部に在籍しています。なんと宮本武蔵と同じ二刀流の使い手で、突発的に速度を上げ敵を斬りつける戦法で、大会ではいつも上位にいます。たまに三刀流になるという噂もありますが……?
 長い銀髪にオレンジの目、持ち歩いてる2本の竹刀がトレードマークです。ちなみに彼女は、姉妹の中で最も胸が大きかったりしています。
 ちなみに、ストームさんは服装を替えると雰囲気すら簡単に変わる事で有名です。特に『SSS』と呼ばれる黒い服を着た時の彼女は……。
 OSのせいかは分かりませんが、喧嘩早い事でも有名なストームさん。実は結構純情で『売れ残り』という言葉に過剰反応してしまうのです。

 そして、長女のサラマンダーさん。こちらは、学力低下とか就職難とか言われまくりの大学生です。
 瞳の色はオレンジで、髪の色は青。昔は瞳を青にしていた頃があったようですが、その頃の事を知る人はいまはいません。
 他の姉妹とちょっと違い、まるでエルフのようなキレ長の耳を持つ彼女の身長は172センチ。姉妹の中で一番です。しかし、身長に栄養がいったため胸はそれほどでもないとか。
 いつも静かに笑ってる、綺麗なお姉さん。そんな感じの人なのですが……。怒らせると、ストームさんより怖いんです。
 『売れ残り』『鈍足』『貧乳』等の言葉を言ったらはい最後。絨毯爆撃で辺りは焦土と化すとか。そうなると、彼女の背中に金色の翼のような物が見え、姉妹ですら手がつけられなくなるのです。


 そんな姉妹達の日常に、波乱が無い訳ではありません。
 さて、今日はどのような事があるのでしょうか……。

28 :名無し獣:01/09/06 06:41 ID:1cEq/QbM

 元ネタ

・中央町→共和国の本拠地 中央大陸というコト
・カメの形の屋敷→ネオタートルシップという事で。じゃあ普通の家はカタツムリ型か? いや、基地か
・むかーしは灰色の瞳だったが……→プテラスのキャノピーネタ
・一昨年辺りまでは隣町のレドラーさんに→西方大陸戦争開戦時、レドラーに勝てる訳がなかった
・クラスのみんなのために遠くまで調べ物に行ったり→レドーム仕様
・人気も出てきました→近頃よくみかけますよねぇ
・勉強、運動とオールラウンドにこなす→索敵に空中格闘どちらもOK
・いざという時の瞬発力→アフターバーナー
・中学生なのに、胸が大きい事→胸のでかさ=最高速度
・キレやすい→オーガノイドシステム搭載ですし
・二刀流の使い手→ウイングソード。トップソードを含めて三刀流
・姉妹の中で最も胸が→とりあえず姉に華を持たせるという事で
・服装を替えると→背中の昨日拡張のコト。……専用CPないけど
・『売れ残り』という言葉に過剰反応→……読んで字のごとく(涙)
・昔は瞳を青→F2のキャノピーは青
・エルフのようなキレ長の耳→そのまんま
・怒らせると、ストームさんより怖い→サラマンダーに強くあって欲しいというのは旧ファンのわがまま?
・『売れ残り』『鈍足』『貧乳』→最後のは余計かもしれませんが。……これじゃ○鶴さんだよ(汗)
・背中に金色の翼→F2の翼。F2ならストームだのレイノスだの敵ではないと思うので

29 :レオの系譜:01/09/06 20:07 ID:ctiw1PLQ
>>18 『誇りと刃と復讐と』はTOMYの企業的戦略により今回で「打ち切り」です(嘘)
 誇りと刃と復讐と(30)

 ゴーンとディムが話をしている少し前の事だ。アドッサは、とにかく第3格納庫に行く事だけを考えていた。
 戦場に戻る事だけを考えていた。

人と接触する事三回、転倒未遂、二回。緊急回避、無数。
 アドッサが第3格納庫に辿りつくまでの数字である。
 撤退命令が下った後の援軍によって基地内は少し混乱していたが、アドッサは、足早に一番早いルートで第3格納庫に向かっていた。
 基地の所々で、生々しい場面に出くわしたが、アドッサはなるべく無視をして急いだ。
そして、空爆の為か、歪んで開かなくなりかけていた最後のドアを蹴り開けると、そこは空虚を満たす第3格納庫の一番奥だった。
 格納庫の主は最早居ない。そして誰もいない。
 地肌の見える格納庫の真ん中を突っ切り、外へと向かう。
 真夜中にあっても外は3つの月の明りでそれなりに明るかった。
周りは、戦場の音で溢れていた。
 目を凝らすと、遠くからグスタフが一台やって来る。
 他のグスタフは、他の格納庫に向かっているが、その一機だけはまっすぐこちらに向かってきていた。
 あれが俺の乗る機体を積んでいる。
・・・キャリアは、グスタフが邪魔してよく見えないが、シートが掛けてある様だ。
ゴーンの言葉を思い出す。
『共和国で最高のゾイドを持ってきたぜ。』
 思いつくのはやはり共和国最強ゾイドであるゴジュラス。
 しかし、違うとアドッサは思った。彼はこうも言った。
『彼女にまだ追いつく気力は残っているか?』と。
ゴジュラスではない?
 そんな事を思っている間に、グスタフはターンをして彼の横に止まった。
 シートに阻まれたキャリアがあった。
 目が見開いた。
あの大きさとシルエットは…。アドッサは思わず駆け寄った。もしかして、あれは…!
 何故だか、目の前にあるそれが何だか分かった。
 あれは・・・お前は!!
 その時、グスタフのキャノピーを開き。中から一人ほど降りてきた。
 軍服を着込む若い女性だった。どこか知的な顔を顔をしている。
「アドッサ・マー…。」
 相手が何かを言うのを遮って、女性の肩を掴んで、揺さぶりながらアドッサは叫んだ。
「ライガーなんだな?! 『ルーク』が直ったんだな!」
 そう言うと、上を仰ぐ、シートで見えないがあのシルエットは、間違いなくライガーだ!
 そして、何故だかそれが『ルーク』である事が分かった。
「ええ、そうです。あなたのゾイドです。我が第四開発班にて、総力を挙げて、修復させてもらいました。」
「修復状況は?」
 8割直っていれば、御の字だ、とアドッサは思っていた。修復された機体が、完全に直って帰ってくることはほとんどない。
しかも今は、戦時中。ありあまりのパーツで、簡易修復ということがほとんどだった。
「修復状況?」
 女性は不敵に笑うと、胸のポケットからリモコンを取り出した。
「見ていただくのが、一番かもしれませんね。レオダスター?」
 リモコンの蓋を開けると中心にあった赤いボタンを一つ押し込んだ。
 それと同時にシートの留め金が外れ、その勇姿は現れた。
「これは…。」

30 :レオの系譜:01/09/06 20:09 ID:ctiw1PLQ
>>29
それは、アドッサの見知ったシールドライガー『ルーク』の姿ではなかった。
「シールドライガー・シリアルナンバー2088―024 愛称『ルーク』は、先日抹消されました。」
 確かにライガーだった。だが、それは…。
 シールドライガーより丸みを帯びたシルエット。四肢の付け根の放熱板。
 背中には、二本の金色の板が突き出ている。安定翼の何かだろうとアドッサは、見当を付けた。そんなことはどうでもよかった。
「今、ここにあるのは、ブレードライガー・シリアルナンバー2100―033 愛称『ルーク』。」
 何にしろ美しかった。色は『ルーク』のパーソナルカラーである灰色だったが、心なしか、前より黒に近い気がした。
そうレオマスターの乗るDCS-Jの色と…。
「こ…これは…全面改修をしたのか…。いや、最早新型なのか?」
「そうです。我々は、ブレードライガーと呼んでいます。貴方の傷ついたライガーは、ロブ基地に運ばれたときは、すでに処置なしでした。
いえ、一つだけ方法がありました。我々は、実験的でしたが、オーガノイドシステムを組み込んでみることにしたんです。
その処置は見事に功を為し、蘇りました。
後は、先行型のブレードライガーの装甲と武装を流用し、貴方のライガーを蘇らせたわけです。
だから、修復状況なんて、聞くまでもないですね。パーフェクトです。」
 すらすらと説明してみせて、にこりと笑うその女性だったが、ふと気付くとすでにアドッサの姿はなかった。
 アドッサはすでにキャリアの上によじ登っていた。
見上げた。語りかける。
「ルーク。行くぞ、戦場に。俺達は、彼女との約束を守ろう。」
 ルークは、サスペンド(待機状態に)されているのにも関わらず、小さく嘶いた。

31 :最終回:01/09/06 20:21 ID:ctiw1PLQ
 アドッサの戦いはまだまだ始まったばかりだ。

                   (完)

 嘘、嘘。
 いやはや、漫画版の打ち切り決定で、実は本当に書くの止め様かなと思った。
 トミーと小学館には呆れて物が言えんので。
 まぁ、俺の物語はゾイドの購買意欲などは掻き立てないと思うけど(笑

 NEXT→『始動の時』

 いや、「打ち切り」は嘘ですんで・・・嘘なんだってば!
 たとえパソコン中のデータがdでも書きますよ。

32 :ジェノ名無し−:01/09/06 21:29
早速ネタにしてますな。<打ち切り
皆さんパソコンで書いてからコピーしてるんですか?
私は直書きです。

33 :ジェノ名無し−:01/09/06 23:10
>>21の続き

『闇ゾイドバトル』(18)


『聞くな!!』
ヴィルは力の限りに叫んだ。
これは記憶なのだ。
思い出なのだ。
夢なのだ。
いくら叫んだ所で聞こえるはずも無い。
「仕官学校を出て配属された部隊は補給線維持を目的とした部隊だった」
「それで?」
もう、カルの話が何なのか察しはついている。
しかし、聞かずには居られない。
「補給線を維持するためには、修理施設の確保が重要だ。」
「ふむ、当然だな…」
「そして、我々が狙ったのは、帝国の士官学校だった」
「ほう?」
さも、意外そうな反応。
予想通りの展開にもかかわらず…
「そして…その士官学校の戦力をおびき出す為に、近くに在った小さな村を襲ったんだ…」
ヴィルはこれと言った反応をせず、続きを待つ。
しかし、カルとアーシャはヴィルの反応を待っていた。
そして、気まずい沈黙の時間が過ぎてゆく。
その沈黙に耐え切れなくなった、と言う訳では無いが。
沈黙を破ったのはヴィル、正確にはヴィルが席を立つ音だった。
「ヴィル!」
ヴィルが怒って席を立ったと誤解したカルが慌てて呼び止める。
「本当にすまない…」
ヴィルにとっては意外なカルの台詞。
おかげで意味を理解するのに時間がかかってしまった。
その時間経過をカル達がどう取ったのか、神妙にヴィルの言葉を待っている。
『もう、止めてくれ…』
ヴィルの願いも虚しく、思い出は正確に再生されていく。
「戦争だった。姉さんと俺は兵士だった。別にどうって事じゃ無い。当然、あって然るべき事だ」

34 :名無し獣:01/09/06 23:25
>>32
何となく絶対やりたいネタだったもんで。
ちなみにワードで書いてます。
エピソードごとに分けて、自分の好きな所から書いてます。
実は原形は4月ぐらいには出来てたりする。
だから更新速度が滅茶苦茶なんですな。
ちなみに今後の場合だと
30『レオの系譜』(書き終え)
31『始動の時』(書きかけ)
32『 』(書きかけ)
33『 』(書きかけ)
34『 』(書き終え)
35『 』(書きかけ)
36『 』(書きかけ)
37『 』(書き終え)
38『 』(書き終え)
39『 』(書き終え)
40(完)『 』(書き終え)

となっております。あくまで予定なので、エピソードが増えたり減ったりする事はあり。現に34と35は三日前に追加した。
しかし、あらためてまとめてみると、あまりの多さにびっくり。1600字詰原稿40枚は行ってるし・・・。

35 :『始動の時』:01/09/07 22:59
>>30 さてはて冗談はさて置き、これからはマジで行きます。
刃と誇りと復讐と(31)

 コンソロールは、ほとんどシールドライガーと代わるところはなかった。ディスプレイ、操縦桿も少々マイナーチェンジしていたが、基本的な部分に変わりないようだった。
 この機体は複座になっていたが、基本的に操作をするには、前の操縦席でなんら問題はないようである。
 キーを差込み、回す。
 各種の警告ランプがその作動が正常に働いている事を知らせる為に次々に赤く灯って消えていく。
 コクピット電装系を叩き起こされた。
 ゾイドの電装系統を支える電源は、言わずもがなゾイドコアである。
 しかし、電装系統は二種類ある。
 一つは、生体電装系。これは、ゾイドの神経と血管に当たり、常時電源と接続されている。
 まぁ、ゾイドは生命体であるから「されている」という言い方は少しおかしいかもしれない。
 もう一つが、コクピット周りの電装系統だ、これは主にFCSとゾイドの操縦と通信、感知機の情報を処理するコンピュータと各部コンディションセンサーが主な構成だ。
 ディスプレイが振動音を発し、黒い画面に文字を走らせていく。
 戦闘用ゾイドのOSである「コンバットシステム」が立ち上がったのだ。
 アドッサは『ルーク』の各部に設置してあるコンディションセンサーのデータを呼び出して、目を走らせる。
 すべて、正常値。一切の過負荷(ストレス)なし。
 ゾイドコア出力も安定してる。
「ん?」
 そこで、アドッサは気付いた。
「最大出力が、前の2倍もあるのか?」
 元々、大型ゾイドのシールドライガーは高出力機であった。その上で『ルーク』は特殊な事情で、更にコア出力が高かった。
 だが、この蘇った『ルーク』は更に上だというのだ。しかも2倍。
 アドッサは、これがただの改修機でも新型機でもない事を感じ取った。
 ゾイドコアの出力など、早々いじれる物ではない。コアを扱うと言う事は、人間で言えば、心臓を扱うのと同じ困難さと危険性を伴う事になる。
 だからこそ、コアの出力と見合わせた武装に四苦八苦させられるのが、技術者達の目下の悩みの種だったはずだ。
「そうです。『オーガノイドシステム』はコア出力を強化するシステムなんです。」
 ふと気付くと、先ほどの女性がコクピット内に入り、後部座席に滑り込んできた。
「おいおい、降りてくれ。譲ちゃん」
「譲ちゃんは止めて下さい。メイア・アルクエル技術少尉です。」
「いや、どーでもいいんだが、何しに来た?」
「言われなくとも説明が済んだら降ります。私だって、命は惜し…え、ちょっと!」
 アドッサは無言でキャノピーを閉めるレバーを降ろして、ロックを掛けた。
「シートベルトを締めな。悠長にしてる暇はない。説明はおいおい聞こう。」
アドッサは各戦闘準備プロセスを適当に済ますと、『ルーク』の物理的拘束を解き放つ。
『ルーク』は、少し身振りし体を解して、一つ嘶いた。
操縦幹を握り、システムを「待機モード」から「巡航モード」に切り替えた。
 『ルーク』に指示を飛ばして、グスタフのキャリアから降り立った。
「さて、行くか。」
「え、ちょっと。ちょっとぉぉぉ! あー待ってください、今、締めますから、締めますからぁ!」
 聞く耳持たずで、やる気全開のアドッサに対して、メイアは慌てて、ハーネス(固定具)を締めて、ヘルメットを被る。
「嬢ちゃん。一つだけ忠告がある。」
「メイア・アルクエル技術少尉です。」
 自己紹介をしたにも関わらず二度も嬢ちゃんと言われたのが、少々かんに障ったらしく不機嫌な口調で言葉を返すメイアだったが、
アドッサは気にする事もなく操縦桿を動かしながら、前を見据えた。
「んじゃ、アルクエル少尉。」
「何でしょうか。」
「吐くなよ。」
 アドッサはその瞬間、操縦桿をめいっぱい押し込んだ。
 新たに生まれ変わった愛機ブレードライガー『ルーク』は低く吠えると、その命令に素直に従い最大の脚力を持って、疾走を開始した。
 すぐに『ルーク』は疾風と化す。
 そのスピードに懐かしさと共に心地よく身を委ねながら、アドッサは戦闘区域に急ぐ。
 後ろの方で、かわいらしい悲鳴が上がっていたが、とりあえず無視を決め込むことにした。

NEXT→『刃の役割』

36 :ジェノ名無し−:01/09/08 21:21
>>33の続き

『闇ゾイドバトル』(19)


三人の運命はこの時から狂い始めたのだろう。
この後、その場を立ち去ったヴィルは知らないがアーシャは言った。
いや、言ってしまった。
カルに聞かしてそまったのだ。
「彼に感情を教えたい…」
当時はその言葉を発した本人すら理解してはいなかったが、
時が経つにつれ明確な形をとってカルに突き刺さる事になる。

数日が過ぎ、数週間が経つにつれヴィルの周りには例の二人…カルとアーシャが付きまとう様になっていた。
初めは鬱陶しく思い追い払っていたヴィルも、すでに諦めて放置している。
いや、むしろ姿が見えないと無意識に二人を探している自分を意識し始めていた。
そんなある日、事件は起こった…
事の発端が何だったのか、記憶は無い。
しかし、ハッキリと覚えている事もあった。
「そんな事だからキルマシーンなんて呼ばれるのよ!」
アーシャが泣きながら叫んだ台詞…
キルマシーン。
どんな残忍な事も任務とあらば表情一つ変える事なくこなし、効率よく共和国兵士を殺すため執拗にコクピットを狙う
そんな彼に対しての畏怖と侮蔑をこめて帝国の同胞たちが付けたヴィルの二つ名。
この時まで気にも留めなかった…
だが、この時は。この時だけは違った。
アーシャが感情を表す事の無い自分を変えようとしているのは知っている。
この自分を殺人機械から人間に戻そうとしている事を…
そんな彼女の口から出た『キルマシーン』と言う名前はヴィルの心に突き刺さり、
『悲しみ』或は『寂しさ』と言う感情を引き出した。
それは彼女には、アーシャには理解して欲しいと言う気持ちが有ったからなのかも知れない。
そう、アーシャの思惑通りに彼は感情を取り戻しつつあったのだ…
が、しかし。それは同時に姉の記憶を、そのときの想いを、憎しみと言う感情を思い出させる事になったのだ。
彼女等共和国兵士に対する憎悪を…

カルが何かを叫んでいる。
『そうか…』
アーシャが泣いている。二人を止めようとしている。
『ああ…そうだった…』
ライトセイバーのキラーサーベルがシールドライガーに突き刺さっている。
『先に狂ったのは俺の方だ…』
静かに降る銀色の雨が二体の機獣と、それを取り囲む軍警察を包み込んでいる。
『憎しみに身を委ね、過ちを犯したのは…』
慌しく動き回る衛生兵がシールドライガーからカルを救助している。
『報復の為に愛と友情を捨て、裏切ったのは…』
両手を広げたアーシャが生身のまま、軍警察のガンスナイパーの前に立ち塞がっている。
『俺だったんだ!!!!』

37 :ジェノ名無し−:01/09/09 14:38
>>36の続き

『闇ゾイドバトル』(20)


「!?」
唐突に闇に包まれた。
いや、唐突に夢から覚め、火が落ち闇に包まれたコックピットの中に居る。
「ちっ、嫌な夢を…」
と、突然ヴィルは大声で笑い出した。
「苛立ちも。今、可笑しく感じる事もアイツ等のおかげなんだな」
狂った運命の歯車を元に戻そう。
原因はすべて自分の不理解から来ている。
あの時、アーシャが何故泣いたのか。カルが何故あれほど怒り狂ったのか。
自分が何故、軍を後にしたのか。アーシャは何故、自分に着いてきた。
そして、カルは何故自分を殺そうと追って来たのか。
かつて、姉に抱き。失い。今、アーシャに対して抱くこの感情。
全てはこの感情のためだったのだ。
「カルとは、よく話し合わないとな」
楽観的なほどに笑うヴィルの表情には、かつてのキルマシーンの顔は無かった。

軽量化の為に脱出用射出シートまで外し、普通のバケットシートを装備したライトセイバーにも
30kgもあるサバイバルキットが載っている。
アーシャが万が一の為にと載せたものだ。
アーシャとの口論の末、ヴィルが根負けして不承不承載せたものだったが。
今の頼りは、このサバイバルキットと胸ポケットに収まる携帯通信端末だけだ。
と言うのも、ライトセイバーのダメージが意外と大きかったのだ。
もともと運動性と機動性の為に防御力を捨てた機体だっただけに、この高さからの落下ダメージは大きかった。
上を見上げると、遥か遠くに光が点の様に見える。
ライトセイバーが落ちるぐらいなのだから、あの光点の大きさは15.6m以上という事だろう。
少なく見積もっても150mから200m。
下が砂地だと言っても、大抵のゾイドは再起不能なダメージを受ける高さだ。
命があっただけでも、良しとしなければ…
そう思い直し、ライトセイバーに別れを告げて辺りを探索しはじめる。
通信機でアーシャと連絡を取る。というのも考えたが、アーシャから呼びかけが無い以上、
向うで何が起こっているか分らない。
不用意に通信をしてカルに傍受されると、逆上したカルが何をするか予想出来ない。
それに、気になる事もあった。
流砂の原因となった、この空洞だ。
落ちてきた砂が積もったり、あちこちに苔が生えているが確かに人の手が加わった後がある。
その空洞の壁面の古さから言って、古代ゾイド人の遺跡だろうか。
街が出来る理由にもなった遺跡からは離れているのだが、もしかするとこの遺跡はかなり大規模な要塞だったのかも知れない。
だとすれば、飛行ゾイドの一体でも残っている可能性もある。
もし見つかれば簡単にここから脱出出来ると言う事だ。
ヴィルは早速マグライトを取り出し、流れる地下水脈に足首まで浸かりながら奥へと進んでいった。

38 :ニホンちゃんみたいな感じで行きたかったが……:01/09/10 02:24
・ゾイドガールズの日常 その2

『ゴドスは何処へ消えた?』


 ここは中央町にある小学校の、2年生のとあるクラスです。
「先生、ちょっと良いですか?」
 放課後、プテラスちゃんはゴルドス先生に話しかけました。
 このゴルドス先生。一昨年辺りは『売れ残り』とバカにされて、一人泣いてたのですが。
 何故か去年の十二月頃に、ものすごくモテてモテて困ってしまったというエピソードがあります。
 今もモテモテ状態は続いてるのですが、あまり町では見かけないという噂があります。ホントもったいねぇ。
「どうしたの?」
 温厚で根が優しいゴルドス先生は、微笑んでプテラスちゃんに言います。
「あの……。近頃、ゴドスさんを見ないんですけど……。何か、あったんですか?」
 ゴドスちゃんとプテラスちゃんは、小さい頃から仲良しでした。
 だから、近頃登校すらして来ないゴドスちゃんの事を、プテラスちゃんは心配していました。
「うーん……。まあ、ね。ゴドスちゃん、ちょっと具合が悪いのが長く続いてるのよ……」
 その先生の表情に“大人の事情”を感じ取ったプテラスちゃん。
「そう……ですか」
 自分が子供である事を恨めしく思い、すごすごと席へ引き上げます。
 そしてレドーム型のランドセルを背負い。
「ガンスナちゃん、一緒に帰ろう」
 お隣のガンスナイパーちゃんに声をかけました。
 このガンスナちゃんは一時期、赤い服を着て物凄い人気があったのですが。もうその服は着ないようです。
 ちなみに、もうすぐ妹が生まれると少し不安げです。
「ん、いいよ」
 ちなみガンスナちゃんにも『OS』と呼ばれる何かがあるらしいのですが、ストームさんとは違い一般人っぽい性格です。
「ところでさ。一緒にゴドスちゃんの家に行ってみない?」
 そうプテラスちゃんが言った時、ガンスナちゃんの足が止まります。
「どうしたの?」
 ガンスナちゃんの様子は、あきらかに変でした。
「ごめん……。あの娘、家出してるんだ。多分、私のせい……」
「え……?」
「私がね、その……。あの子のセンスを『時代遅れ』とか言ったの。
 それだけじゃなくって、この間の体力測定で、あの子と自分を比較して酷い事言ったから……」
 純真なプテラスちゃんにとって。友達の間にそんな事があったなんて、少しショックでした。
「後で、ゴドスん家いったんだけど……。そうしたら、恐そうなお父さんが物凄い勢いで私に色々聞いてきたの。
 で、分かったの。ゴドス、家出したって……」
「…………」
「私のせい……なのよ」
 そう言うと、ガンスナちゃんは泣き出してしまいました。
「泣かないでよ」
 ガンスナちゃんの頭を撫でるプテラスちゃん。
「いなくなったら、探せばいいよ」
「馬鹿言わないでよ! そう簡単にみつかる訳無いじゃないの」
「ううん……。
 前にね、ストームお姉ちゃんもいなくなった事があるの。
 その時にね、誰かがこんな事を言ってくれたの。『意外な所、寂れた所に家出娘はいる傾向が強い』って」
「意外な所……寂れた所?」
「うん。サラお姉ちゃんの昔の知り合いも、そこにいたんだ。ストームお姉ちゃんも」
「……でも、いなかったらどうするのよ」
「その時はその時。ね、一緒に探しに行こう!」
 そう言うと、プテラスちゃんはガンスナちゃんの腕を引っ張り、走っていきました。

39 :名無し獣:01/09/10 02:24
・ゾイドガールズの日常 その3


『鉄龍騎兵団』

 ここは中央町にある高校です。濃そうな人々がいっぱいそろってます。
「シュナイダーいるかー?」
 一年生の教室。そう言ったのは、銀の長髪のストームさんでした。
「あの娘なら、コンビニ行ったままですよ」
 そう言ったのは、白い服装がお洒落なライガーゼロさんでした。
 彼女には、シュナイダー、イェーガー、パンツァーと個性的な三人の姉妹がいました。
「ちっ……、次の大会には絶対出ろ! って、言いに来たのに」
 シュナイダーさんは一応剣道部所属なのですが。もう一つ他に『閃光』という謎の多い倶楽部をメインにしてるため、あまり出ていないのです。
 副部長であるストームさんは、入部早々部長のブレードさんと良い勝負だった彼女を高く評価してるのですが……。
「近頃見かけねえしなぁ……。お前達は一体何やってんだ」
 と、ジト目でゼロさんを見るストームさん。それを見てゼロさんはくすくすと、
「秘密です」
 と笑いました。何やら可愛げですが、そんな彼女に引っ掻かれた男は数知れず。
「まあ、それは良い。オレはあんたにも用事があったんだ……」
「私に、ですか?」
「ああ」
 こほんと咳払いを一つし、真剣な目になるストームさん。
「近頃、隣町で『鉄龍騎兵団』とかいう奴等がハバを聞かせてるらしい」
「鉄龍……ですか?」
「ああ。ブレードが戦ったとかいうジェノザウラーも、その鉄龍騎兵団とかいう奴等の『竜鬼』という奴にやられたらしい。
 ってか、隣町は奴等が現われたお影で混乱してるらしいぜ。しかも洒落になんねえ事に、奴等の中には無茶苦茶な数のガキ共がいるらしい」
「……。影狐」
 と、彼女が呟いた時。
「ここに」
「うぉっ!?」
 ストームさんの横に、いきなり金髪黒服の少女が現われました。
「『鉄龍騎兵団』の事、調べられる?」
「御意」
 と言ったその時。
「う〜……ゼロちゃぁ〜ん」
 青い服の少女が駈け寄ってきます。
「私の事忘れないでよぉ〜。酷いよぉ、近頃影狐さんばっかり相手にしてぇ。私の方が索敵には向いてるのにぃ〜」
 と、しくしく泣いてます。
「ご、ごめんACさん! ただ、その、よく目にはするけど影狐さんに比べると影が薄いってゆーかその……」
「フォローになってねえぞ、それ」
「う〜……」
 そんなやりとりをしてる間に。影狐さんは一人、さっさと行ってしまいましたとさ。
「私とゼロちゃんはふる〜いお付き合いなのにぃ〜」
「メソメソ鬱陶しいぞコラ」
 泣いてるのが気にいらないのか、ACさんの頭をぐりぐりとやるストームさん。
「い、痛い痛いいたぁぃ!」
「てめぇはカスタマイズパーツがある分マシだろうがゴルァ!」
 どういう訳か、ストームさんによるACさんへの八つ当たりが始まりましたとさ。

40 :ツッコミキボンしてみる……:01/09/10 02:25
今回の元ネタ

・一昨年辺りは『売れ残り』とバカにされて…→本気でごろごろ余ってた時期が懐かしいです。
・何故か去年の十二月頃に…→何故か再版。以降みかけず。なのにサラカーゴなんて出すなよ……
・一時期、赤い服を着て物凄い人気が→例の赤ガンスナのこと
・もうすぐ妹が生まれる→ガンスナMk-2
・ストームさんとは違い一般人っぽい性格→OS出力低め
・多分、私のせい→あくまで主観です
・『時代遅れ』→……(苦笑)。 例のビデオでもゴドスでなくガンスナ部隊だし。
・体力測定で、あの子と自分を比較して→スペック。……蹴りはどっちが強い?
・恐そうなお父さん→ゴジュラスさん
・意外な所、寂れた所に家出娘はいる傾向が強い→さんな玩具屋にいるってのは旧ゾイドに言える事でしたが、近頃のもそうですな。
・『閃光』という謎の多い倶楽部→……上手いネタが思い付かなかっただけです。スンマセン。
・ブレードさんと良い勝負→VSレオン・トロスが元ネタと思ってください。7ブレードアタックはまだ。
・奴等の中には無茶苦茶な数のガキ共→近頃ガキの犯罪が増えてるって事と、無可動軍団……。少し無理があるか。
・影狐→忍法七変化(広告より)
・私の事忘れないでよぉ〜→一応閃光師団所属なのに、影狐に比べて陰薄い気がするのは私だけ?
・カスタマイズパーツがある分マシ→SSS用エンジンだったのかしら? 昔開発してたというのは……

41 :名無し獣:01/09/10 11:44
軽めの話もいいやね〜(´ー`)ノ

42 :名無し獣:01/09/10 13:13
>>41
上のゾイドガールズの奴?
……軽めというよか濃いな。
嫌いじゃないが。

43 :ジェノ名無し−:01/09/10 13:23
>>37の続き

『闇ゾイドバトル』(21)


ヴィルは、しばらく探索を続けある事に気がついた。
ここは盗掘の跡がない。つまり、まだ未発見領域である可能性が高い。
なにせ、あちこちに新品のパーツがゴロゴロしているのだ。
ヴィルはそれらを目にする度に「おお!AZ80oガトリングだ!」などと叫びながら駆け寄り
一喜一憂している。
もちろんパーツ以外の物もある。
それは、見たことも無い様なゾイド達だった。
おそらく、古代ゾイド人がゾイド因子を操り創り出した物だろう。
強化され格闘能力を持ったヘルキャットや異様の大きいモルガなど種類も様々だ。
しかし。共通して言える事は、どれもここからの脱出には使えないという事だった。
「なんで飛行ゾイドの一つも無いんだ?」
これほど大量のゾイドやパーツが有るにもかかわらず、飛行関係のパーツは一つも無い。
「ここは陸戦ゾイドの格納庫か何かで、飛行ゾイドは別の所か?」
それにしては、変な所もある。
どのゾイドも一機づつしか無いのだ。
「仕方ねえな、読めるかどうか分らんが…」
ヴィルは近くに有ったサーベルタイガーらしきゾイドの作業台に近づき、
乱雑に散らばる書類の中から、見取り図の様な都合の良い物が無いか探し出した。

「これは?」
ヴィルが書類をあさり出して10分。
『最高速度:測定不能』『0−100加速:測定不能』
と言う文字が目に止まり、素っ頓狂な声をあげた。
さらに、難解な古代ゾイド人の文字を読み進めていく。
「こんな事なら、士官学校の授業を真面目に受けとくんだった…」
そう、ボヤキながらも理解出来る文を抽出し、文の全体を推測していく。
「パイロット。テスト中。…の為、死亡…。…コードによる封印?」
「分らん単語があるな…衝撃?いや、重力?何かの造語か?」
自分の愛機だったライトセイバーと同じタイガー系のゾイドという事も有るのだろう。
ヴィルは、そのゾイドが妙に気になっていた。
純白の身体のタイガー。
両肩、両腿に可動式のブースターが付き、背中にも大型のブースターが装備されている。
キラーファングとストライククローは黄金色に輝き、首の付け根には30oクラスのガトリング。
顎と頬に放熱板の様な小型フィンが付いている。
「何か、ブレードライガーみたいだな…」
一目見た感想はそうだった。
しかしヴィルは、そのゾイドに強く惹かれる自分を意識し始めていた。

44 :名無し獣:01/09/10 14:14
両肩両腿に可動式のブースター!?
ライジャーでもデスキャットでも無いんか!?

