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☆☆王家の紋章番外編2☆☆

1 :名無しさん@お腹いっぱい:2001/08/04(土) 13:45
少女漫画の大河巨編「王家の紋章」!
本編とはまた別にお気に入りキャラの幸せを祈って番外板できました。
荒らしはお断り。マターリと書き込んでいきましょう!

2 :以上、自作自演でした。:2001/08/04(土) 16:04
1さん、ありがとうございます。
気分を一新して再出発ですね。再びまた〜り楽しみましょうv

3 ::2001/08/04(土) 19:13
ここの板のハンドル、すごいですね「>以上〜」
初めて書き込んでちょっとビクーリしました。いたづらと思われませんように・・。

4 :名無しさん@占い修業中:2001/08/04(土) 22:07
わーん!うれぴぃ・・・

5 :以上、自作自演でした。:2001/08/04(土) 23:20
前スレ見られないよ?

6 :以上、自作自演でした。:2001/08/05(日) 22:45
二次創作に関していろいろ論議されていましたからね<創作板
削除対象に上げられていたようですが、本当に削除されてしったのでしょうか……
せめて移、転扱いにして欲しかった(涙)

7 :名無しさん:2001/08/06(月) 08:08
前スレ、膨大なカキコで「見られません」扱いになってたよ。
夏荒らしの思うつぼだったのかなぁ。
作家さん、また書いてくださいね!

8 :以上、自作自演でした。:2001/08/06(月) 10:45
なんとーーー!!!番外板なんてあったのかーーーーー!!!
ぬかったわーーーー!!!くっそう、前スレ見たかった・・・・・

9 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 12:06
sage

10 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 12:48
創作板の続きが気になって気になって・・・・。
お願い〜、誰か読ませてぇぇぇぇぇ!

11 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 14:06
前スレのライアンネタ続き書かせていただきました。原作者さまごめんなさい

(これでいいかしらね?)
キャロルは鏡を覗き込んだ。頬を紅潮させ、喜びに輝く自分の顔。薄い青のドレスが白い肌を際だたせる。
今日は待ちに待ったパーティーの夜だった。いや、本当はパーティーなんてどうでもいい。肝心なのはライアンと一緒にいられるということ。ライアンが自分のために時間を割いてくれたということ。ライアンと一緒にいられるならそれはいつだって楽しい心躍ることなのだ。
ライアンと一緒に過ごせることに子供っぽい喜びを感じながら、キャロルは仕上げに真珠のイヤリングをつけた。本当に今夜の自分は何て綺麗に見えるんだろう!
(兄さんと一緒だからね・・・)
キャロルは軽い足取りで下に降りていった。

「キャロル・・・やぁ・・・」
ライアンはキャロルをうっとりと見つめた。自分が知っている子供とは違う美しい 少女がライアンにむかって嬉しそうに微笑みかける。ライアンは不覚にも照れてしまってキャロルにおざなりの賛辞すら贈ることができない。
「うん・・・ちゃんと支度できたようだね。さぁ・・・行こうか」
ライアンはそっとキャロルの金髪に触れた。甘い少女の香りが匂い立ち、ライアンの心をかき乱した。
「ね、兄さん。似合う?おかしくない?ママと選んだのだけど」
キャロルは助手席で心配そうにライアンに訊いた。
「うん?おかしくないよ。なかなかよくできてる」
「嬉しいわ!兄さんと二人で出かけるの久しぶりですもの。わくわくするわ」
「はは・・・最近、どこにも連れていってやっていないね。忙しさにかまけてお前を放っておいたから。今夜だって義理のパーティーだ」
「いいの。私は兄さんと一緒なのが嬉しいんだから」
言ってしまってから顔を赤らめて、横を向くキャロル。その幼い様子が愛しくてライアンは頬に口づけた。
いつもならお返しのキスをするキャロルなのに今日は身体を固くするだけのキャロル。全身が薄桃色に染まる様子が何とも言えず美しい。

12 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 14:07
パーティーは賑やかなものだった。
人々がひっきりなしにリード財閥の総帥のもとに挨拶にやって来る。挨拶を返し、社交辞令や仕事のさりげない約束を的確に口にするライアン。若い女性もライアンの気を引こうと様々に策を弄する。
キャロルはそんな兄をまぶしいような寂しいような気持ちで眺めた。華やかに装った美女達を見るうちに、自分のドレスがひどく無趣味で子供じみたものに感じられた。
(仕方ないわよね。兄さんは私だけの人じゃないんだし、今日のは仕事がらみのパーティーですもの。でも何だか寂しいな)

とはいえ、ライアンの傍らの小柄なキャロルも充分に人目を引く美しさを備えていた。脆い少女の美しさ。子供から大人に成長する一瞬の間の美。
ライアンが守るようにしていたキャロルだが、パーティーが進むにつれ、ライアンのガードも甘くなる。
色々な男性がキャロルに挨拶し、話しかけた。はにかんで控えめに言葉を返すキャロルの初々しい様子は物慣れた男達を喜ばせた。でもキャロルは皆、ライアンの妹である自分に気遣って子供のような自分にも親切にしてくれるのだろうとしか思えない。

「キャロル嬢?お疲れのようですね。大丈夫ですか」
そう声をかけたのはラフマーン氏だった。若いアラブ人はライアンと並ぶ絶好の花婿候補と目されていた。キャロルは赤くなって答えた。
「ラフマーンさん。ありがとうございます。大丈夫です。ちょっと人に酔ったみたい。こんな華やかな席は慣れなくて・・・。ちょっと外の空気を吸えば大丈夫です」
ラフマーン氏、もといアフマドは親切にもキャロルをテラスに連れていってくれた。キャロルは素直に好意を受けた。