45 :ジェノ名無し−:01/09/11 12:43
>>44
はうう!ゴメンなさい(汗
その予定だったけど、資料が無くて…
ブレードライガーとサーベルタイガーで作ったオリジナルです(勿体無い事をしてる)

46 :名無し獣:01/09/12 18:39
『誇りと刃と復讐と』はしばらく休載します。
あんなすごいノンフィクション見た後にフィクションなんか書けない。
書くものすべてが馬鹿らしく見える。

47 :ジェノ名無し−:01/09/12 22:38
>>43の続き

『闇ゾイドバトル』(22)


コックピットに乗り込んだヴィルは途方に暮れていた。
コンソールのレイアウトはセイバータイガーとほぼ同じだったので、すぐ起動方法は分った。
ゾイドコアからコックピットブロックに通じるメイン動力をオンにする。
更に、サブ動力を入れて、その後に各システムのスイッチを入れてゆく。
低いハム音と共にメイン及びサブディスプレイに火が入り、外の景色を映し出す。
サブディスプレイの官制ウインドウに各部のチェック項目が並び次々に正常を示しだした。
後はコマンドシステムによって強制的に眠らされている頭を叩き起こすだけなのだが…
プラスチックのカバーを開き、起動スイッチを押す…
が、モニターに訳の分らない単語が表れるだけで起動しない。
「どうなってんだ?」
思わずつぶやいてみても答える者など居るわけが無く、途方に暮れるだけだった。
「アヤシイとすればコレだよな…」
まあ、確かにあやしい装置だった。
コンソールのキーボードの真ん中に何かのプラグの様な物が突き立っていた。
長さは12cmぐらい、所々くびれや膨らみのある円筒形で先はマイクの様に網状になっている。
「…分らん、他のゾイドを探すか」
なかなか凄そうなゾイドだったが、ここから脱出する方が先決。
後ろ髪を引かれる思いをしながらも、コックピットを降りようとした時だった。
胸ポケットに入れている携帯通信端末から発信音が鳴り響く。
ヴィルは一度浮かした腰を再びシートに沈め、落ち着いた動作で端末をとりだした。
「アーシャか?俺は無事だ。そっちの状況はどうなっている?」
誰からの通信か確認する必要は無い。この端末のIDを知るのはアーシャしか居ないのだから。
とにかく現状を確認しなければ始まらない。
現状を聞き。対策、対応を考え。迅速に行動する。
マニュアル通りだが、それだけに最善の行動のハズだった。
しかし、アーシャからの返答が無い。
「アーシャ、どうした?…おい!聞こえるか!?」
マニュアル通りの最善の行動のハズなのだ。
返答に困るハズは無い。
なぜ答えないのか?ヴィルの中で不安が膨らんでいく。
「アーシャ!!」
たまらず、不安をかき消す様に叫ぶヴィル。
しかし、
「残念だったねぇ…俺だよ」
不安は現実のモノとなってヴィルを襲う。
狂った運命の歯車は軋みを上げながらも止まる事は無かったのだ…

48 :ジェノ名無し−:01/09/13 23:51
>>47の続き

『闇ゾイドバトル』(23)


「何故、俺の端末IDが分った?」
ヴィルは当然の疑問を口にした。
彼の携帯通信端末のIDを知る者はアーシャしか居ない。
カルが彼の端末に通信を送る事など出来るはずが無いのだ。
なのに、何故カルは通信をよこしている?
答えは至極簡単だった。
「分ん無いかなぁ…アーシャの端末から送信しているんだよ」
予想は確信に変わる。
「アーシャはそこに居るのか?」
現状を聞き。対策、対応を考え。迅速に行動する。
マニュアル通りだが、それだけに最善の行動。
あまりにも冷静に、それをこなして行くヴィル。
「んん〜?声が聞きたいのかぁ?ま、コレが最後だろうし、聞かせてやるよぉ」
いや、冷静では無い。冷静なフリをしているだけだ。
その証拠に、端末を持たない左手は爪が白くなるほど握り締められている。
カルの狂気じみた声を聞き。また、声が聞ける意味から導き出される予想に耐えているのだ。
はやる気持ちを、カルへの怒りを、そして無音の時を耐え続ける。
無音の古代遺跡に通信端末の微かなノイズが木霊している。
無音?ノイズ?
いや違う。
「・・・ん・・・んん!・・・・」
確かに聞こえる。アーシャのくくもった声。
「き、貴様!何をしている!?」
冷静に、カルを刺激しない様に。
アーシャに危険が及ばない様に。
そうやって耐えていたモノが弾け飛ぶ。
「まあ、そう怒鳴るなよ」
「貴様!!・・・」
かろうじて端末を握り潰すのだけは耐えたが、代わりに左手の爪は皮膚に食い込んでいる。

49 :ジェノ名無し−:01/09/13 23:52
>>48の続き

『闇ゾイドバトル』(24)


「残念だよ…アーシャが大人しく着いて来れば、こんなマネをしなくて良かったのに…」
「何だと!?」
端末が耐えかねた様にミシミシと悲鳴を上げている。
「お前のせいだ!ヴィルが悪いんだ!!アーシャを誑かしやがって!!!」
端末の向うから聞こえるカルの声とアーシャのくくもった悲鳴。
そして、何かが割れる音。
「な、なんだよ…何でそんな目で見るんだよ!」
何か様子がおかしい。誰に言っているのか?
ヴィルに向けた言葉じゃない。という事は…「お、おい!!」
落ち着かせなければ!
ヴィルがそう考え、呼びかけろと同時に聞こえた。
「そんな目で見るなぁぁぁぁ!!!!」
という、カルの叫び…
そして、パン、パンと言う軽い破裂音。
「カル!?おい、カル!?アーシャ!?」
必死に呼びかけるが聞こえてくるのは、今度こそノイズだけだ。
「ゥおおおぉおぉぉおおぉ!!!!」
意味不明の叫びを上げ、端末を握り潰し床に投げ捨てる。
端末の破片が手に刺さり、血が出ているのも構わずコンソールを打ち叩き暴れ、また叫ぶ。
「どうしたタイガー動け!!動いてくれ!!!!」
めちゃくちゃにキーを叩き。レバーを叩きつける様に動かし、手から流れ出た血が飛び散った。
その、血の一滴がプラグの網状の部分に付着した…かと思うとプラグはコンソールの中に沈んで行く。
「何故だ!何故動かん!!」
しかし、ヴィルはその変化に気付かぬまま叫び、暴れている。
「報復だ!これは報復だぞ!!」
カルとの友情の為に。アーシャの愛の為に。
誰に?
そんな事はどうでもいい。『自分に、過去の自分と自分が犯した過ちに』で充分だ。
「タイガーなら報復の為に力を貸せ!!」
そう、報復は…
「愛と友情の為に!!!!」
「GAWoooooooNnn!!!!」
今、猛虎が咆哮を上げる。

50 :名無し獣:01/09/14 01:28
>∇<)イイ!

51 :名無し獣:01/09/14 01:31
>>50
イイとおもうならageて皆に見てもらわなきゃ

52 :名無し獣:01/09/14 19:08
ならageる

53 :名無し獣:01/09/14 19:47
タイガーの鳴き声を何とかして欲しい。

54 :名無し獣:01/09/14 19:54
闇ゾイドバトル
いいシーンで一気に氷点下に下げたなー。
「報復は愛と友情の為に」って、笑いしかこみ上げない俺だけか?

55 :名無し獣:01/09/14 20:32
いや、まだ分からんぞ?
闇ゾイドバトル 書いてるヤツ伏線張りまくってるからな。

56 :名無し獣:01/09/14 20:34
>>54
笑うシーンかもね?
意図的にやってる?

57 :名無し獣:01/09/14 21:01
ほかのはどうよ?

58 :ジェノ名無し−:01/09/14 21:05
意見をありがとうございます。
いいシーンなんて言ってくれる人がいるなんて感激ですよ、笑わせてしまった様ですが。
良ければ、また意見下さい。
参考にして出来る限り良い物にして行きたいですから。

59 :名無し獣:01/09/14 22:58
>>57>>58
非難して荒らしてるだけだろ?気付けよ

60 :名無し獣:01/09/15 00:29
sageてるので、別に荒らしではないと思われ。
ただの感想だろ。

俺の意見を言わせて貰うなら、
だんだんと盛り上がっていっている最中に、あの台詞。
作者は、あの台詞が言わせたかったのだろうが、唐突に沸いてでたような、ピースの噛みあってないパズルの様に無理がある。
あの台詞を吐かせる前振りをしようとしているけど、
「タイガーなら報復に手を貸せ。」などという理屈がどこから出てくるのか、意味不明。
タイガーに何らかの「報復」の意味を、前以てでっち上げとくなりして、持たしておくべきだったと思う。

何にしろ、台詞を言わせたいが為に、すべてをぶち壊しにしたね。
まぁ、今後、頑張ってください。

61 :『刃の役割』:01/09/17 19:58
>>35 さて、気持ちの片付けも終わったので、いっちょ行ってみますか。
「誇りと刃と復讐と(32)」

 『ルーク』は風を切りて、全速力で大地を駆け抜ける。。
 戦場の先端にはすぐに到着した。
 ガンスナイパー部隊が突入したのは戦場の右翼。アドッサが単機で突入しようとしているのは、戦場の左翼だった。
 だから、味方の援護はない。後方の基地中核の入り口付近にガンスナイパーが3機と弾丸補給中のER小隊の生き残りが居るだけだ。
 敵部隊の主力のほとんどは、右翼方面で、ガンスナイパー9機と交戦中。
 敵の残りは、大体二小隊強程度、数にして大型6、中型5、小型10と言った所だ。
 遊撃をしているジェノザウラーと随伴のセイバーは、双方とも手薄の左翼から、基地内に進入を試みようとしている。
 この戦いの鍵を握っているのは、ジェノザウラー一機。
 これを迅速に退けなければ、PA12基地は、終わる。
 できるか、できないかの問題はない。いかな手段を用いても、やらなくてならない。
 だから戦場内に深入りし、ジェノザウラーと交戦するには、このルートが一番速かった。
 敵機接近の警告音。
 ヘルキャットが三匹、行く手を阻む、いや阻もうとしていた。
 左翼の守りは、この『ルーク』一機のみ。急ぎたいのは山々だったが、見逃すわけにはいかなかった。
「邪魔だ。」
 まずは、新生『ルーク』の小手調べ・・・。
 操縦桿を握る手が汗で滲む。
――そう言えば、こいつの武装について、何も聞いてない。
 それに気付いた時には、すでに『ルーク』は走る速度を変える事無く、三機に向かって突っ込んだ。
「ええぃ、どうとでもなれぇぇぇ!」
 白兵戦で片す、と決める。
 まず、正面の一体はEシールド全開で近付き、ストライクレザークローで叩き伏せた。
 そのまま、頭部を踏み潰す。嫌な音を立てて、あっさり潰れた。
 右に散開しようとしていた2体目は、一体目を叩き居伏せたまま、腹部のニ連AZショックカノンで遠距離撃破。
 左に散開した3体目は背中のビーム砲で攻撃をかまして来るが、その砲撃を、前に跳んで避ける。
 着地と同時に『ルーク』は駒の如く方向転換、体を縮めて、跳躍。
 側面より一気に間合いを詰めて、レーザーサーベルで首筋を噛み付いた。
 その首を噛み砕いて、その場に放り投げた。
 放られた三体目のヘルキャットは、体を数回痙攣さえて、事切れたのかパタリと動かなくなった。
 それで、とてもあっけなく戦闘は終わった。

62 :『刃の役割』:01/09/17 20:00
>>61
 正に圧倒的だった。大型1機に対し、小型3機という戦闘ではあったが、それは異様であった。
 いつものアドッサなら、もっと時間が掛かっている筈だった。
 アドッサは、三機目のヘルキャットを見下ろして、言い様のない違和感に襲われていた。
 違和感と言うのは、おかしいかも知れない、こんなにスムーズに事が進むのだから。
 いや、だからこその違和感だった。パイロットとしての経験が、事実を疑っている。
 アドッサと『ルーク』とは、相性はいいと言え、『ルーク』はブレードライガーになって、その性能を格段に上昇させている。
 アドッサと新生『ルーク』の初陣が、今の戦闘だったのだ。
 装備について何も知らない筈なのに、もっと、戸惑っていい筈だった。
 だが、何故だか思いのままに、『ルーク』の力を引き出せている。
 今の戦闘だって、昔の『ルーク』の性能とアドッサの腕では、無理があった。
 だが、「それが出来る。」と何故だか、確信できていた。
 把握できている情報と行動に脈絡がない。
 ――ハイになって、判断能力が低下しているのか?――
 それは危険な事だ。
 アドッサは落ち着こうと試みようとしていた。
 だが、その前に気配を感じた。空かさず、コクピットに警告音が鳴り響いた。
 アドッサは思考の海から急速に浮上して、周りを見やると、セイバータイガーATが近付いていた。
 セイバータイガー…それはその昔、共和国を脅かした高速戦闘大型ゾイド、サーベルタイガーの後継機。
 名前を違えど、外観はほとんど変わらない。だが、内部が改修されている為にスペックは比較にならない。
 同じ共和国の高速戦闘用大型ゾイドのシールドライガーとは好敵手関係にある。
 火力のセイバータイガーに対し、防御力のシールドライガー。
 アドッサの目の前に居るセイバーは、火力と瞬発力を強化した強襲タイプにカスタマイズされている。
 随伴ゾイドはいない。恐らく先ほどのヘルキャットがそうだったのであろう。
 セイバーは一旦、停止すると、『ルーク』の間合いの外から、にじり寄る様に間合いを詰めて来る。
 さて、どうしよう。
 考えるよりも前に体が動いた。
 信じられない事にすでに答えが出ていた。
 アドッサは、前を見つめると、静かに、『ルーク』に指示を出した。
 『それ』が装備されている事を、アドッサは知らなかった筈だった。
 だが、何故だか、『それ』があるのが分かり、『それ』の出番なのだと理解した。
 『それ』とは、両脇の腹側部に装備されていた、アドッサが安定翼と勘違いしていた物。
 ブレードライガーが、『刃』の名を冠する由縁。

 白兵戦用主力兵器 レーザーブレード

 そして、『ルーク』はそれを静かに展開した。
 切っ先が地面と平行になるように両脇に延びる。
 システムに火が入り、刀身が金色(こんじき)に輝き始めた。
 アドッサは、静かに、何故だか、とても落ち着いた気持ちで操縦桿を握り直した。

 敵がそこに居る。刃の役割は一つしかない。

                          NEXT→『獣王の力』

63 :名無し獣:01/09/17 21:59
復活、感激age!

64 :名無し獣:01/09/17 23:09
確かに、感激。

65 :ガイザック戦記:01/09/18 22:00
まともに考えれば正に絶望的とも言える戦力比であったが
そのガイザックはセイバータイガーに戦闘を仕掛けたのだった
ある時は地中に潜りまたある時は地上を疾駆しセイバータイガーをからかうように
砂漠の戦場を巧みに利用して距離を稼ぎながらガイザックは移動する
得意の接近戦に持ち込む事ができないセイバータイガー
「くそう!なんでガイザックごときに追いつけないんだ?こいつはセイバータイガーだぞ!」
セイバータイガーのパイロットが絶叫する
だが、叫んだところで距離は縮まらない
砂漠というバトルフィールドではガイザックの方が遥かに速く移動可能なのだ
軽量に加え多足は体重を分散させる事が可能で砂漠でも自在に移動できるガイザック
対するセイバータイガーはこの砂漠では重すぎるのだ、砂に足を取られ
本来ならば高機動を生み出す強力な後ろ足のパワーも砂を掘るだけで役に立たない

機動力の封じられたセイバータイガーに的確にロングレンジガンで攻撃を重ねるガイザック
セイバータイガーは逆上し、やけくそ気味に反撃を行うがまともに当たる事はない

不意にガイザックが砂に潜ったまま沈黙した
「?」異様な沈黙がセイバータイガーを包む
5分ほどたったであろうか遠く離れたセイバータイガーの射程外にガイザックが姿を現した
もはやセイバータイガーに興味が無いかのように遠くへ去っていくガイザック
「見逃してくれたのか?」不思議がるセイバータイガーのパイロット
機体のチェックをし、セイバータイガーを歩かそうとした時、彼はその理由を理解した・・
セイバータイガーが動くたびに機体が砂に潜っていくではないか!
流砂である。あのガイザックはこれを狙っていたのだ
パイロットの悲鳴をBGMにして足掻けば足掻くほど砂に沈んでいくセイバータイガー
ついにはセイバータイガーは砂の中に没し静寂が訪れた・・・

66 :名無し獣:01/09/19 09:43
>>65
唐突に現れて驚いたが、なかなか面白かったです。
これからも期待してます

67 :名無し獣:01/09/19 14:51
>>65 短編!?
一回読みきりというのもなかなか良いですな。

68 :名無し獣:01/09/19 17:22
>67
良いですな。

69 :『獣王の力』:01/09/20 01:18
>>33 俺も久しぶりに短いのを書きたいと思いつつ・・・。
「誇りと刃と復讐と(33)」

 セイバーは加速をつけて、全火砲を展開させ、集中砲火を浴びせながら軽いステップで、左右に機体を振りつつ、接近を試みていた。
 対する『ルーク』はその場に留まり、Eシールドを張って、まったくの動きを見せてはいない。
 相手の為すがままである。とは言え、まったくのノーダメージだが。
 恐らく疑問を持ちつつも、セイバーは更にビームやミサイルを打ち込みつつ、接近していく。いかなEシールドとて、負荷が貯まれば使えなくなる筈だった。
 しかし、弾丸やミサイルが引き起こした粉塵が舞い散り、視界が悪くなり、セイバーの操縦者は『ルーク』を見失った。
 見失った一瞬の合間に、セイバーは危険を感じ、バックステップをかまして、その場から離れ、後ろ足が着地する・・・。
その瞬間だった。
 粉塵を裂くかのように何かの影が突き抜けた。
飛び出したのは、今の今まで動く事のなかった『ルーク』。
その瞬発力は、セイバーなど比較にならなかった。
セイバーは着地したての不安定な状態で、逃げる事適わず・・・その身をレーザーブレードに晒す結果となり、胴体が泣き分かれとなり、爆炎の中に消えていった。
『ルーク』は、立ち止まる事も振り返る事もなく、そのまま何事も無かった様に戦場を駆け抜ける。

70 :『獣王の力』:01/09/20 01:20
>>69
 メイア・アルクエル技術少尉は、あまりの展開に少々、付いて行けずに後部座席で、ただ黙って事を見守っていた。
 ただ感嘆していた。
「そろそろ、何か説明とやらをしてくれ。譲ちゃん。」
 アドッサは、前を見たまま声をかける。
「だから・・・まぁいいです。譲ちゃんで。それよりもすごいですね。レーザーブレードの使い方が分かっているなんて。」
「? まぁ・・・な。それよりも、レーザーブレードか。」
「えぇ、レーザーブレードです。レーザー加工した特殊鋼に超高熱加熱装置と高周波振動装置を備え付けて、すべてを切り刻む接近戦最強のブレードです。並み以上の装甲でも真っ二つです。」
 基本的に、説明とか自慢とかするのが好きなのが開発者と言うものらしい。この状況下にあっても彼女は、上機嫌で答えた。
「まぁ、いいけどな。というか、飛び道具は?」
「ええ、と。基本的に二つです。FCSも新型ですから、適当に撃っても当たりますよ。」
 メイアは、後部座席のパネルを操作して、各部の武装を表示していく。
「・・・AZニ連装ショックカノンとブレード一体式のレーザーパルス砲、ブレード使用中は、使えませんと・・・。貧弱だな。」
「えぇ、ですから、強力な盾と剣がこの機体のコンセプトですから、他は飾りだと思っていただければ結構です。」
「・・・まったくクレイジーな機体だ。」
「確かにクレイジーですよ。一応、オーガノイドシステムに制限を仕掛けた量産型と同等の機体なんですけど、ね。
 しかし、ルークの元よりのポテンシャルのお陰で、
 能力自体は、試験型、あのクレイジー・アーサー少佐の乗るブレードライガーと同等の能力を有していると我々は結論付けていたのですが・・・。」
 ただし、誰も乗りこなせなかった。気性の荒さだけを言うなら、クレイジーアーサーの乗るブレード以上だったのだ。
 主人と認めた者しか決して言う事を聞かない『ルーク』らしい事だとアドッサは思った、
 そして、気になった事があった。この『ルーク』に備え付けれた耳にした事のないシステムについて、だ。
 素直に口にしてみる。
「オーガノイドシステムって一体、何なんだ?」
 答えは簡素な物だった。
「ええと端的に説明するとウィルスです。」
「ウィルス?」
「実体を持ったコンピューターウイルスと考えて貰いて結構です。まぁウィルスとは言わずに専門用語で言うなら『ベクター』って奴です。」
 つらつらと説明するメイアだったが、アドッサには何の事だかさっぱりだった。
 と、その時、小さな警告音が鳴った。危険度が一番低い警告だ。
 基地からのレーダーに何かが引っ掛かって、その情報が暗号回線を通じて『ルーク』に届けられた物だった。
 それを見て、アドッサは苦い顔をした。
「ヤバイな。」
 それは、新たなレドラーの接近を示す物だった。敵も援軍を呼んだのだ。

             NEXT→『嵐と剣を携えし空の騎士』

71 :戦記:01/09/20 06:10
>70
65書いた犯人っす。いつも楽しく読ませていただいております
今回一つだけ気になったのでメイア・アルクエル技術少尉に対しSFマニアとして言わせてください(笑)
あの〜高周波振動ブレードというものは高周波振動によって触れる対象分子を原子レベルまで
分解しているものです。単分子構造以外のすべての分子構造物に有効です
これが為、切れ味抜群なのですが弊害としてブレードそのものも原子核運動が加速されて
しまい結果として超高熱になってしまいます
ですから高周波振動ブレードの使用時間はブレードが自分が発生させた熱に耐えられる
間だけです。結果、長時間連続使用はできません
きっと戦闘中に加熱しすぎたときはブレードのスイッチを切って「早く冷えてくれ〜!」
とパイロットが祈るのでしょうね
おまけですが高周波振動ブレードの素材は単分子構造の金属で無いと耐えられないと
言われています。これの加工は確かにレーザー加工が必要です

72 :-:01/09/20 07:54
モロ、無修正画像サイト発見!

http://www.sex-jp.net/dh/01/
http://www.sex-jp.net/dh/02/
http://www.sex-jp.net/dh/03/
http://www.sex-jp.net/dh/04/

73 :名無し獣:01/09/20 18:23
>>71
あはは、ついにというか、ボロが出ましたな。まぁ、探せばいくらでも出てくるんですが・・・。
何となく、全部くっ付けると強そうだな、と思ったので、
高周波振動ブレードについての知識があまり無かったのが、運のつきでしたな。
昔から、あのゾイドの金属細胞をぶった切る程の刃となると、高周波振動か、超高熱の二つしかないと思っていたので、
いいや、二つとも付けちゃえみたいな、感じで付けました。ちなみに元ネタは漫画の「スプリガン」です。
その程度ぐらいの知識しか、当方にはないもんで・・・。
ちなみにアニメ版、バトスト版共に、展開時に刃が光っているので、発熱している事は分かっていたのですが、ね。
レーザーという単語が何処から来るのか、というと、やはりレーザー加工から来た物だろうなと推測して、書きました。
他に、レーザーブレードの仕組みを説明できる理論が無いもんかな。

参考にして完璧版には書き直しておきます。
ご指摘どうもありがとうございます。

脳内考察補完も楽でないです。
オーガノイドシステムの仕組みも脳内補完してるんですけど、誰か見ます?

74 :戦記:01/09/20 20:07
レーザー又はレザーは切断とか切り刻むとかの意味です
初期のレーザー光線発射装置では実験対象を手に持って光線の前を横切らせていました
対象をすっぱりと切断したのでレーザービーム(切断光線)と名付けられました
いつしかこの原理の光線そのものをレーザーと呼ぶようになったのです

似たような名前の付き方のおまけです
戦車をタンク(水槽)と呼ぶのは第一次世界大戦の時にイギリス軍が
新兵器をドイツ軍にわからない様にするため輸送の書類に「水槽」何個って
書いたのがきっかけです。
受け取った先では「そうか、これが噂の新兵器かぁ・・タンクとは変なネーミングだなぁ」
とか言われたんでしょうが書類上「タンク」だから皆この新兵器をタンクと呼ぶようになったのです

75 :名無し獣:01/09/20 20:35
おいおい、何だその珍説は。
『Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅 )』
の頭文字を取って
『LASER(レーザー)』
だろ。

76 :名無し獣:01/09/20 20:39
>75 あ、説得力ある(藁

77 :名無し獣:01/09/20 21:55
>>76
説得力とか言われても、本当の事だし・・・。
英和辞書でも引っ張り出して見てくださいな。
載ってるから。
後、ネットサーフィンでもしてレーザー関係のサイトを探してみてください。
ちなみに似たようなもんで、「メーザー」とかあるけど、これは
『Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation』
の頭文字を取った物です。
知っていても役に立ちそうにもないけど、知っていたほうが、少しお得かな?
というか、ここは何のスレだよ(藁

78 :名無し獣:01/09/20 22:06
バトストにメーザー殺獣光線砲を出そうというスレです。

79 :名無し獣:01/09/20 22:52
パラボラ付のゾイドは見てみたいと思われ。

80 :名無し獣:01/09/20 23:21
ゴドスの尻尾に付いてるパラボラがメーザー発射装置です(藁

81 :名無し獣:01/09/20 23:32
>80
ゴドスのほうが撃たれるデザインだよな

82 :名無し獣:01/09/20 23:33
メーザーって電子レンジだっけ?

83 :名無し獣:01/09/20 23:58
おまえらゾイドの搭載兵器に関しては気にしないほうがいいぞ
コマンドウルフの背中に二連装ビーム砲座を搭載できるほどの
粒子砲小型化のブレイクスルーを果たしておきながら
旧式の荷電粒子砲が超兵器扱いの矛盾した世界なんだからな
「なんとなく凄い武器」でいいじゃねえか!

84 :名無し獣:01/09/21 00:05
確かに、マグネーザーだって、一体、何がどうすごいのか、よく分からんしな。
かっちょええけど。

85 :『嵐と剣を携えし空の騎士』:01/09/21 01:00
>>70 まぁ考察は考察スレでって事で、と思ったら、考察スレはすでにDat落ち・・・。
『誇りと刃と復讐と(34)』

地上で何があろうとも、雲の上には広がる星空だが、すでに東の空は赤みを帯びている。
その空の元、その会話はあった。
『何だよ。いやに静かじゃねーか。緊張してんのか?』
『誰がだ、バーカ。』
『はは、でも懐かしいんじゃね―のか。』
『はっ、もうちょっとゆっくりしたかったんだけどな。俺様の有能な腕がそれを許さんらしいんだよ。まぁ、野戦病院に、ろくな看護婦もいなかったしな。』
『へいへい、俺の帰る場所は、あの硝煙に満ちた戦場しかない、って奴か?』
『はん、何の映画だ、それは。』
『懐かしのPA12もそろそろだな。』
『てめぇらが居なければ、亜音速なんつー、たるい速度で飛びはしないし、俺らが一番最初に到着してたんだがな。』
『へいへい。でも納期が遅れたのは俺らのせーじゃねーだろ。』
『共和国の無能開発陣を、どーにかして欲しいもんだ。』
『まぁ、な。お前の無能さ加減よりもマシかもよ?』
『戦場のど真ん中に落とすぞ、この野郎。』
『それは洒落にならんから、やめい。お、見えて来た…な。うわ、やっぱ始めてやがった。』
『なーに、主役は遅れて到着するもんよ。おあつらえ向きに、レーダーに敵機を確認した。レドラーだな。相手にとって、不足なーし。おい、お前ら、落とすぞ。』
『優しくしてね。』
『・・・ポチっとな。』
『・・・あ、てめぇ。急に接続を離すな、おい、心の準備が、あ、あぁぁ。』
 フェイドアウトしていく声に、もう一つの声は、ふっと息を吐く。
『さて、無駄に重い物は、ほっぽり出したし、身軽になった所でボチボチ行こうか。…レオダスター、死んではいないよな?』
 その問いに答えるものは居ない。

86 :『嵐と剣を携えし空の騎士』:01/09/21 01:03
>>85
「空! 20機ほど11時の方向より接近。相手の高度は現在、10000m。 3分後に戦場に突入してきます!」
 暗号通信での基地とのリンクが確立しているので、ブレードライガーは、
 簡単に基地のレーダー、その実、グスタフ・レドームカスタムとによって得られるデータを貰う事ができる。
 空も朱を帯びて、明るくなってきている、光学望遠とデジタル拡大で、敵機の確認を急ぐ。
「爆撃仕様のブラックレドラー。相手も援軍の到着か! やっかいな。くそ、基地の対空砲は?」
「えーっと先ほどのジェノザウラーの攻撃を持って全滅してますね。」
 暗号回線で基地のデータを更新しながら、メイアは答える。
「・・・。流石にパルスレーザー砲では埒が開かん。何か有効策は?」
 レドラーは空中での機動力は抜群だ。しかも装甲が厚い。小口径のパルスレーザーで相手をしていては時間がない。
「砲撃戦を想定したAZ(アンチゾイド)ハイデンシティビームキャノンが…。」
「どこにある!」
「現在、開発部が専用の追加武装として開発しているとか。」
「今なきゃ、意味ねーだろうが。」
「ブレードライガーを開発するだけでもかなりの突貫作業だったんですよ。オーガノイドシステムの解析にどのくらいかかったと思ってるんですか!」
「的を射ない回答ならするな。くそ、埒が開かねぇ。ちくしょう。奴の荷電粒子砲の次の発射可能までの予想時間は?」
「後、一分二一秒です。」
 基地から、データを引っ張りだしつつ、メイアは情報の収集に追われていた。
 彼女はブレードライガーの開発者の一人であり、彼女はそのシステムについての開発を担当していた。
 流石にシステムエンジニア、パネルを自由自在に動かし、的確に情報を呼び出していく様は、正規のオペレーターに匹敵するほどの物だ。
 ちょうどその時、短い警告音と共にモニターが鋭く赤く点滅する。ウィンドウが開いて「リア(後方)」の映像を流す。
「警告音? 未確認の機体が5機、2時の方向より接近だと? 新手か。」
 その速度はマッハ0.8程度。中型クラスだと思われる飛行ゾイド。
 機体名が照合されて、機体のデータがモニター映し出される。
 閉鎖式コクピット。フォルムはどう見ても帝国製の物だった。
 非常にまずい。ただでさえ、こっちは制空権を抑えられているというに・・・。
 しかもブレードライガーには、シールドライガーには積んであったミサイルを積んでいないために対空戦闘能力は0に近い。
 その上で挟み撃ちと来るとは。
 ――いや、あれは何だ?
 データではなく、後方カメラが映し出すモニターを見やると、それは何かを抱えていた。
 それは、ガンスナイパーだった。
 一機に二機のガンスナイパーを増加パーツで固定している。
 よく見ると、データとは違い、尻尾が異様に長いと思ったら、それはプロペラントタンクだった。
 その正体不明のゾイドは戦場に突入前にガンスナイパーを切り離した。
 ガンスナイパーは、パラシュートを展開させ、基地の後方に落ちていく。
 そのゾイドはガンスナイパーを固定していた増加パーツや、プロペラントタンクもすべて剥ぎ取って、三基のジェットブースターを噴かすと加速を開始した。

87 :『嵐と剣を携えし空の騎士』:01/09/21 01:08
>>86
「やっと到着みたいですね。」
 メイアは実に落ち着いていた。
「何? どういう事だ、譲ちゃん?」
 疑問を素直にアドッサはぶつけた。
「援軍ですよ。ストームソーダー。」
 それは、もとより帝国の次期開発候補の一つ機体だった。
「剣を携えし空の騎士。」
 だが、しかし共和国軍の無駄といって過言ではない程、優秀な情報部は、
 ジェノザウラーの量産化に向けて多忙を極めていた為に凍結されていたその開発情報を盗みだし、自国の開発部に渡した。
「共和国が開発した最強の次期主力制空戦闘ゾイド。」
 故にそれは半分は嘘であるが、オーガノイドシステムを無理やり組み込んで、今の形にしたのは間違いなく『無能』と前線の兵士にレッテルの貼られていた共和国軍兵器開発部である。
 しかし、敵の情報を盗んで形にするだけの開発部なので、無能である事には違いないのだが、無能が無能なりに頑張った結果がこうだったらしい。
 無能としては良くやったと褒めてやってあげて欲しい。
 例え、過去に名作機と呼ばれたカノントータスにビーム砲を積んで「これで、火力と携帯弾数がアップしました。」と本気で言ってのける無能集団だとしても。
 (地べたを這うカノントータスがビーム砲で遠距離砲撃ができるか、阿呆。)
 この一件で軍上層部は、開発部を更に縮小して、情報部に更に金を回したほうがいいのではないかという意見が出ているとか、いないとか。
 ・・・いや出ているのだ、実際に。そんなプライドも意地もない意見が出るほど、切羽の詰まっているだ、共和国軍の兵器開発は。
 まぁ、それはさて置き。
「は?」
 アドッサは、状況を噛み砕いて、ようやく理解した。

88 :『嵐と剣を携えし空の騎士』:01/09/21 01:12
>>87
 やがて、それは凄まじい速度で戦場に突入してきた。速過ぎて、いまいち視認が難しかったが、アドッサにはその形状の輪郭は何となく捉えた。
モニターにも表示されているが、それは翼竜の形をした銀色のゾイドだった。主翼部にレーザーブレードを装備している。
 そのまま、一直線にレドラー小隊に突っ込んでいく。まずは先陣を切っていたストームソーダーが、散開に一瞬遅れたレドラーに襲い掛かり、そのままレーザーブレードで、レドラーをぶった切った。
 続く四機は、散開したレドラーを各個撃破していく。数の上では、圧倒的にストームソーダー側の不利にも関わらず、その速度、旋回能力で次々にレドラーを落として行く。
「共和国は制空能力が劣っている」と侮っていた為に徹底的な空爆仕様のされたレドラーは、元々持っていた空中戦闘能力を出せず、次々に散っていく。
「よくまぁ、こんな基地の為に新型を続々と・・・。」
「ストームソーダーは、制空権を取り戻す為に作られたゾイドです。この基地は、あのストームソーダーとプテラス爆装型の補給基地として決定されたんです。前線に近いということは、敵の懐に深く進攻できますから。」
「は?」
「敵の補給戦を叩く為ですよ。それと敵爆撃機への早期迎撃です。
 軍は、敵側の物資不足を徹底的に加速させ、本土からの援軍を迎えて、体制が整うまでの時間稼ぎをしたいんです。
 そのための補給基地がほしいんです。とは言え、新しく作るには資金が足りないので・・・。」
「今ある基地を大事にしようってわけか・・・。」
 警戒態勢は守ったまま、どこか呆然と事を見送るアドッサの元に通信回線が開く。ストームソーダ―からだ。
『よー、アドッサ。今日も元気に生き恥さらしてるかー?』
 聞きなれた声だった。
「ミール・オーン少尉!」
 負傷中だったはずの同輩の名を呼ぶ。
「今じゃ、中尉さ。覚えときな、大尉殿! 空は任せろ、お前はあのパチモンを止めろ!」
 それだけ言うと、通信が一方的に切断される。
「あ?」
「あー言い忘れてました。昇進辞令出てますよ。」
「敗走する軍は、昇進が速いのが通説さ。ふん、ミールの野郎、粋な事をしやがって。」
 にやりと笑みを浮かべると、アドッサは上唇を一つ舐めて、前を見据えた。
 遠くに奴が見えた。倒すべき敵が。
「それじゃ、こっちも気合入れますか。行くぜ。駆け抜けろ! ルーク。」
 アドッサは、操縦桿を押し込むと、ルークは一つ嘶き、加速を開始した。
 空は、ミールに任しておけばいい。
 自分には、自分しか出来ないことがある。
 だから、戦場を駆け、奴の元にたどり着く必要がある。

                        NEXT→『殺戮竜の覚醒』

89 :『殺戮竜の覚醒』:01/09/21 21:05
>>88 佳境突入。
『誇りと刃と復讐と(35)』

 テストパイロットの役目は、普通のパイロットと異なり、敵を多く撃破する事が目的ではない。
敵の攻撃、自らの無茶な行動による破損などから機体を出来うる限り守り、得たデータを安全に持ち帰ることだ。