13 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 16:03
それは色鮮やかな南洋の花の群れに紛れ込んだ華奢な妖精のような印象をアフマドは受けた。
周りには自慢のボディラインを惜しげも無く見せつける大胆なカットのドレスを着た女性の多い中で
少女らしく薄い青いドレスを着たキャロルは兄ライアンとはまた違った意味で人々の注目を集めた。
疑う事を知らないように自分がテラスに促すと、素直に感謝して付いてきた。
「さあ、これでも飲んで、アルコールじゃないから大丈夫ですよ。」
ソフトドリンクのグラスを手渡すと「ありがとうございます、ラフマーンさん。」と
少し疲労の混じった声でキャロルは答えた。
「すみません、こんなに華やかな場だったなんて・・・。」
「ライアンさんはよくお見かけするけど、君は初めてだね。リードコンツェルンの令嬢なんだから
 もっとあちこちで合えると思っていたよ。」
「だってまだ学生ですもの、勉強することとかたくさんあって、兄さんにもあまり会えないくらい。
 ラフマーンさんの方が兄さんと会った数が多いかもしれないわ。」
可愛らしく微笑むキャロルにアフマドはうまく話しをあわせてやり、キャロルに気まずい思いなどはさせなかった。
そして珍しい事なのだが、女を相手に恋愛関係の話しなど全くしないで、楽しい会話を
アフマドはキャロルと交わしていたのだった。
キャロルの学生生活や専攻している考古学の話、またはキャロルが持ち前の好奇心を発揮して
アフマドの国のことなどを質問したりした。
積極的に自分に関わろうとする女達は、アフマドの社会的地位や財産、それがもたらす豪華な生活スタイルなどは
興味津々だったが、キャロルのように部族の砂漠での生活の仕方や伝統などいついて尋ねた事は無かった。
「アフマド、どこに居るの?」と女性の呼び声がして2人の会話は終りとなった。
「ありがとうございました、ラフマーンさん、もうすっかり良くなりましたわ。
 わたしも兄のところに戻ります。」
キャロルは自分の話し相手になってくれたアフマドに愛らしい礼を言った。
「いや、もうアフマドと呼んでくれたまえ、僕もキャロルと呼ばせてもらうよ。
 よければまた近い内にお会いしたいものだ。」
「兄さんの許しがあれば。」
そうキャロルは答えてテラスから離れて行った。
ライアン、ロディともに溺愛しているまさに手中の玉のようなキャロル・・・。
「アフマド、いつまで私を放っておくつもり?スペンサーに纏わりつかれて困ってたのよ、
 ちゃんと私の側にいてくれなきゃ・・。」
これも自分に積極的に纏わり付いてくる女をあしらいながら、アフマドはさっきのキャロルとの時間を思い浮かべた。
妖精のように、また無垢で素直なキャロルのことを彼はどうやら気にいったのだった。

14 :以上、自作自演でした。:2001/08/06(月) 16:11
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=bun&key=984524407&ls=100
前スレってこれですか?
かちゅ〜しゃなら読めるけど・・・。
datが512kバイトを越えると、大きすぎますでひらけなくなります。
長文がメインになるスレッドは1000まで使わないで早めの引っ越しをお勧めしますです。

15 :名無しの心子知らず:2001/08/06(月) 16:40
新スレありがとうございます。
書きこみもできないまま前スレの行方を気にしていました、
荒らしの書きこみに辟易、アンド心を痛めているところだったので
スレ立ててくださったお方に感謝しております。
・・ここもサゲがいいのかしら?

16 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 16:53
やっぱりサゲは必要では?
お願いだからヒソーリマターリと進行したいもんです。

17 :花と名無しさん:2001/08/06(月) 17:17
うん、サゲ進行賛成。
だっても、ここ好きなんだも。

18 :以上、自作自演でした。:2001/08/06(月) 22:21
>>14>かちゅ〜しゃ
おかげさまで未読分を読む事が出来ました。教えてくれてありがとう。(TT)

19 :以上、自作自演でした:2001/08/07(火) 07:55
>>14
かちゅーしゃって何ですか?
旧スレなんとか読めないかと試したのですがだめでした。
教えてちゃんですみません。どなたかご教示を〜!

20 :以上、自作自演でした。:2001/08/07(火) 09:10
>>19
14ではないけど。
2ちゃん閲覧用の専用ブラウザです。
いろいろ便利な機能がついてるのでお勧めですよ。
くわしくは↓こちらを。
ttp://members.jcom.home.ne.jp/katjusha/

21 :以上、自作自演でした:2001/08/07(火) 14:07
19です。
ありごとうございました!

22 :以上、自作自演でした:2001/08/07(火) 14:42
「あ、ちょっと失礼」
ライアンはまとわりついていたドロシー・スペンサーをそっと引き離すとキャロルの方に向かっていった。
「キャロル、探したよ。どこに行っていたんだ」
「兄さん。ちょっと人に酔ったの。テラスにいたのよ。大丈夫、アフマドさんが一緒にいてくださったから一人じゃなかったわ」
「何だって?」
ライアンはやり手のアラブ人の姿を反射的に探した。華やかな噂が絶えない若いアラブ人。大事な妹に何をしたかというわけだ。
キャロルは不機嫌な兄を見て心配になった。
「ミスター・ライアン。どうなさったの。お話の途中でいなくなるなんてひどい方ね。・・・あら?この方、どなた?」
ライアンに放って置かれて不機嫌そうなドロシー・スペンサーが敵愾心も露わにキャロルを見た。
子供っぽいが充分に美しいキャロルは、充分にドロシーの嫉妬心を煽った。
ライアンはそんなドロシーの心も知らず、そして視界に入ったアフマドの熱っぽい視線を跳ね返すようにキャロルの肩を抱いた。
「ご紹介しましょう。ドロシー嬢。こちらは私の妹キャロル。まだ学生なのですが今夜は私につき合ってもらっています」
「ま・・・」
ドロシーは露骨に安心そうな、そして見下すような視線をキャロルに投げかけた。
「ご機嫌よう、キャロルさん。背伸びしてお兄さまについてきたというわけですのね。
ね・・・ちょっとお兄さまを貸してくださいな。私たち、お話をしていたんですの。ミスター・ライアン、私も兄をご紹介したいわ。さぁ・・・」
「いや、ドロシー嬢。私は妹のエスコート中なので・・・」
「あら、こんなところで子守でもないでしょ?妹さんは大丈夫ですわ」
ドロシーはすごい力でライアンを引っ張っていってしまった。

23 :以上、自作自演でした:2001/08/07(火) 14:42
(なぁに、あれ!感じの悪い!私がそんなに邪魔なの?)
不機嫌なキャロルにすかさずアフマドが声をかけた。
「兄上はよそに行かれたんですね。僕がエスコートしてはご迷惑かな?」
アフマドはさっきまでまとわりついていた女性達をあっさり振ってキャロルの手を優しく取った。いかにも男慣れしていないようなキャロルの初な反応がアフマドを喜ばせた。

「ご親切にありがとう。アフマドさん」
「いや、どういたしまして。僕のことはアフマドと呼んでください。またお会いしましょう。今度、僕の父がエジプトにやって来るので歓迎レセプションがあるのでね。是非、おいでなさい」
「でも・・・お国の方は外国人がお好きではないのでしょう?兄から教わりました。私みたいなのがしゃしゃり出てはご迷惑でしょうに」
アフマドはいかにも楽しそうに笑った。
「なるほど、ライアン氏はあなたに色々なことを教えていますね。でも本当でないこともあります。あなたなら大歓迎です。是非、来てください!」
そしてアフマドは帰っていった。結局、彼はキャロルを屋敷まで送ってきたのである。
(結局、兄さんとは帰れなかったわね。仕方ないわ。兄さんは・・・私だけの兄さんじゃないんですもの。仕事やなんかで忙しいのよ)
キャロルはそっとため息をついた。
(こんなにおめかししてバカみたい。兄さんと一緒だって浮かれて・・・)
「兄さんが社長なんかじゃなく、私だけのただの人なら良かったのに・・・」
そこにライアンが帰ってきた。ライアンは不機嫌ここにきわまれりといった様子だった。
「キャロル!どういうことだ?僕に無断で勝手に帰ったりして!何故、僕から離れた?」
アフマドとキャロルが一緒に帰ったと聞き、早々に帰ってきたライアン。
「だって・・・兄さんは忙しそうだったもの。私みたいな子供の・・・子守でもないでしょう?」

24 :以上、自作自演でした。:2001/08/07(火) 17:15
おもちろい〜〜〜!!!