 帝国は、未だに完全なジェノザウラーの量産に踏み切れて居なかった。
最初に製造した3機のプロトタイプの内の一つは、帝国軍の次期主力陸戦ゾイドのトライアルをクリアした後、すでに実戦で活躍している。
しかし、実際に戦場にて戦果を上げているのは、その1機だけだった。
そして、その1機も共和国が送り込んだ最強の兵士によって、小破しているとの事だ。
 ジェノザウラー先行量産型 量産化テストタイプ4。
 それがアドッサ達の相手をしているジェノザウラーだった。
 外見も中身もそれほど変わった点はないが、オーガノイドシステムのコア干渉率を調整する機能が追加されている。
機体のポテンシャルを下げる事を引き換えに凶暴性を押さえ、操作性の向上を図ることを主眼としたジェノザウラー。
オーガノイドシステムリミッターの機能が働いている為に、機体の機動性は多少落ち込み、主装備である集束荷電粒子砲の出力が多少落ち込んでいる。
何より、次弾発射までの充電時間が大幅に増加していた。
しかし、その性能はやはりジェノザウラー。並みのゾイドなど一個中隊でも一機で相手できる程の性能を持っていた。
操縦していたテストパイロットは、やはりその道のプロだったが、ハイドとミゼルフの付かず離れずの足止め作戦に少々、苛ついていた。
ジェノザウラーの破壊衝動も押さえているとは言え、多少は影響下にある。
その上で、中隊長がジェノザウラーを便利な道具扱いしており、あっち行け、こっち行って、と振り回されているのだ。
先ほども右翼から突入しろなどと言っておきながら、ちょっと危なくなったからと自分達の居る左翼に帰って来い、である。
そして、そこにストームソーダ―の登場である。
苛立ちが沸点に達してしまった。
テストパイロットの立場をかなぐり捨てて、うるさい蝿どもを叩き落とすと決めて、オーガノイドシステムの干渉率を調節するダイヤルの安全カバーを外す。
少々、干渉率を上げて、コア出力を上げてやろうと思った。
と、その時だった。
警告音。
ガンスナイパーの小型ミサイルが一発飛来してくる。
そんな物は、ジェノザウラーの装甲では蚊ほどの威力もない。
故に無視。しかしそれが仇となった。
確かに装甲には、かすり傷がついただけ。
だが次の瞬間、オーガノイドシステムを調整していたリミッタ―がぶっ飛んだ。
調整中という不安定な状態での衝撃が、リミッタ―を壊したのだ。
変化は迅速。
オーガノイドシステムは呪縛を失った瞬間に、爆発的にジェノザウラーのシステムを飲みこみ、すべてを変えていく。

コア出力異常上昇。各部過負荷上昇。電装系電圧上昇。緊急放電開始。
警告。警告。警告。

各種の警告ランプが操縦席を真っ赤に染めていく。
そして時を待たずしてコアが発する憎悪、狂気、破壊衝動が一気に、事の成り行きを理解できていないテストパイロットに雪崩込んできた。
彼にそれを止める手立てはなかった。耐えられず、
・・・ついにそれに飲み込まれた。

そして今、戒めを失った殺戮の名を冠する最悪の魔獣が解き放たれる。

90 :『殺戮竜の覚醒』:01/09/21 21:12
              NEXT→『戦慄の咆哮』

あぁ、忘れてた。
って、さして重要でもないけどね。
ほぼ書き終えているので、上手くいけば、今後は一日更新でいける筈。
後しばらくのお付き合いー。

91 :単発SS「デュエル」1:01/09/21 23:24
「デュエル」

 決闘なんざ、やる奴は馬鹿だ、勝っても負けても"負け"だ

 そう言ったウォードは決闘で死に、俺は俺の決闘の舞台へと向かっている。
 磁気センサーに小さな反応があった。
 距離5000メートル。質量20トン以上。
 小型ゾイドだ。おそらく、いや間違いなく共和国軍機械獣「ゴドス」だろう。
 俺のヘルキャット"千里眼"には、探知用の複合センサーシステムが増設されてい
る。感度は通常の小型ゾイドの3倍以上。これをヘルキャットのステルス機能と組
み合わせれば、敵に気づかれず背後から忍び寄り、のど笛をかっきることができる。
だが、俺は、敵影を探知すると同時に、自慢のステルスシステムをオフにした。放
熱器から大量の熱が吹き出し、コクピット内の熱が下がった。距離1000まで近づけ
ば、奴の安物センサーもヘルキャットの放つ赤外線に気がつくだろう。
 森を抜け、平野が広がる。
 一機の共和国製ゾイドが俺を待っていた。胸の装甲板の傷に見覚えがあった。俺
がビーム砲で吹き飛ばした跡だ。間違いなく奴のゴドスだった。
「アレクサンドロ・プレッツ……、中尉だったね?」
 戦術無線から奴の声が飛び込んできた。
「今のところは"中尉"さ。もっとも明日には、軍法会議で階級を剥奪されるか、そ
れとも今日中に2階級特進するかだろうけどな」
 緊張を隠すためジョークを飛ばしたが、奴にも応じる余裕はなかったようだ。
「私は誇りある共和国軍人としてここに来た。私は無実だ。民間人を殺したりはし
ない」
 機械を通して無機質な声が響いた。

92 :単発SS「デュエル」2:01/09/21 23:25
 ひと月前のことだった。
 俺の指揮する帝国機動陸軍ヘルキャット偵察小隊は、共和国軍の動向を探るため、
オリンピア村へと足を忍ばせた。
 そこで俺は見たのだ。奴のゴドスが民間人をレーザーで焼き殺すのを。あとでわ
かったことだが、被害者のひとりは4ヶ月の妊婦だった。
 俺は帝国軍・共和国軍双方に、その戦争犯罪を告発した。戦時中といえども、民
間人の虐殺は最も忌み嫌われる大罪だ。公正で知られる共和国ヘリック大統領は、
俺の告発に応じ、奴を正式な査問会にかけた。が、奴は民間人虐殺を否定し、問題
を解決するため、伝統のある古くさい手段を選んだ。決闘(デュエル)である。
「私は民間人を殺したりしていない。いや殺したのは事実だが、奴らは民間人でな
い。民間人を装ったゲリラだった。村からの差し入れと称して、プラスチック爆弾
を私の部下たちに渡したのだ。貴官の情報部に問い合わせるのだな。協力者リスト
に彼らの名前があるだろう」
 奴は無線を通してそう言った。
 一介の中尉にすぎない俺が、情報部の機密書類を見られるわけがない。情報部も
公表しようとはしないだろう。俺には奴を有罪にする証拠がなく、奴も自分の無罪
を立証できなかった。すべては闇の中というわけだ。
 だからこそ、決闘なのである。どちらが正しいのか、お互いの死をもって証明す
るのだ。
「決闘なんざ゛やる奴は馬鹿だ。勝っても負けても"負け"だ」
 再び、ウォードの言葉がよみがえった。
 俺がこの決闘に勝った場合、軍法会議が待っている。部隊を勝手に抜け出し、帝
国の財産たる戦闘用ゾイドを危険にさらすような馬鹿者は、良くて階級剥奪、悪く
て銃殺、駐屯地の便所を掃除できるならまだマシなほうだろう。
 そして負けた場合は、神に事件の真相を直接聞くチャンスが巡ってくる。
 勝っても負けても、負け、というわけだ。

93 :単発SS「デュエル」3:01/09/21 23:27
 ゴドスの小型荷電粒子砲が、ヘル"千里眼"キャットをにらんだ。
「さあ、そろそろ始めようか、プレッツ中尉」
 勝負はすぐについた。
 奴のゴドスは、格闘能力と砲撃能力を両立させたバランスのいい名機である。一
方俺のヘルキャットは、隠密行動を主としており、純粋な戦闘能力ではゴドスに劣
る。戦力でみると、俺のほうが不利だ。しかし奴のゴドスは半分壊れたポンコツで
あり、俺は自他ともに認めるエースパイロットだった。
 コンソールを操作し、猛然とヘルキャットを走らせる。ゴドスが応じるように発
砲する。強烈なエネルギーが、0.5秒前まで俺のいた空間を貫き通した。まとも
に命中したなら、一撃で戦闘不能に追い込まれるだろう。
 俺は愛機を全速で走らせたまま、背中の砲塔を回転させ、ゴドスに照準をあわせ
た。
 再びゴドスからの干渉光がヘルキャットを襲う。右に軽くステップさせ、攻撃を
かわす。攻撃のタイミングは読み切っている。当てられる気がしない。
 射撃管制システムがささやいて、砲撃のチャンスを知らせた。奴を完全にとらえ
た。反射的にトリガーを引く。
 口径20ミリの閃光が、ゴドスの傷ついた胸を直撃した。装甲がはじけ飛び、その
下の内部機関をめちゃくちゃに破壊した。ゴドスの両腕が力なくだらんとたれさが
った。
 これで戦いは終わりだった。
 俺は一瞬、奴がコクピットから脱出するのを期待した。だがその気配はない。そ
うだろう、そういうものなのだ。ウォードも自身と兄の名誉を守り通し死んでいっ
た。ウォードは間違いなく勝者だった。決闘では、死んだ者だけが、勝者になる資
格を与えられるのだ。
 俺は再び照準をあわせ、トリガーを引き絞った。コクピットを狙ったのは、7年
の軍属生活でこれが初めてだった。


                         「デュエル」終

94 :名無し獣:01/09/22 03:26
ageとく

95 :リハビリ:01/09/22 04:53
「晴れすぎた空」(上)

ZAC2039年

青い空が眩しかった。
セルロイドで形作った不恰好なゾイドのおもちゃを空に掲げた。薄っぺらい羽根の向こう
に丸く光るお日様が映る。僕の左腕はセルロイドの羽根を透って射す、水色の日の光に染
まった。僕の右腕を、白い跡が残るほど強い力で母さんが引っ張る。夕べからずっとこう
して歩き続けていた。ねぇ、どこに行くの?そう訊いても母さんは少しだけ僕に笑いかけ
て、すぐに前を向き直すだけだった。怒っているのかな?僕は左手に持ったゾイドのおも
ちゃをまた頭の上に掲げて、飛ぶ真似をさせた。羽根の先にきらきら輝く、青い光が大好
きだった。昔、父さんがいなくなる前に僕にくれた、ガラス玉の色にそっくりだからだ。
そのガラス玉は家を出る時に置いてきてしまった。家に戻ろう、何度母さんに言っても聞
いてくれなかった。
夕べ、母さんに手を引かれて家を飛び出した時、僕の町の空いっぱいに羽根を生やした大
きなゾイドが、月の青白い光に照らされながら飛んでいるのを見た。今まで見たこともな
い、青い大きなゾイド。本当に空を飛ぶゾイドがいるんだ。もっとよく見ていたかったの
に、母さんは僕の手を無理矢理引いて走り出した。オトナの人は走りながら、みんな同じ
言葉を叫んでいた。
クウシュウ、ってなんだろう。

96 :リハビリ:01/09/22 04:58
「晴れすぎた空」(下)

セルロイドに映る空の中に、小さな影を見つけた。影はだんだん大きくなっていく。僕た
ちの周りのオトナが空を見上げて、その影を指差して叫んだ。なんだろう?僕は目を凝ら
す。その影には、小さな突起が二つ生えていた。羽根だ!僕は母さんの手を振り払って駆
け出した。空を飛ぶゾイドが見たい。オトナたちの間を駆け抜けていく。日の光に輝く、
ゾイドの鉄の羽根が見たい。
空から染み出してくるように、こちらへ飛んでくるゾイドの姿が露になっていく。黒い羽
根を生やしている。夕べ見たゾイドより小さい。まだ子供なのかもしれない。僕はその場
に立ち止まってそのゾイドをじっと見つめた。空気を裂くような音を立て、黒い羽根の先
を少しだけ光らせながら、そのゾイドは僕の方へと降りてくる。もっと、もっと近くへ来
て!僕はセルロイドのおもちゃを持ったまま、手を振る。母さんが僕を呼ぶ声が聞えた気が
した。そちらを振り向いた時、目の端にアイスキャンディーみたいな形をした光が走った。
ボールを蹴ったような音。地面に僕のおもちゃと、もげた僕の左腕がぼとりと落ちた。僕
のおもちゃが!おもちゃと左腕を拾おうとすると、黒い羽根のゾイドが放ったアイスキャン
ディーみたいな光がいくつも降ってきた。母さんの叫び声が聞えた。僕の体中からボールが
破裂したような音がした。何も聞えない。僕は地面に、仰向けに倒れた。体が動かない。大
きく見開いた僕の目には、セルロイドのおもちゃも輝く羽根も、もう映らない。
ただ、青い空が眩しかった。

97 :『戦慄の咆哮』:01/09/25 19:18
 >>89 佳境加速
『誇りと刃と復讐と(36)』

大音量だった。
破壊音で埋め尽くされていた戦場にあっても『それ』は、誰の耳にも届いた。
音の正体はジェノザウラーの咆哮。
天に向けてのその咆哮は、共和国、帝国に限らず戦場のほとんどのゾイドや人に恐怖を抱かせた。
ほとんどのゾイドがすくみあがって、すべてのコマンドに対しキャンセルし返した。
ジェノザウラーはコアが放つ電圧が高すぎて、放電しており、それが雷を纏うようにも見えた。
眼光が一際、光り、口内の集束荷電粒子砲がうなりをあげる。
吐き出された荷電粒子の奔流は、敵味方関係なく、すべてを焼き尽くすかの様に大地を舐めた。
後は殺戮のみだった。
最初にやられたのは、護衛をしていたセイバー。
瞬速で、二連パルスレーザー砲の餌食となり、行動不能となった所を更に、首に噛みつかれて、引っこ抜かれた。
それから、ブースター全開の長距離ジャンプで、双方の主力部隊の戦闘区域のど真ん中に降下する。
先程の『咆哮』の影響でろくに動けないゾイドは、敵味方区別する事無く、軽々に粉砕されていく。
まさに殺戮の名に相応しい暴君がそこに居た。

98 :『戦慄の咆哮』:01/09/25 19:19
>>97
ミゼルフの乗る『セラフ』とハイドの乗る『オードリー』がその場に到着した時には、双方の部隊は、半壊していた。
ハイドの足元にはガンスナイパーの残骸が転がっている。
『どうなってる? 何だ、ありゃ? 敵も味方も見境なしじゃねーか。』
 ミゼルフの元にハイドの通信が届く。しかし、ミゼルフとて、分かる筈もない。
「分からない。だが、気をつけろ、ハイド。」
 帝国軍部隊は、撤退というか、逃走に乗り出している。
 そのしんがりを受け持つかのように、レッドホーンGC(ガトリングカスタム)が、後進しながら、
大型ビームガトリング砲をジェノザウラー目掛けて放つが、その火線は、ジェノをかすりすらしない。
『相手をしない方がいいよな…。』
ついにレッドホーンGCは、ジェノに接近を許した。そのままジェノのテールが鼻面に直撃する。
 レッドホーンがよろめいた所を、ジェノはその頭部を両手で掴んで、その強靭で強大な顎で噛み付いて、『動く要塞』と言われたレッドホーンを屑鉄に変えていく。
「後退して、後方に降下した新型と合流した方がいい。対応はそれからだ。」
 もはや反則に近かった。圧倒的な戦力差だと思っていたのだが、そんな物ではなかった。
比べる事すら、無意味な強さがそこにはあった。
「後退するぞ。ハイド。」
 しかし、それは適わなかった。
 レッドホーンに飽きたのか、辺りを見回すジェノと目が合った。
 その獰猛な視線は、ミゼルフを貫き、そして、シールドライガーDCS『セラフ』を貫いた。
 珍しくミゼルフの心に激しい動揺が生まれた。
 それが、『セラフ』に伝わってしまった。『セラフ』にとって、今の今まで気力が持ったのは、相棒たるミゼルフの冷静な部分が支えていたからこそだった。
 それを失ってしまった『セラフ』は、途端に瓦解した。
 結果として訪れる、システムフリーズ。
「こ、こんな時に・・・!」
 最悪の状況だった。
 シールドは張れない。とっくの昔に過負荷でジェネレーターを焼き切った。
 ジェノは、少し姿勢を低くすると、ニ連装ロングレンジパルスレーザーライフルを構えた。
『ミゼルフ? おい、どうした、ミゼルフ!』
 逃走に転じていたハイドが異変を感じとって、こっちに戻ろうとするが、間に合うはずもない。
「くっ・・・。」
 無慈悲にパルスレーザーは放たれる・・・。

               NEXT→『最速へのイグニッション』 

99 :『最速へのイグニッション』 :01/09/28 19:12
>>98 佳境継続
 『誇りと刃と復讐と(37)』

 死を覚悟したミゼルフは、それでも目を開けて、最後の最後まで足掻こうとしていた。
 近くの岩山を飛び越えて、間一髪で2連大型パルスレーザーカノンの砲撃が何かかに遮られる。
 目の前に知らないゾイドが居た。
 いや、その色には見覚えがあった。
 アドッサ・マークス中尉が駆る『ルーク』のパーソナルカラーの灰色。ちと濃いような気もするが。
『間一髪・・・だな。』
 通信が開き、アドッサの声が聞こえた。
「中尉! 来られたのですね。」
 ミゼルフは歓声をあげた。待ち望んだ英雄がそこに、居た。
 未だに、誰も追いつけない最速を求めし者。
《うわー、おいしい所だけ持ってくるんすね。隊長はー。》
 ようやく追いついたハイドの『オードリー』が『ルーク』の背後に付く。
 DT小隊のライガー3機が揃い踏みした。
 ジェノザウラーは、気にすることもなくパルスレーザーを打ち続けるが、すべて『ルークの』Eシールドにはじかれている。
『さすがに部下ばっかりにいい格好はさせんさ。』
《しかし、隊長。カスタム機ですか。いいすっね。》
『一応、新型だそうだ、ハイド。よく持ったな。お前が最初に撃破されると思ってたよ。』
《ひっでぇ。まぁでも、隊長も来た事だし、そろそろケリを付けましょうや。》
『そうだな。動けるか、ミゼルフ?』
 ミゼルフは、モニターに目を走らせ、システムに再起動を促した。
 一発で、再起動する。きっと『セラフ』も『ルーク』によって喚起されている。
「大丈夫です。動けます。それより何か、考えでも、中尉?」
『あぁ、俺は、一気に奴の懐に飛び込む。』
「接近戦ですか。」
『こいつは、接近戦重視のゾイドだ。あっちは、荷電粒子砲主体の遠距離重視。しかも連射はあまりできないと来た。懐に飛び込めば、勝機は十分にある。』
「分かりました。ならば、私とハイドが、注意を引き受けます。その隙に。」
『頼んだぞ。』
「了解です。」
《それ以上はしないすっかならね。確実に仕留めてくださいよ!》
 ハイドが、気楽に声をかける。
『充分だ。』
 きっと中尉は、ニヤリと笑っていると、ミゼルフは思った。
ふとミゼルフは、『最速は、手段でしかない。』と昔、中尉が言っていた事を思い出した。
 ならば、自分の手段は、援護しかない。

100 :『最速へのイグニッション』 :01/09/28 19:13
>>99 イグニッション=点火

『ルーク』のコクピット内、アドッサは、先程の機動で、頭がクラクラしているメイアに声をかけた。
「という事で、奴に一気に飛びつきたい。背中のあれを使いたいんだが。」
「・・・。説明もないのに何で分かるんですか?」
 不思議そうに答えるメイアに対し、アドッサは操縦桿を握り締めたまま肩をすくめた。
「俺も不思議なんだけどな。何でか分かるんだ。思うにきっと『ルーク』が教えてくれてるんじゃないかとな。」
「極めて相性がいいんですね・・・。まぁいいです。このブレードライガーには、ガンスナイパー同様にロケットブースターが装備されています。」
「ほー。」
「使用すれば、理論的には時速300kmさえ、超えるとされています。」
「それはそれは。」
「ただし、それを制御するシステムの方はデータ不足で実践で使用するには未熟であり、パイロットやゾイド自身に劣悪な制御を要求します。」
「そいつはまた。」
「使用・・・しますか?」
 おずおずと聞いたメイアに対し、アドッサは即答を返す。
「無論だ。」
 少々困った顔をしたメイアだったが、意を決したらしく口を開いた。
「私も乗っている事を忘れないで欲しいんですが・・・こうなれば毒皿ですね。お付き合いしますよ。」
「すまんな。」
 全然、すまなそうではなかった。

101 :『最速へのイグニッション』 :01/09/28 19:15
 アドッサは機体の確認をする。
 全てに置いて異常なし(オールグリーン)。
――速く、誰よりも、疾風よりも速く!――
 左右の垂直だった操縦桿を横に倒す。コンソールが緑から赤いランプで染まっていく。
 モニターに赤い文字が文字が走った。
 コンバットシステム、標準戦闘速度(ノーマル)モードより、超高速戦闘速度(オーバードライブ)モードに切り替え。
 コア出力調整リミッター、1から23まで全解除。制限時間を1分と設定。
 オーガノイドシステム、コア干渉レベル最大。
 コア出力上昇。出力、81%…84%…89%…97%…112%…
 多少の各部の負荷値上昇を確認、しかし現在、各部動作に異常なし。
 コンプリッションリフジェネレイター、全開。各部冷却系制限全解除、最大稼働。
 側面部ウェポンの展開を開始。
 レーザーブレードの作動を確認。出力98%
 前面部Eシールドジェネレイター、作動。
 Eシールドの展開を確認。現在シールド強度95%。
 背部装甲ロック解除、並びに背部ロケットブースター展開。
 モニター上部にロケットブースターのリミットカウンター表示。
 準備完了。憂いなし! 最後に、必要なのは…
「俺は、未だ守れない約束の為に、最速を目指す必要がある!」
 勇気。
――いや、それは彼女に対する俺の強がりなのかもしれないがな――
 苦笑いをかみ締めながら、アドッサは操縦桿を一気に前に押しやった。
 ロケットブースター、点火。噴出口から炎が吐き出され、流星の様に尾を引いた。
 凄まじいGが彼を襲い、翻弄する。だが決して、アドッサは操縦桿を放しはしなかった。
 ねじ込む様に更に推し込む。

 ジェノザウラーは目前だ!

                     NEXT→『両雄激突』

102 :名無し獣:01/09/28 23:26
最近見てなかったけど、ここは面白いね。
サイコーさ。

103 :『両雄激突』:01/09/29 22:31
>>101 佳境飛躍
 誇りと刃と復讐と(38)

 最初に右方向に踊り出た『オードリー』に、少ししてから、左方向に飛び出た『セラフ』。
 ジェノザウラーは、両方に気が散った様だったが、やはり、最後に弾丸の如く距離を詰めてくる『ルーク』を次の獲物と定めたようだった。
 ジェノザウラーは、そのままの前傾姿勢の体勢でその大きな顎を開く。
 荷電粒子砲を放つつもりだ。
 咥内に破滅への光を輝かせ始めている。
 だが、もうアドッサの体には恐怖は湧きあがってこなかった。
『ルーク』も恐れはしなかった。
この相棒となら、どんな敵にだって負ける気はしなかった。たとえ、デスザウラーが相手でも、だ。
 速度を落とすことなく、そのまま突っ込む。
 コクピット内は、ショックアブソーバー(衝撃緩和機構)でも相殺しきれない激しい振動が襲っていたが、アドッサの目は、確実に敵を捕捉していた。
 メイアは、とっくの昔に気を失っている。
 二機が激突する手前で、ついにジェノザウラーが荷電粒子砲を掃射した。
 無謀にも真正面から『ルーク』のシールドがそれを受け止める。
「うおぉぉぉぉ。」
 シールドは破れる事はなかった。出力が向上したブレードライガーのシールドは、荷電粒子砲の直撃すらはじき返した。
 荷電粒子の奔流を切り裂くように、『ルーク』はついにジェノザウラーに到達する。
 しかし、瞬間、ジェノザウラーは太ももに装備されたバーニアで逃げすがった。
 それでもレーザーブレードはジェノザウラーの右脚に切り込む。
しかし、それだけだった。『ルーク』はそのまま慣性に従い、走り抜ける。
「まだだ。まだ終わってない!」
 瞬時にアドッサは、『ルーク』に指示を出した。

104 :『両雄激突』:01/09/29 22:34
 ロケットブースターカット。レーザーブレード収納。
 左前脚を地面に付けたまま、後脚を宙に蹴飛ばして横転、左前脚の爪を大地に突き立てる。衝撃と共に後脚が着地して、すべての脚を大地に突き立てる。急停止開始。
 そう、アドッサがやって退けたのは『ライトニングクィーン』がもっとも得意とした急旋回『薙旋』だった。
 しかしだ。ロケットブースターを用いての加速は、『薙旋』でも止まれるようなものではない。ブレードライガーは、接近戦用ゾイドだ。前に出ないと意味が無い。
 だが、前脚で踏ん張りながらも『ルーク』の体は、砂埃を立てつつ後方に滑っていく。
 このままでは前脚の踏ん張りが利かなくって、仰向けにひっくり返ってしまう。
 だが、まだだ。まだ、ここからでもいけるはずだ。
「ル―ク!!!」
 激震のコクピットの中で、アドッサは力の限り叫んだ。操縦桿を持つ手が力が篭る。
 いや全身に力がみなぎる。
 いける。こいつとなら、いける。
 根拠はないが確実に存在する確信がアドッサを駆り立てる。
 アドッサの叫びに呼応するかの様に『ルーク』が低く咆哮を発する。
 カウンターとしてロケットブースター再点火!
 ロケットブースターの推進力が後進する力を相殺し、『ルーク』がその場に静止する。
 しかし、それはほんの一瞬。
 『ルーク』の強靭な四肢が爆発するような音を立てた。
 後脚が大地を蹴り飛ばし、前脚が前に踏み出す!

 前進!

 洒落にならないGがアドッサに襲い掛かる。
 その中でもアドッサの意識は耐え切ってみせた。
 腹の底から、言葉にならない声を・・・咆哮を吐き出す。 
「せ、い、あ、あああああぁ!」

だが、その瞬間、ブラックアウト現象がアドッサの視界をすべて奪い去った。

                         NEXT→『最速の領域』

105 :『最速の領域』:01/10/01 23:18
>>104 佳境到達
 誇りと刃と復讐と(39)『最速の領域』

 強烈な重圧がもたらす一時的な眼球の貧血。
 血の通わなくなった目は、すべての光を無視するようになり、結果、貧血が回復するまでの間、一時的な失明状態に陥る。
 それをブラックアウト現象と呼ぶ。
「くっ。」
 アドッサは、パニックには陥りはしなかった。しかし、どうにもならない。
 視界は黒一色。見えない。何も見えなくなった。敵はどこだ・・・。
 いや・・・これは・・・。

 感じる事ができた。

 敵はおろか、風も、大地も、世界のすべてをその身で感じられる事ができる。
 『ルーク』の鼓動が、聞こえる・・・。意思がすべて手にとるように分かる。
 自分が何をすべきであるか、それが分かる。
 何だ。この感覚は・・・?

 それこそが『最速の領域』。
 『ライトニングクィーン』が踏み込み、そしてアドッサが今まで踏み込めなかった『最速の領域』。
 『最速の領域』の正体は、ゾイドと心を共にし、ゾイドの五感すべてを取り込みその身と一体化できる感受性と、時間を刻むほどに高まった集中力が生み出す能力だった。
 ゾイドと心を通わせ、共に生きる者だけがたどり着ける境地。
 その領域に踏み込めば、いかな速さであろうとも、できぬ機動はない。
 今、アドッサと『ルーク』は、同じ時を刻んでいた。
 すべてを凌駕する昂揚感が巻き上がる。
 かつて、ここに刻まれていた『詩』が・・・心に刻み込んだ『彼女』の『詩』が蘇る。

 共に大地を蹴り、風を切り、すべてを追い抜き・・・
 我が命果つる時まで、我が身、我が魂は、汝と共にあらんとす!

 目の前には邪魔する物は何一つない、澄み切った世界が広がっていた。
 レーザーブレード再展開。
 ブレードが風切りの音を発し、『ルーク』は瞬時に疾風と化して、ジェノザウラーに再接近を図る。
 ジェノザウラーは、着地して回頭する寸前だった。だが、何もかも遅すぎた。

 激突は一瞬。

106 :『最速の領域』:01/10/01 23:21
>>105
 ブレードライガー『ルーク』は、そのまま走り去り、少し離れた場所で静かに停止した。
 アドッサが回復した視力でモニターを見やるとオーバードライブモードのリミットが0を示していた。
 後方のジェノザウラーが、切断箇所で上下にその身をゆっくりとずらして行く。
 そしてついに発生した爆発の中に飲み込まれていった。
「終わった・・・。」
 爆音を聞きながら、アドッサは充実感と共に息を吐き出した。
 今まで我々を苦しめていた敵への復讐は終わった。
 だが、そんなことはどうでも良かった。
 彼女との約束がようやく守れた。アドッサは『ルーク』のコクピット内でそんな気がしていた。
 そんな中、『ルーク』は、勝利の雄たけびを上げるかの様に天に向かって吼えた。
 とても清々しい嘶き声だった。

 最速とはいかなものか、それが少し、分かった気がした。

              NEXT→『エンブレムレス・レオマスター』

107 :『エンブレムレス・レオマスター』:01/10/01 23:27
>>佳境終結
 誇りと刃と復讐と(終)『エンブレムレス・レオマスター』

 気付くと戦線はどこにもなかった。
 当然だ。ジェノザウラー一体に、攻撃を仕掛けられた帝国地上部隊は、ほぼ半壊。
 残存部隊は撤退を開始しているが、それは、ガンスナイパーが追撃している。
 空の方も、地上部隊撤退前に、ストームソーダ―部隊によって、追い払われている。
 不意に回線が開く。暗号回線ではなく、通常回線での動画通信だ。
「おめでとう。アドッサ。」
「親父・・・。」
 通信の相手は基地司令ディム・デー・スロイスロット中佐だった。
「レオダスター…、いや、お前こそ、本当のレオマスターだよ。マスター オブ レオマスター。紋章がなくとも、皆が呼ばなくても、お前はレオマスターだよ。」
 その真摯な言葉と視線を見ながら、アドッサは鼻先を少し掻くと、苦笑いで答えた。
「いや、レオダスターでいいのさ、名誉などいらない。俺は…俺は最速であれば、それでいい。皆のピンチに最速で掛けつれれば、それでいいのさ。称号なんかに意味はない。」
 それをディムは恰幅の良い笑いで、返した。
「…いや、やはり、レオマスターだ。それは称号なんかじゃない。気高きレオと心を共にする誇り高きゾイド乗りの名だ。そうだとも、称号なんかに意味はない。お前の、その心意気に意味がある。」
「ありがとう・・・。作戦終了だ。帰還する。うまいもんでも用意しておいてくれ。」
 ふと、光を感じて、東の空を見た。
「あぁ、今日ぐらい、祝杯を挙げよう。」
 夜が明けようとしていた。
 清々しい朝の陽を浴びながら、アドッサは、仲間と共にゆっくりと帰路についた。

 時はZAC2100年4月29日。
 そして今より共和国軍の猛反撃が始まろうとしていた。

 『レオダスター』いや、『紋章無き(エンブレムレス)レオマスター』のアドッサ・マークスとブレードライガー『ルーク』の闘いはまだまだ続く。

                               →END

108 :名無しですスティンガー:01/10/01 23:44
あとがきみたいな物。このコテハン久しぶりー。

長―。
完結するのに何レス、何日使ってるんだ、俺は。
ええとバックナンバー…2スレに跨っているし面倒くさいので勘弁。
ええっとお付き合い頂き、ありがとうございました。
面白かったでしょうか。感想とか書いてもらえると嬉しいです。
この物語は、ゾイド公式ガイドブックに対する感想のつもりで書きました。
今更ですが、公式ガイドブック2を読んでから読むほうが、分かりやすいかも知れません。
色々と仕掛けをばら撒いたつもりなので、ニヤリしてもらえると作者冥利に尽きます。
冷静に読み返すと俺キャラ最高の厨房作品ですな。
何だかんだ言っても、主人公すげー強いし。
高速戦闘型ゾイドなんというミーハーは機体を使うし。
まぁブレードライガー好きなんです。
満足、満足。
次はもっと馬鹿な奴がやりたいですな。「モルガ3匹が逝く」とか。
まぁ、アドッサ達の話は、俺の中では続いてます。それこそニクス基地陥落まで。
ま、もう書かないけど。

まぁ、なんつーか、みんないなくなったよう・・・。
このスレももう終わり?
誰かぁぁぁ。

109 :名無し獣:01/10/03 22:31
>>名無しですスティンガー様
お疲れ様でした。とても楽しく読ませていただきました。面白かったです。
「モルガ三匹が逝く」に密かに期待age

110 :名無し獣 :01/10/03 22:48
>>108
お疲れ様です。
人数に関しては、ゾイド板自体今人が少なくなっているのと、スレの性質上
SS関連以外の書き込みがしにくいからではないでしょうか。読んでいる人は
きっと多いと思います。
それにしても他の作家さんたちはどうしてるんでしょう…。
赤羽さんや、前スレのプテラスvsシーパンツァーの話は
正直気に入っていたのですが。
ちょっと毛色の違う所で、ゾイドガールズの日常もお気に入りです。


続編書かれないんですか? キャラも立ってるし、世界観もしっかりしているだけに残念です。
ハッキリ言って続きが気になるので、
いつか機会があればまた、ということにしていただけませんか?(藁

111 :k:01/10/03 23:17
>>108
面白かったですよ!
ストーリーはもちろん台詞回しというんですか? 格好良いです。
あと、ルークの突撃シーンに燃え!
レオダスター等のネーミングもイイ!