25 :以上、自作自演でした:2001/08/07(火) 17:21
わーん、現代編も楽しい!
古代編の作家さんもかもーん!

26 :以上、自作自演でした。:2001/08/07(火) 17:22
ごめんなさい。あげちゃった・・・。
さげ練習してきました・・・。

27 :花と名無しさん:2001/08/07(火) 21:20
ご要望にお答えしちゃっていい?ドキドキ・・。

軟禁状態から開放されたキャロルは何を見ても興味を示した。
もともと考古学が好きだったから王子から見れば非常に博識で話し相手としても
とてもこれ以上に望めないくらい話題も豊富で、尚且つ貪欲にもっと知りたがった。
駱駝の背に乗りながら王子に抱かれながらの旅はとても楽しいものとなった。
時折王子には理解できない話やなんでもない場所で酷く感動して祈っているような時もあった。
「ここは何もないただの荒野ゆえ、立ち止まってもそなたが興味をそそられるようなものは見当たらぬぞ。」
賢王子と名高い王子でもキャロルの言動には時々驚かされる。
「いいえいいえ、今は何もなくても私にとってはとても大切な場所なのよ。」
そういって深く感動しているキャロルを見ては王子はまた心惹かれていくのを抑えられない。
「さあ、天幕に入るがよい、もうヒッタイトも近いゆえ、風邪などひぬようにせねばな。」
優しい兄のようにキャロルの面倒を見てやる王子にキャロルもだんだんと打ち解けた。
一緒に駱駝や馬に乗ったりして身近に過ごすうちにライアンやロディに甘えるように
王子にも甘えてくるキャロルに王子は慎重に接している。
ただどれほど打ち解けても同じ寝台で寝るほどまでにはいかなかったが。

(子供っぽいと思えばそうではないし、どんなに眠くても離れて眠ろうとする・・・。
 まだまだ私には心を許さぬということなのか・・?いつまで続くものかのう・・・。)
今も食事を終えた後他愛の無い話しをしているうちに居眠りをしてしまったキャロル。
「姫よ、もうここはエジプトではないゆえ、気を付けねばならぬと申したぞ。」
「は・・・い、わかってるわ。」
旅慣れないキャロルは夜になると疲れきってすぐ眠たくなる。
もちろん王子がそばに居て安心させてくれるというのもあるのだが当の本人にはわかっては居ない。
「そなたはもう私の妃となる身なのだ、離れて寝る必要も無かろう。私のそばで寝るがよい。」
「そんな・・・わけにはいかないわ。」
「さあこちらへ、そんなところで眠っても寒いだけぞ。」
そう言ってその華奢な身体を広い胸に抱き寄せる。が、腕の中の身体は一瞬緊張した。
「困った妹だな、そなたは。兄の言う事をきかぬとはな。」
冗談めいた王子の口調にキャロルも笑って緊張も解けた。
冷えないように寝台にいれてやりながら、その輝く黄金の髪を撫でてやる。
王子の温もりを感じいつになく安心したキャロルはあっけなく眠りに付いた。
王子も我が腕の中に愛しい姫がいることにイシュタルに感謝し目を閉じる。
明日はもうヒタイトの領土にはいる・・・。

28 :以上、自作自演でした。:2001/08/07(火) 23:18
>>27
前スレのミタムンのお輿入れ話からの続きですね。
とうとうヒッタイトに到着・・・・・・(嬉しい)/////
つ、続きを〜・・・・・・っ

29 :以上、自作自演でした:2001/08/08(水) 07:53
わーい、新作だ!
遅らばせながらお引っ越し感謝です。

30 :花と名無しさん:2001/08/08(水) 12:22
続きいきま〜す。

いよいよヒッタイトの王宮に連れられてきたキャロルに皆は驚きの声を隠せなかった。
逞しい王子の横に子供のように小柄で華奢な身体が一際目立つ。
噂に名高い黄金の髪に澄み切った空色の瞳をした、先ほど輿入れしたミタムン王女とは全く違う
可憐な姫であったから。
胸に輝いているのはメンフィス王が授けたファラオのしるしの黄金の胸飾りがきらめいている。
はにかんではいたが、それでも臆する事もなくヒッタイト王や皇后に挨拶するその様子には気品さえ漂う。
また豪華な輿入れの荷もヒッタイト王を喜ばせた。
エジプトとの硬い確約を果たして美しい姫を連れかえった王子には賞賛の声が飛びかい、
早く婚儀を、の意見も多い中、王子はキャロルが今しばらくヒッタイトに慣れるまではと延期にした。
だが皆が皆喜びに沸き立っているわけでは無いのであった。
「妃になれずとも、王子に寵愛されたい」と願う王宮に仕えている女達であった。

31 :花と名無しさん:2001/08/08(水) 12:57
見る物なんでも珍しいキャロルはヒッタイトの王宮をあちらこちら見たがった。
王子の世話をしている乳母のムーラは歩き回ろうとするキャロルに厳しく注意したが、
それでもキャロルの好奇心は収まることはなく、ムーラの心配の種は減らなかった。
そして事は起こった。
キャロルの存在が許せない女達は巧みにキャロルを騙して王宮の中でも一目に付き難い部屋に閉じ込めてしまった。
キャロルが「開けて、開けて頂戴!」と叫んでいるのを
「いい気味だわ、しばらくそこにいらっしゃいな、王子様のお相手は私達がしますからね。」と
笑いながら立ち去ってしまったのである。

キャロルの姿の無い事に気が付いた王子はあちこち捜させたのだが見当たらない。
女達は妙に側から離れないで世話を焼きたがった。
「ルカ、ルカはいるか?」
誰よりも王子の信頼の厚いルカが呼ばれた。
ルカは王子の密偵のような事をしていたからさりげなく物事を探ってくるのを得意としていたから。
「姫が見当たらぬ、こんな事ははじめてゆえ心配でならぬ。」
「かしこまりました、王子。実は先ほどそちらにいる方々と北の宮殿に向かわれるのを見たのですが
 どうもそのあたりにいらっしゃるようだとは存じます。」
ルカの返答を聞いた時の王子は普段の声を荒げる事など無い様子しか知らぬ女達を脅えさせるに充分なほど
鬼気迫るものがあった。
「もしや姫にかすり傷でも負わせておれ、うぬらの命などは無いとしれい!」
王子は普段人気のない北の宮殿の地下室に閉じ込められていたキャロルを見つけ出した。
「姫よ、無事か?何処も怪我などはしておらぬな?」
キャロルを人目に憚る事などなく抱き絞める王子。
「大丈夫、何もなかったわ、ごめんなさい、心配させて。」
「ムーラが心配するのも良くわかるゆえな、もう1人で歩きまわってはならぬ。
 このルカをそなたにつけよう、そなたを守る為に。」
「もう1人で歩き回っちゃダメなの?」
軽く拗ねてみせるキャロルに王子はきっぱりと言った。
「許さぬぞ、兄の言う事はきくものゆえな。」
それは2人の中での暗号のような言葉だった。
彼が「兄」と言う時にはキャロルは自分がそれほど大切にされている事をしみじみと感じさせらるので
大抵は王子の要求を受け入れるのであった。

32 :花と名無しさん:2001/08/08(水) 13:22
キャロルを騙した女達の目の前で王子は剣を抜いた。
「我が妃を誑かした罪、万死に値する!」
普段は冷静沈着で声など荒げる事の無い王子の様子に周りの者はざわめいた。
女達は泣きながら許しを請うのだが、誰よりも愛しいキャロルの事とあっては怒りは治まらなかった。
「王子様、私めの監督不行き届きでございます、どうぞご容赦を」
ムーラもなだめようとするがそれすらも聞いてはもらえない。
「其処へなおるがよい、切り捨てる」
吐き出すように言う王子にキャロルはしがみ付いて止めた。
「やめて!殺すなんてやめて!ねぇ、私は無事だったんだし、私だって悪かったのよ!
 お願い!」
「しかし輪が妃を誑かすと言う事はひいては我が王家にもあだなす者だ、許すわけにはいかぬ。」
「それでも殺すなんて嫌!お願いよ、王子!」
キャロルの必至の嘆願なので王子も仕方なく剣を鞘に戻した。
「姫の優しさに免じて命までは取るまい、だが、王宮にてそなたらの姿などは見たくはない。
 ムーラ、後はまかせる。」
その言葉に「ありがとう!王子!」とキャロルは王子に飛びついた。
「王子さま、ありがとうございます。」と泣きながら言う女達には目もくれず
「礼ならば姫に言うがよい。」とキャロルを促してその部屋から去っていった。
この事があってから、キャロルの優しい人柄などが知れ渡り、だれもキャロルに手出しする者はなくなったのである。

33 :花と名無しさん:2001/08/08(水) 15:55
その翌日、キャロルは朝から具合が悪かった。
この底冷えのする季節に火の気の無い地下室に閉じ込められたせいなのか
キャロルは熱を出して床についた。
「姫の具合は?」と心配そうに侍医に尋ねる王子。
「暖かいエジプトからこちらにいらっしゃったのです、お体がまだヒッタイトの気候になれていらっしゃらないのでしょう。
 ご心配には及びません、じきに治られましょう。」
「私めもしっかりお世話させて頂きますから、王子。」
ムーラも甲斐甲斐しくキャロルの世話をする。
「お薬を差し上げますので、飲んでごゆっくりおやすみください、では失礼致します。」
侍医が下がるとキャロルの寝台に跪き優しく声をかける王子の様子は、周りにいる者も憚らぬ熱愛ぶりである。
「すぐ治るから心配しないで、ごめんなさい、昨日から謝ってばかりね。」
熱に潤む瞳で王子を見つめながらキャロルは苦笑した。
「謝る事など何もないのだ、早く良くならねばな。」
「あんまり見たい物や知りたいことがあってちょっとはしゃぎすぎたのね。」
「元気になれば私がそなたに教えてやろう、少し足を伸ばしてみるのもよい、
 だから早く治すことだけに専念するのだ。」
キャロルは熱に浮かされながらも王子が側に居ることで安心した。
さすがに王宮では旅の間のように王子と身近で過ごすのは無理で、少々不安が募っていたのだ。
キャロルを抱き起こして薬を飲ませると王子は額に口付けした。
「少し休むがよい。また様子を見に来る。」
そう言って王子が立ち上がった時、身に纏っている衣装が何かに引っかかったようだった。
「姫・・・。」
キャロルが恥かしそうに王子の衣装の裾を引っ張っていたのだ。
その様子のあまりの愛らしさに王子の心は喜びで震えた。
「もう・・少しだけ・・側にいて・・。」
「ああ、構わぬとも。寝つくまで側にいよう。」
やがてキャロルはホッとしたような表情で眠りに付いた。
白く小さな手を握り締め、王子はキャロルが段々と自分に心を開いてきた喜びを噛み締めた。
(このような気持ちになったのは初めてだ、そなたを愛しいと思う心をとめられぬ・・・。)
その2人の様子をムーラは嬉しそうに見ていたのであった。

34 :以上、自作自演でした:2001/08/08(水) 18:52
「兄さんは大人で・・・仕事も忙しいのに私が我が儘を言って困らせるわけにはいかないもの。今日だって私は邪魔だった・・・かもしれないもの。
本当にごめんなさい」
「何を見当違いのことを言ってるんだ!今日はこの僕がお前を連れていきたいと思ったんだ。それなのにお前は僕以外の奴と・・・!」
キャロルの細い手首を掴んで、感情のままに言葉を発していたライアンだが、ここまで言ってふと言葉を失った。
(これじゃあ、まるで下手な痴話喧嘩だ・・・)
これではキャロルがおびえてしまう・・・とライアンが思ったのと、キャロルがライアンから走り去ってしまったのはほぼ同時だった。

次の日。
「兄さん。昨日はごめんなさい。疲れていたの。」
キャロルは目を伏せて詫びた。昨日の晩からライアンの言葉が頭の中に渦巻いて、兄の秀麗な顔をまともに見ることができない。
(何を見当違いのことを言ってるんだ!今日はこの僕がお前を連れていきたいと思ったんだ。それなのにお前は僕以外の奴と・・・!)
「本当にごめんなさい。でも、あの私ね。これまで兄さんに甘えすぎていたのは本当よね。昨日・・・兄さんが大人で・・・沢山の人を抱える大きな組織のトップの人だって改めて分かったの」
キャロルは勝手に詫びの言葉を並べると学校に行ってしまった。
(何を言ってるんだ、あの子は?甘えすぎたって?それがいけないとでも言うのか?いつだって側にいる子が・・・急にあんなことを・・・?
昨日・・・つい押さえがきかなくて言ってしまったことで怯えさせたか?)
ライアンはため息をついた。愛しくて愛しくて・・・たまらない大切な妹が急に遠くに行ってしまったような予感。
「ばかばかしい。あの子は自分のしたことを素直に謝るのが照れくさかっただけだ。決まっている」
ライアンは父親のような