なーんて、2ちゃんでは、気楽に感想が書けるのがいいなぁ。
他所では絶対にこうは書けないです。

112 :k:01/10/03 23:18
>>108
面白かったですよ!
ストーリーはもちろん台詞回しというんですか? 格好良いです。
あと、ルークの突撃シーンに燃え!
レオダスター等ネーミングもイイ!
なーんて、2ちゃんでは、気楽に感想が書けるのがいいなぁ。
他所では絶対にこうは書けないです。

113 :k:01/10/03 23:18
>>108
面白かったですよ!
ストーリーはもちろん台詞回しというんですか? 格好良いです。
あと、ルークの突撃シーンに燃え!
レオダスター等ネーミングもイイ!
なーんて、2ちゃんでは、気楽に感想が書けるのがいいなぁ。
他所では絶対にこうは書けないです。

114 :k:01/10/03 23:20
……すみません。どうも最近ブラウザの調子が(汗

115 :名無し獣:01/10/03 23:27
>105
今日気づいたんだけど、
シールドライガーの動きじゃ、ブラックアウトは起きないよ。
ブラックアウトは、戦闘機とかで宙返りした時に、足の方に血が
かたよって、眼の血が足りなくなって起こる。
あと逆宙返りした時に、頭のほうに血がかたよって起こる
レッドアウトって言うのもあるらしい。

116 :名無しですスティンガー:01/10/03 23:55
感想ありがとうございます。

「モルガ三匹が逝く」はなんとなくゴロだけで、内容はまったく考えてません。
やるとしたら、アニメ第三部のゾイドバトル、Dクラスのお話になりそうです。
続編は、・・・予告編として内容だけ載っけておきます。
かなりの大風呂敷なので、畳めるのに今は自信がないんです。

>>115
あれま、そうだったか、そいや、そうだったような気がする。
特殊なG環境で起こる現象だって事は覚えてたんだけど・・・。
書き直したくても、メインカメラを潰すという選択肢はないんだよな・・・共和国軍ゾイドは(藁
起こるって事にしといてください(懇願
300km/hを相殺し、尚且つ、前に進むというGがどの程度の物か知りませんけど、
コレで、血が背中の方に集中し、よって前の方にある眼球が・・・。苦しいかな? 苦しいな・・・。

うむむ、何か代案を考えてみます。
あ、宙返りといえば、『薙旋』(横転)は宙返りと同じだから、あそこの時点ですでにブラックアウトになっているわけか。

117 :名無し獣:01/10/03 23:59
いやー

118 :名無し獣:01/10/04 00:01
すげぇおもしろかったッス。
またちょくちょくのぞきに来るんで、これからも頑張ってください。

119 :名無しですスティンガー:01/10/04 01:01
という事で、次回予告調で今後の展開(次回ないけど)

 ついに「最速の領域」に踏み込んだアドッサと『ルーク』に、立ちはばかったのは、帝国軍新鋭機でも、デスザウラーでもなかった。
 オーガノイドシステム。古代ゾイド人が遺したその凶悪なプログラムが、ついに『ルーク』に牙を剥く。
 オーガノイドシステムに蝕まれていく『ルーク』に対して、苛立ちを隠せないアドッサ。

「・・・『ルーク』は、後、恐らく3年は持たないでしょう。そして戦場に向かう度に、その命を削る事になります。
 貴方が「最速の領域」と呼ぶ機動の領域まで踏み込めば、なお更です。」
「ちくしょう、どうにかならないのか!」

 しかし、そんなアドッサを他所に、本土より援軍を得た共和国軍はついに大反撃に転じる。
 追撃、そのまた追撃で、帝国軍を追い詰める共和国軍。
 そして、共和国軍の頂点に君臨する大統領は、帝国軍に止めを刺すために、ついに禁断の作戦を実行へと移す事を命ず。

「あのくそババァは、悪魔に魂を売ってでも勝利を手にしたいらしいな。これは戦争なんかじゃない。・・・ただの虐殺だ!」

 作戦の要となるウルトラザウルス・デストロイヤーはついに帝国最後の砦、ニクスに向けて進撃す。
 それを阻止せんが為に、玉砕覚悟で次々に送り込まれる帝国の新鋭達を相手にアドッサは仲間と共にウルトラザウルスを守りきれるのか?

「奴らも必死だろうよ。戦争は早く終わらせなければ、ならない・・・。免罪など請わない、だから全力で応えてやる! 来い!」

 そして、改造型ジェノザウラー『プロトブレイカー3号機』が、アドッサと合間見えるとき、戦闘は更なる加速へと向かう。

「奴も、「最速の領域」に踏み込んでいるのか。面白い。ならば、俺達はその上を行くまでだ!」

 やがて、ついにその姿をニクスへの射程範囲に進入したウルトラザウルスは、狂気へのカウントダウンを開始する。
 やがて始まる虐殺の宴。1200mm砲弾という名の厄災は、ニクス基地に容赦なく降り注ぎ、その地におけるすべてを焦土に化す。

 そして、ようやくニクスにたどり着いたアドッサ達の前に立ちはだかったのは、「仲間を守る」ために鬼と化した、100の帝国軍新鋭機だった。
 相手に撤退させるわけには行かない共和国軍は初陣で50倍の戦力を投入するも、相手の気迫に予想外の苦戦を強いられる。

「奴らの気持ちが痛いほどによく分かる、だが、俺もこんなところに留まるわけには行かない!」

 そして、訪れる『ルーク』のコア崩壊の時。

「そうか、留まる事は許されないか・・・そうだな、最後まで行こう、共に・・・。」

 思惑が交錯し、激突して、更なる加速を続ける戦場の果てで、アドッサと『ルーク』は果たして何を見るのだろうか…。

                    こうご期待・・・しても無駄です。

120 :名無し獣:01/10/04 08:49
激燃えっす。断片情報をもとに、脳内で妄想させていただきます。

ニクスエレファンダー隊に敬礼!

121 :名無し獣弐:01/10/04 19:29
終了ご苦労様です。
すごく面白かったです。
たとえあやふやでも高速戦闘ゾイドの戦いで
説得力のある解説が読んでて新鮮でした。

次回作、もし書かれるなら期待させていただきます。

122 :黒いオーガノイド:01/10/05 14:49
>>108
vol.1の時から非常に楽しく読ませて頂きました。
人の数に関してはこんな素晴らしいストーリーの後には誰でも書きにくくなるでしょう。
僕も書いてみたいと思いつつ、スレ汚しになると思うと勇気が出ません(藁

123 :名無し獣:01/10/12 23:17

 「この戦いが終われば本国に帰って、一緒になろう。」と彼は、口癖の様に私に言っていた。
 「はいはい。」と軽く流してしたけれど、正直、私もまんざらではなかった。
 彼は優しくて、そして強かった。
 そう、彼のセイバータイガーは負けなしだった。
 この間、5機目の大型ゾイドを撃破して、「俺もエースだな。」と笑っていた事を思い出す。
 星を挙げる事よりも仲間を思ういい隊長だったと思う。
 そして彼は「なーに、反撃の準備はほとんど整ったも同然さ。ちょっと団体さんを蹴散らしてくるだけだよ。」と言い残して、出撃して行った。
 心配は、その実あまりしていなかった様な気もする。
 彼はかなりの凄腕だった事は間違いなく、セイバータイガーのみならず、何のゾイドでも乗りこなす事が出来たし、特攻だけがとりえのモルガ一機でゴルドスを葬ったのは、彼の自慢のエピソードだったし、
 一小隊のみを率いて、撤退部隊のしんがりを勤め、部下をただの一人も死なすこともなく大隊を撤退させたのも、彼を慕う部下達の誇りだったし、上の人間も彼には一目を置いていたし、今後に期待をしていた。
 そうだとも彼は負けなしだった。
 結局、最後まで負ける事はなかった。
 しかし彼はもういない。どこにも居ない。
 ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの悪夢の一撃の前にあっては何もかも無力だった。
 彼は推定着弾地点から50mほど離れた場所に配置されていた。
 生死は、問うまでもなかった。
 私が知っているのは、そこまでだった。

 そして、結局、私が出来る事は、ただの一つしかなかった。

 『風が吹き荒む戦場で(0)』

                 NEXT→『始まり』

124 :ゾイド板復活計画・布陣その1?:01/10/12 23:26
あ、やべ123のタイトルは「プロローグ」です。
今回も遅筆なんで、完結は、恐らく3ヶ月ぐらいは掛かりそう・・・。
10回ぐらいで終わらせる予定なんだけどね。

今回は、恐らくあまり面白くないです。
俺自身が、前回ほど熱く入れ込めません。
だけど、一度こういうものも書いてみたいなー、という事で
習作のつもりで書きます。

よろしければ、しばしのお付き合いです。
「モルガ3匹が逝く」はお蔵いきー。

125 :名無し獣:01/10/13 00:20
待ってました!バトストスレはあんただけが頼りだよ。がんばれage。

126 :太田:01/10/13 00:21
頑張ってくれ。

127 :名無し獣弐:01/10/13 01:26
特攻系になるんですか?
そんな話読みたかったです。
頑張ってください。

128 :名無し獣:01/10/13 01:26
このスレ(・∀・)イイ!!

129 :デス名無しー:01/10/14 02:26
ウズウズ

130 :『始まり』:01/10/14 11:04
>>123
『風が吹き荒む戦場で(1)』

 西方大陸北北西部、ニクシーと呼ばれる基地は、そこにあった。
 帝国軍における西方大陸での最大の補給基地、そして帝国軍の西方大陸での玄関と呼べる基地である。西方大陸におけるすべての軍事作戦を統括する総司令本部でもある。
 普段は、前線から遠い為にのんびりした雰囲気すら漂うこの基地に、只ならぬ空気が流れていた。
 いや、以前から流れ始めてはいたのだ。
 現在、帝国軍は、再編成の為に一時撤退を余儀なくされている。
 2ヶ月前に行われた第二次全面会戦にまさかの敗北を喫したのだ。
 作戦に参加したゾイドの消耗率は激しく、また無理な強行前進で弾丸などの補給物資が底についたために、残存のゾイドの戦闘能力の低下は著しく、敗走を決した。
 撤退は、以外に素早く行われた。
 無論、その撤退戦で失われたゾイドの数は、数知れない。
 だが、主力部隊の撤退はほぼ完全に行われた。
 本国より援軍と大量の補給物資を得たはずの共和国軍も何故か、深入りする事もなく適度な場所で追撃を止めた。
 ほっと一息をついて、ニクシーや、その周辺の基地で再編成を進めている最中に、共和国軍が、ほぼ全軍に当たる40師団もの兵力を持って、再侵攻を開始した。
 「赤の砂漠」と呼ばれる何もない瓦礫砂漠を時速20kmという脅威の鈍足だった。
 砂の砂漠と違い、足を取られることもないはずなのに、あの鈍足のゴルドスですら、巡航で50kmは出すというのに、何故かその歩みは遅々としたものだった。
 何か裏があると思った帝国軍将校も確かに居た。
 しかし、その何かを誰も見抜けぬまま、第三次全面会戦を覚悟した帝国軍は、5師団を先遣部隊として派遣した。後続の100師団も編成が整い次第、順次出撃する予定だった。
 帝国軍が保有する相手の2倍以上の戦力は、ほぼ整備も補給も整っており、再反撃に向けての準備は万全だった。
 よほどの事がない限り、最早、負けはない。共和国の逆転劇も最早ここまで。
 誰もがそう思った。
 だが、事態は思いも寄らぬ方向へと進んだ。
 共和国部隊と交戦のないまま、先遣部隊の全滅。
 誰もが疑問符を浮かべた。まだ戦闘区域まで達していないはずの先遣部隊が、何故全滅するのか?
 調査は、混乱の中に行われ、結果出たのがその三日後。
 一昨日の事だ。
 原因は、敵の新兵器。
 幻の機獣、ウルトラザウルスに装備された巨大な砲塔から打ち出された脅威の砲弾。
 しかも、たった一発だったとの事だ。
 偵察に向かったレドラーの望遠カメラが最後に転送した画像から解析したその砲塔の口径は1000mm以上だった。その偵察機もその通信を最後に行方が知れない。
 馬鹿げていた。
 共和国軍は、大量無差別破壊兵器を投入してきたのだ。
 戦争にきれい事は通用しない。
 そんな事は誰も分かっていたが、誰かもが、無意味と分かっていながら共和国軍を罵った。
 最高のチキン野郎だと。
 帝国軍総司令本部は順次に迎撃に向かうはずの100物の師団に、まったをかけて、すべてニクシー基地に呼び戻した。
 集団で部隊を投入しても、同じ事を繰り返すだけ事は確実だったからだ。
 情報部が試算した敵の新兵器の射程範囲は100km前後。今後も20kmで敵が進攻する場合、ニクシー基地を捕らえるのは、恐らく半月後。
 その半月を持って、ウルトラザウルスを撃破せねば、帝国軍の西方大陸での軍事作戦の要であるニクシー基地を失いは、すべては失敗に終わる。
 最早、少数精鋭での、突撃しか方法はなかった。
 生きて帰れる保障はどこにもない。
 しかし、これだけの事件だ、情報は、すでに全軍に駆け巡っていた。
 作戦の参加を嫌がる者も多く居た。
 そこで帝国軍総司令本部は、開き直って、情報を公開し、突撃隊の志願者を募った。
 昨日のことである。

 こうして、帝国の西方大陸に置ける最後の賭けは始まった。

                    NEXT→『決意を胸に』

131 :名無し獣:01/10/15 04:05
やっぱり(・∀・)イイ!! 帝国、万歳!!

132 :名無し獣:01/10/17 01:57
はげどう

133 :名無し獣:01/10/17 03:58
期待

134 :『決意を胸に』:01/10/21 23:15
>>130
『風が吹き荒む戦場で(2)』

 Xデー 13日前。
 来たるべく事態の前にニクシー基地の中は、喧騒で溢れかえっていた。
 命令、物資、憶測が飛び交い混乱に等しいぐらいの騒がしさだった。
 かつてこの基地が騒ぎになったのは、西方大陸上陸をして、元々西方大陸の取るに足らない小国の小さな軍事施設だったここを大改築しつつ、順次、各地の制圧に乗り出していた時ぐらいだ。
 そして今はそれ以上に騒がしい。
 それには訳があった。
 大まかに分けて、予想される来るべく事態は、たったの二つ。
 半月後までにウルトラザウルスを撃破し、共和国を完全に叩き潰す事態。
 ウルトラザウルスを撃破できずに、敗走に転ずる事態。
 上層部は、結果がどっちに転んでもいいように準備を進める必要があったが、相反する結果に、命令は撤回、再施行を繰り返しており、下の者はどっちつかずの上層部を責めて立てたりしていた。
 上層部とて、一枚板と言うわけではない。強硬派と保守派が、議論に議論を重ねており、微妙なパワーバランスが、小さな情報や、周りのたわいも無い憶測によって、揺れに揺れに居た。
 そんな喧騒の中、第24ゾイド格納庫へと続く道を一人の女性が歩いている。

135 :『決意を胸に』:01/10/21 23:19
>>134
 髪は短く、きれいに纏め上げており、平服もきっしり着込んでいる。温和そうな女性だったが、どこか表情は硬い。
 名は・・・。
「おい、ノイエ少尉、マジなのか? おい、ノイン・ノイエ少尉! マジで、突撃隊に立候補したのかよ。」
 その声は、彼女の後方にあった。彼女は、一端、足を止めると振り返った。
 一人の男が、そこに居た。
 がっちりした体格の青年で、刈上げた金髪と額の傷跡が目に付くが、顔は割りと愛嬌のある顔だ。名をアイン・ゲレーゲンハイトと言う。
「・・・本当の事よ。成功したら、二階級特進だってね。おいしい話じゃない?」
 右の人差し指をピンと立てて、にこりと女性――ノイン・ノイエは笑った。
 それを聞いて、男は、アインは、うな垂れて言葉を吐く。
「あのなぁ、帰って来れなくても、二階級特進だよ。お前は、馬鹿か?」
「そうね。大尉様よ。中隊の隊長さんね。」
 人差し指を振りつつ、彼女はまた前を向き、歩き始めた。
 男はその後を追いながら、騒ぐ。
「情報部が叩きだした成功率は、たった20%。生還率は更に下の5% 作戦に参加するゾイドの消耗率は、90%を見込んでいるって話だぞ?
 とは言え10%は、何か100%にしとくのも何だし、10%ぐらい引いとくかてな感じがありありだぞ。 要は、死んできてくれと言っているのと同じだぞ?
 決死隊だぞ。死を決定されてる隊だぞ。やらないよりマシだから、一応やってみる? てな具合の作戦だぞ? 本気で言っているのか?」
 本当の事だ。しかし、彼女は表情を変える事無く、歩調を緩める事も無く、淡々と言葉を返す。
「まぁ、ほら最新型のゾイドが支給されるって事だしね。新鋭機よ、しんえーき。すごーく強いって話じゃない? ほら、オーガノイドシステムって奴を本格的に搭載してるって、あれ。いいでしょ?」
「棺桶代わりにそんな物貰って嬉しいもんかよ!!」
 アインは、両腕を広げて、叫び、激昂するように振り返りもしない彼女の背中に向かって続ける。
「あんたがやる必要もないだろうが。あんた、確かまだ21だろ? あんな物は、くたばりそうな奴に任して置けばいいんだよ。前から思ってたんだ、あんた兵士に向いてない。本国に帰って、家庭に戻れ!」
「無理よ。決めた事だもの。」
 すました顔で、彼女は、いつの間にか到着していた第二十四格納庫の扉を潜った。
 後ろの五月蝿いのを無視して、中の様子を探る様に左右をみた。
 人がかなり居た。200人近くは要る。
 これが全員、突撃隊の志願者なのかと、彼女は思った。
 確かに、志願者に希望した次の日に、ここに来るように言われたのだから、他の者もそうなのだと判断するのが妥当であり、それは当たりだった。
 色々な顔ぶれが居るなと思いつつ、見回そうとした時、ノインは、ある視線を視線を感じて、ふと見上げた。
 彼女から見て、奥の方は薄暗く、それに最初に気付かなかったのは当たり前なのかもしれない。
 ゾイドが一体、置かれていた。
 二足歩行型の黒いゾイド・・・。獰猛な顎(あぎと)と鋭い爪を携えたゾイド。
 凶悪という文字がにじみ出てくる様なゾイドだと直感で感じた。
 見覚えがあった。確か、帝国が総力を結集して作り上げて、紆余曲折を経て量産化に漕ぎ着けた次世代型主力ゾイド。
 名を確か、ジェノザウラー。
 素晴らしい、とノインは思った。
 惚けるように見つめながら、これなら満たしてくれるとノインは、予感めいた物を感じていた。

                  NEXT→「出撃前夜」

136 :名無しですスティンガー:01/10/21 23:29
現在、完全に手探り状態・・・。
「ゾイド板復活計画布陣その1」とか言いつつ、週一の激遅の更新だけど、許してくれ。
いつも通り、最終話近辺は書き終えたんだが、複線をどう撒いて、回収するかの目処が立ってない・・・。
なかなか魅力的な主人公なんだか、その魅力を出せるか、どうかは、
俺のへたれた文章力のみが頼りなんで、かなり心配だな・・・と。

と、誰か書き込んでくれよー。
というか、他の連載陣はどこに消えた・・・。
完結させないと、俺が勝手に適当に完結させるぞ!! と脅してみる。

137 :名無し獣:01/10/25 01:08
がんばれー。
俺のそのうち参戦するからさ。とか言ってみる。
期待してる人は多いから、気長にやってください。

138 :で、:01/10/29 21:19
「闇ゾイドバトル」の続きは?
荒らしに負けず、がんばって!
続きを楽しみにしているよ。

139 :名無しですスティンガー:01/10/29 22:53
すまん、一週間たったけど、まだ続編書けてない・・・。
主人公の乗る機体の設定がなかなか決まらなかったので・・・。
後、他の事もやってたので・・・。

それと136の最後は冗談ですので、本気にしないで下さい。
というか、他人の奴なんか完結させる余裕なし。

140 :名無し獣:01/10/30 18:54
最近書き込まれないね・・。


おれの楽しみ。

141 :名無し獣弐:01/10/30 23:53
「・・・・・」
先ほど運び込まれた巨大な機獣を見上げて言葉を失っている整備兵がいた。
「おう、新入り、何やってんだ」
整備服に身を包んだ初老の男性が立ち尽くしていた青年、
ライズ・バルトに話し掛けた。
「あ、おやっさん」
"おやっさん"と呼ばれるその男性は煙草をくわえながら
ライズの元へ歩み寄ってきた。
この男の名はルード・サドル。
前大戦のときから整備兵をしてるそうだ。
よく自分の整備した機体の話を聞かされたりする。
「おやっさん、これってひょっとして・・」
「オマエもわかってるだろ。ウルトラザウルスだよ」
そんなことはライズも当然わかっていた。
何しろ共和国の象徴とも言えるゾイドなのだから。
しかし前大戦中の大異変で個体数は激減、
現在保護されている一匹が最後だと聞いたがのだが・・
「あの、」
「このウルトラザウルスはなぁ、」
ライズの言葉はルードの言葉にさえぎられた。
「1200mmキャノンを搭載している。
 名前はウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーだ。
 本来なら使ってはならない兵器かもしれない。
 だが"戦争の早期解決にはこれしか無い"と大統領閣下が言われた。
 俺たち整備兵には文句を言う権限は無い。
 従うしか無いだろう」
「はぁ・・」
その時、不意にアナウンスが流れた。

整備兵はただちに全員、第1格納庫前に集合
繰り返す・・・

周りの整備兵が慌ただしく移動し始めた。
「さて、俺たちも行くとするか」
「そうですね」
2人は第1格納庫へと向かっていった。

142 :名無し獣弐:01/10/30 23:54
書いてはみたもののダメだ・・
逝ってこよう。

143 :名無し獣:01/10/31 00:29
>>142
逝くな、逝くな。
待て、そこで、もう一歩を踏み出すんだ。

というか、共和国側から、ウルトラザウルスをクローズアップするんか、
いいねぇ。
「風が吹き荒む戦場で」とは、逆視点だな。

144 :名無し獣弐:01/10/31 22:50
>>143
ありがとうございます。とりあえず一歩を踏むことにさせてもらいます。
名無しですスティンガー氏の合間の暇つぶしにでも読んでいただけると幸いです。
書くのは早いですが内容は薄いので。


>>141の続き

「整備兵は全員集合したか」
ウルトラザウルスのパイロット、ロブ・ハーマン少佐は
彼の横にいたウルズ・フォーク大尉に言った。
「はい。全員集合いたしております」
「よし」
ハーマンはそういうと慣れてないせいかばらつきのある整備兵の方を向いた。

「今回、貴公らにしてもらいたい仕事は貴公達の中にも見たものが
 大勢いると思う、ウルトラザウルスの整備と1200mmウルトラキャノン
 そしてその護衛、援護となるデストロイヤー兵団所属機の整備だ」

ハーマンのその言葉を整備第一班にいたライズは
歓喜と感動で叫びたくなるような気持ちを抑えながら聞いていた。
(やった。ついにぼくも旗艦級の部隊の整備をできる)
そんな気持ちはライズと数十名の新入りぐらいのようだ。
他の整備兵の多くは不満そうな表情でハーマンのほうを見ている。

「なお、この任務に関しては通常の1.5倍の給与を支払う」

多くの兵は大喜びした。
しかしその中でルードは不機嫌な顔をしている。
(ハーマン少佐は"仕事"ではなく"任務"と言ったな。
 それだけ危険の多い仕事という訳か)

「今はまだウルトラザウルスとウルトラキャノンしか到着していない。
 とりあえず貴公達にはこれらの整備から初めてもらう。
 なお、大型武装の取り外しなどにはゾイドを使用してもらっても構わない。
 その場合は我々のうち近くにいるものに申し付けてくれ。
 何分、急を要する仕事だ。以上だ。
 各自、自分の持ち場に戻ってくれ。貴公達の働きに期待する」

145 :名無し獣弐:01/11/01 21:11
三回目

ウルトラザウルスが到着する前日、ウルズ一通の手紙を
係りの者からハーマンに渡すように頼まれた。
封書などにも特に特別な表記はされていない。
差出人のところを何気無く見てみると
(名前が書いてない?)
ウルズは少し気に掛けながらハーマンの部屋のドアをノックした。
「失礼します。手紙をお渡しに参りました」
「わかった。今行く」
ハーマンがドアを開けて出てきた。
「これです」
「すまんな。手間を取らせてしまって」
「いえいえ。ところで差出人の名前が書いてませんが、まさか恋人だとか?」
「ふふふ、残念ながらそういった人は今のところいないな」
ウルズの冗談をハーマンは軽く受け流した。
「そうですか。では自分はこれで」
そういうとウルズはその場を去った。

ドアを閉めてからハーマンは手紙の封を切り中を読み始めた。
中には差出人の名があった。
[ルイーズ・エレナ・キャムフォード]
(母さんから?一体何なんだ)
[今そちらにウルトラザウルスが運ばれている事は貴方も知っている事でしょう。
 そして一緒に1200mmウルトラキャノンが送られる事も。
 あなたをパイロットに選んだのは私も悩んだ末のことです。
 デストロイヤーを使うことは、あなたの誇りを傷つけるかもしれません。
 ゾイド乗りの戦い方ではないことは、よく承知しています。
 でも、ロブ。今戦いを終わらせるにはどうしても必要なのです。
 デストロイヤーを使うことで私は悪魔だと人々から言われることでしょう。
 しかし、私はこの戦争を早く終わらせる為ならば
 そう言われる事も覚悟しています。
 だけれどあなたまで悪魔と呼ばれるかも知れない事に巻き込ませるのは
 母親として、心が痛みます。
 しかし私は大統領として親子の縁を考えていてはいけません。
 だから、貴方には大統領としてお願いします。
 ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーに乗り、
 デストロイヤー兵団の指揮を取って下さい。]

手紙を読み終わってからハーマンは悩んだ。
そして一晩、考えつづけた。
(母さん、いや、大統領がそのような覚悟を持っているのならば俺も)

ドンドン

ドアをノックする音が聞こえた。
「少佐。ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー到着いたしました」
ウルズの興奮した声が部屋に響いた。

146 :名無し獣:01/11/06 23:20
続きはまだなのか・・。


また来るよ。

147 :名無し獣弐:01/11/07 00:24
名無しですスティンガー氏はまだかなぁ。
楽しみにしてるのに。
ってぼくも書いてるんだった。続き書かねば。

4回目
「お〜い、第一班集合しろ〜」
おやっさんの声が格納庫に響く。
ライズはルードが班長である第一斑に所属していた。
「俺たちの担当はウルトラザウルス本体だ。
 なおゴドスを2体、手伝い用に回してくれるそうだ。
 落ちたらまず命は無いから気をつけろよ」
笑えないジョークにライズは苦笑するしかなかった。
「班を4組に分けて作業する。A班は頭部と首、
 B班は胴体と尻尾、C班は左側の脚D班は右側の脚だ。
 班分け言うぞ。
 A班、ジャド、マイク、アラン、ライズだ。
 仕切るのはマイク、頼むぞ」
「わかりました」
「よし、A班はさっさと整備にかかれ」
「A班行くぞ〜」
マイクの後ろにライズ達は付いていった。
「B班はローレンス、ジム・・・」


「さて、作業にかかるかね」
マイクはウルトラザウルスの近くに来て言った。
「ん?マイク、ゴドスが無いぜ」
ジャドが辺りを見回しながら言う。
「仕方ないな。ライズ、あそこで暇そうに
 ウルトラザウルス眺めてるやつに頼んで来い」
「はいはい。了解ですよ」

ライズは階段をかけ上っていった。

148 :『出撃前夜』、改め『殺戮竜との邂逅』:01/11/07 01:53
>>135 さて、更新。説明文ばっかで、つまらんですが。
『風の吹き荒む戦場で(3)』

 翌日、志願者のテストを終えたノインは、第十三番ゾイド格納庫に来ていた。
 第十三ゾイド格納庫。
 その存在を知る者は、あまりいない。
 空爆を避けるために地下シェルターとなっている一部の格納庫よりも一段深い場所にあるその格納庫には、主に新型や、実験機が置いてある為だ。
「ようこそって所ですか。」
 彼女をここまで連れきたのは、三十路に手の届きそうな技術仕官だった。
 ただ年相応の雰囲気はなく、無邪気な子供のような雰囲気をもっている。
 基地の大半を占める軍人にはない開発者特有の夢を追いかける少年の雰囲気だ。
「あー、あんまり回りに手を触れないほうがいいですよ。」
 彼は手にもった重要書類の挟まったバインダーを振り回しながら、先を行く。
 ノインは、周りに引き締めあう改造機や、新型と思しきゾイドを見回しながら、その後を追う。

 ノインは、突撃隊の志願者テストに合格していた。
 だから、ここに居た。
 試験の内容は簡単な物だった。
 なにやら計測用のセンサーを体に付けられて、ジェノザウラーに乗り込み、ジェノザウラーを起動させる。
 それだけだった。
 たったそれだけの簡単な試験だった、少なくとも彼女には。

「あなたの乗り込むゾイドは、これですね。」
 いつの間にか、目的の場所に着いていたらしい。
 ノインは、見上げた。
 そこにあったのは、一体のジェノザウラー。
 色は、スタンダーカラーの紫と黒ではなく、赤のベースに黒の装甲である。
 そして、それは、ノーマル機ではなかった。
「改造機・・・よね。」
 言ってから、ノインは、そもそも、こんなところにあるゾイドが、普通のゾイドである筈もない事を思い出した。
 そして、彼女はにこりと笑うとそのゾイドに対して、一礼した。
「私の名前は、ノイン・ノイエよ。きっと短い付き合いだと思うけど、よろしくね。」
 一礼の後に隣の開発者に訊いた。
「それで、この子の名前は?」
「名は、まだありません。我々は、プロトブレイカー タイプ3Rと呼んでいます。『アイスマン』のジェノブレイカーの製作過程で生まれた試作機の一つです。が、無論、改修を加えているんで、戦闘ゾイドとしての問題はありません。」

149 :『殺戮竜との邂逅』:01/11/07 01:55
「ジェノブレイカー?」
 聞いた事のない名前のゾイドだった。
「7月の南部撤退戦の逸話を聞いた事はありませんか? たった一体のゾイドがしんがりを勤めて、無事に南部撤退部隊を脱出させた赤いゾイドの噂を。」
 確かに聞いた事はあった。その時の英雄が、帝国きってのエース『アイスマン』ことリッツ・ルンシュテッド中尉・・・。
 これは、彼の愛機の元になったゾイドだというのだ。
「極秘に製造されたジェノザウラーのエースカスタムというべき機体です。現在生産台数は、たったの十機を数えるのみです。本作戦で全機かり出されるとの話ですけどね。
まぁ、オリジナルのジェノブレイカーはたったの一機のみ、『アイスマン』の乗る物だけです。他は、オーガノイドシステムは限定装備なので。」
「この子にも?」
「無論です。ただこいつは、限定装備ではなく、制限なんですがね。」
「どういうこと?」
 疑問は、素直に口する。
「その昔、ジェノザウラー量産化計画実験で、オーガノイドシステムを丸ごと積んで、その一部に制限を掛けた状態で実戦テストをしたときの話なんですが、制限装置がぶち壊れまして、テストパイロット事、お釈迦にした笑えない話がありまして・・・。」
「確かに笑えない話ね。」
 とは言え、苦笑しつつ、プロトブレイカーを見上げる。
「それから、オーガノイドシステムを丸ごと積み込んで、制限を掛けるのではなく、オーガノイドシステムの必要な一部分を載せることにしたんです。その方が場所も取らなくていいですしね。でも、その分、オーガノイドシステムの恩恵を受け難い。」
「というか、結果が同じなら後者の方が遥かに安全じゃないの?」
「ええぇ、そうです。しかし、まだその頃はオーガノイドシステムの構造の詳細は分かっていませんでしたから。」
「だけど、こいつは、純正のジェノザウラーなのね。」
「そです。混じりっ気なし、こいつのベースとなったジェノザウラーは先行量産型で、純正のオーガノイドシステムを積み込んでます。ですから、制限装置を組み込んであります。一応、耐久性を上げているので、大丈夫だと思う居ますけど、まぁ、実験機ですから・・・。」
 そう言って、技術仕官は苦い笑いをした。

150 :名無しですスティンガー:01/11/07 02:05
久しぶりの更新。
で、次も二週間ほど、待たれよ・・・って事はない様に努力したいと思います。
ちなみに次回の題名予告は辞めました。好きなんですが、今回のように改名する確立が高いので・・・。

>名無し獣弐氏
わーい、久方ぶりの同士、同士。
何か、オリバトストスレ(変な略・・・。)をまとめたHPを作っているみたいですな。
一気に読んでみたけど、誤字脱字、多すぎだな俺の作品・・・。
プロZスレの方も、俺の駄作品が約半分を占めているこの状況・・・。
 

151 :名無し獣弐:01/11/08 21:48
>>147
5回目 題名考えてみようかな。

「お〜い、そこのパイロットさーん!」
ライズは大声で叫んだが聞こえないのか反応が無い。
それも当然だ。辺りには作業が始まったために金属音が鳴り響いていた。
「ったく」
ぼやきながらそのパイロットの方に向かって行った。

「ちょっと」
「ん?」
そのパイロット、アドル・クランクはやっと気付いたようだ。
「今から作業するんでゴドス動かしてもらえない?」
「あぁ?なんで俺がそんな事しなきゃいけないんだよ」
「そっちこそ何言ってるんだよ。ハーマン少佐の話聞いって無かったのか?
 ウルトラザウルスの整備にはゾイドも出すって言ってただろ」
「だったらなんで俺のところ来るんだよ。他の奴に言えよ」
「他のやつがいないからここに来たんだ。早く動かしてくれ。作業が出来ない」
「整備兵の分際でパイロットに向かって命令してんじゃねーよ!」
「何だと!?だったら自分で修理できないくせして
 毎回ゾイドぶっ壊してくるんじゃねぇ!」

「何をしている!」

怒鳴り声が辺りに響いた。
二人は息もできずに固まっていた。

152 :名無し獣弐:01/11/08 21:50
>名無しですスティンガー氏
この展開はエピローグ(仮)消したほうがいいですね。
誤字、脱字などの変更したい部分があれば言ってください。直しますから。

153 :名無しですスティンガー:01/11/09 06:50
>>152
消さなくてもいいですよ。分かる人には分かってしまうでしょうけど。
ていうか、読んでいる人間は分かってるでしょうし。
ていうか、どっちかというと「息抜き」のブレードライガー突撃の方を消して・・・。
あれって、「最速へのイグニッション」の習作だし・・・。

154 :名無し獣弐:01/11/09 20:41
了解しました。

155 :名無し獣弐:01/11/11 02:22
>>151
もうちょっとなんとかしないと。
一回が短い・・次からはもうちょっとなんとかします。
子供っぽいのもガキ臭さが残る新米兵ってことでご理解をお願いします。

5回目
その声の主はハルト・シュタイナーであった。
「何をしている、アドル少尉」
「え、ハルト大尉、こ、これはですね・・」
アドルは階級のせいもあり反論できずにあった。
「貴様の言い分、一部始終聞かせてもらった。
 整備兵を馬鹿にするのなら貴様はまだまだ半人前にすらなっていない。
 もう一度やりなおすか?」
(子供みたいなやりとりしてるな・・)
2人のやりとりを横で見ながらライズは思った。
「さて、先ほどはアドルが失礼なことを言ってしまったな。
 私から謝ろう、名前は?」
「あ、ライズ、ライズ・バルトです」
「時間を取らせてしまったが今からゴドスを2機向かわせる。
「あ、はい。お願いします」
「おい!、アドル少尉、さっさとゴドスを出せ」
強い口調でアドルに命令をした。
「俺がですか・・」
「当たり前だ、早くしろ!」

 