35 :以上、自作自演でした:2001/08/08(水) 18:53
でも。
本当にキャロルはライアンから急に遠ざかってしまった。嫌っているわけでもない。避けているわけでもない。普通に話す。普通に笑う。
ただ。
ライアンに甘えない。ライアンが小さい子にするように甘やかしたり、お土産だと言って好きな菓子類を渡してもはにかんで笑うだけ。抱きついてキスしたりはしない。
ライアンがどこかに行くと言えば機嫌が悪かったのに今では顔色を変えず見送る。何だか遠慮しているような。
休日も学校の友人と遊びに行くことが多くなった。今まではライアンと一緒にいたがったのに。
(キャロルめ・・・どういうつもりだ?)
ライアンは落ち着かなかった。アフマドの招待にもキャロルは応じ、付き添いのライアンがかすむほどアフマドの親族に気に入られ、大事にされた。
そしてトドメの一撃。
「ねぇ、ライアン。キャロルとジミーの婚約のことだけど・・・。ジミーに打診したら二つ返事で・・・キャロルにもそれとなく探りを入れたんだけど満更でもないようなのよ。
ね、二人が好きあっているなら・・・」
「お母さん!僕は・・・!」
「ライアン・・・あなたはひょっとしてアフマド氏を推しているの?」
驚いて口も利けない息子に母親は言った。
「そりゃ、あなたの仕事のことを考えればアフマドさんとの縁組みのほうが好ましいのでしょうけど、でも私は母親としてあんな外国の方より・・・」
ライアンは最後まで聞いていなかった。キャロルの部屋に飛び込むライアン・・・。

36 :以上、自作自演でした。:2001/08/08(水) 23:32
おおっ、新スレありがとうございます。物語いっぱいで幸せ。。
で、ちょびっと思ったのですが、続きモノの時は>>□□からの続き〜とか
「△△(タイトル)」の続き、と書いてくださると分かりやすいかも。。

ついでに告白してしまうと私、前スレでタイトルがないお話には
「ぐるぐる王子」「ぐるぐる2」など妙なタイトル付けてコピペ保存
しておりました(汗)書き手の方々ごめんなさい。全く言葉のセンスが無い私。。(汗)

37 :以上、自作自演でした。:2001/08/08(水) 23:50
ぐるぐる王子・・・ってなんか可愛い!

38 :以上、自作自演でした:2001/08/09(木) 07:46
ぐるぐるライアンもかわいい。
でもライアンネタ、リードおかーさまの脳天気な強引さが良く出てて好きかも。

39 :花と名無しさん:2001/08/09(木) 18:31
コピぺしてなかったよ〜〜。。
ナントカ前のを見れるようがんばらなくっちゃ〜〜

40 :以上、自作自演でした。:2001/08/10(金) 09:28
保全。

41 :ライアンぐるぐる:2001/08/10(金) 14:11
ライアンは日頃の冷静さもかなぐり捨てて、キャロルに詰め寄った。本当にジミーと婚約するつもりなのかと。それはまるで恋人の不実を責める男のようだった。
「キャロル。お前はまだ16才だぞ。子供じゃないか。それを・・・婚約だなんて。まだやりたいことがいっぱいあるって言っていたじゃないか?お前はまだまだ勉強したり、沢山の人に会って大きくなって行かなくてはいけないんだ。それを・・・」
「兄さん・・・。婚約しても結婚しても勉強はできるわ。それに・・・ママも強く勧めてくれる。私・・・私、ママのこと安心させてあげたいのよ」
絶句するライアンを部屋の外に押し出すとキャロルは静かに涙を流した。
(ジミーは私のこと愛してくれている。私を望んでくれている。私を求めていてくれる。これ以上、何を望むの?私もジミーを・・・好きだわ。きっと夫として考古学者として・・・尊敬して・・・いつか愛せるようになるわ。
ママを安心させてあげなきゃ。ママは私とジミーの結婚を・・・望んでいるんだもの)
キャロルの脳裏にライアンの言葉が繰り返しこだました。
(何を見当違いのことを言ってるんだ!今日はこの僕がお前を連れていきたいと思ったんだ。それなのにお前は僕以外の奴と・・・!)
「私・・・ずっと兄さんのお嫁さんになるつもりだったのよ。バカみたい」
キャロルの呟きは誰にも聞こえない。

42 :ライアンぐるぐる:2001/08/10(金) 14:12
キャロルはジミー宅で開かれるパーティーに出席する支度をのろのろと整えていた。ブラウン教授の本の出版を祝うパーティーだが、その席上でキャロルとジミーの婚約も発表される段取りになっていた。
白いドレスを着たキャロルは蒼ざめて、疲れた哀しそうな顔をしていた。
(この間、兄さんとパーティーに行けるってはしゃいでいたのが遠い昔のことみたい)
そんなキャロルを見てリード夫人も驚いた。どう見ても婚約発表を控えた幸せな娘の顔ではない。でもキャロルは敢えて微笑んで見せて母親の心配を笑い飛ばして見せた。
「さぁ、ママ。行きましょう。遅れては失礼よ」
「そうね、キャロル・・・。ライアンもロディも仕事で遅れるそうよ。・・・ねぇ、キャロル。どうかしたの?ひどくやつれて見えるわ」
「大丈夫よ」
ブラウン教授の家には沢山の人々が集まっていた。ジミーは盛装してリード母子を迎えた。ジミーはキャロルを熱っぽく見つめ、その青ざめた頬に接吻した。この幸せな少年はキャロルの苦悩など気付かない。

パーティーもたけなわ・・・。
ジミーは疲れ切って憔悴してみえるキャロルを静かな庭先に連れ出した。
「大丈夫かい?キャロル。何だかひどく疲れているみたいだ」
「何でもないわ。本当よ。きっと緊張しているだけよ。だって・・・」
「ああ・・・そうだね。じき僕らの婚約が発表される。皆、驚くよ。でもね、ぼくはきっと君を幸せにするよ」
ジミーはそう言って唇を重ねてきた。

43 :ライアンぐるぐる:2001/08/10(金) 14:12
その瞬間。
「いやあぁぁぁっ!」
キャロルは思い切りジミーを突き飛ばして、逃げ出した。無理矢理キスされてしまった、しかもジミーにと思うと腹が立って悲しい。
(やっぱり私は・・・私は・・・)
闇雲に門から外に走り出すキャロル。
そこにライアン・ロディ兄弟を乗せた車がやって来た。妹の異変を察知したライアンは素早く車から降りると妹を抱きしめた。兄の胸で思い切り泣くキャロル。門からキャロルを追ってきたジミー。
ライアンは冷たく言った。
「キャロル。今日はもう帰ろう。ジミーくん。何があったかは君からは聞かない。だが今日のメインイベントは取りやめだ。いいね。・・・ロディ、屋敷へ」
ロディもだいたいのことは察した。何しろ、ここに来るまでに兄の妹キャロルに対する深い愛を告白されたばかりだからだ。
(何だ・・・キャロルはこの婚約は気乗りせず、ライアン兄さんも反対だった。そしてキャロルは兄さんに助けを求め、兄さんはキャロルを守る気だ。ははぁ、これはママの思惑とは全く別のことが起きるかな?つまり二人はひょっとすると相思相愛ってやつ?)
「兄さん、リード家の兄妹が揃って退場というのはまずいよ。ぼくはパーティーに出るよ。兄さんはキャロルを見てやってくれ。・・・ジミー、悪いけれどね、キャロルは急に具合が悪くなったよ。中座の失礼を許してくれたまえ」
こうしてライアンとキャロルを乗せた車は走り去った。

44 :花と名無しさん:2001/08/10(金) 15:17
は、早く続きを〜!