156 :殺戮竜との邂逅その2:01/11/12 01:49
>>149 なんつーか、やる気あるのか、俺・・・。
『風の吹き荒む戦場で(4)』

「で、何で正式の機体に採用されなかったのかしら?」
 腰に手を当てて、ノインは横の技術仕官に聞いてみた。
 もっともな意見だ。『ジェノブレイカー』製作過程で生まれた機体だ。こいつが正式に採用されていれば、これが『ジェノブレイカー』と呼ばれている筈である。
「鋭い突っ込みですね。」
 あははと笑いながら、技術仕官は頭をぽりぽりと掻いた。そして、『プロトブレイカー タイプ3R』と呼んでいたゾイドの背中を指して、続ける。
「まぁ、原因はあのHiFMスラスター ウィズ エクスブレイカーにあります。」
 ノーマルのジェノザウラーではニ連ロングレンジパルスレーザーキャノンが備え付けれている場所に、別の物が装備されている。
 暗がりでよく分からないが、細長い何かだ。
 作業用ゾイドのアームに似ているとノインは思った。
「ハイエフエム スラスター? 何それ。」
 これもまた聞いた事のない装備だ。
「正確には、ハイ フレキシブル マヌーバ スラスターの略です。従来より、より自由度の高い機動(マヌーバ)を可能にするスラスターという奴ですな、こいつの背中に装備されてるあれです。
 バインダーアームの先に付ける事によって、全方向にノズルを向ける事が出来ます。元よりは、ロングレンジパルスレーザーを装備していた部分なんですがね。」
「機動性の向上って奴なのね。」
「そです。その機構に対格闘戦用兵器と呼ばれるエクスブレイカーと、Eシールドを装備した一品。対ブレードライガー戦を想定した完璧な装備だと思ったんですがね。」
「何が問題だったの?」
 問題はなさそうに見える。実験兵器にしては上々の装備ではないか、スペックを見るだけならばだが。
「うーん、格闘能力と機動性の向上を目指していたんですが、この二つが破綻してたんです。」
「どゆこと?」
「すなわち。一つの機構にオールインワンにし過ぎたんですよ。この構造の欠陥は、ジェノブレイカーでは、マヌーバスラスターとエクスブレイカーを分離する事で、解消されてます。」
「なるほど。高速機動中の格闘戦闘が出来ないのね。」
「いえ、できますが、行動が制限されるって事です。ただ、ジェノブレイカーより優れている部分もあります。」
「何?」
「エクスブレイカーとマヌーバスラスターが一体化している事により、エクスブレイカー自体の動きは、数段速いです。
故に、最大出力の荷電粒子砲を放つ時に、アンカーを地面を打ちつけた時に限っては、ジェノブレイカーより安全に身を守れます。
それと、機動力は、ハイフレキシブルと名付けただけあって、ジェノブレイカー以上です。最高速度も330kmとジェノブレイカーに一歩及びませんが、それでも仮想敵であるブレードライガーを上回ります。」
「なるほどね。」
 分かったんだか、分かってないんだか、よく分からない生返事を返して、ノインは、それを見上げた。
 サスペンド状態に関わらず、こちらを睨んでいる様にノインには見えた。
 何かを言いたげな・・・

――ここから出せ――

 そう聞こえた気がしただけなのかも知れない。
 だが、呟きが彼女の口から漏れ出る。
「もう少しよ。」
「え?」
 ノインの呟きは、隣の技術仕官にも聞こえていたが、彼女は何となしに首を振ってから、技術仕官の方を見やる。
「・・・名前、まだなのよね。」
「え?」
 とっさのことで意味が理解できなかったらしい。技術仕官は眉を潜めたが、それでもやっと思い当たる。こいつの名前が、愛称がない事に。
 技術仕官が何かを言う前に彼女は、口元を緩めると。
「『ドライファクト』って名前なんか、どうかしら?」
「はぁ・・・。」
 気の抜けた言葉しか技術仕官は返せなかった。
 それに決めたと満足げに彼女は頷くと『ドライファクト』に近付く為に一歩を踏み出した。

157 :ブリーフィング:01/11/15 22:26
『風の吹き荒む戦場で(5)』

 出撃前夜
 ブリーフィングルームという看板が掛けられていなければ、何の部屋だかいまいち理解できない部屋。
 たいした広さの部屋ではない。高校の教室ぐらいの大きさである。
 そこにノインは、居た。
 何をするでもなく、置かれた簡易折りたたみ式の机の上に肘を突き、手の上に顎を載せて、ぼーっと、部屋の前に置かれたホワイトボードを見ている。
 部屋には、彼女以外にも人は居るが、他の者も、何を喋るわけでもなく、各自それぞれの事をしており、ノインの前に居る者などは、机に突っ伏して寝ている。
 数は・・・総勢、14人。
 と、前の扉が開き、2人増えた。
 いかにも百戦錬磨のツワモノであるいった、いかつい顔で、体格の良いオヤジであった。
 手には、クリップボードを持っている。
 そして、その後ろに彼の補佐であろう、女性がおどおどと入室してきて、彼の持っているクリップボードと同じ物を、部屋に散らばる者達全員に配ると、そそくさと退出した。
 彼は、部屋の前に置かれた講演台の上に両手をつくとざっと見回した。
「14名、全員、居るな。」
 答える者は、いない。しかし、全員が顔をあげ、彼を見た。
 ほとんどの者が、形容のしがたい目線を彼に送りつける。
 ――とっとと始めてくれ。
 誰もが分かっている事だ。すでに彼らに上も下もない。もはや、上官もくそもない。
 だから、彼はそれを咎めず、
「・・・。これから、我が隊・・・独立特別行動部隊第十三小隊、LB小隊のブリーフィングを行う。」
 とだけ告げた。

158 :追記:01/11/15 22:54
あー、何か、あいも変わらず、遅筆ですなぁ。
ちなみにプロトブレイカー タイプ3Rは、公式ファンブック2巻の「プロトブレイカー」とは、違うんで。
でもカラーリングだけは、一緒かな。
背中には、
HiFMスラスター+エクスブレイカー+Eシールド×2
展開式の冷却フィン×2
メインスラスター×1
を装備してます。
両脚には、ジェノブレと同じ、マルチウエポンバインダーを装備してます。
頭もジェノブレと一緒です。
ちなみに荷電粒子砲の連射は不可能。
オーガノイドシステムは、アクティブリミッターを装備し、
コア出力が足りない時に、自動的に制限が弱くなります。車のターボみたいなもんだと思ってください。
冷却フィンは、ライガーゼロのイェーガーのブースターのような形状をしており、
Eシールドなどを展開したり、機体に急激な温度上昇時にに、展開して、稼動し、余剰熱を放出します。
ちなみにEシールド展開時は、エクスブレイカーは使えません。
エクスブレイカーもジェノブレの物と違い、二本の刃が、展開し、左右合わさって、一本の剣のような形状を取ります。
Eシールドは、実験的な物であり、防御力は、最大でもシールドライガー並。

・・・言葉で説明するより、絵で書いたほうが、早いよな。お絵かき板にでもアプしようかね・・・。

159 :ブリーフィングの2:01/11/16 21:25
>>157
『風の吹き荒む戦場で(6)』

 ノイン・ノイエは、息をひとつ吐くと、無機質な顔で、目の前に置かれていたクリップボードに目を落とした。
「作戦要項」
 とだけ書かれた表紙がある。手を伸ばして、捲った。
 LB小隊の戦力と構成員の名前が並んでいた。
 目を走らせて、自分の名前を確認する。

 コールサイン:LB3
 名前:ノイン・ノイエ
 階級:少尉
 搭乗機:ジェノザウラー改造機「プロトブレイカー タイプ3R」

 そして、最後に

 備考:ISF出身

 と書いてあった。
 ISF、インテリジェント・シークレット・フォースの名を知ってる人間は、結構居る。しかし、その存在を信じている人間は、ほとんど居ない。
 よくある幽霊部隊だろ? と皆が言う。
 やれ、
 絶体絶命のピンチを救ってくれたけど、後で調べてみたが、あの時、自分達の周りには、他の小隊は居なかった だの、
 たった1小隊で一師団を相手した謎の小隊 だの、
 敵のど真ん中に現れて、隊長機だけ音もなく撃破して、消えた正体不明機 だの。
 戦場には、ありとあらゆる不可思議な話が飛び交っている。
 無論、そのほとんどが嘘だったり、尾鰭に胸鰭、ついでに背鰭も付いて、元の話のディティールが完全に破綻した話だったりする。
 だから、誰も信じていなかった。最高司令部さえも把握できず、干渉できず、情報部が、独断で運用できる秘密部隊の話など。
 信じないのは、当然だ。数々の「ひれ」がくっ付いた情報しか、彼らは知らないのだから。
 やれ、
 敵の情報を盗む為に、単機で、ロブ基地まで潜入したツワモノが居るだの。
 敵に投降しようとした者を、処刑する凄腕のゾイドスナイパーが居るだの。
 すべての機密を知っており、その実、帝国の実権を握っているのは奴らだの。

 ・・・馬っ鹿じゃないの。
 ノインは、そう思っている。
 だったら、そんなに苦労はしない。
 そんな大層なものではない。確かに、一般の兵士には伏せられているが、結局、やっているのは前線の監視とか、敵基地の単独偵察、スパイの検挙とかだ。
 汚い仕事を全部押し付けれてるゴミ処理係りと一緒だと、彼女の上官がぼやいていたのを思い出す。
 機密など、知っているわけがない。機密を知っている人間を戦場に送り出すような馬鹿はいるはずもない。
 ページを捲って、一応、全員の名前と搭乗機ぐらいを把握して、戦力を分析しておく。
 ・・・。
 無表情だった顔の一点、眉が動いた。

 コールサイン:LB13
 名前:アイン・ゲレーゲンハイト
 階級:少尉
 搭乗機:ライトニングサイクス
 備考:ISF出身 A級。

 軽い頭痛。
 その時、目の前で、伏せて寝ていた男が、動いた。顔を上げて、首を傾げて、肩を揉む。
 それから、ぐるりを周りを見やって、勤めて無表情であろうとする彼女と目が合った。
「お、やっぱ、一緒だったなー。運命って奴か?」
 殴り倒してやろうか、と思った。

160 :名無し獣:01/11/16 23:53
熱い、熱いぜー。
このスレは。

161 :名無し獣弐:01/11/17 22:26
ああ、既に訳がわからなくなってきた。
頭冷やしながら書こう。

6回目

「もうちょっと右、何やってんだよ行きすぎだ!
 何年ゾイド乗りやってやがるんだ!?」
作業用に修理、改修されたゴドスの右手に乗ったジャドから罵声が飛ぶ。
「ったく、こんな雑魚ゾイドなんて俺が乗るべきじゃ無いんだよ」
そのゴドスに乗っているパイロット、アドルはコクピットで愚痴をこぼしていた。
「ジャドさーん、早く上がってきてくださいよ」
先にウルトラの首を整備していたライズが叫んだ。
「わぁってるよ、このパイロットの腕が悪いんだ。
 おら、早く上にあげろ」
「はいはい、ったく」
アドルはクレーンをライズのいる少し上にのばした。
「たく、もっときちんと操縦できるようになれよ」
ジャドはまたアドルに向かって悪態をついた。
 ガチ
命綱をつけてからジャドは調整ついでに一度ライズのところまで降りてきた。
「流石にいい仕事してますね。
 現在確認されてる最後の一機だけのことはありますね」
「そりゃそうだろ。向こうで保護されてたわけなんだから」
などとどうでもいい会話をしてジャドも整備を始めた。

162 :ブリーフィングの3:01/11/17 23:46
>>159恐らく、日本で一番バトルしてないバトスト(何かもう、ヤケクソ)
『風の吹き荒む戦場で(7)』

 そうだともノイン・ノイエは、聡明な女性だ。いきなり、目の前の人間を衝動的に殴り倒したりはしない。
 ただ、何か、何を考えていいのやら、一瞬、途方に暮れた。
「てーか、どした? 応答せよ、応答せよ、ノイエ少尉。戦場では、常に動かない者には死あるのみだぞ。」
 動いた。小気味よい乾いた音。ノインは、思わず手にしたクリップボードで、アインの顔を平の面で引っ叩いていた。
 呆れと、睨みが半々の半眼を向ける。
「なんで、あんたがここに居るのよ。」
 アインは、鼻面を押さえつつ、多少間を置いてから、ふむと頷いて、
「成功したら、二階級特進だってよ。おいしい話だろって・・・あ、痛て、止めろ、痛い。痛い、角は止めて、角は!!」
 静止の声など聞く耳もたずで、クリップボードの角で、ノイエは、しばしアインを小突き回す。
「あのな。ノイエ、女性っつーものは、もちこっとな・・・。」
 ノイエは、問答無用でクリップボードの角を彼の鼻先に示してから、ちょっとずらした。
「前。」
 アインが振り返ると、どーしたもんだか、困った顔のLB小隊の隊長が居た。
「あー、気にせず始めちゃって下さい。」
 後頭部に止めの一撃が見舞った。

 ブリーフィング自体は、すぐに終わった。
 結成された初日に関わらず、自己紹介もなく、ただ淡々と作戦の大まかな説明があって、各自の分担が発表されただけだ。
 作戦の内容は、至って簡単。
 ウルトラザウルスの撃破を目的とし、他の特別編成の小隊らと共に、時間差を置いて、各ポイントより、出撃。少数精鋭での時間差、波状による敵防衛網へのピンポイント突入。
 LB小隊の戦力は、大まかにジェノザウラー5機に、セイバータイガー5機、ライトニングサイクス5機と破格の戦力で構成されている。
 そして、LB小隊は、最後の弾丸として、戦場に放たれる。

163 :ブリーフィングの3:01/11/17 23:48
ブリーフィングは終わり、部屋から、皆退出して、ノインともう一人アインが残った。
「・・・で。本当は?」
「あ? あぁ、要請だよ。ほれ、俺、ISFの撃墜王だしぃ。」
ノインは苦笑いする。
「潜入作戦の多いISFで、それは威張れた話じゃないっての。」
 すなわち、それは敵に発見された回数の多さを意味するからだ。
だが、この男、敵に見つかるというへまは、よくやる物の、作戦自体を失敗する事は、あまりないし、必ず生きて返る事から、よく激務にかり出されるISFでは重宝されている存在だった。
「つーかよ。エコーの再来と呼ばれた俺様に出撃させるかね。普通。」
 エコーとは、旧大戦において、超人的な才能を発揮した凄腕のエージェントの名であり、その数々の逸話は、伝説ともなっている。
「何が、エコーの再来よ。っていうか、何よ、この作戦、「アイスマン」まで、出張る訳? マジなの?」
 散々、アインをどつき回した所為か、少しへたれたように見えるクリップボードにノインは、目を落とす。
 恐らく戦意の高揚の為だろう。この作戦には、あの南方ルート大撤退作戦に置いて、たった一機で、大部隊を救った男、リッツ・ルンシュテッド中尉が参加し、本作戦の成功は確実だとか、書いてある。
「マジだよ。あの男も出張る。要請じゃない。自分で参加すると言い切ったらしいぜ。司令本部としては、複雑だろうな。あの男を今、失うのは痛すぎる。だけど、この作戦を失敗するのはもっと痛いだろうからな。」
 止むえぬ最強ユニットの投入・・・と言う所で、ノインにある疑問が浮かび上がった。
「あれ、PKは、どうしたの?」
 即答。
「帰った。」

164 :ブリーフィングの3:01/11/17 23:51
「は?」
 アインは、唖然とするノインに向けて、お前はアホかと言わんばかりのジェスチャーと口調で、
「んなもんが居るわけねーだろ。今朝、荷物まとめて、とっとと本国に帰還したよ。『本国で、急務ができた。後は、君たちに任せる』とか言いやがってな。
 しかも聞いたかよ、新型のジェノザウラーだの、ジェノブレイカーだの、摂政権限でごそっと持ち帰りやがったらしいぜ。この高性能機がクソたくさん要る時にな。」
 PKとは、プロツェン・ナイトの略であり、なんか色々建前があるのだが、要はルドルフ皇帝の摂政のギュンター・プロイツェンの私兵である。
 もはや国防軍とは、完全な別組織になっており、摂政権限で、優先的な戦力配備により、通常の師団の三倍の戦力を保有する馬鹿強い師団に成っていた。
 そして、プロイツェンは、士気向上の為に、この最強軍団の一部を主戦場たる西方大陸に送り込んでいた、今朝まで。
 だが、このPKは、通常の国防軍と仲が悪かった。
 当然だ。訳も分からんエリート風を吹かせた軍団が、ノコノコやって来て、「面倒だけど、しょうがないから協力してやる。」などな感じで、基地内で好き勝手しまくった。
 その上、彼らは、本国で秘密警察まがいな事をやっており、国防軍の内部の事を嗅ぎ回っていたし、出撃も気が向いたらの適当な出撃で、国防軍の戦術はおろか、戦略まで荒らしまくった。
 その悪態に国防軍、西方大陸司令本部は、機密費として「PK対策予算」を組んだぐらいだ。
 そして、第二次全面会戦で、主力機PKコングの敗北で、少しはおとなしくなったかなと思ったら、今回の高性能機と優秀なパイロットが要るって時に、本国にとっとと帰ったわけだ。
「・・・つくづく役に立たない連中ね。」
 額に手をやる。国防軍所属であるISFも、PKと仲が悪い。ノインに取ってもPKとは嫌悪の対象でしかない。
 そもそもPKは独自の情報機関を持っており、ISFや、その上位組織である国防軍情報部と対立している。
 PKとは、プロイツェンの私兵であり、不鮮明な部分が多すぎる為だ。
 国防軍の将校の面々としては、不気味すぎてたまらんので、情報部にPKの動向を出来うる限り見守るような指示が極秘に要請されている。
 そして、時に人死にが出るぐらいの熾烈な争いが水面下で繰り広げられている。

165 :ブリーフィングの3:01/11/17 23:55
 アインは鼻で笑って、
「プロイツェンの子飼いに期待する方が可笑しいっての。」
「たっく。むかつくわね。」
「だろ? でよ、何かあれだから、奴らのゾイドのコクピットにダッチワイフを乗せてみ
たり、コンバットシステムの起動画面に、海兵隊の連中からパチって来た極上ホモ画像に、
プロイツェンの顔写真を合成した極上画面を表示させて、「プロたん、萌え萌え」とか特殊
効果ありの文字とか流すようにするウィルス仕込んだりしてな。あぁ、情報部の凄腕のハ
ッカーの仕込んだプログラムだから、これまた極上の奴で、多分、消去するのに一週間は
掛かる代物だろうな。」
 ケケケと笑う。
「マジ?」
「んでよ。さて、行動に移ろうとしたら、クロイツ部長に捕まってさ。」
 帝国国防軍の情報部を総括するアルベルト・クロイツ少将。なかなか厳格な男であり、部下からも信頼が厚い存在だ。
「未遂に終わったのね。」
 がっかりするノインにアインは、極上の笑みを向けた。
「あぁ、笑顔で『見逃してくれた。』」
「は?」
「んで、たんまり、贈呈品を貰った。いやー、さすが部長、考える事が素晴らしいね。奴
らが使う機密がたんまり入った情報ディスクとまったく同じ物をたんまり用意してよ。中
に面白いデータをたんまり奴らの使う暗号圧縮をかけて、奴の機密の詰まったコンテナに
ぶち込んで置いておいた。多分、本国帰って、びっくりだぜ。どれが本物か分からん上に、
一々解凍して、中身を確認しないといかんのだからな。」
 その偽のディスクを一つはこんな風になっている。
『新型ゾイドの要注意攻撃パターン』と書かれた動画ファイルを開くと、クロイツ部長の
お孫さんが毎週欠かさず見ている「魔法少女・マジカルデス美ちゃん」の主人公ことデス
美ちゃんが、相棒の仔モルガの「モルモル」君の力を借りて、『必殺マジカル大口径荷電
粒子ラブラブアタック』で、悪の魔女・ルイーズ――誰がモデルなのか一発で分かる――を
討つシーンが流れる。他にも頭の悪―い、画像、文章、映像がてんこ盛り。
「とっとと本国に帰って、愛しのプロイツェン様にケツでも掘られてろっての。ったく。」
 この男とISFだけは、敵に回さないで置いてよかったと、ノインは思った。

166 :名無し獣弐:01/11/18 00:05
名無しですスティンガーさん頑張ってますねぇ。
ぼくももうちょっとなんとかしないとな。

7回目

作業が終わってアドルは開放感に浸っていた。
「ったく、整備兵にこき使われるとはなぁ。
 飛行ゾイド乗りなのに地べたを這いずり回るのは性にあわねぇよ」
自室に戻る道の給水機の前で立ち止まり、コップに水を入れてそれを飲み干した.
「ふぅ・・」
特に疲れた仕事はしていないが溜息が漏れる。
精神的に疲れたのだろうか。
「どうした、溜息なんかついて」
不意に肩を叩かれてビクっとした。
「あ、ハーマン少佐」
「たまには基本に戻ってゴドスを動かすのもいいだろう?」
「いえ、やっぱ俺の性にはあわないですよ」
アドルは苦笑した。
「ちょっと話があるんだが今暇か?」
「はい、いいですよ。何の御用でしょうか?」
「ああ、君のプテラスをレドーム・スペシャルに
 改造したいと思うのだがいいだろうか?」
アドルがなんと言ってもハーマンは上官であるから
反論しても結局は改造されるだろう。
そんなことは分かりきっていた。
「はい・・いいですけど」
「どうした?不服そうだな?」
「そりゃ、自分の今まで乗ってきた機体を改造された上に
 他人に任す事になるんですから・・」
思わず本音が出てしまった。
「誰が君をパイロットからおろすと言った?」
「・・え?」
アドルは意味がわからず言葉が出なかった。
数秒の沈黙の後ハーマンが言った。
「君がデストロイヤー兵団の"眼"となるのだよ」

167 :名無しですスティンガー:01/11/18 00:13
>>166 名無し獣弐氏
全然頑張ってません。
何か、今回はオーガノイドシステムを搭載してたのか俺?ばりの暴走っぷり。
いや、ほんとに、どの辺がバトストなんだろうかと、自分で疑うぐらいだし。
いやはや、ふさげんなお前的な意見、待ってます。

あー、ISFは無論、俺設定ですので、そんな組織は公式には存在しません。
PKが西方大陸最終戦に参加しなかったという設定も俺設定。
でも、多分参加しなかったんだろうなー。

168 :名無し獣弐:01/11/19 23:05
>>167 名無しですスティンガー氏
俺設定でいいのでは?マイバトストだし。
あぁだんだん行き詰まってきた。明日には8回目書きたいなぁ。

169 :名無し獣:01/11/19 23:11
私はこのスレが楽しみでこの板に来てるようなものです。
なにも出来ませんが、これからも頑張ってください。

170 :名無しですスティンガー:01/11/19 23:47
ごめんなさい。
今、俺の家、暗黒大陸のエントランス湾と化してます。
こたつの上は、マッドサンダー開発工廠です。

「うらー、新米、そこのパーツは、そうじゃねーだろ!!」
「すいみません。親方ぁ」
「ボルトの締め方が甘めぇ。そんな付け方だと、マグネーザーが取れるぞ、
マグネーザー取れて、雷神さまが負けたら、てめぇの首一つじゃすまねぇんだぞ、アホたれがぁぁ!!」
「今すぐ、やり直します。」
「いや、貸せ、手本見せてやる! 突貫作業だからって、手を抜いたら、承知しねぇからな、てめぇら!!」
てな感じです。
でも親方、普段は優しいし、本当は、今回もいつ子分達が倒れるか心配なのです。
いやはや。

んな脳内妄想は置いといて、

>>168 名無し獣弐氏
うむむ、やっぱそーですかなぁ。
脳内設定万歳ですなぁ。
月並みの言い方ですみませんが、頑張って下さい。
その実、「風荒」も現実と理想の間で苦悩して、のたうち回るロブさんが登場する予定だったのですが。
この調子だと、いらなそうですなぁ。
あぁ、早く俺もプロトブレイカー タイプ3Rを滅茶苦茶に暴れさせてやりたいところです。

>>169
レスをくれるだけで充分です。
最近の「風荒」は、本当にあれですが・・・。
でもシリアス路線一辺倒ってのは、嫌なんです。

171 :名無し獣弐:01/11/19 23:56
>>169
僕のはつまんないけど、とりあえず嬉しいです。
ありがとうございます。

172 :黒いオーガノイド:01/11/20 14:59
名無しですスティンガー氏、名無し獣弐氏のお2人に刺激を受けて、駄文を鋭意製作中。
笑いものになる勇気が出せれば投稿したいと思います。

173 :名無し獣弐:01/11/20 21:12
予告したからには8回目。

「お〜い、第一班集合しろ!」
マイクの声が響いた。
ウルトラザウルスの首に取り付いて作業をしていた全員がゆっくりと降りていった。
全員が集合するまでに5分程かかった。
揃ったのを確認するとマイクは話し始めた。
「よし、全員いるな。ハーマン少佐から話があるそうだ。少佐、どうぞ」
そういうとマイクは一歩下がってかわりにハーマンが前に出た。
「まずは礼を言わしてもらおう。
 貴公達の手際のよさでウルトラザウルスを含むデストロイヤー兵団の機体
 の整備はあと5日もすれば終わるところまで来た。
 特に貴公達第一斑は作業が早く頭部は既にほぼ完全な状態になった。
 そこで頼みがある。我々の眼となるプテラス・レドームスペシャルに
 第11格納庫にあるプテラスを改造して頂きたい。
 自分達の役割が終わって気がやすまったところを申し訳無い。
 その分、今日は休んでくれていい。私からは以上だ」
一瞬全員が顔をひきつらせたが「プテラスに改造パーツをつける程度なら楽だ」
そう思ったのだろう。それよりも休めるという安堵感のほうが強かった。
「よし、今日は休め。明日は8時には第11格納庫に集合だ。遅れるなよ。全員解散だ」
第一斑の全員がそれぞれの部屋に帰っていった。

174 :名無し獣弐:01/11/20 22:01
内容が少ない分書きます。

9回目

バタッ
「疲れたぁ」
ライズはベットに倒れこんだ。
整備兵の部屋は2人で1人だが一緒の部屋に住んでいるローレンスはまだ帰っていないようだ。
(当然だな。こっちが早く終わったんだから)
シャワーを浴びて寝る事にした。
疲れすぎて飯を食う気も起きない。

蛇口をひねっるとお湯が出てくる。
(はぁ。生き返るようだ。こんな暖かさは何日ぶりだろう)
数十分シャワーを浴びて再びベットに倒れこんだ。
そして眠ろうと思ったが眠れない。
ウルトラザウルスの整備ができるといった興奮がまだ残っているのだろうか。
まぶたが異様なまでに軽い。
仕方が無いので近くに置いていた小型テレビを手に取った。
当然のことながら戦場のロブ基地にはテレビ放送はされていない。
そのテレビの置いてあった棚の下にずらりと並べられているCVD(コンパクトビデオディスク)を手にとった。
ラベルには「戦闘機獣大戦」と書かれていた。
この番組はこの戦争が始まる6年ほど前に作られたテレビドラマだ。
40年前の戦争を元に娯楽性を高めて子供から大人まで楽しめるように作られた番組である。
西方大陸戦争が始まったときに軍部ではプロパガンダとしての使用も
検討されたが大統領の一言でそれは中止されたようである。
そのうちの1つをライズは手にとってテレビにセットした。
毎回おなじみのオープニング
「この番組は40年前の戦争で死んだ全ての人に捧げます。尊敬と友情をこめて」
オープニングが終わると本編の題名が出てきた
"第49話 大空の決戦 前編"
これはライズが最も好きな話の1つであった。

「いいから開発局の倉庫を見せろ。
 奴を倒せる機体があるかも知れんだろ!」
「わ、わかりましたよ。こちらです」
 ギィィィ
ドアの鈍い音が静かな倉庫に響いた。
そこには何機もの試作ゾイドが並んでいる。
「で、超高度を飛行できる奴はどいつだ?」
「その一番右にあるゾイドだけです」
「こいつか。名前は?」
「名前は"オルディオス"です」
「で、どれぐらいの確立で奴に勝てる?」
「そうですねぇ、1%程でしょう。
 時間が無い上に最高の武装を施せる施設がほとんど
 空爆によって破壊されたので今の施設ではこれが限界です」
「ち、まぁいい。0%じゃないんだろ。だったら俺は行く」
「何ですって!?ご冗談でしょう」
「冗談でこんな事を言うかよ。ほら、早く調整しな」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そんな結果は見えてるじゃないですか。
 この機体では勝てる希望は無いに等しいんですよ」
「希望ってのはな、人の足を進める直接の原因にはならないんだよ。
 人の足を進めるのはそいつの意志だ。希望はただの道しるべに過ぎん。
 しかも完全に絶望的じゃないだろ。1%の希望があるじゃないか。」
「そんな屁理屈を・・」
「だったらおまえはこのまま街が破壊されるのを指をくわえて見てるだけでいいのか?
 少なくとも俺にはできん。俺は自分にできるだけのことをやる。」
「わかりましたよ。今格納庫に移動させます」
「最初からそう言えば良いんだよ。急いでくれよ。次の空爆がいつ始まるかわからんのだから」

175 :続き:01/11/20 22:03



「右翼稼動問題無し、左翼異常無し。
 武装すべて異常無し。レーダー全て正常に作動。
 脚部、全て正常に稼動。文句無しの状態だ」
オルディオスは予想を越えるその飛行を開発班に見せつけた。
「わかりました。それでは帰還してください。」
その時、クルーガーの眼にレーダーに映し出される機影が入った。
「ん?これはなんだ?」
「どうしました?」
「レーダーに機影が映し出された。この高度は、、奴か!」
「ちょっと待ってくださいよ、今から行くつもりですか?」
「当たり前よ、通信切るぞ!」
「ちょ・・」
開発班の静止は途中で切られ、クルーガーはオルディオスとともに大空高く舞い上がって行った。

176 :名無し獣弐:01/11/20 22:56
10回目(第50話 大空の決戦 後編)

オルディオスの高度計は2000mを超えたことを知らせている。
奴は3000mのところにいるようだ。
(け、3000mのところから来るとは余裕だな)
本来なら共和国機のすべてが到達する事の出来ない5000mにまで飛べば絶対に安全なのだが
サラマンダーで到達することのできる3000mのところを飛んでいる。
これは余裕の現れとしか思えなかった。
雲を突き抜けると太陽の光がまぶしい。
と同時に全ての障害物が無くなり奴が丸見えだ。
奴、そうギルベイダーが。

(来たか)
雲の上、障害物は何も無い場所で見つからないほうがどうかしてる。
敵も急加速して迫ってきた。
どうやらビームスマッシャーで一撃で終わらせるつもりのようだ。
「けっ、油断してるならこっちのもんだな」
クルーガーは急加速し再び距離をとった。
しかし奴のスピードは半端ではない。すぐに距離を詰めてくる。
その追撃を今度は急旋回でかわした。
どうやらオルディオスの性能は調整中の予想より高いようだ。
今度はプラズマ粒子砲の発射準備を始めた。
「どうやらやっと真剣になったようだな!」
コクピットの中で叫びながら急旋回し粒子砲もよけた。
「作戦は決まったな」
そう言うとオルディオスはまたスピードを上げギルベイダーから距離をとった。

177 :50話その2:01/11/20 23:21

一週間が経った。
クルーガーはギルベイダーの高出力、高性能から長期間の行動になると戦闘に支障が出ると推測したからだ。
しかしそれは半ば間違いのような気がしてきた。
この7日間の間奴はなんら変わりなく攻撃を仕掛けてきている。
ただビームスマッシャーや粒子砲等の高出力兵器は長期戦になるだろうと相手もよんだのだろう。
ニードルガンなどのエネルギー消費の少ない武器を多く使ってきた。
その上パイロットも焦っているだろう。
7日間も食料も無しにいるのだから。
しかしそれはクルーガーも一緒だ。
体力と集中力にも限界が見えてきた。
「くそ!さっさとイカレやがれ」
コクピットの中で数時間前からずっと悪態をついている。
その上に睡魔まで襲ってきていた。
まぶたがどんどん重くなっていく。
一瞬眼を閉じてしまった。
その一瞬を敵は見逃さなかった。
すかさず急接近しビームスマッシャーを喰らわせようとした。
「しまった」
そう思ったときには既にビームスマッシャーは届く範囲にあった。
だがそれがきっかけだったのだろうか。
ビームスマッシャーが当たる直前にギルベイダーの体は限界を迎えた。
身体中から煙があふれ出てくる。
「やった!」
クルーガーの思惑通りにギルベイダーはオーバーヒートした。
一気にオルディオスは懐に飛び込み、角を喉に突き立て翼に全弾をお見舞いした。
しかし同時にギルベイダーはニードルガンをオルディオスに撃ちこんだ。
胴体、脚、翼に被弾してしまった。
絡まったまま地表へと向かっていく2機。
「ちくしょう、早くギルベイダーから離れろ」
しかし深深と刺さった角がなかなか抜けない。
脚でギルベイダーの胴体を数十回蹴ってやっと抜く事ができた。
ボロボロになった翼でなんとかブレーキをかけながら雲を突き抜けた。
そこは既に海になっていた。クルーガーは崩れかけのギルベイダーに通信を入れた。
「聞こえているか。そっちのパイロット。
 共和国は既にこのオルディオスの量産体制を整えた。
 だからとっとと暗黒大陸に戻るんだな!」
そう言った数秒後にギルベイダーは海面に叩きつけられ、海の藻屑となった。

178 :50話その3:01/11/20 23:27

(くっ、このスピードだとヤバイな)
クルーガーはブースターを全開にした。
「奴みたいになりたくなかったらなぁ、全力で止めろ!」
オルディオスを励ますためなに言ったのか、自分に気合を入れるためかはわからない。
直後、海面に激突した。


3時間後、救助部隊が到着した。
「大丈夫ですか?クルーガー大佐」
「あぁ、ギルベイダーはぶっ壊したぜ」
「はい、残骸がまだ浮いておりますよ。おめでとうございます」
「とにかく早く帰らしてくれ」
「了解しました。どこか悪いところはありませんか?」
「そうだな、胃と膀胱が壊れそうだよ」

179 :名無し獣弐:01/11/20 23:35
>174〜178
はい、ごめんなさい。
ただバトルシーン書きたかっただけです。本編より力いれてどうするのよ。
あと名無しですスティンガー氏の影響を受けて何となくバトスト内ドラマが書きたかったというのもありますが。
雰囲気的には第08MS小隊小説版のキャプテンジョーを思い浮かべてください。
旧バトストはわからないんで人から聞いた断片的な情報を元に勝手に妄想して書いてます。
バトストとは違うでしょうけどオレバトストということで許してくださいな。
むしろ角が武器になるかどうかもわからないし。
これは完全なイメージです。
トミーの旧ゾイド資料館を見に行ったらオルディオス出てないので。
ついでにこの中には結構マンガとかの引用とかがあったりします。

180 :名無し獣弐:01/11/21 15:13
>>177
今気付いたけどハッタリかましたのはヘリック大統領・・

181 :名無し獣:01/11/21 20:50
>>179
突っ込みを一つさせてくれ。
飛んでる高度の0が一つ足りない。
高度3000mなんつーのは、低空域です。

182 :名無し獣:01/11/21 20:53
>>179
突っ込みを一つさせてくれ。
飛んでる高度の0が一つ足りない。
高度3000mなんつーのは、低空域です。

183 :名無し獣:01/11/21 20:55
ageた上に二重投稿・・・。
すまん。氏んでくる。

184 :名無し獣弐:01/11/21 20:56
>>181
そうだったんですか。
突っ込みありがとうございました。

185 :名無し獣弐:01/11/21 21:26
>>176
直しました。
旧からのファンの人は怒らないで下さいね。

雲のを突き抜けると太陽の光がまぶしい。
オルディオスの高度計は20000mを超えたことを知らせている。
奴は30000mのところにいるようだ。
30000mというのはすべての共和国ゾイドが到達する事のできない高度。
共和国で最高高度を誇ったサラマンダーですら最高高度は3000mだった。
このオルディオスが完成するまでは。
遥か上空で黒い1つの点が見える。
奴、そうギルベイダーが。