45 :以上、自作自演でした。:2001/08/10(金) 17:07
地味ー、かわいそう・・・。
ライアンはこの後うまくやるんだろうけど、夢見るお嬢さんのリード夫人はどうする?
まさか自分の息子と娘がくっつくとは。

46 :以上、自作自演でした。:2001/08/10(金) 23:06
思わず久しぶりに、ライアン主演の24巻を読み返してしまいました。
古代の姉弟愛も好きだけど現代の兄妹愛も好きだー。
いけいけライアン!

47 :ライアン@ぐるぐる:2001/08/13(月) 17:29
朝になってもリード家の雰囲気は何処かちぐはぐなものだった。
朝食の準備をしているばあやが話しかけてもライアンは妙に口数が重く、ロディも何事か考え込んでいる。
「奥様、一体何があったのでございます?」
忠義者のばあやにしてみたら心配でたまらない様子。
「キャロルさんに何かお腹に入れるものでもお持ちしないと・・。」
「・・・いいのよ、なにも食べたくはないんですって。もう少ししたらいつものようにお腹すいたって降りてくるわ。」
そう言葉を返すリード夫人も表情が暗い。
夫人は昨夜ロディと一緒にライアンとキャロルに遅れて帰宅した。
ロディから「今夜の婚約発表は中止にしてほしい」と言われて仕方なくその通りにしたのだ。
帰宅してみるとライアンが「キャロルはまだ子供だから婚約は早いようだし、この件は白紙に戻してください。」と言う。
キャロルの部屋へ行って見るとベッドで泣き伏しているありさま。
「ママ、ママ、ごめんなさい、ジミーのこと好きだって思ってたのに・・・。
 せっかくママが婚約させてくれるって言ったのに・・・。」
あんなにも哀しげに泣くキャロルを見て夫人も動転してしまった。
(キャロルもてっきりジミーのことを愛していると思っていた私の思い違いだったのかしら?
 私がジミーならと喜んでしまったからキャロルは嫌と言えなくなってしまったのかしら?
 私がキャロルを手放さずに済むと思った余りに、キャロルの気持ちをわかってやれなかったのでは・・・?)
夫人は今は亡きキャロルの母である妹を思い出した。
(あの子も無邪気で人を疑うことなんて知らない子だったわ。父や母が良かれと思って整えた婚約者にも何も言えずにいた・・・。
 でも最後の最後にいつも側にいた幼なじみと駆けおちしてしまって・・。
 いつでも自分の事よりも周りの人の事を思いやって、我慢してた。
 あの時は私達もそんなに事業で成功しているわけでもなく、あの子を守ってやれなかった。
 それでも駆けおちを許してもらって、キャロルも生まれてこれから幸せになろうとしていたのに・・・。
 キャロルにはあの子の分も幸せになって貰いたいのに、私が先走りすぎたのかしら?
 私はあの時の両親と同じ事をキャロルにしてしまったのかしら?
 もしやキャロルにもジミー以外に好きな人が・・・?)
いつもはキャロルの屈託のない笑い声のする食卓が今朝は静か過ぎて落ち着かない。
「ねえ、ライアン。キャロルには誰かジミー以外に好きな方がいるのかしら?」
ため息と供に吐き出される夫人の言葉にライアンは心臓を掴まれたようにどきりとした。
「僕にもわかりません、おかあさん。でもまだ子供なんだししばらく様子を見ましょう。
 ジミーに会うのが辛いのならアメリカでしばらく過ごさせるのもいいし、好きにさせて見ましょう。」
考え事をする時のライアンの癖で葉巻を吸いながらの返答。
「なんだかあの子の母親を思い出してしまって・・・。私はあの子に辛い事をさせてしまったのではないのかと・・。」
「おかあさん、血は繋がってないにしろ、キャロルは可愛い僕達の妹です。
 おかあさんだってあの子のためと思ってした事なんだし、自分を責めるのは間違いです。
 誰も悪くないんです。だからそんなに気を落とさないで・・。」
「そうだよ、おかあさん、ライアンの言うとおりなんだから。今はショックだろうけど
 キャロルもすぐ元気になるよ。」
三人の交わす会話をキャロルは影に隠れて聞いてしまった。
(私は兄さん達と血が繋がっていない?)
余りにおおきなショックを受けたキャロルは足音を忍ばせてまた自室に戻ってしまった。
(こんなに好きなのに、私は可愛い妹なのね?これで兄さんに愛してると言えると思ったのに・・・。
 こんなにライアン兄さんのことが好きなのに・・・。)
新たな涙がミャロルの枕を濡らしていく・・・。

48 :ライアン@ぐるぐる:2001/08/13(月) 22:31
(私はずっとこのままで過ごしていくの?ライアン兄さんに気持ちを打ち明けられないまま
 ずっとこの家で・・・?)
書斎でぼんやりと考えているうちにいつしか眠ってしまったらっしキャロル。
「・・・風邪をひくよ、キャロル。」
優しく髪を撫でる感触がしてキャロルは目を覚ました。
葉巻を吸いながらキャロルの傍らに座っているライアン。
「おかあさんが心配しているよ、お前があんまり夜も寝ていないんじゃないかって・・。
 ここにいるのが辛いならしばらくアメリカに帰ってみるかい?
 気分転換になっていいだろうしね。」
「ううん、いいの、ただジミーのこと、傷つけてしまったんじゃないかっておもって・・・。」
「ブラウン教授にもお詫びはしておいたよ、こちらが急がせ過ぎたようですってね。
 ジミーを連れてしばらく発掘に出かけると行っていた。」
ジミーにも悪い事をしてしまったとキャロルは思っていた。
自分の気持ちを誤魔化して、ジミーの気持ちを利用したのだと。
「最近、葉巻の本数が増えたのね、私のせいね、ごめんなさい。」
キャロルは考え事をする時に葉巻を吸うライアンの癖を良く知っていた。
ライアンに抱きついた時にほのかに香る葉巻の臭いがキャロルは好きだった。
「何を気にしているんだい?葉巻はどうしても止められない僕の癖なんだからいいんだよ。
 まあ、相手が誰であれ、まだしばらくはリード家の可愛い娘がいる方がいいよ、
 お前がいないと寂しいからね。」
そういってキャロルの頭を撫でたライアンにキャロルは以前の陽にしがみ付いて泣き出してしまった。
「私、どこにも行かない、ずっと兄さん達と一緒にいるわ、本当よ!」
ライアンの気持ちなど知らないままキャロルは泣いていた。
(一生言えなくてもいい、兄さんとずっと過ごせるなら。)
泣きじゃくるキャロルをライアンは複雑な思いで抱きしめていた。