186 :くじら乗り:01/11/22 19:49
>>165 ええっと、影響?
 『風の吹き荒む戦場で(8)』

 帝国軍の保有するゾイドの中で最大のゾイドは? と聞かれて、答えられない奴は、共和国のスパイだ、即座に撃ち殺せ。
 と言われるぐらいに「ホエールキング」の名は、帝国軍では有名である。
 その実、共和国の人間でもその事実は知っているぐらいだ。
 しかし、帝国軍の人間で、その名を知らない事は、ほとんどありえない。
 全長約225m、その巨大さ故に、一度見れば忘れられないゾイドだからだ。
 とんでもなく大きなゾイドであるが、戦闘に直接参加する事はない。
 本業は航空輸送任務。ただ、輸送ゾイドで有名なグスタフなど及びも付かないほどの輸送能力を持っている。
 何しろ、大陸間での無補給横断が可能な上に、搭載できるゾイドは、大型でも十はいくからだ。
 ただ攻撃能力は、対空的にみてほぼ皆無。申し訳ない程度に武装はついているが、宙に浮くその巨体を敵戦闘飛空ゾイドから身を守るには、心許ない装備であり、
危険な輸送任務の場合は、基本的にレドラーが1小隊(約10機)、護衛に付く。
 そのくらい護衛に付かなければならないほど、巨大であるからだ。
 そして、ニクシー基地にも、そのホエールキングが離着陸できる場所はある。
 ただ、元々、垂直での離着陸が可能な――というか、それしかできない――ゾイドなので、だだっ広い平面のスペースがあればそれで事足りるのだが。
 そのうちの一つ、ニクシー基地の西側の第三航空飛行場。
 所々、舗装さえされていない広い場所に現在5機のホエールキングが、駐留しており、その中で一機、離陸準備が整ったホエールキングがある。
 その巨体に大きな「闘いと美酒を司る女神」のペイントがしてあるホエールキングであり、一番目を引く。
 そして、周りのホエールキングよりも、更に得も言われぬ質量を感じる濃厚な存在感があり、そいつが長年、輸送任務に携わってきた老獪である事が、分かる奴には、分かる。
 その艦橋に人影が二つある。
 彼らの前には、夕焼けが映える壮大な飛行場と基地の全景がある。
 ただし、それはカメラを通しての映像だ。
 その景色を眺めながら、一人の方が、感嘆の面持ちで、
「しかし、いつ見てもでかいゾイドだな。」
 それを聞いて、もう一人の男が、苦笑する。
「何を言ってやがんでい。あたり気よ。特にこいつ『フローラル』はな。旧大戦すら生き抜いた数少ないホエールキングだかんな。そんじょそこらのホエールどもとは、貫禄が違うわい。」
 夕焼けを見詰める男の名は、グラハム・ズィルバー。
 階級は大尉。独立特別行動部隊第十三小隊、LB小隊の隊長。あのノイン・ノイエが見た、前日にブリーフィングルームで、教壇の前に立ったあの男だった。
 もう一人の艦長服を着崩し、皆が憧れる艦長帽すら適当に被って、袖を通さずに腕を組んで、おいしそうにパイポを咥える初老に近いの男の名は、ゲイン・アルバトロス。
 階級は少佐。ホエールキング輸送船団の中でも、この人ありと言われた屈指のホエールキャプテン。
 その知識、行動力、威厳は、初老に近い歳になろうとも老いる事のなく、すべてのホエール乗りに敬意を払われている。

187 :名無し獣弐:01/11/24 22:39
http://members.tripod.co.jp/zBS2/index-4.html
「風の吹き荒む戦場」で追加です。
お絵かき板の画像って使っていいのかな?
1個華が欲しい。
リンクとかも作ってみたいような。

10回目の続き

パシ
頬に刺激が伝わった。
「お〜い、生きてるか〜」
続いて声が聞こえた。久しぶりに聞く声だ。
「んぁ・・なんだよ」
「やっと起きたか。テレビがつきっぱなしだったぞ」
眠い眼をこすると、そこにはローレンスがいた。
彼らは同じ部屋に住んでいるが、班が違うためもあって顔を合わせるのは数日ぶりだった。
「8時になったぞ。集合の時間だろうが」
一度ライズは大きな欠伸をした。
「そういやそうだっけな・・着替えなきゃ」
「この時間じゃ飯抜きだな、俺は先に行ってるからな」
「おう、この仕事終わったら飯でもおごってくれ」
「何言ってんだよ。おまえこそおごれよ。俺が起こさなきゃ班長にどやされてたんだから」
「はは、それもそうだな」
「じゃあな」
そう言うとドアを開けてローレンスは出て行った。
意味は無いが1度時計を見る。ライズは人に聞いた後でもとりあえず時計を見なければ何故か安心できない癖があった。
確かに時計は8時10分を指していた。
「さて、こっちも出なきゃな・・」
もう1度欠伸をするとライズは作業服に着替え始めた。

188 :理由(わけ):01/11/25 20:03
>>186 ここもお絵かき板の様に盛況なら・・・まぁ、文字は絵に勝てないから、当たり前か。
風の吹き荒む戦場で(9)

「どうしてもいくのか、グラハム?」
「あぁ、いかなばならん。誰かが・・・というのなら、俺がやっていけない道理はない。」
「・・・志願兵だけで、組まれた独立紅蓮隊かのう。」
 ゲインはパイポの煙を吐きながら、後ろの方を振り返る。見えはしないが、壁の向こうは、格納庫だ。
 サスペンションされたゾイド達が、戦いの時を静かに待っている。
 グラハムは、ただ口元を緩めて、
「そうです。とは、言えツワモノぞろいですぞ。」
 と笑った。
「キワモノぞろいの間違いじゃないんか? アイン・ゲレーゲンハイト・・・。聞いた事があるぞい。ISFの若造だろ。」
「知っているんですか?」
 グラハムは片眉を上げて、小さく驚いた。グラハムもISFという存在をついぞ一昨日まで信じていない人間の一人だった。
 その反応が面白かったのか、ゲインは、艦長帽を押さえながら、クククと笑った。
「知っているとも、伊達に長生きをしとるわけじゃないからの。」
「・・・奴も『志願』したそうだ。ISFの長が現れて、俺に言ったよ。奴を頼むと。奴は、凄腕のエージェントだったらしいな。末端の戦士によもや、局長に目を掛けれていたとは・・・。」
「そう言えば、確か、奴と同期で、奴の親友の・・・名はなんと言ったかな、すごいツワモノが居ただろ。奴もこの作戦に参加しとるのか?」
 と言われて、グラハムは頭を捻った・・・。そして、部下のデータを頭の中で洗った。
 出てきた。そいつの名は、グラハムは、昔から知っていた。一度、窮地を救って貰った事があった。忘れられない。あの屈託のない笑顔を。
 奴は、覚えていなかったかも知れないが。
 覚えていなかった・・・そうとも奴は・・・
「死んだよ。あの先のデストロイヤー兵団迎撃の先遣部隊としてな。」
 こっちは素直に驚いたようだった、ゲインは咥えていたパイポを落としそうになって、
「初耳じゃ、な。」眉をひそめて「アインの志願はそれか?」
「・・・恐らく。」
 声を潜めたグラハムに対して、ゲインは、上を見上げて、咥えパイポのまま適当に煙を吐いた。
「ふん、あの兄ちゃんはいい奴だった。いつか死ぬと思っていたが・・・本当に死んだか。」
「いい奴から、死んでいく。戦争という奴は・・・。」
 二人が静寂を作り出そうとした時、彼らの後ろで声が挙がった。
「ふん、いい奴だったていうか、ただのお人よしだったぜ、奴は。」
一人の男がそこにいた。
いつ、どこで入ってきたのか二人にはまったく分からなかった。
 最初からそこに居たかのように、男は、艦橋の端に居た。
 少なくとも、艦橋に唯一通じる自動ドアが、開いた様な音は一度も聞かなかった。
 最初から居たというのなら、たちの悪い。
そんな驚く二人を尻目に男は、片手を上げた。
「・・・アイン・ゲレーゲンハイト。」
「ふん。久しぶりじゃな。アイン。」
「あぁ、じいさんも無駄に元気そうじゃねーか。もう引退したかと思ってたぜ。」
 顔見知りと見て、グラハムは驚いた。
「知っているのですか?」
 ゲインは、口の端を吊り上げ笑い
「応ともよ。何回か、こいつの愛機を運んだ事がある。こう見ても顔はでかいつもりじゃ。」
「無駄口の多い爺さんだ。」
 肩すくめるアインに対して、ゲインは少し目の色を変えた。より静かな色に。
「ふん、アイン。お前さんがこの戦いに興味を示すとは思わんかった。」
「まぁ、ちこっとな。」
 言葉を濁すアインに対して、ゲインは片眉を上げて、詰め寄った。
「問おう、この戦いに何を見出す積りじゃお前は?」
 間が合った。アインは、考えるようにしてから、息を吐いて、
「約束だよ。約束を果たすだけだ。」
 そう言ってから、逡巡の色を顔に出して、手を額に当て、首を振る。
「・・・いや、違うかも知れない。ただ遠い約束が、今更になって俺に問い掛けるのさ。どうするんだってな。」
 ゲインとグラハムは、ただ黙って、彼を見ていた。
 そして、艦橋の巨大モニターは遠く大地に消え行く太陽を静かに映し出していた。

189 :名無し獣弐:01/11/25 23:56
>>187
しかしマウスであそこまで上手く書ける人は本当にすごいですね。
とりあえず題名でもつけてみようかな。
今日は時間が無いので少ないけど。

眼への改修(その1)

ライズが第11格納庫に行くと、そこにはプテラスとレドーム等が雑多に置いてあった。
他の格納庫はただでさえスペースをとるウルトラザウルスやゴジュラスタイプの
改造、改修をやってるのだから仕方ないといえば仕方が無いことだが。
「ギリギリだな。ライズ」
アランがおちょくるように言った。
「いやぁ、久々にのんびりさせてもらいましたよ」
「いいよなぁ、おまえは眠れて。こっちは全然眠れんかったよ」
「よし、時間になったな。説明を始めるぞ!」
二人の話はマイクの声で終わる事になった。
「今回することはプテラスの改造だってことはわかってるな。
 レイノスやストームソーダーと比べるとプテラスの整備は簡単だが飛行ゾイドに変わりは無い。
 いつも以上に注意して作業しろよ。地上を走ってる奴がこけてもたいしたことにはならないが
 飛行ゾイドが落ちると死人が確実に出るからな。それを脳みそにぶちこんどけ」
「了解しましたよ。今更言われなくてもわかってますって」
アランが相槌を打った。
「ならあんまり油断するなよ」
「わかってますって」
再びマイクが話始めた。
「今回することは、武装の排除、及びレドームの設置、航続距離の延長、だそうだ。
 それでは早速作業にかかってくれ。時間は3日しか残ってないんだからな」
「そんだけあれば十分できますよ」
誰かが答えた。

「ここの武装取り外すぞ!」
「あぁ、レドームこんなとこに置いてんじゃねーよ!」
他の格納庫はウルトラザウルスやゴジュラスの改造、整備を行っている。
それに比べると第11格納庫でやっていることは遥かにスケールが小さい。
だが小さくても全員が一生懸命のことを行っていた。
その光景をプテラスのパイロットである、アドルは眺めていた。

190 :名無し獣弐:01/11/27 00:06
あぁテストだ、といいつつ書く。
製作法とかは脳内設定ですので突っ込みはできるだけ無しの方向で。
同じ会話を何回かしてるような気がするな・・
デストロイド・ゴジュラスってパイロットの名前でてたかな?

眼への改修(その2)

アドルは別になにをするでもなく改修される自分のプテラスを眺めている。
どれぐらいの間眺めていたのだろうか。
気が付くと横に人が、自分と同じように柵にもたれかかった姿勢でいた。
横を向くと相手が急に話し出した。横にいたのはハルトだった。
「自分の愛機が改造されるのに抵抗はあるか?」
いきなりの質問だったので一瞬戸惑った。
「いえ、さほど不安ではありません。乗るのは自分です。
 それにいつも整備を任せているのに今更不安だなんて思いませんよ」
「そうか。おまえ達ぐらいの若い奴らの中に時々、自分のゾイドを触られるのすら嫌がるのがいるのでな。
 少し気になったがその様子じゃ大丈夫そうだな」
「全面改装するような大改造じゃ無いですしね。
 さすがにコマンドをケルベロスに改造すると言われたら心配になりますが」
コマンドウルフをケルベロスに改造するときは2種類の方法がある。
大異変後、ゾイドの中には突然変異を起こしたものもいる。
双頭のコマンドウルフも稀に生まれていた。
しかし双頭のカノントータスなどに比べると運動速度が速く生存率も低かった。
その為に優秀なほうのデータ(記憶?)を残し、もう片方は最低限の機能を残して取り除く場合がほとんどである。
もう1つは、通常のコマンドウルフに機能の低下した(衰弱、老化、戦闘による負傷)を取り付ける方法がある。
初めから双頭の場合はリスクは少ないが絶対数が少ない。
改造する場合は稀にデータや神経系統が混乱し使い物にならないことになる場合もある。
「おまえの言う事ももっともな話だな。
 武装をレーダーに付け替える程度だしな」
「ところで少尉のゾイドは?」
「あぁ、私のゾイドなら既に整備が終わって出撃を待つだけになっている」
「少尉のほうこそ何か思わないんですか?自分のゾイドより改修受けてますが」
「確かに外装は変わる。だが中身が変わるわけではないだろ?」
その通りだ。分かりきっていた事だが今まで心のどこかに引っかかっていた。
しかし自分以外の人間に言ってもらえると不安は簡単に消えた。
何故こんなことで悩んでいたのかと思うぐらいに。
「さて、ゾイドのことは彼らに任せて作戦説明が始まるぞ。行くとするか」
「はい」

191 :『高度3000mの悪魔』:01/11/30 21:50
>>188 何つーか、何か書き込んでよ、誰か。         むしろ俺が。
『風の吹き荒む戦場で(10)』

 それは、やばい事だった。
 ニクシー基地から、6時間、降下ポイントに降りようとしていたところだった。
 共和国の先遣部隊が、先回りをして、降下ポイントで待ち伏せをしていた。
 高度5000mでそれは発覚。
 どうしようもなかった。
 深夜だというのに、次々にSAM(地対空ミサイル)や超高度高射砲を打ち込まれていくホエールキングに対して、ホエールキングが取れた行動はあまりの少なかった。
「くそったれ、人員をケチったんが、良くなかったらしいなぁ。」
 この状況下にも関わらず、のんきに軽口を叩くのは、一人、艦橋で操舵を握るゲイン・アルバトロス艦長。そして、周りに誰もいない。
 この馬鹿でかいホエールキングを現在、動かしているのは、なんと彼一人であった。
 ちなみに通常なら、艦長、副艦長、操舵士、レーダー担当、オペレーター、他、砲塔管制要員が数名ぐらいは、欲しい物だ。
 しかし、確かに一人で動かせないわけではない。
 そんな彼の元に通信が入る。
『しかし・・・なんだ。このホエールキングは、Eシールドなんか、装備してたのか?』
 発信元は、アイン・ゲレーゲンハイトが乗り込む新鋭機ライトニングサイクスの通信デヴァイス。経由は、艦内のLAN回線を使っての入電だ。
 彼の言うとおり、この馬鹿でかいホエールキングを包み込むようにEシールドの薄い可視幕が見え、その直前で、敵の全ての攻撃が無力化されている。
「ま、な。しかし、後3分もすれば負荷で消えるじゃろうな。実験的なもんじゃからな。」
 とは言え、悲壮感はまったくない。一応、今でもホエールキングの降下は続いている。高度計を見やると、4000の数字を切った所だった。
 ホエールキングは、その膨大な質量の為に、上昇と下降が素早く行えない。
 しかしも今は、15機もの大型ゾイドを積んだ結構な過載量の状態だ。一端、下降し始めると、再上昇には、かなりの時間が掛かる。
『畜生、何メートルまで落ちるんだ? エレクトロンマスドライバーでなぎ払えないのか?』
 エレクトロンマスドライバーとは、リニアで、砲弾を一気に加速させ、敵陣に打ち込むホエールキングの切り札である。
 しかし、元々、輸送艦である筈のホエールキングに、そんな大それた物が何故に標準装備なのかは、謎であるのだが、確かにこのホエールキングにもその装備は、あった。しかし・・・、
「Eシールドで電力を使ってるから、今は、チャ―ジングは無理じゃ。もし仮に出来たところで、発射まで通常でも3分は掛かる。何、3000m辺りで上昇できるはずじゃ。」
『くそ。』
「そんなに言うなら、誰か、下に行って、連中を黙らせてこんか?」
『無茶言うな。』
 高度3000mの壁はでかかった。
 こんなところでゾイドを降ろす事はできない。
 ここにある全てのゾイドは、すべて陸戦ゾイド。
 空中格闘戦を得意とするレドラーでもいれば話は別だが、高度3000mの壁は厚い。
 パラシュートという手もあるが、敵の対空砲火の中では、良い的だ。
「どうする?」
「どうもこうもないわい。今は、どーにか、撤退して、別の地点からの着陸しかあるめぇ。」
「しかし、早くしねぇーと、銀蝿が来ちまうぞ。」
 敵が、救援に銀蝿――ストームソーダ―を呼んでいる可能性は否定できない。
 今は、15機もの大型ゾイドを腹に抱えた状態で、優に3倍以上も速度が違うゾイドとの追撃を振り切れるわけがない。
 遠く、敵の最初の防衛網を為す大隊――恐らく本隊がある事が、レーダーからの情報から見て取れる。
 時間は多くない。しかし、下の対空砲火の中を着陸するわけにも行かない。
 なるたけ、離れてから、緊急的に着陸して、ゾイドを降ろして、急速離脱。それしか方法はあるまい。
 誰もがそう思ったし、現実的であり、一番リスクの少ないプランだった。
 しかし・・・
『私が行きます。』
 送信先は、プロトブレイカー タイプ3R。
 ゲインは、頭を捻って、搭乗者の名を思い出す。
 搭乗者の名は、ノイン・ノイエ。
「な?」
『ハッチを開けて。』
 誰もが耳を疑った。
 高度計の針は、3700mを示していた。

192 :名無し獣:01/12/01 03:44
いやいや、見ているものはここにおりますぞ。
最近、更新されてるかどうか一日三回は見に来てるからね。
というわけで、頑張ってくぅださいよー。

193 :『高度3000mの悪魔』シーン2:01/12/01 22:43
>>191 嘘設定が目白押しの偽バトストが読めるのは、2chだけ!?
『風の吹き荒む戦場で(11)』

 ノインは、コクピットの中で、その瞬間を待っていた。
 胸のポケットから、磁気ディスクを取り出して、くるりと回転させて、シールを確認。
 『OSALCP 2100/10/01』と手書きで書いてある。
 スロットに差し込む。読み込み開始・・・。

 余談であるが、プロトブレイカー タイプ3Rには、純正のオーガノイドシステムが丸ごと積んである。
 オ―ガノイドシステム。
 ゾイドコアをハッキングして、ゾイドコアの出力を「狂気」によって、上昇させるシステムの名前である。
 この「狂気」は、ゾイドコアから、電磁波によって、人にも直接送り込まれる。
 その電磁波の影響下にある人間は、思考がより攻撃的になりやすく、また好戦的になる。
 しかし、その精神への干渉は、思いのほか強く、あまりに長時間に使用すると、廃人同然になってしまう可能性すらある。
 ゾイドのみならず、人すらもより戦闘的に強化するシステム、オーガノイドシステム。
 一部の開発者からは、すでに開発中止の声も挙がっているほど、危険なシステム。
 だが、それが生み出す強さは、計り知れず、同クラスのオーガノイドシステム搭載機には、同じ、オーガノイドシステム搭載機ではないと、到底、敵わないと言うのが、現状である。
 それ故に、共和国がオーガノイドシステム搭載機を開発して、戦場に送り込んできている事を考えると、開発中止など、受け入れられるわけもない。
 だから、より安全にオーガノイドシステム搭載機を運用できないか、という軍上層部からの依頼に、帝国の開発陣が出した答えの一つがアクティブリミッターシステムだった。
 アクティブリミッターシステムとは、戦闘の度合い、搭乗者の脳波や、身体データを読み取りなら、それにより判断して、オーガノイドシステムを制限したり、一部開放したりするリミッターである。
 常時、同じ加減で制限するのではなく、状況に合わせた制限を可能にする独立思考型のリミッターシステム。
 そして、誤作動を防ぐ為に、OSであるコンバットシステムから発信される信号が切れると、自動的にオーガノイドシステムを凍結する仕組みになっている。
 

194 :『高度3000mの悪魔』シーン2後半:01/12/01 22:45
>>193
 「インストール完了。」
 の文字とも、ノインは、操縦桿を握り、足元のレバーを蹴ったぐった。
 プロトブレイカー タイプ3R『ドライファクト』が狭い艦内格納庫の一番前で吼えた。
 ハッチに向けて、緊急開放を命じる。
 拒否。パスコード入力?
 ISF時代から愛用していたハッキングプログラムで、CPUの力任せの総当りで、強制的にクリア。
 ホエールキングの口に相当する部分のハッチが、ゆっくりと音を立てて、開いていく。
 目の前には、高度3300mの闇が広がる。
『おい、嬢ちゃん。止めろ!! 死ぬぞ。』
 通信元は、艦橋。胸騒ぎがして、瞬時に強制的に掛けたハッチに掛けたロックがよもや破られるとは思っていなかったゲインは慌てていた。
 しかし、ノインは、薄く笑った。
「大丈夫・・・全身スラスターの塊のこの子と、私なら。・・・では、おじいちゃん。元気で」
 確かに無理ではないかもしれない。ただ、かもしれないというだけである。掛け率は、少々、分が悪い。
『おい、やめろ、誰か、嬢ちゃんを止めろ!!』
 しかし、誰も止める者は、いなかった。
 アイン・ゲレーゲンハイトは何とか、しようと思っていたが、彼は、後ろの方に格納されていた為に直接、どうこうできなかった。
 他の者は、ただ押し黙っていた。
『行って来い。どうせ、同じことだ。我々には。』
 送信元は、グラハム・ズィルバーの乗るジェノザウラー(量産型)。
 全員の腹は決まった。ゲインも渋々、助言をした。
『譲ちゃん、こいつは、高度3000mで停止後、再上昇する。後、10秒、タイミングを見計らえ。・・・死ぬなよ。』
「ありがとう。」
 そして、彼女は、先ほど、インストールしたプログラムを起動させた・・・。
 OSALCP・・・オーガノイド システム アクティブ リミッター 無力化(コールド) プログラム。
 彼女が、昨日、夜遅くまで作っていたプログラム。
 要は、独立思考型であるアクティブリミッターを逆手に取って、それを騙して、オーガノイドシステムを全開にするプログラム・・・。
 音もなく、オーガノイドシステムが全開になる。
 溢れんばかりの『力』が『ドライファクト』に、ノインに満ちていくのが、分かる。
 もう、怖い物は何もなかった。
 一歩前に・・・ホエールキングの口の部分にあるハッチから、飛び出した。

 目の前には、三つの月明りの下の空と大地。

 戦闘開始。ノインは、操縦桿を握り締め、高度3000mと数字に挑む。
 メインスラスター、HiFMスラスターに推進剤をありったけぶち込んで、飛翔。
 その速度を持って、対空砲火を振り切って、そのまま敵部隊を追い越して、降下。
 高度、2800・・・2600・・・2300・・・1900・・・。
 高度メーターが、急速にその数値を減らしていく。
 ノインはHiFMスラスターを回転させて、ノズルを前面に押し出して、逆噴射、脚のスラスターを用いて、機体のバランスを調整しながら、急速減速。
 強烈なG。目の前に、急速に接近していく月明りに照らされ広がる大地。コクピットの中に居ながら感じられる一気に風を切り裂く感覚。
 その通常では感じられない時間は、さほどなかった。
 『ドライファクト』は強靭な足を突き出し、斜め5度の傾斜で、地表に滑り込む様に突っ込む。
 接地。瞬間に轟音と土煙を上げながら、瓦礫砂漠の表面を200m近く抉って、ようやく停止した。

195 :名無しですスティンガー:01/12/01 23:04
>>191
俺も名無し獣弐氏も、どーも書き込むのは夜が多いので、恐らく一日一回でよろしいかと・・・。
というか俺は、平日昼は絶対に無理。
俺に関しては、更新速度が適当なので、一日で更新する時もあれば、二週間かかる事もありますな。
投稿陣が少なすぎるので、スレの進攻自体も鈍行ですし。
黒いオーガノイド氏が投稿を準備してるみたいですが、それが短編なのか、長編なのか、気になるところです。
早く、俺と同様に笑い者になりましょうよーと、誘ってみる。
にしても、赤羽広々氏、T・I氏、ジェノ名無しー氏は、今何処・・・。
みんなゾイド離れですかなぁ、いやはや。

196 :名無し獣:01/12/02 00:08
やっと私用が終わった・・



部屋に目覚し時計の電子音が響く。
アドルは鈍い動きでアラームの停止スイッチを押した。
時計には6:00と表示されている。
「もうこんな時間じか・・よく眠れなかったな」
昨日の9時ごろには全員解散したので本来なら充分な睡眠はとれているはずだが緊張であまり眠る事ができなかった。
とりあえず軍服に着替えると、アドルは休憩室に行きコーヒーを飲んだ。
気温の低い朝に暖かいコーヒーは心地よかった。さっきまであった眠気も少しずつ薄れていった。
時計を見ると針は6時30分をさしていた。
「あと30分か・・」
アドルはコーヒーの湯気を眺めながらつぶやいた。
デストロイヤー兵団所属のパイロットは7時から最終ミーティングとなっていた。
その後防衛線を構築するゾイドを発進し防衛線が完成し次第ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーは出撃することとなっていた。
休憩室から外を眺めると300機ほどのゾイドが並んでいた。

今回の作戦では空からの敵ゾイドはストームソーダー部隊、地上からの大部隊はウルトラキャノンで殲滅という対処法をとることになっている。
そのため本来なら7つの防衛線を敷く必要は無いかもしれない。
共和国としてはこの作戦を必ず成功させる必要があったためかもしれない。
だが7つの防衛線を敷く理由としては高性能機の単機によるピンポイント攻撃が最も警戒するべきものだったためである。
少数の機体だと1200mキャノンで殲滅するにはあまりにも捕捉しずらい上、ストームソーダーでは低空での戦闘は不利になる。
この作戦が司令部で発案された時、ピンポイント攻撃はさほど問題視されていなかった。
だが第二次全面会戦の終盤、帝国軍の撤退する部隊を追撃中に共和国最強部隊と呼ばれていた部隊が1機のゾイドに殲滅された。
同じく追撃中にブレードライガーを含む、最強とは言わないまでもかなりの戦果を上げている部隊がこちらも1機のカスタムジェノザウラーによって壊滅されていた。
この報告を聞いた司令部は当初予定されていた3つの防衛線を共和国全軍の3分の2を使用して7にまで増やす事となった。
その大量のゾイドが今ロブ基地周辺に配備されて発進の瞬間を待っていた。

アドルがはっと気が付くと時間は7時数分前になっていた。
辺りでは兵士が歩いている。
どうやら座ったまま半ば眠っていたらしい。
立ち上がるとミーティングルームに向かって行った。
ミーティングルームには既にほとんどのパイロットが入っていた。
アドルが適当な席についた頃には7時になっていた。
ドアを開け、ハーマンが入室した。

「最終作戦報告を開始する」

197 :名無し獣弐:01/12/02 22:55
最近途中で消える事故が多すぎる。辛い。
>名無しですスティンガー氏
「そりゃゾイド離れするわなぁ」ってほどバトスト手抜きですからね。
明らかに子供向けってのは子供からしても魅力の薄いものだと思うんですけど。

準備

現在の時刻は午前10時。
作戦確認も終わり、部屋を出て窓から外を見ると7つ目防衛線を形成する部隊が出撃準備をしていた。
彼らの出撃予定時刻は午前11時。あと1時間程度だ。
そしてウルトラザウルスやゴジュラス、そしてプテラス・レドームスペシャル、ストームソーダーの出撃時刻は正午。
アドル達も11時までに食事をとって待機しろとの命令があったので食堂に向かった。
その途中に緊張しているのだろうか、落ち着き無く歩き回っている人、休憩室で恋人か家族の写真を眺めている人。
様々な行動をとっている人がいた。食堂に入り、アドルは食事を受け取った。
その食事の内容は、野菜スープ、スクランブルエッグ、パンだった。
食事をとっていると1人の人物が目に入った。明らかに支給された軍服とは違う服装、左眼につけられた眼帯。
傭兵の服に関してはそれなりの自由は許されている。そのため私服に近い状態で戦闘に望むパイロットも少なからずいる。
(あれが噂に聞いた傭兵か?)
第二次全面会戦でアイアンコングPKをを一撃で葬ったゴジュラス・ジ・オーガ。
そのオーガを命がけで守り、オーガが自ら乗り手に選んだパイロット、傭兵アーバインの噂は共和国軍中に広がっていた。
左眼に眼帯をかけている傭兵というのは噂に広まっているのでアドルはアーバインだろうと容易に想像できた。
食事はすぐに終わった。出撃前だから胃に優しいものを選んでいるのだろう。量も比較的少なめだった。
食事も終わりアドルは戦闘服に着替え格納庫に向かった。
途中、2度3度つまずいた。緊張してはいないつもりだがやはり緊張しているのだろう。
格納庫に到着しまず目に付いたのは整備、補修の完成したウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーだ。
大きい。あまりに大きい。3度ほど見たが横にゴジュラスがあると大きさが対比され一層大きく見えた。
丁度デストロイド・ゴジュラスの背中に弾の詰め込みが終了したところだった。
その奥にこじんまりと置いてあるプテラス・レドームスペシャル。
それを眺めながらしばらく色々なことを思い出した。
隣りに住んでいた兄のように思っていた人。その人は第一次全面会戦の時に戦死した。
その人の仇をとりたくてアドルが軍に入った。軍に入ると言ったら家族に三日三晩説得され、恋人にはほうをはつられた。
約半年、ゾイド乗りとしての訓練を受けた。小さい時からその人にゾイドの乗り方を教えてもらっていたのですぐに乗りこなせるようになった。
初めての実戦。帝国の補給路を爆撃するという任務だったのでさほど危険ではなかった。
そしてロブ基地に配属され、デストロイヤー兵団に配属された。
「・・は出撃準備ができ次第出撃せよ。繰り返す。各パイロットは・・」
放送があたりに響いた。横に置いていた生命維持装置等を取り付け、アドルはプテラスに乗り込もうとした。
「パイロット!聞こえるか?」
声が聞こえたのでアドルはその方向を振り向くとそこには1人の整備兵がいた。
「おまえは・・」
数日前に、アドルにゴドスに乗れと言っていた、ライズだった。
「こっちが忙しい中おまえのプテラスを改造してやったんだ。墜落したら2度とおまえの機体は修理されないと思っておけよ!」
アドルは口元に小さな笑みを浮かべ、
「俺が撃墜されるわけ無いだろ!それよりもそっちに整備不良があったらおまえの手は使い物にならなくなると思いな!」
「よし、なら帰ってこれたら飯おごれよ」
「俺が帰って来れればな」
そう言うとアドルはプテラスに乗り込んだ。

198 :『月明りの下の狂気』:01/12/02 23:18
>>194 戦闘開始。少しはバトストらしくなってきた?
『風の吹き荒む戦場で(12)

 無茶苦茶だった。無事であるはずがない、と敵味方問わず誰もが思った。
 しかし、暗闇を舞う砂塵の中で何かが動いた。
 プロトブレイカー タイプ3R『ドライファクト』は多少、装甲に傷が付いた物の、まったくの無事だった。
 三つの月が作り出す光により、明るい夜の空気の中で、両脚を大地に打ち立てる。
 背中のメインスラスターの両脇に装備されている冷却フィンが展開し、その奥に潜むファンが回転を始めて、フィンを通して加熱された空気が吐き出されていく。
 妙に遅い動作で振り返った『ドライファクト』の両目が、土煙の中にあっても見えるぐらい更に赤く輝きを増していく。
 『ドライファクト』もノインも、オーガノイドシステムが発する狂気を貪欲に飲み込み、それを純粋な力に、暴力に、恐怖に変えた。
 見やる。遠くに敵の中隊が見える。
 敵の位置は、恐らく5kmは、向こうにある。
 上空3000mからの滑空の降下だ。そのぐらいの距離は仕方あるまい。
 軽く咆哮。
 それを合図にして、土煙を突き抜けるかの如く、瞬時に戦闘速度で敵の先行部隊に突撃を敢行した。

 上空3000m。
 グラハム・ズィルバーは、ノインの無事を確認していた。口元が、緩む。そこに艦橋から、通信が入った。
『ふん、やっちまったよ、嬢ちゃんが・・・。というか、どうするか、じゃな。』
「彼女が敵をひきつけている間に、艦長、降下を。着陸は不要だ。50mぐらいまででいい。野郎ども。覚悟はいいか?」
 黙認。声で答えたのは、アイン・ゲレーゲンハイトだけだった。
《言われるまでもねぇ。敵の増援が近付いてきてやがる。このままだと、ヤバイぜ。》
『任せときな。停車時間は30秒。乗り換えはお早めにだ。降り遅れは、わしとともに帰ってもらうぞ。』
「充分だ。全員、FCSシール解除。初っ端から、全力でいくぞ。」
『了解』と、全員の低い声が返す。
『降下、開始。持ってくれよ、『フローラル』!!』
 ホエールキング『フローラル』は、被弾する度に、大きく揺れながら、再び、激しい弾幕が飛び交う戦場へと、降下する。

 5kmなどという距離は、『ドライファクト』に取って、たいした数字ではなかった。
 ものの3分もなく敵の中隊に突っ込んだ。
 敵は、コマンドウルフを中心とする高速戦闘遊撃隊。
 隊長機は、シールドライガー。総勢20機。
 ノインは、臆する事もなく集束荷電粒子砲をなぎ払うかの様にぶっ放す。
 それで、5機のコマンドウルフを行動不能にした。
 敵は、それでも歴戦を勝ち抜いてきた遊撃部隊。怯みはしなかった。
 荷電粒子砲の連続発射は無理と速攻で判断して、『ドライファクト』に群れを為して飛び掛る。
 しかし、『ドライファクト』は、HiFMスラスターユニットに備付けられていたエクスブレイカーを展開。
 剣の様に延びたそれを軽く振りまわすと、まずは、右方向から飛び込んできたコマンドウルフを基部のスラスターを噴かして、頭から目も止まらぬ突きで串刺しにする。
 今度は、左。
 これで総計7機。そのまま串刺しにしたコマンドウルフを、自重を支えられる程の威力を持ったHiFMスラスターの推進力を用いて、薙ぎ飛ばして、接近する他のウルフ達を足止めする。
 すかさずメインスラスターと両脚のスラスターを噴かして、空へ。
 スラスターを用いての巧みな動きで、全ての砲撃をかい潜る。
 接地と同時と共に左のEシールドを展開。
 左方向に待機していたコマンドウルフ・スナイプカスタムの放ったロングレンジバスターライフルの精密な一撃が、襲い掛かる。
 轟音とともに衝撃が『ドライファクト』を襲うが、それだけだ。コンディションセンサーが返してくる信号は、オールグリーン。
 問題なし。後、13機。
 ひとつ嘶くと、ロングレンジバスターライフルを放ったばかりのウルフに詰める様に低い軌道で跳躍した。

199 :名無し獣:01/12/02 23:29
ドライファクトってどんな意味?
そのままで、「渇いた現実」?

200 :名無しですスティンガー:01/12/02 23:34
>>197 名無し獣弐氏
? もしかして貴方も直書きなのですか?
うーむ。メモ帳とか使われたほうがいいですよ。
書いてた物がなくなると、一気にやる気なくしますから。

コロコロが子供向けなのは、まぁしょうがないと思っとりますが。
しかし、そろそろマジで公式三巻が欲しいですな・・・。

201 :名無しですスティンガー:01/12/02 23:43
>>199
ドライファクト
ドイツ語で、三重奏のことです。ドライ=3の意味。
機動性能、格闘性能、防御性能を上げた機体なので。
ノイン的には、もっと他の意味があるのですがね。それは秘密。
ちなみに、他には
ノイン=9 ノイエ=新しい アイン=1 ゲレーゲンハイト=運命 ズィルバー=銀
など、帝国という理由から、適当にドイツ語使ってます。
の割りにISFとか思いっきり英語ですけど・・・。
大学で、一応習ったけど、忘却の彼方〜のドイツ語ですから、まぁ、そういうことです。
ちなみに前作の奴らの名前は、語呂と語感だけで決めてます。

202 :名無し獣弐:01/12/03 20:59
>名無しですスティンガー氏
やっぱメモ帳とか使ったほうが良いですかね。
実を言うと今までメモ帳使ったこと無いんですけど。

気が付けばここも200超えましたね

203 :名無し獣弐:01/12/03 22:19
始動

轟音を立て空高く舞い上がっていくストームソーダーとプテラス・レドームスペシャル。
「無事に上がっていったか」
その痕跡を見上げながらハーマンはつぶやいた。飛行ゾイドの垂直離陸というのは思われているよりも遥かに難しい。
そのため不慣れなパイロットでは上昇中に失神しそのまま墜落と言う事もある。
だがアドルは元々光るものがあったようだ。立派に飛び上がってくれた。
次は自分達の番だ。
ハーマンは待機状態だったウルトラザウルスの起動スイッチを入れた。
薄暗かったコクピット内は瞬時に明るくなり、ウルトラザウルスの眼にも光が灯った。
ガシュ
[ロック解除]
モニターに文字が表示された。OKにカーソルを合わせた。
ガシュ
ロックがはずれ、1200mキャノンを支えていた器具が離れていく。とたんに今までは支えられていた重量が本体にかかってきた。
「首部コクピット、調子はどうだ?」
「こちら異常無し」
「胴体部コクピットは?」
「オールクリア。問題無しです」
「背面部、どうだ?」
「多少無理があるようですが問題無いです」
「銃座、そっちは?」
「全く問題無しですよ」
「こっちも大丈夫です」
「後部銃座、異常は?」
ウルトラザウルスの全てのコクピットの異常が無い事を確認するとハーマンはレバーを倒した。
ゆっくりと前脚を上げるウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー。
辺りに響く地響き。ゆっくりと、だが確実に歩を進めていく。
格納庫から出ると参加していない兵士や整備兵達の歓声が聞こえた。
「帝国の馬鹿どもを暗黒大陸にたたき返してやれ!」
「必ずこの戦争を終わらしてくれよ!」
その歓声に答えるかのようにウルトラザウルスは雄叫びを上げた。
「おいおい、大丈夫か?ふらついてるぞ」
歓声の中、ジ・オーガからハーマンに通信が入った。
「問題は無い。すぐに整うだろう」
その言葉通り何の問題も無くウルトラザウルスは前進していく。
ウルトラの横で力強く前進していくゴジュラス・ジ・オーガ。
その後部で1200mキャノンを支えながら歩行する2機のデストロイド・ゴジュラス。
彼らに対するなり止まぬ歓声はその勇姿が見えなくなるまで続いた。

204 :名無し獣弐:01/12/06 22:08
今日は短いけどその分回数を。

接近

現在の時刻は午後10時。日も暮れ闇があたりに満ちていた。
だその闇の中に数万機の小さな光が帝国軍、ニクシー基地に向かって歩を進めている。
半数の人間は自動操縦にし狭いコクピットの中で眠りについている。
上空で移動中のアドルの乗るプテラスレドームスペシャルと数十機のストームソーダーも同じだった。
プテラスのコクピットの中で毛布に包まってアドルも眠りについていた。しかしその眠りは不意の警報で妨げられる事になる。
「!?・・なんなんだよ・・」
半ばパニック状態になりながらアドルはレーダーを見ると、レーダーは120キロ先に5000機の帝国ゾイドがいる事を告げていた。
アドルは通信機を取り、ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーに通信を入れた。
「ハーマン少佐、聞こえますか?応答お願いします」
10秒ほど経って、通信が繋がった。
「どうした?」
「前方約120キロ先に帝国軍機約5000機を確認しました」
「わかった。ただちに砲撃体制を整える。100キロにまで距離が縮まったら連絡をくれ」
「了解しました」
そういうとハーマンは通信を断ち全軍に通信を繋げた。
「まもなく、ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーは砲撃を開始する。全軍は現在地で停止し次の指示まで待機していてくれ。
 繰り返す・・」
通信が終わると、今度はデストロイドゴジュラスとウルトラザウルス全コクピット向けて回線を繋げた。
「前方約120キロ先に帝国軍が接近しているとの知らせを受けた。帝国軍が100キロ地点に到着し次第1200mキャノンで殲滅する」
「了解しました」
「いよいよですね」
デストロイドゴジュラス2機から返事が返ってくる。
「よし、あとはプテラスからの報を待つだけだな」

205 :名無し獣弐:01/12/06 22:34
さて、一気に逝きましょうか。

発射

最初の報から10分が経った。その間アドルはレーダーを一点に見つめていた。
レドームスペシャルのレーダーは100m単位まで計測できるようになっている。
段段と数字が100キロに近づいていく。
110、109、108・・・・・・・
アドルの胸も高鳴りが強くなるのが感じられた。
100
文字が緑から赤に変わり、それと同時にアドルは回線を繋げた。
「100キロ地点に到達しました」
「わかった」
すぐに返事が返ってきた。ハーマンもすぐに回線を繋げた。
「聞こえたか?用意しろ」
「了解」
全パイロットから応答があった。
デストロイドゴジュラス2機が1200mキャノンを掴んだ。
「対衝撃用意完了」
「発射角度調整完了」
各コクピットから発射用意が完了したとの応答があった。
「発射5秒前。4,3,2,1,」
共和国軍兵士のほぼ全員が息をのんだ。
「発射!」


一瞬,空気が張りつまり,全ての音が消え辺りに閃光が走った。

206 :名無し獣弐:01/12/06 22:48
>>205
失敗、切れた。
↓続きです

上空でアドルはこの光景を見ていた。
1200mキャノンが発射されわずかに機体が揺さぶられ数秒後に帝国軍のいる地点からきのこ雲が立ち上った。
直後,轟音が響いた。コクピットの中にいても耳が痛い音だった。
そして音が止み,レーダーを見るとそこには既に帝国の機体反応はほとんど消えていた。
「状況はどうなった?」
アドルが呆然としているとハーマンから通信が入ってきた。
「あ・・はい、帝国軍の機体反応はほぼ消滅しました」
「わかった。引き続き監視を頼む」
ハーマンは淡々と語りつづけた。そして全軍に向けて通信を送った。
「聞こえるか?先ほどの砲撃によって帝国軍に壊滅的な被害を与える事に成功した。
 30分後に再びニクシー基地に向かって出発する。それまでは待機していてくれ」
全軍で歓声が上がり共和国軍はわいた。
しかしその中でハーマンはデストロイド・ゴジュラス2機に通信を入れた。
「弾丸の装填をしてくれ。30分以内にだ」

207 :名無し獣弐:01/12/06 23:29
ちょいと番外編

1200mキャノンが使用される頃のロブ基地での出来事。

「どうした?ライズ。カラッポの格納庫見つめて」
「あぁ、おやっさん。どうもこの空いた空間にまだ違和感があって」
「ほぅ。そりゃ不思議な話だ。ここが詰ってる期間のほうが短かっただろ」
「えぇ、でもあの時は仕事をしたって充実感がありまして」
「若いくせに生意気な事を言いやがって。そう言う事は仕事を完璧にこなしてから言え」
「そんな、生意気な事を言っているつもりは・・」
「おーい、皆聞け!」
残っていた通信兵が叫びながら走ってきた。
「5分前にデストロイヤー兵団が帝国軍5000機を壊滅に近い打撃を与えたそうだ!」
ロブ基地も歓声に包まれた。
「おやっさん、こっちの仕事,成功したみたいですね」
「あぁ、そうみたいだな。しかしウルトラザウルスの首とプテラスに以上が無いのはおかしいな」
「何故?」
「おまえが整備したからに決まってるだろ」
「・・・・」
「さぁ、酒だ酒。祝いに行くぞ」
「あの、一応未成年なんですけど・・」
「知るか。今日はめでたい日だ。無礼講だよ無礼講」
「こりゃだめだな、はいはい。わかりましたよ。付き合えば良いんでしょ。付き合えば」
半ば引きずられながらライズは食堂に連れて行かれた。食堂につくと既に宴会が始まっていた。
「ざまぁみろ、帝国ののろまども!」
「とっとと暗黒大陸に帰りやがれ!」
「酒だ酒だぁ」
歓声と笑い,酒の臭気が食堂の中に充満していた。
「う・・」
「ん?どうした?顔色悪いぞ」
ルードがライズに問い掛けた。
「どうも酒に弱くて。匂いかいだだけで酔うので」
(これで帰れれば良いんだけど)
ライズはそう思ったが甘かった。
「だったらいっそのこと飲め。そしたら直るかもな」
無理やり口に酒を押し込まれ,2リットルほど飲まされることとなった。
すぐに顔が赤くなり,眼が虚ろになり、倒れた。
「ったく、本当に弱いな」
ルードの前をジャドが通った。
「お、ジャド,丁度いいところに。一緒に飲もうや」
「いいっすよ、おやっさん。朝まで付き合いますよ」
「頼もしいじゃねぇか。ライズはほれ、もうのびてやがるよ」
そういってルードは倒れたライズを指差した。
「まったく、弱いですねぇ。未成年だからって酒ぐらい飲めなくてどうするんですか」
「ほんとほんと、近頃の若者は軟弱だよ」

その後,酒盛りは次の日の夜まで行われる事となった。

208 :月明りの下の狂気シーン2:01/12/08 13:09
>>198 進行遅れてます・・・。年末だし、勘弁してなー。
『風の吹き荒む戦場で(13)』

 敵は完全に浮き足立っていた。
 自らは歴戦の勇者であり、その上で、数すら圧倒している。
 余裕な相手。
 だがその心理的な余裕や、優位は完全に覆されていた。
 彼とて、一瞬にして7機の高速戦闘ゾイドをなぎ倒して、その上、無傷でひるむ事無く13機を相手してくるゾイドなどと戦った事があるわけがなかった。
 その上で、恐らくゾイドを満載しているだろうホエールキングが降下してきているというプレッシャーが彼らを襲っている。
 その迎撃すらままならず、たった一機に・・・しかし、荒れ狂う暴風の様なゾイドに振り回される中、一機、また一機と減っていく。
 敵の数は、すでに7機になっていた。
 だが『ドライファクト』は未だにほとんど無傷で暴れまわっていた。
 共和国や帝国でよく見られるゾイド戦力比較表によると戦力的には、実際には共和国側の方が上である。しかし、圧倒的なスペックオーバーの力を発揮する『ドライファクト』が戦場の主導を握っていた。
『ドライファクト』が次に襲い掛かったのは、隊長機のシールドライガー。
 ノインはすでに論理的な思考で行動していない。正に手当たり次第に、破壊をばら撒くのみ。
今の今まで、「高速戦闘機で敵集団と戦闘する場合は、まず真っ先に敵の頭を叩け。」という基本的な戦術すら取っていなかった。
いや、今でもだ。彼女がシールドライガーに襲い掛かったのは、ただ単に、うざいと思ったからである。
 シールドライガーは、巧みに機体を動かして、『ドライファクト』と適当な距離を置いて、背部武装の2連加速ビーム砲を放って、適度に足止めをして、配下のコマンドウルフ4機との即席の陣形を持っている。
 ここに来て、彼らもそれ相応に冷静さを取り戻して、呑まれていた思考を取り戻しつつあった。
 ノインは、そんな事は分からなかった。というか、最初から、戦況について気にもしていなかった。
 軽くHiFMスラスターを噴かして、その場で、急停止。
 ――『ドライファクト』はその規定に定めらている上限過負荷をすでに上回っており、それでも戦闘を続けていた。
 HiFMスラスターユニットをぶん回して、その反動を持ちいて、方向転換。
 ――当然だ。中隊を相手にして、今まで無傷という無茶をしていたのだから。
 一歩を踏み込み、助走。メインスラスター点火。HiFMスラスターユニットをEシールドモードにして、突撃。
 ――だから・・・。
 だが、突如にして、『ドライファクト』のコアの電力供給が止まった。
 システムフリーズ。
 突然制御を失ったスラスターは、当然、自動的に噴射を切断。だが、今までの推力まで消せない。
 糸が切れた凧が墜落をするのと同じ事である。『ドライファクト』は、制御を失って、盛大に頭から転倒した。
 その勝機を逃す敵ではなかった。一斉に『ドライファクト』に襲い掛かった。

209 :名無し獣弐:01/12/08 22:28
なんかやたらと暴走してたな・・
ストーブ切って書かねば。

中間報告

1200mキャノンによる最初の砲撃から10日が経った。
その間帝国軍に表立っての動きは無い。だが防衛線を通過した何機かのゾイドが報告されている。
ハーマンの元にはジェノザウラー,ライトニングサイクス,そして紅いジェノザウラーが確認されたと報告されている。
奴らの狙いはこのデストロイヤーしか考えられない。しかもこの大軍勢の中少数で来るわけだからかなりの精鋭ぞろいだろう。
確かにそれは気がかりではあるが,レオマスターを筆頭に数々の精鋭部隊がそれらの迎撃に向かった。
今は彼らに任せて自分達は前進するしか無いだろう。あと2日もすればニクシー基地を射程内に捕らえられる。
それまで防衛線が耐えてくれるか,彼らが撃破してくれればそれですむ。
まだ撃墜したとの報告があったのはジェノザウラー4機,ライトニングサイクス3機。
現在確認されたゾイドの半分も破壊してはいない。そして最後に確認されたのが第4防衛ライン。
最初にそれらが確認されたのが3日前。あと2日あればウルトラザウルスのところまでくることは可能だろう。
そうなったら最悪の場合1200mキャノン、又はウルトラザウルスの破壊も考えられる。
それだけは避けなければならない。

10日前、この1200mキャノンを使用してその恐ろしさに改めてハーマンは凍りついた。
一度覚悟は決めた。
だが実際使ってみると改めてこの兵器は狂っていると思った。
一発で数千機を破壊し、何千人もの人々を葬った。
しかし今共和国が中央大陸戦争で勝つにはこれが最も速い方法であることは確かだ。
ウルトラザウルスのコクピットの中でハーマンの良心と任務が葛藤していた。

210 :名無し獣弐:01/12/08 23:10
>>209
うわ、最後文章変だなぁ。
いつもといえばいつもですが今回はそれ以上に俺設定入ってますので。

破られた静寂

プテラスの中でアドルはモニターを見た。さっきから何度も何度も見ている。
あと16分もすればニクシー基地を1200mキャノンの射程内に入れられる。
現在の時刻は5時34分。東の空はほのかに明るくなっている。
ニクシー基地に向けて砲撃するのは丁度日の出の頃になるだろうか。
アドルは通信機を取ってハーマンに連絡を入れた。
「今からそちらにニクシー基地までのデータを送ります。」
「わかった。首部コクピットに地図を送ってくれ」
「了解」
そういい終わるとすぐにアドルはデータの転送にかかった。
数十秒後,送信ボタンを押し転送は完了した。
「ただいまそちらに送りました」
「確かに受け取った。引き続き偵察に当たってくれ」
「わかりました」
アドルが通信を切った直後,何かが機体の横を通過し、衝撃が走った。
「・・・え?」
プテラスの右翼は機体から離れ機体は急降下を始め,そして爆発した。
「何!?」
その爆発をウルトラザウルスのコクピットからハーマンは見る事となった。
当然のことながら既にプテラスへの通信は繋がらない。
「ストームソーダー部隊、聞こえるか?ただちにプテラスのパイロットの救出,発見に迎え!敵機の攻撃の可能性もある。十分に注意しろ」
その通信を受けたストームソーダー部隊は驚いたが,事故だろうと全員が思った。
だが,それは事故ではないと言う事がすぐにわかった。
彼らの前に3機の飛行ゾイドが現れたのだ。

211 :名無し獣弐:01/12/09 00:10
うわ、短。繋げてても問題なかったか。
ここに来て新キャラ出しちゃった・・性格などについては適当に想像してください。
って何言ってんだよ。

破られた静寂(その2)

10機のストームソーダーからなる航空防衛部隊。そして改造された1機の蒼いストームソーダー。
その機体に搭乗していたハルトはプテラス撃墜の報を受けて驚いた。確かに新米だが事故を起こすような馬鹿じゃない。
すぐに救出に向かおうとした。だがそれを3機のゾイドが許さなかった。
しかしレーダーにそのような反応は一切無かった。ステルス性がかなり強化された機体のようである。
一瞬、ストームソーダーに見えた。だがその機体には4つの脚がありストームソーダーより少し大型だ。
シルエットはどちらかといえばレドラーに近い。
赤と黒を基調としたボディ。そして翼に刻印されている飛竜十字勲章。帝国ゾイドだ。
そのゾイドは2手に別れた。どうやら1機がウルトラの撃墜に向かい残りの2機は足止めをするようだ。
「くそ、こいつらの相手が先か・・しかも死ぬ気と来たか」
部隊長からの通信が入った。
「我々は4機でウルトラの護衛に向かう。その援護に回ってくれ」
「了解しました」
通信が終わるとハルトの小隊は急旋回し、その帝国ゾイドに向かって突撃していった。
もう1つの小隊が1機を請け負うのでハルトの小隊は1機を相手に3機で挑む事になる。
だが、パルスレーザーガンを撃ってはみるが当たらない。かなりの手馴れだ。
部下に援護射撃を命じハルトはウイングソードを展開し接近戦で一気に勝負を決めようとしたがそのゾイドは恐るべき瞬発力で背後のストームソーダーを前脚で鷲掴みにし翼をもぎ取った。
翼をもぎ取られ,炎上しながら落ちていくストームソーダー。そして爆発。
「ジャック!?」
ハルトは部下の名前を叫んだ。しかし既に通信は繋がらない。あとできることは脱出が成功したことを祈るだけとなった。
「くそ、よくも・・」
ハルトは覚悟を決めた。
「ジュン、聞こえるか?今から同時に攻撃を仕掛ける。奴にウイングソードを展開して突っ込め。1秒後に私が攻撃する」
「了解、ジャックの仇を取ってみせますよ」
そういい終わると2機は速度を上げ,敵機に向かった。
一瞬早くジュンの機体が敵機に向かい,そしてあっけなくかわされ背後に回りこまれた。
その時敵の注意は一瞬だが,ジュンの機体に向けられた。本当に一瞬だけ。
だがハルトに必要だったのはその一瞬だった。すぐさま敵機に接近し、何かを発射した。
そして敵機周りを2回、3回と旋回するとワイヤーがそのゾイドに絡みついた。
通常の機体なら2連パルスレーザーガンが装備されている場所。そこにハルトはワイヤークローを取り付けていたのだ。
ワイヤーが絡みながらもがく帝国ゾイド。だがそのもがきでハルトのストームソーダーは少しずつ引き裂かれていく。
「早く、こいつを切れ!」
ハルトはジュンに言った。
「しかし、それでは隊長が・・」
「私の事をその程度のパイロットだと思っているのか?私の腕を信用しろ」
一瞬だけジュンは戸惑った。だがすぐに行動に移した。再び急加速するジュンのストームソーダー。
ウイングソードが敵機を切り裂く瞬間、ハルトはワイヤークローを切り離し、エンジンを最大出力で起動した。
刹那、ウイングソードが敵機を切り裂いた。
だが蒼いストームソーダーは落ちることなく飛んでいた。
「隊長!」
「言っただろ。私の腕を信用しろと」
「他の敵は?」
「さっき全て撃墜したと通信が入った。さて、ジャックとアドルを探しに行くぞ」
「はい」

212 :名無し獣弐:01/12/09 01:08
自分の文章力と計画性の無さに愕然としつつ

西からの日の出

ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーは脚を止めた。
「いよいよだな、ハーマン」
アーバインから通信が入った。
「そうだな。いよいよだ。だが最後まで気を抜くな」
「わかってるよ。」
そのままデストロイド・ゴジュラスに通信を入れる
「発射用意を」
「了解」
「了解しました」
デストロイド・ゴジュラス1号機が1200mキャノンを掴んだ。そして2号機も。
「いいか、今は何も考えずにニクシー基地を破壊する事だけ考えろ。わかったな」
全てのコクピットから返答が帰ってきた。既に基地までの情報はアドルから受け取っている。
(生きていれば良いがな)
そう思ったが、すぐにそのことを頭から振り払い、データを入力し、誤差を修正していく。
2分ほど、沈黙が続いた。そして全ての修正が終わり、狙いが定まった。
「発射準備終了。カウントダウン開始」
ハーマンはゆっくりと深呼吸し、カウントダウンを開始した。
「5、4、3、2、1」
カチッ
発射ボタンを押した。
閃光が辺りに走り、数秒して西の空が紅く染まる。続いてもう1発、さらに1発。
何発も撃ち込んで行く。
「少佐、砲身が持ちません」
背部コクピットからの通信が入った。
「構わん!どうせここで使い切るんだ。例え爆発しても撃ち続けろ!」
爆音の中でハーマンの叫び声が聞こえる。5発、6発、弾が切れた。
「次、弾を詰め込め!」
デストロイド・ゴジュラス2機が弾を込め、1200mキャノンを掴む。
再び閃光が走り、爆音が響き西の空が一層紅くなる。
弾が無くなった。
砲身は焼け爛れ、地盤は沈下し、ゴジュラス、ウルトラザウルスの脚部はボロボロになった。
「終わった・・・」
ハーマンは深く息を吸い、そしてはいた。
「終わったんだよな。これで」
アーバインが言った。
「いや、今からが本番だ。これからこのまま停戦協定を結べるかどうかな・・」
「とりあえず俺たちの仕事は終わったんだ。帰って一休みするとしようや」
軽い口調でアーバインが言った。
「迎えに来てもらえるように今ロブ基地に通信を入れた。あと3時間もすれば迎えが来るだろう」

現在の時刻は午前6時10分。
太陽が登り、東の空は明るく、美しく輝いている。
同時に西の空は真紅に染まっていた。

213 :名無し獣弐:01/12/09 20:20
生還

アドルが眼を覚ますと、そこは医療室だった。周りのベッドには全てけが人が入っている。
自分が何故ここにいるのかよく覚えていない。記憶があったのは機体が急降下していった時までだ。
今の自分を見てみると腕と脚にギブスがつけられ、包帯が巻いてある。落下したときに受けたものだろうか。
窓の外を見ると明るい。昼のようだ。そしてふと思いついた。
(戦況は?)
アドルは近くにいる衛生兵に声をかけた。
「戦況はどうなってる?ニクシー基地は?帝国は?」
だがいくつも疑問が思い浮かび言葉が一度に出てくる。
「そんな一度に言われても・・落ち着いてくださいよ」
「あぁ、そうか・・」
一度アドルは深く呼吸をした。
「じゃあ、ニクシー基地はどうなった?」
「1200mキャノンの砲撃で陥落しましたよ」
「よかった・・」
アドルは安堵した。自分が墜落したことによって支障が起きなかった事を喜んだ。
衛生兵が話を進める。
「その後、帝国軍は暗黒大陸に撤退しました」
「じゃあ戦争は終わったのか?」
そうあって欲しいと思った。だが衛生兵の言葉は違った。
「いいえ・・こちらの休戦協定を蹴りました。まだ徹底抗戦するようです」
「そうか・・」
多少は予想していたことだが、直に聞くとやはりショックを受けた。これで終わると思っていたのに。
と、同時に次のことが気になってきた。自分の愛機、プテラスのことが。
「お、目覚めたようだな」
不意に声が聞こえた。ライズだった。
「俺のプテラスはどうなった?」
アドルはライズが入ってくるなり問い掛けた。
「残念だったな。臨終だよ」
明るかった口調が急に暗くなった。
「そうか・・くそっ・・」
軍に入って以来ずっと一緒に行動したプテラス。それが死んだ。
落ち込んでるアドルをよそに、ライズが再び話始めた。
「それよりおまえがどうやって生きてたか知りたくないのか?」
アドルは黙ったままだが一人でライズは話し始める。
「おまえのプテラスのブラックボックスを解析した人の話をさっき聞いた。高度1000m程度にまで落下した時にに勝手におまえのシートが射出されたんだと。専門家の意見では故障だろうってさ。だがな・・」
「だが?」
「俺はおまえのプテラスがおまえを助けるために脱出させたんじゃ無いかって考えるよ。ゾイドには心があるんだから。それにおまえは奴を大事にしてたみたいだしな。大事にしてくれる人をゾイドは死んでも守るんだと俺は考えてるよ」
「何てこと言ってるんだよ。おまえは。ゾイドに意志があると思ってるのか?」
「あぁ、信じてるよ。なんせゾイドは生物なんだから。飼い主だったおまえが信じてやら無くてどうする」
「そうだな・・俺が信じてやらなくちゃな」
アドルは微笑みながら言った。
「そうだ、まだ自己紹介してなかったな。俺の名はライズ・バルト。おまえは?」
「俺の名前はアドル・クランクだ」
「そうかい、さて、飯おごってもらおうか。生きて帰ってきたことだし」

214 :名無し獣弐:01/12/09 20:30
一応終わりです。最後のほうは一層訳がわからない上に半端で・・
すいません、なんか微妙にクサいし。
終わってから全部を見直してみると自分の計画性の無さにうんざり。
こういうストーリー書くのが難しいって痛感しました。
改めて名無しですスティンガー氏達の凄さを思い知りましたよ。
こんな腐った文字の羅列でも見てくれた人、ありがとうございました。

215 :名無し獣:01/12/09 21:11
久々に来てみたら、続編&新作が…しかも時間軸が同じとは
なんとファンタスティックな…。

名無し獣弐さんお疲れ様でした。名無しですスティンガーさん、これからも
頑張ってください。

216 :名無しですスティンガー:01/12/09 23:32
>名無し獣弐氏
お疲れ様です。後半の追い上げが早かったですなぁ。
俺もそのぐらいのスピードで書き込みたいものです。
クサイ台詞は、物語にはもはや必須でしょ。俺も赤面しつつ書いてます。

しかし、また一人取り残されてしまった・・・。
完結は年明け以降は確実です。まだまだ続く物でして、あう。
今の所、ストックしてある文章がほとんどないので、今は無計画に進んでます。

217 :名無し獣弐:01/12/10 22:51
その日、私は軍部に呼び出された。あまりに突然だった。
特に何をしたわけでもない。身内にいわゆる危険思想者がいたわけでもない。
呼び出された場所に行くと、そこには同じように何百人かの人がいた。多くは私と同じように女性だったけど中には男性も何人かいた。
何人かの兵士が私達の前にやって来て言った。
「皆さんにはこれから皇居に行って頂きます。今回の行動は皆様の生命を奪うような事では無いですのでご安心を」
私はほっ、と胸をなでおろした。トラックに乗せられ5分ほど経ち、皇居の前に降ろされ大広間に出た。
そこには皇帝ルドルフと摂政プロイツェンがいた。その後ろには大きなカーテンあった。
1人の兵士が前に出た。身形からすると親衛隊だろうか。
「これから皆様にはある映像を見ていただきます。モニターにご注目ください」
そう言うと後ろのカーテンが開き、大きなモニターが現れた。
映像が始まった。画質は荒い。最初に人の顔のアップが映った。
「あ・・貴方・・」
隣りにいた初老の女性が声を出した。どうやら夫だったらしい。
「おまえには苦労をかけつづけたな。子供の面倒も見ずに毎日仕事仕事で。だが俺はおまえと子供のことを忘れた事は一度も無い。任務の時も死にかけたときも。子供達のことは任せたぞ」
そういうとその男性は後ろに下がって「相手がいないのに言うのって照れくさいなぁ」などと声が聞こえた。代わっては前の人より少し若いぐらいの男性が映った。
(ビデオレター?)
私は心の中でそう思った。軍が少し気を利かしてくれたのだろう、と想像してみた。
その後も内容は似たようなものだった。そして13人目。
「よし、次は俺の番だな」
そう言うと青年が出てきた。
「あ・・」
夫だった。

218 :名無し獣弐:01/12/10 22:53
結婚して1ヶ月目で戦場に出たきり手紙のみの会話で顔を一度も会わしていない。
「よう、そっちは元気にしてるか?俺が戦場に行く前の日に最後にやったよな。どうだ?子供はできたか?」
いつもと変わらぬ口調。私は思わず赤面した。
(あと一ヶ月もすれば産まれるわよ・・)
私は大きくなったお腹をさすりながら頭の中で言った。
「まぁ、俺はもうじき出撃する、ただおまえにはいつも覚えておいて欲しい。俺は国の為に戦いに行くわけじゃない。戦友やおまえ達の為に戦うんだ。
子供が産まれたら行ってくれよ。"おまえのお父さんは最後までかっこ良かった"って。あと、俺の為に泣いてくれるなよ。笑顔のおまえが好きなんだから」
そういうと夫は下がった。同僚から「クサいぞー」「馬鹿かおまえは」などと言われながら笑っていた。
次の人に代わった。私は根拠の無い不安に襲われた。どこか心に穴があいたような。

2時間ほど経った。全員の話が終わったようで、カーテンが閉まりプロイツェンが前に出た。
「先ほど見ていただいたのは先日、中央大陸から撤退した部隊が持ち帰ったものである。わかっている人もいるだろうがこれは"遺書"だ」
(え?)
愕然とした。ただの軍が気を利かせた行動だと思っていたのに。
「これは中央大陸から撤退するときに5000の共和国部隊を相手にたった100機で戦友を守るために立ち向い、そして散った勇敢な兵士達だ。
諸君達には自分の身を捨て、国、仲間そして家族のことを思い死んでいった勇者達を夫に、親に持った事を誇りとして欲しい。
我々帝国政府は彼らの遺族に対して一生を補償できるだけの賃金の支払を補償する」
そういうとプロイツェンは下がり、私達は皇居から出た。
(金なんかよりもあの人を・・)
帰る道でずっと私は旦那のことを思い出だしていた。

219 :名無し獣弐:01/12/10 22:55
何故か衝動に駆られて書いてしましました。
書いてて恥ずかしい・・

220 :名無し獣:01/12/12 01:25
どうしてエレファンダー隊ネタは、こうも燃えるかなぁ…。
もう1個キット買ってこよ。

221 :名無し獣:01/12/12 23:21
このスレは冷え切ったゾイド板の中で唯一熱いな。
俺に文才が無いことが悔やまれる。
とりあえずアゲたい気持ちを抑えながらサゲで。

222 :名無し獣弐:01/12/13 21:53
もう一回長編みたいなの書いてみたいような。今度は計画きちんとたてて。

223 :『中心』:01/12/14 00:15
>>208 一週間ぶりかよー。
そのうち「誰だ、お前に。」になりかねんなぁ・・・。
つーか10話ぐらいで完結予定だった筈なのに・・・。このまま行くと30話に手が届きそうだよう。

『風の吹き荒む戦場で(13)

 うつ伏せで、未だに動けない『ドライファクト』に最初に襲い掛かろうとしたのは、シールドライガーだった。
 弾薬の節約か、それともシールドライガーの貧弱な射撃武装では決定打に欠けると思ったのだろうか、得意の白兵戦で一気に片を付けるつもりだったのかもしれない。まぁ、そんな事はどうでも良かった。
 どの道、敵わなかったのだから。
 後、10mで接しようとして、ストライクレーザークローに火を入れて、飛び掛ろうと、後ろ足を蹴り出して、宙に浮いた瞬間だった。
 閃光が、シールドライガーを横面を貫いた。
 正確にゾイドコアを貫かれたシールドライガーは、そのまま吹っ飛び、大地に叩き伏せられ、『ドライファクト』の隣に横たわる。
 あまりの事に驚き、一挙動遅れつつもコマンドウルフが、射撃位置を確認すると、もう、ホエールキングが高度300mの所まで降りてきていており、その開いた顎の中に、ロングバレルのライフルを担いだライトニングサイクスが居た。
 その距離は、直線で2km。彼の横をまずは、降下に強いジェノザウラー2機が、駆け抜けて、接地と同時に荷電粒子砲を放つ。
 遠距離から放たれたそれは、たった一機にしか直撃しなかったが、それだけで、十分だった。所詮ただの威嚇だ。
 隊長機がやられ、5機にまで機数を減らした彼らをこの場に縛るものは何もなかった。
 一気に戦場に離脱していく。