49 :ライアン@ぐるぐる:2001/08/14(火) 12:53
なかなか元気にならないキャロルを心配したリード夫人は気分転換にとキャロルを買い物に誘った。
「でもママ、この前ドレスを買ったばかりなのに・・。」
「でもあなたは何だか納得していないような顔をしてたじゃありませんか?
 この前のはちょっと子供っぽかったかしらね、さあ、こんなのは?」
確かに自分の選ぶドレスは子供っぽい感じがするのをキャロルは認めた。
先日のパーティでみたドロシー・スペンサーは確かに自分の身体を見せつけるような大胆なダレスを着ていた事を思い出した。
ラフマーンの連れていた女もそこに立っているだけで妖艶さを漂わせているようなタイプだった。
大人の男の人はあのようなドレスの似合う人に惹かれるのかしら?
キャロルも自分では選ばないような肩や背中を大胆に露出した青いドレスを試着してみた。
「あら、よく似合っているわ、いつもよりも大分大人っぽくて。」
夫人の言葉に勇気付けられてキャロルは少し自信を持った。
まだまだ少女らしい身体つきであっても、細いウエストが強調されて、またキャロルの持っている清純な雰囲気を壊すことなく
より一層魅力的であった。
「あなたももう大人なのね、嬉しいけど寂しいような気もするわ。」
買い物を終えたキャロルに夫人は寂しげに微笑んだ。
「何を言ってるの?ママったら、私はずっとママの娘じゃないの、ずっとそばにいるわ。」
「・・そうね、少し休憩でもしましょう。」
そういって行きつけのホテルのレストランに入ろうとした二人は、奥の方で同じテーブルで話しをしている
ライアンとドロシー・スペンサーを見た。
「あら、どなたかしら?ライアンがお話ししてる方は?」
不思議そうに言う夫人の言葉などキャロルの耳には入らない。
心臓がこれ以上にないほど大きな音を立てて脈打っている。
(兄さんが・・兄さんが・・・あのドロシー・スペンサーと・・・)
キャロルはもう立っていられないくらいだった。
「・・ママ、家に帰りたいの・・。」
娘の様子に驚いた夫人は慌ててキャロルを連れて帰宅したのであった。

50 :ヒッタイトで@ぐるぐる:2001/08/14(火) 17:26
イズミル王子はその夜、父王や将軍達との協議を終わらせて自分の宮殿へと帰ってきた。
もう幾分夜も更けていたがキャロルの様子を知りたかった。
部屋の前ではルカが護衛をしている。
「おかえりなさいませ」とひれ伏しているルカに王子は問いかけた。
「姫はもう休んでいるのか?」
「いえ、書物を読んでいらっしゃいます。」
「そうか、私がいるゆえ、そなたも休むがよい。」
そう言うと王子は部屋の中へ入っていった。
「姫、まだ起きているのか?」
「王子、もう終わったの?」
床にたくさんの書物を広げて見ていたキャロルは顔を上げた。
部屋の中は女性の部屋らしく優雅に設えてあり、暖かだった。
王子はキャロルの隣りにゆったりと腰を降ろした。
「こんな夜更けまで勉学に励まぬでもよかろうに、疲れたのでないか?」
「そんなことないわ、面白くて、気が付いたら王子が帰ってくる時間だったの。」
王子は腕を伸ばしてキャロルの細い腰を自分の方へと抱き寄せた。
「きゃっ、王子ったらびっくりするじゃないの。」
「何をみておったのだ?うん」
それは近隣諸国を描いた地図だった。
「地図か・・・。」
王子の頭の中には先ほどの協議が思い起こされた。
「・・・バビロニアは・・・どのようにでてくるであろうな・・・。」
ポツリとつぶやいた言葉だったが、キャロルはなんでもなさそうな口調で答えた。
「今はバビロニアは北の民ザグロス山地の山岳民族を討伐してる時期でしょうね。」
他愛ない話でもするようにあっさりと王子の疑問に答えたキャロルを王子は驚愕の目で見つめた。
当の姫は自分の膝の間で書物を読んでいる、自分の言葉がどれほど貴重なのか理解しないままに!
「姫よ!」
「きゃっ!王子、急に抱きしめるなんて・・。」
王子は喜びの余りにキャロルを抱きしめた。
甘い香り、たおやかな身体、優しい人柄、それに加えてなんという英知!
「そなたに一体どうやって報いればいいのかわからぬ!そなたがいて誠に良かった!」
「王子ったら・・もう・・」
恥かしがって頬を薔薇色に染める様子がまた王子の心を轢きつける。
「さあ、何でも望みを叶えようぞ、姫よ。」
「・・なにも入らないわ・・。あのね・・今夜はなんだか嵐になるってルカが言ってたの。
 ・・側にいてくれる・・・?」
他の女であれば、美しい衣装であったり、宝石を欲しがったりするものを、なんと欲のない姫なのだ。
「では、朝まで供に過ごそう。私もそなたを手放す事などできぬ。」
幾つもの口付けでキャロルの口は封じられた。
暖かな部屋の外では強い風音が響く冬の夜・・・。

51 :以上、自作自演でした。:2001/08/15(水) 01:22
>>50
何気ない日常に幸せを感じる〜。。
王子とキャロル、そしてルカもヒッタイトにいるこの喜びよ。。

52 :以上、自作自演でした。:2001/08/16(木) 00:14
王子とキャロルの続き、書いてくだされー
エッチなラブシーンもいいけど、こういう日常的な、
しかも、愛情たっぷりなストーリーもいいですね!!