224 :『中心』:01/12/14 00:17
「ふぃー。間一髪ってとこか。」
 アイン・ゲレーゲンハイトは、愛機ライトニングサイクス・スペシャルカスタム『ゼクト』の中で息を吐いて、肩を解して、シートに身を委ねて、一息ついた。
『ゼクト』は、背中のニ連パルスレーザーライフルを含めたブースターパックユニットを取り外し、ロングレンジプラズマキャノンを主とし、両脇に2対、計4つのノズルがついたブースターユニットを装備したアインの特注のライトニングサイクスである。
アインは、『ゼクト』のロングレンジプラズマキャノンの砲塔を折り畳んで、格納形態にシフトさせた。あまりに長い砲塔なので、折り畳まないと高速移動時に支障が出る為である。それほど、これの砲塔は長かった。
『高速支援戦闘ゾイドにとんでもない物を載せているんだな。』
 送信元は、『ゼクト』の後ろに控えているジェノザウラー。隊長のグラハム・ズィルバーだった。
「まぁな。開発部の連中が、投げ出したままにしていた兵器をちょっと拝借させてもらった。後は、ISFのお抱えの技術屋さんに頼んで無理やりくっ付けた。
もとより、敵のゴルドスの精密射撃に対抗する為のCP(カスタマイズパーツ)として開発してたらしいんだが、これをゲーターにつけんのは、流石に無理だしな・・・。」
『ISFは、専用の整備や開発まで召抱えているのか?』
「ま、ね。整備は当然だけど、開発は一人だけだ。カスタマイズ要員って所だな。根本的な開発は、やはり兵器開発局が担当してる。一応はISFは秘匿部隊だからな。俺は、今、ライトニングサイクスのモニターなんだ。」
『テストパイロットか。』
「そじゃねぇ。実戦配備された後に、兵器ってのは、少しずつマイナーチェンジするからな。まぁ、実戦で長期使ってみて、気になる事があったら、逐一報告する係みたいなもんだ。」
『そうか、・・・で、あの嬢ちゃん、ノイエ少尉だったか、彼女はすごいな。』
『ま、な。』
 どこか疲れた様な顔で、口を半開きにして、目を宙に泳がせながら、アインは答えた。
 少しの間があって、突然グラハムが意を決した口調で、
『・・・決まりだ。』
 と呟いた。
「何がだよ。」
『彼女が、この部隊の中心になる。』
「あんたが隊長じゃないのか?」
『いや、そうじゃない。我々の目的は一つしかない。最悪、誰か一人が目標の下にたどり着いて、破壊すればいい。彼女ならやってくれそうな、そんな気がする。』
 ちょっとした沈黙があった後で、アインは意地の悪い笑みを浮かべた。
「惚れたか?」
『馬鹿な事を・・・。』と言いかけて、グラハムは苦笑した。
『いや、そうかもな。・・・おかしいか?』
「んにゃ。女神様に惚れるのは、戦士として当たり前の事さ。」
 腹を抱えて、喜色満面でアインはそう答えた。
『お前の彼女かと、思ったが、どうも違うらしいな。』
「ちげぇよ。」
 そこで、ふっとアインの笑みがどこか懐かしむものへと変化した。
『でもISFの野郎連中ほとんどが狙ってたんだぜ。実際には、奴に取られたんだけどな。紹介したの俺だし。まぁ、奴ならいいかと、誰もが納得しちまったけどな。』

225 :『中心』:01/12/14 00:17
「その幸せ者は、どこに。」
グラハムは口にしてから、気付いた。すぐに思い当たる。
簡単なことだ。この戦いに参加する者は、すべて復讐者。
顔に驚愕の表情を貼り付けて、
「いや、まさか・・・。」
『その通りさ。』
 ゲインは、明日の天気を聞かれた時のような自然な軽さで答えた。
乾いた空気が、流れる。しかし、グラハムは続けた。
「もしや、『彼』の・・・か?」
『そだよ。そうだ、奴のだよ。今でも思うよ。あいつに紹介なんかしなきゃ良かったってな。・・・いや、今だから思うのかも知れんな。』
 グラハムは額に手を当てて、何故か緩む口元から苦笑を漏らす。
 かぶりを振って、『ドライファクト』を何かを懐かしむような視線で見た。
「なおさらだ。なおさら、彼女を死なせるわけには、いかなくなったよ。」

226 :名無し獣弐:01/12/14 21:08
てわけで恥の上塗りを。題名は「闘技場(アリーナ)」です。
プロローグ

暮れ始めた日の中で3体のゾイドが進んでいく。
「また負けたな・・・」
シールドライガーに乗るマサキが言った。
「ああ、これでAクラスに上がってから何回目だ?エリック」
スピノサパーに乗っているヘルクが聞いた。
「え〜っと、通算七勝八敗。今日で負け越したね」
エリックがベアファイターの中から答えた。
3人が愚痴っていると前方にグスタフが止まっている。その横ではテントが張ってありたき火をたいている。
近くに寄ってからマサキがハッチを開き、たき火の近くにいる人に向かって叫んだ。
「お〜い、親父。何こんなところにいるんだよ」
その男が振り向いて言う。
「お、マサキ達じゃないか。しっかり負けてきたか?」
その人物が笑いながら言った。
「・・くそ、毎回言いやがって」
不機嫌そうにマサキが言う。
「あの、僕たちも一緒に泊めさしてもらっていいですか?」
ベアファイターからエリックが降りてきて聞いた。
「ああ、別に良いが」
そういうと親父はグスタフのコクピットに行って何かを取ってきた。
「ほれ、寝袋だ。勝手に寝てろ」
そう言って寝袋を3つエリックに向かって放り投げた。
「なんだよ、テントか何かじゃ無いのか」
マサキが不満を漏らした。
「まぁコクピットよりましか」
ヘルクは寝袋を取って再びスピノサパーのコクピットに戻っていった。
「そうですね。じゃマサキさん、おやすみなさい」
エリックもまたベアファイターのコクピットに上がっていった。
「ったく、仕方ないか。じゃあ俺も」
「ちょっと待て。マサキ」
親父にいきなり呼び止められる。
「なんだ?」
「おまえ、約束忘れてないだろな」

227 :続き:01/12/14 21:10
「約束?」
思い出そうとしても思い出せない。
「ったく、忘れたのか。シールドライガーとベアファイター貸したときに言っただろ。"30回負けたら返す"と」
「そういえばそんなこと言ったような気も・・」
「わかってるよな?今回で30回目だ」
「ちょ、ちょっと待てよ。親父。まだ俺たちは試合があるんだぞ。今から取り上げるって言うのか!?」
「ああ、そうだ。約束だからな」
「なぁ、せめて今シーズンだけで良いんだ。貸しててくれよ」
「ダメだ」
「やっとAクラスまで昇れたんだぜ。なぁ、頼むよ」
「ダメだ」
どう言っても「ダメだ」で済まされてしまう。
「頼む、今回のロイヤルカップで絶対に優勝するから」
「言ったな?」
そういうと親父は懐から袋を取り出した。
「ほれ、持ってけ」
それをマサキに向かって放り投げる。
「これ何だよ?」
「まぁ見てみろ」
にやつきながら言う。
「!?こんなにくれるのかよ?」
「誰もやるとは言ってないだろ。貸すんだよ。貸しだ、貸し。優勝して返してもらうぞ」
「わ、わかったよ。じゃあな」
そう言ってマサキはシールドライガーのコクピットに戻っていった。

朝起きるとグスタフは無くシールドライガーとベアファイターも消えていた。

228 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/15 23:23
どもっす。「風荒」は、ちょいとお休みですー。
何か今日でゾイド板が祝一周年なので、ちょっと記念書き込みしておきます。
スレの趣旨と全然関係ないけど、何か上の方が荒れているので、馴染みの深いこのスレで。
堪忍してなー。

さて気付けば、現存するコテハンの中で最古参というすごく悲しい状況ですな。
他の方が、ただ単に「名無し獣」に戻っただけならいいんですが・・・。
何か色々とあって、模型板を追い出されたりした業の深いゾイド板ですが、
結局はそれを上回る物が得られたのではないかと、特に俺はそう思います。
このスレとかも、黙認されてますし。その実、楽しく投稿、読まさせてもらってます。
プロジェクトXネタとかも、気にいって貰って、スレまで立ててもらって、書けたのが楽しかったですな。
最近はネタ詰まりですが。

色々な事があった一年ですが、次の一年も、少なくとも3月までは、ゾイド板に幸があらん事を。

えんいー。

229 :名無し獣弐:01/12/15 23:34
それではぼくも。

一応お祝いスレでも立てようかと思ったけど何故か立てられなかったので。
まぁそんなことは置いといて。
幾度となく崩壊の噂がささやかれたこの板だけどとりあえず誕生1周年、よく生きていてくれた。

230 :名無し獣:01/12/15 23:53
自分は、ここに来て半年チョイぐらいでしょうか、
ふと気づけばZ−ポイントが700超えててびっくりデス。

この間のトイザラス事件の時に大量に注文したゾイドたちが続々と
家に到着しだし、ヒマもなく未組み立てゾイドばかりがたまりまくってます。

それでは、これからもよろしくおねがいいたします

231 :名無し獣:01/12/15 23:54
ア、アゲチマッタ・・・。


逝ってキマス

232 :名無し獣:01/12/16 00:05
最初は「嫌なトコだな、、、」とか思ってたココも今では不良を見ると「ドキュソめ!氏ね」
とか思うくらいに、、、おめでとう、そしてこれからも宜しく

233 :名無し獣:01/12/16 08:11
自分、「/0」からの新参(昔ダークホーン買った事はあった)で、
最初はゼンマイモノあれば幸せ、てな感じだったのが、今じゃ60体近い数に…

この板も、来た頃は全スレ食い入る様に見てたなぁ…。
漏れ的には、ゾイド自体も、この板も、まだ無くなってほしくないな。
これからハンマーロックとCP買いに逝ってこよ。

234 :FA:01/12/17 13:42
注意:なんかどこかで聞いたことがある名前等あるかもしれませんが、ギャグって
 ことで見逃してください。  
  「ゴジュラス高機動化計画」
 圧倒的なパワーと頑丈なボディーをほこり、
  今なお格闘戦で最強クラスを誇る共和国軍のゴジュラス。
 さらにバスターキャノン等で長距離砲撃能力を追加したゴジュラスガナー
 となることで、ジェノクラスの荷電粒子砲にも対抗できる砲撃力を手に入れた。
 しかし、ここでゴジュラスに重大な問題が降りかかる。
 「機動力が足りない。」
 そうだ、機動力不足は決定的なゴジュラスの欠陥だった。
 ゴジュラスが、めいっぱい走っても時速75キロ前後。
 瞬発力・運動性・反応速度は高いゴジュラスもこれはやばい。
 そして、ゴジュラスの高機動化計画はスタートするのだった。
 様様な議論の結果、とりあえずとして帝国のアイアンコングのとった機動力強化をヒントに
 ゴジュラスもブースターでホバリングしたり長距離ジャンプしたりして機動力を強化しようと言う点で決まった。
 早速、帝国からパクッたマニューバスラスターをベースにゴジュラス用ブースターを開発。
 そして、前線から一人のゴジュラスパイロットが呼ばれる。
 ゴジュラスパイロットの最年少にして紅一点のサクラ=キノモト少尉。
 士官学校出たてだが、ゴジュラスに気に入られたためにゴジュラスを任された新米だ。
 しかも、彼女はそのゴジュラスに「桜花」なんて名前をつけていた。ネーミングセンス最悪だ。
 とはいえ、彼女とその桜花のコンビは最高だった。実戦で、レッドホーンを10機、セイバータイガーを8機、
 ジェノザウラーを3機、アイアンコングを3機倒すほどの大活躍だったのだ。
 しかし、彼女自身にそんな大それたことをやった自覚なし。
 と、こんな彼女と桜花が、本部から与えられたゴジュラス用高機動ブースターのテストをはじめるのだが・・・・・

 いつか続く。

 

235 :名無し獣:01/12/17 18:55
…問題は、「桜花」が高速機動についていけないということであった。
ゾイドが、生命体である以上、自らの限界をはるかに超えた機動を強制されれば、
それについていけない事は、当然の結果であったのだ。
当時の技師の一人は、「ブルドーザーに、ロケットをつけるようなものだ」と言って
呆れていたと言う。

やがて、方針の転換が図られた。
「ゴジュラスが、最大の戦闘能力を発揮する事ができる「格闘戦に特化した機体」
としてのブースターを再設計せよ」
こうして、再設計されたブースターは「ゴジュラスに高機動戦闘能力を付与する」
ものから、「ゴジュラスの得意とする、格闘戦の間合いに素早く潜り込む」ための物
へと生まれ変わった。
背部の「突撃用の」ブースターにより、短時間で敵陣の真っ只中に飛び込み、右腕部に
取り付けた鹵獲品の120mmグライドキャノンと、左腕部に取りつけた、これもまた
鹵獲品のパイルバンカーユニットで、敵ゾイドを根こそぎ血祭りにあげる…まるで
「ヤクザの鉄砲玉」のような機体になってしまったのである。
(余談ではあるが、鹵獲品ばかりを装備していたために「バンデット(山賊)」
と言うコードが、整備兵の間で広まったと言われている。)

しかし、この頃になると、ライガーゼロや、ケーニッヒウルフと言った優秀な
高速戦闘ゾイドが次々とロールアウトしていったのに加え、ガンスナイパーの
大量配備による、物量作戦がじりじりと効果を上げていったために、ゴジュラスの
高機動化自体に疑問符がつき始めていった。

結果、ゴジュラスは従来のまま、砲撃支援機として、主に運用される事となり、
この「ゴジュラス強襲突撃戦仕様『桜花』」は、試作機1機のみで、終了する事と、
相成ったのである。

なお、テストパイロットを務めた「キノモト少尉」は、「桜花」の開発が終了後、
「遺跡」より発掘された機体を専門とする、テストパイロットへと転属したと言う。

236 :赤羽広々:01/12/18 00:10
どうもみなさん、お久しぶりです。そして多くの方へ、はじめまして。

ゾイド板、一周年だったのですね。ここのところずっとゾイド板から離れていたので、
全く知りませんでした。私がゾイド板に出入りするようになったのは、今年のゴールデ
ンウィークの頃でした。2ちゃんにゾイド板が出来たなんて、全く知らなかったので驚
いたのと同時に、ゾイドネタだけでやっていけるのかね、と冷ややかな目で見ていたも
のです。しかしこのスレに目がとまり、ちょっと自分も書いてみるかな、とここにご厄
介になるようになりました。最初の頃は誰も見てないようで随分寂しい思いをしました。
今だから言いますけど、自作自演レスも1、2度やりました。最初のお話が完結した際に、
多くの人からレスがついたときのうれしさは、今でもはっきりと覚えています。その後
こことは疎遠になってしまいましたが、がんばってバトストを書いている人がいるので、
老兵は安心して消えることが出来ます。

今度またちょっと暇があるから、そのとき続きを書いてみようかな、とか言ってみるテスト。

237 :再起動:01/12/18 01:19
>>225 自分で書き込んで置いて、あれだが、「ゾイド板@一周年記念」スレッドできてます。

『風の吹き荒む戦場で(15)』

 赤い非常灯だけが照らすドライファクトのコクピットの中に、荒い呼吸だけが満ちていた。
 前のめりの状態でドライファクトが倒れこんでいる為、宙に吊り下げられた状態で、ノイエは操縦桿を握り締めながらも、虚ろな目をして、体をハーネス(固定具)にぐったりと預けていた。
 顔から汗が滴り落ちる。息が苦しい。全身に汗がべっとりと張り付いて気持悪い。ハーネスが体に食い込んで痛い。全身に力が入らない。
 最っ低。
 と、いつもの彼女なら思うところだが、何故か、恍惚にも似た昂揚感が頭を支配している。
 一方、体の方は疲労の塊がどしんと居直って、動く事に抵抗を示しているが、頭の方は存外に元気で、早く次の行動を促しており、二つの存在がまるで別々のものであるかの様な感覚の中に、彼女は居た。
 ただ、あの締め付けられるようなオーガノイドシステムの圧迫感と昂揚感はない。
 オーガノイドシステムは、ゾイドコアからの電力供給切断によるシステムダウンの影響で、母線からの信号が途絶えた為に、緊急凍結された。
 オーガノイドシステム無しだと、それ前提で構築されているジェノザウラーのハードでは、戦闘行動はもちろん、巡航時にも支障が出るが、生命維持ぐらいならなんとかなる。まぁ、その分、回復も遅れるのだが・・・。
 ノイエは、朦朧とする視界を無理やりこじ開けて、呼吸をなんとか整えると、システムを再起動させる為に、予備のサブバッテリーをたたき起こして、冷却ファンを回転させた。
 まずは、機体を冷やしてやると、回復も早い。
 電源を確保した事により、コクピット周りのシステムも復帰する。
 ゾイドコアのシステムは、未だに沈黙しているが、随分と回復の方向に向かっているのが、肌で感じ取れる。
 また通信機が回復した為か、回線が開いた。
『おい、大丈夫か?』
 通信元はアインのライトニングサイクス『ゼクト』だ。もうすでに隣で、自らが狩った屍と化したシールドライガーを足蹴にして、『ドライファクト』を覗き込んでいる。
 何とか息切れを押さえようと努力しながら、ノインは、
「…も、問題…な…いわ。」
 と全然、問題ありそうな声で答えた。
『切れ切れにいう台詞じゃねーぞ、それは。少し休んだ方がいいぜ。どうせ、ゾイドコアがまだ復調してないんだろ? システム周りをこっちに回せ、何とかしてやっから。』
「それよりも…全員…居るの?」
 と言いつつも、ノインは、メインシステムのアクセス権の公開鍵と暗号鍵を『ゼクト』に暗号回線で送りつける。
 その問いに答えたのは、アインではなく、グラハムだった。
『おかげ様でな、全員無事に下船できたよ。ノイエ少尉。』
 彼の乗るジェノザウラー(量産型)『アルキメデス』もまた、『ドライファクト』の隣に居た。
 ちなみに他の機体は、安全を確保する為に、周囲を固めている。
 そして、ホエールキング『フローラル』は、地上50m程の所で未だに浮いていた。
『ふん、嬢ちゃんは無事か。良かったな。』
「どうして、まだ居るの?」
 だいぶ収まってきた呼吸の乱れの中で、ノインは、疑問を口にしていた。
『あぁ、実はな。降下の途中にでかいのくらってな。ちょいと、ヤバメなんだな。んでよ。気付いてるかも知れんが、今の中隊の本隊が近くに居るんだな、これがまた。』
 いつも通りの実に軽い調子の口調であるが、ノインは、瞬時にゲイン・アルバトロス艦長が今から、何をしようと考えるのか、理解した。

 だが何故か、心の中に悲しみが生まれなかった。
 そして、何故か、口には笑みがあった。

238 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/18 01:37
>>236
ちょいと赤羽のおにーさん。老兵って、あーた。
というと、ゾイド板設立当初から参加してるおいらは、
とっくに退役して、病床で孫に
「昔、おじいちゃんはね。ゾイド板のオリジナルバトスレに書き込んで居たんだ。」
とかの老人特有の誇張気味に武勇伝を語ってる状態になってねばならんのですが・・・。
「最近の若いもんは」とかぶつくさ言いつつ。

是非ともテストなんか言わずに、書いてくださいー。
スレ住民一同(で、いいよね?)お待ちしとりますー。

239 :出会い:01/12/18 20:27
今回も俺設定たっぷり。

「やっとついたか・・」
スピノサパーを少し離れた場所に置き、3人は市場に入った。
「ったく、あの糞親父め。おかげで丸1日3人でスピノに乗る羽目になっちまった・・」
「ほらほら、マサキさん。愚痴らないで早くパーツ探しに行きましょうよ」
「わかってるよ。俺のゾイドも探さなきゃいけないしな」
「俺はめんどくさいからそこで休んでるよ」
そう言うとヘルクは喫茶店に入っていった。
「あいつは自分のゾイドがあるから良いよなぁ」
「今から僕たちのを探しに行くんじゃないですか。あ、あの店どうですか?」
エリックは大きな店を指差して言った。よくテレビなどでも宣伝している大型店だ。
「馬鹿かおまえは。ああいう所は高いだろ。新品だし。ジャンク屋行くぞ。あそこなら安く良いのが手に入るかも知れんからな」
そう言うとマサキは裏通りに入って行く。エリックもそれを追いかけた。
裏通りは裏通りでウォーリアー達で賑わっていた。パーツやゾイド本体、残骸が売っている。大体のところ店の本体は市場から離れた場所でカタログで選んでから受け取るわけだが。
しばらく店の前に張られているカタログを見つめていると1体のゾイドが目に入った。マサキはその店の店主を呼んだ。
「店主、このゾイドは?見た事無い型だけど」
愛想笑いをしながら店主が出てきた。
「あぁ、これですか。これはあるチームから買ったゾイドですよ。名前はシャドーフォックスとか言うそうです」
「へぇ、値段はどれぐらい?」
早速マサキは交渉に入った。
「え〜っと、これぐらいでどうでしょうか?何しろ貴重なゾイドですし」
店主は電卓に金額を打ち込んだ。
「高い。もっとまけろ」
「それではこのぐらいでは?」
「高いな。もっと安くしろ」
マサキと店主が商談をしているとエリックが割り込んできた。
「あの〜、このガンスナイパーいくら位でしょうか?」
過剰に武装されたガンスナイパーを見てエリックが言った。
「これはですね、これぐらいでどうでしょう?」
「よし、店長。シャドーフォックスとガンスナイパーあわせてこれぐらいでどうだ?」
再び交渉に入る。
「これはいくら何でも・・」
「だったらこれでは?」
マサキが数字を打ち込む。
「あれつけますからせめてこれぐらいに」
「よし。商談成立だ。早くその場所に連れて行け」
「わかってますよ。じゃあついてきて下さい」
そういうと店主は歩き出し、マサキ達はその後ろをついていく。市場を出て10分ほど歩いたところにゾイドとジャンクパーツが置かれていた。
「これですよ。シャドーフォックスとガンスナイパー」
「本当に本物だろうな?」
「まさか。私が偽者なんぞお客様に売りつけるわけがありませんよ。安心してください」
少し疑ったがマサキは店主に金を渡した。
「ほら、金」
「確かに受け取りましたよ。どうぞご自由にお持ち帰りください。それでは私はこれで」
そう言うと店主はさっさと帰っていった。
「さて、持って帰るとするかね」
「そうですね。ヘルクさんも待ってますし」
2人はそれぞれ買ったゾイドに乗り込んだ。

240 :名無し獣弐@祝1周年:01/12/18 20:36
>>236
重複になりますけどテストとは言わずに続きを書いてもらいたいですよ。
>スレ住民一同(で、いいよね?)お待ちしとりますー。
何人いるかはわかりませんが少なくとも僕はそう思っております。

ついでに衝動に駆られてもう1つ書いてみようかな。

241 :FA:01/12/19 13:20
>>235の方、かってに私のバトストの続きを書かないで下さい。

 というわけで私,FA本人が正式なる>>234の続きを書きたいと思います。

早速ブースター装備の桜花に乗り込み試験場に向かうサクラ。
 桜花の調子は万全。そしてブースターのオンしようとしたその時。
 突然爆発音が。
 「なっ・・何?。」
 レーダーに目を向けると帝国ゾイドが16機。内訳はレブラプター10機、セイバータイガーとレッドホーンが3機づつ。
 当然問答無用に攻撃を仕掛けてくる。しかし、この基地にはサクラの桜花一機のみしかゾイドは無かった。
 「私が敵を引き付けてる間に皆さん基地から撤退してください!。」
 サクラは大急ぎで基地に通信を入れる。一方基地は本隊にSOSを入れた後に撤退した。基地からの撤退が完了した後、司令官が
 「撤退は完了した。おまえも逃げろ!。」
 しかし、
 「いやー逃げたいのは山々ですが・・・すでに囲まれてるんです・・・。ですから周りの敵を倒したら撤退します。」
 そう言ってサクラは通信を切った。
 しかし、強がってみたもののものすごい劣勢だった。レッドホーンを10体とかセイバーを8体とか倒してきたといっても、
 今までの合計撃墜数であって、一度にこれだけの数を相手にするのははじめてであった。
 とはいえすでにバスター砲でレブラプター隊の方はすでに片付けている。残るはレッドとセイバーの合計6体だ。
 レッドもセイバーもあえて桜花に格闘戦は挑まずに周りをうろちょろしながらの砲撃で桜花を攻撃してきた。
 敵のビームや砲弾が次々と桜花にヒットする。しかし、桜花には決定的なダメージは与えられなかった。
 衝撃は感じる、だがそれだけだ。小型機はもとよりレッドやセイバーの火器ではゴジュラスの装甲を打ち抜くことは同じポイント4、5発当てなければ不可能だ。
 しかし、いつまでも受けつづけるわけにはいかないので反撃を開始する。
 桜花に装備されたブースターが始動する。300トンちかいゴジュラスガナーの巨体が宙に浮き、ものすごいスピードでホバーリングしながら、セイバーの一機に接近する。
 「うそ・・ほんとに浮くなんて・・・。」
 ブースターの性能に少し疑問を抱いていたサクラは驚いた。だがそれ以上に驚いたのは帝国の兵士だった。
 「わあああ!!ゴジュラスが飛んだああああ!!。」
 「うわあああ!!くるなくるなあああああ!!。」
 セイバーのパイロットの一人は錯乱しながら桜花にビームを連射する。
 しかし、その直後セイバーの首は無かった。桜花の爪がセイバーの首元に食い込み、ねじ切ったのだ。
 その光景を目の当たりにし、浮き足だ立つ帝国兵士。
 「す・・・すごい・・・こ・・これなら・・。行くよおおおー!!。」
 桜花のブースターが再度始動した。

 続く。




 

242 :FA:01/12/19 14:16
>>241の続き
 レッドとセイバーは必死になって桜花を落とそうとする。
 しかし、桜花は横滑りで砲撃をかわし、バスター砲を発射する。
 バスター砲は無反動砲であるため反動は少ない、しかし、横滑り中に発射したので命中率は低い、
 しかし、あたらなかったものの爆風でセイバー1体が吹き飛んだ。一時着地する桜花。
 その時、3方をレッドに囲まれていた。
 「3方から突撃する気!?。」
 3方向からレッドに突撃されたらいかにゴジュラスといえど危ない、そして、ものすごい勢いで
 レッドが桜花に突撃した。しかし、
 桜花は垂直に飛び上がった。
 3機のレッドはそのままお互いをぶつけ合い倒れこむ。それを桜花は空中からのバスター砲で一掃した。
 「よし!後はセイバーが1機!。」
 サクラは安心した。しかし、その時セイバーが背後からゴジュラスに飛びかかろうとしていた。サクラは気づいていない。
 しかし、その瞬間ものすごい音がサクラの耳をつんざいた。
 「な・・何?。」
 サクラが後ろを見ると、数百メートル先でセイバーが倒れている。いったい何が起こったのか・・・
 実は、セイバーが飛びかかったとき、桜花の尾がセイバーの腹を直撃し吹き飛ばしたのだった。
 あまり知られていない事実ではあるが、ゴジュラスの背ビレはゴルドス同様レーダーとなっている。
 それで桜花自身が背後のセイバーを察知しカウンターでセイバーをふきとばしたのだ。
 「とにかく、これで全部ね。」
 サクラと桜花が立ち去ろうとしたとき、ものすごいエネルギー反応に気づいた。
 「このエネルギー・・・荷電粒子砲!!?。」
 桜花はブースターをふかし何とか回避したが、距離が近かったため左腕の一部が黒くこげた。
 サクラはレーダーに目をやると、敵増援であろうか、さらに4機いる。
 敵機はエレファンダーが3機、そしてジェノブレイカーであった・・・・。

 続く。

 次回 『心強い助っ人。ケーニッヒウルフ「銀狼」!!』
 お楽しみにー。

 

243 ::01/12/19 14:40
>ゴジュラスの背ビレはゴルドス同様レーダーとなっている
ゴジュラスの背びれは放熱板では?

244 :243:01/12/19 14:42
243は1じゃないです
すいません1さん

245 :アーロン毛:01/12/19 14:49
>>243 いや共和国軍とて馬鹿ではない
 あのでかい背ビレをレーダーに使わず何に使うのであろうか。
 この背ビレレーダーで以外に高いレーダー性能を持っていたので
 ゴジュラスの砲撃力強化のとき長距離キャノンになった、とかそんな感じじゃないの?

246 :アーロン毛:01/12/19 14:53
>>245の続き。それに243の人はゴジュラスの背ビレが放熱板とか言ってたが。
 何のための放熱板?
 ゴジラは放射火炎はくからともかくゴジュラスはそんなの必要無いでしょ。
 それにゴルドスの背ビレだってもともと放熱板だったが改造されてレーダーになったんだぜ。

247 :名無し獣:01/12/19 15:05
どっちにしろ公式設定じゃないだろ?

248 :アーロン毛:01/12/19 15:06
さらに>>246の続き
 ゴジュラスってもともと単独行動を想定してなかったっけ?
 だから、単独でもある程度の索敵できなきゃいけない。
 だから背ビレがレーダーになったとか・・・ダメ?

249 : ◆KANaj96M :01/12/19 15:20
>>236
そんな事言わずに書きこんで欲しいですよ。
赤羽版だけに留めておくのは勿体無いです。
それに感想は書かなくても、
このスレを楽しみにしている人は結構いると思いますよ。

250 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/19 19:51
俺設定でいいんでは。
つーか、俺設定万歳でしょ。

放熱板が必要な理由は、
ゴジュラスだって、全力運動した場合、あの巨体に熱がこもるからでしょ。
ブレードライガーだって、火炎放射も荷電粒子方も吐かないけど、コンプリッションリフジェネレター装備してるし。ケーニッヒウルフも強制冷却ファンを装備してます。

だけど、ゴジュラスの場合は、古い機体なので
改良を重ねるうちに冷却系に余裕が出てきて、放熱に必要な背鰭の数の減ったので、
半分は、放熱用に、もう半分は、レーダーに変換されたとか、適当にでっちあげておけばいいのでは。

と書いてから、公式みたけど、背鰭に関してが、何にも書いてない・・・。
ただし、レーダーである場合、ゴルドスと違って、索敵範囲は後方の270°前後のみになるねー。
背鰭後方にしかないから、前方の90°は恐らく無理。

251 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/19 19:56
うわ、250超えちまった。
・・・次スレ立てるの、もしかして、俺?

252 :FA:01/12/20 13:16
>>242の続き
 『心強い助っ人。ケーニッヒウルフ「銀狼」』
 新たな敵機の出現にサクラにあせりが見え始めていた。
 桜花にも多少消耗している。しかも相手はエレファンダーにジェノブレイカーだ。
 「このままじゃやばいわー。」
 とサクラが思ったとき。
 突然後方からミサイルが!
 「やばっ!後ろにもいたの!?。」
 さすがに今度はやばいと思った。
 しかし、ミサイルは桜花とすれ違い、敵のエレファンダーに直撃した。
 エレファンダーはとっさにEシールドを張ったためダメージはなかったが、突然の攻撃に戸惑いを隠せなかった。
 サクラが後ろを見ると、そこには銀色のケーニッヒウルフが、
 「このウルフは・・・・シャオラン君!?。」
 そのケーニッヒウルフに乗っていた男こそ、サクラの戦友、シャオラン=リ少尉であった。(元ネタバレバレだなーこりゃ。)
 そして、彼のケーニッヒウルフ「銀狼」(地球で言うところの中国の読み方でガンランと読む。間違ったらごめんなさい。)
 「SOS信号が着たからいってみりゃ、帝国におまえが教われてるとはなー。」
 シャオランは余裕たっぷりの表情でそう言った。
 「ここは俺に任せておまえは撤退し・・・。」
 彼がサクラにこう言おうとしたとき・・・
 「シャオランくんそっちの象さんおねがい、あたしはあっちを倒すから!!。」
 サクラはそういうとジェノのほうを向く。
 「おーい・・・聞いてるのかー、人の話ー。」
 格好良く登場したのにあっという間に三枚目化してしまっていた・・・。
 ここだけの話、この二人のようにゴジュラスとケーニッヒとかのコンビはそう珍しいものではない。
 共和国軍上層部はゴジュラスの機動性の低さをカバーするため、支援機として高速機をつけることを義務付けていた。
 ゆえにゴジュラスの支援機として、ブレードライガーや2級品として閃光師団に配備されなかった分のライガーゼロなどがゴジュラスの支援を担っていた。
 ゴジュラスは数が少ない、その大切なゴジュラスを無駄にしないための策であった。ゴジュラスの装甲を特殊チタニウムに交換したのもその手段のひとつであった。
 数が少なかったら戦線に出さなかったらいいじゃないかと思うかもしれないが、ゴジュラスはマッドサンダー、ウルトラザウルスに次ぐ巨体と存在感の持ち主。
 ゴジュラスの姿は時として敵に大きな威圧感を与え、味方に士気高揚にも役立つのだ。だから共和国は重要作戦ではつねにゴジュラスを出撃させている。
 はなしは戻って、今まさに共和国の竜、帝国の竜の対決が始まろうとしていた。

 続く。
 次回 『フリーラウンドシールドを打ち破れ』
 お楽しみにー。

253 :名無し獣:01/12/20 13:48
>252
スレの1読んでるか?
250過ぎたら一旦ストップなんだよ。

盛ってないで、ちったぁ落ち着いとけ。

254 :FA:01/12/20 16:56
もうこねぇよ。

255 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/20 19:13
次スレ案。

銀河のはるか彼方。地球から6万光年も距離にある惑星Zi。
そこには戦乱の世界である。
人々はこの星に棲む巨大な機械生命体「ZOIDS」を戦闘機械獣に改造し、今日も戦場へと出撃する。
この戦いを勝利することこそが、永遠に平和を勝ち取る為の唯一の方法と信じて…。

本スレは、空前の大戦争を記録する為に作られたゾイドバトルストーリーでも語られる事のなかった、民間のみに伝承される物語が語られる。
歴史の狭間に消えたこの物語達が、本当にあった事なのか、確かめる術はないに等しい。
だが、語り部はただ語るのみ。
真実か、否かは、これを読む貴方が決める事である。

過去に語れた物語たちや、ルールは>>2-5辺りに語れらる。

256 :名無し獣:01/12/20 19:20
>名無しですスティンガー

それでよろしいかと。次スレでも期待しています。

>FA

そんなこといわないでまた来てくださいよ。

257 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/20 19:23
過去ログ

「自分でバトルストーリーを書いてみよう!!」スレ
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/zoid/976898587/
「自分でバトルストーリーを書いてみようVol2」スレ
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/zoid/998659963/

名無し獣弐氏の過去ログ保管場所。
http://members.tripod.co.jp/zBS2/index-4.html

ルール。
鯖負担になるので、250で次スレに以降。
250に書き込んだ人が、次スレを立てること。
無理な場合は、すぐさま報告すること。
物語の感想は、ご自由にお書きください。
というか、書いて(懇願

258 :名無しですスティンガー@祝一周年:01/12/20 19:29
ルール追加。

ゾイドに関係する物語であるならば、何を題材にしても可。
舞台となる場所、時間などは、特に制約はありません。
アニメ、漫画などを題材にしてもOK。
ただし、18禁はお断り(でいいよな?

こんな感じー。
今日の0時以降に立てる予定です。
待ちきれない方は、どうぞ、立ててください。
修正案募集中。

259 :名無し獣弐@祝1周年:01/12/20 20:22
>>FA氏
ただでさえ人口が少ないスレなんですからいてくださいよ。
でもメール欄にsageだけは入れといてくださいね。一応このスレsage進行ですので。

260 :気軽な参加をお持ちしております。:01/12/21 00:14
新スレ設置完了。
お引越し準備をお願いします。

http://salad.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1008860930/

それでは、よろしう。

261 :名無し獣:02/01/09 16:55
>>252
無いんですが・・・

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