53 :ヒッタイトで@ぐるぐる:2001/08/16(木) 12:55
「今日はよく冷えること、ねぇ、ムーラ」
イズミル王子の母であるヒッタイト王妃はムーラに話しかけた。
「ああ、ありがとう、ミラ、そなた達は下がりなさい。」
ミラから暖かい飲み物を受け取った王妃は侍女達を人払いした。
この部屋にいるのは王妃とミラとムーラである。
「・・ナイルの姫がヒッタイトに来てはや一月、イズミルはあまり私達の王宮に姫を連れてこないし、
 先日はあのイズミルが抜刀する騒ぎがあったというではありませんか。
 そなたから見てナイルの姫はこのヒッタイトにあだなす姫かえ?
 なんと言ってもあのメンフィス王の寵愛を欲しいままにしていたとか・・・。」
不安げに話す王妃にミラも慕っている王子の事ゆえ聞き捨てならない。
だがムーラは落ち着いて答えた。
「確かにメンフィス王は姫君に執着なさっていたでありましょう。
 見目麗しい姫君でいらっしゃいます。ですが王妃様のご心配になられるようなお方ではございません。
 誇り高いミタムン様とはまた違う姫様でいらっしゃいますが、心根のお優しい方。
 私めが拝見いたしましたところ、心身ともに清らかな乙女でいらっしゃいます。
 先日の抜刀騒ぎもご自分を誑かした相手の命乞いをされまして、それゆえ王子も血で汚すような事はなさいませんでした。」
「なんとまあ・・。内に炎を秘めたイズミルを止めたはかの姫なのですか?」
「はい、王子のかの姫君にはそれは大切に接していらっしゃいます。焦らずにまるで兄妹のようでございます。」
 王妃様、沈着冷静な賢王子とお優しく英知に溢れた姫君の御二人なら、このヒッタイトの未来も安泰と思われます。
 なんと言っても王子のかの姫君に対する熱愛ぶりでは、お早く婚儀をお勧めになられてはいかがと・・・。」
「そなたがそこまで申すならば心配はいらぬようですね。」
満足げなため息をついて王妃は言った。
「王子には私の勧めるこのミラを添わせようと思うておったが、そなたの心まで掴んでしまった姫なら仕方がない。
 ミラ、あなたには私が相応しい相手を選んであげましょう。」
「・・・はい・ありがとうございます、王妃様。」なんとか返事をしたミラの顔は泣きそうである。
「イズミルに言って、姫もこちらの宮殿に連れてくるように伝えなさい、ムーラ。」
「はい、王妃様。」
「下がって良い。」
「失礼いたします。」とムーラとミラは下がって行った。
「・・・ムーラ様、どうぞ私にニ人にお仕えさせて下さいまし、お願いでございます。」
二人になった途端にミラの非痛な叫びが廊下に響いた。
「・・・それでお二人にお仕えしてどうするのです。」
「王子様と添わせて頂けなくとも、せめてお側に・・・」
ミラの必至の嘆願も冷たく拒絶された。
「なりませぬ、先日の抜刀騒ぎもそなたのような女人の引き起こした事。王子は許されても
 あのお優しい姫がそなたのことを知れば苦しまれるに違いありません。
 姫が辛い想いをされれば王子もその想いを味われてしまいます。
 王子の事を慕うならばそのような事は許せません。」
「ムーラ様!」
ムーラは後も振り返らず王子の宮殿へと去って行った。
後に残る嘆き哀しむミラなど全く知らないように・・・。

 

54 :ヒッタイト@ぐるぐる:2001/08/16(木) 15:24
なんとなく肌寒さを感じてキャロルは目が覚めた。
まだ薄暗く吐く息が白く見える時間。
いつもは王子が側で添い寝をしたりするのだが、今朝は独り寝だったと気が付いた。
毛布を羽織って寝台を降りて窓を開けようと苦心していると急に身体を抱き抱えられた。
「まだ起きるのには早い時間だ、姫よ。」
馴染んだ声、馴染んだ匂い、安心できる腕の中。
「うん、外が見たいのか?」
イズミル王子はそう言うとキャロルを抱いたまま、片手で少し窓を開けた。
途端に冷気が部屋に入り込む。
「・・・きれいね・・・。」
当たり一面は雪で白くなっていた。まだ薄暗いなかで雪の白さが目に痛い。
「さあ、風邪をひくぞ、手もこんなに冷えて。」
王子はそう言うと窓を閉め、キャロルを寝台にいれた。そして自身も隣りに横になった。
「昨夜いなかったので機嫌が悪いのか?姫よ。」
「ち、違うわよ。」
「昨夜はアランヤ国からの急使がきたので、さっきまでそれにかかりきりだ、
 疲れた兄をまさか休ませてくれぬような妹ではあるまいに?のう、姫よ。」
さすがに寂しかったととも言えずにキャロルは頬を染めた。
「冷たい手だ、こちらへ」と王子はキャロルの手を自身の裸の胸に押し当てた。
「お、王子。」
「私がそなたに暖めてもらおうと思うておったに、これでは反対だ。」
低い声で笑う王子。その笑い声にャロルも微笑を返した。
寝乱れた金色の髪をやさしく払いのけ、王子はもっとキャロルを抱き寄せた。
王子の胸の鼓動を聞きつつ、王子に暖められたキャロルはだんだんと瞼が重くなる。
キャロルの寝息を確かめてから、王子も先ほどまでの疲れが出てきたのか満足げな表情で目を閉じた。
冬の朝の出来事である。

55 :以上、自作自演でした。:2001/08/17(金) 11:54
保全

56 :以上、自作自演でした。:2001/08/18(土) 09:55
ライアンぐるぐるぷりーず

57 :以上、自作自演でした。:2001/08/18(土) 15:33
>>54
ほのぼのヒッタイト好きー

58 :以上、自作自演でした。:2001/08/19(日) 09:29


59 :ライアン@ぐるぐる:2001/08/20(月) 12:01
その夜、帰宅したライアンを驚かせたのは母親のリード夫人の言葉だった。
食後のゆったりとした時間に、キャロルと一緒にライアンが美しい女性とレストランにいるのを見たと話したのである。
「ほら、黒髪の美しいお嬢さんと一緒にいたじゃありませんか?
 そろそろあなたにも素敵なお相手が見つかるといいとは思っていたのよ、ライアン。
 あのお嬢さんはどなた?」
ライアンは困ったように苦笑した。
「彼女はスペンサー財閥の令嬢ですよ、今日偶然にレストランでお会いしたんです。
 でも図々しく食事にまで付き合わされたのには参りましたよ。断りたかったんですけどね。」
「あら、スペンサー財閥のお嬢さんなの?お年はお幾つなの?」
「18歳だってさ、おかあさん。僕も以前会ったけど、凄い我儘でさ、キャロルの我儘の方がまだましだったよ。」
ロディも軽口で話しに加わった。
「僕なんて話すらまともにしてもらえなかったよ、後になってから父親のスペンサー氏が謝ってたけどね。
 リードコンツェルンとの繋がりがわからなかったらしい。」
「スペンサー氏も最近急にあちこちで名前が聞かれるようになったきたからね。」
「娘を使って取り入る魂胆だって噂だよ、注意しないとね、兄さん。」
そんな話しをしている三人の横をすうっと通り過ぎて自室に向かうキャロル。
「キャロル、今日は急に具合が悪くなったんだし、注意しないとね。」
「・・はい、ママ」
妙に大人しいキャロルにライアンは気が付いた。
階段を上がって行くキャロルを見送りながらライアンは言った。
「おかあさん、キャロルの具合が悪いって?」
「そうなの、今日あなたを見かけたレストランに入ろうとしたら、気分が悪いって言うので
 急いで帰ってきたのよ。
 まだジミーとの事のショックが抜け切らないのかしら?感受性の強い子だし、心配だわ。」
「・・・そうですか・・。」
紫煙を燻らすライアンも何事かと思っている様子である。

60 :ライアン@ぐるぐる:2001/08/20(月) 12:38
キャロルは自分のベッドに腰を降ろして考え込んでいた。
今日見た光景は、キャロルの大好きなライアンの知らない面を垣間見たようだった。
さっきだって口では困ったような事を言っていたけど、まんざらでもなさそうだったし・・・。
何より自分の事を「可愛い妹」としか見てもらえないのだ。
我儘であっても、あれだけ美人でスタイルもよく、スペンサー財閥の令嬢なのだ。
傍目からみれば申し分のない縁組である。
ママだって喜んでいるような口ぶりだったし・・・。
思い悩んでいるとノックの音がして、「キャロル、入ってもいいかい?」とのライアンの声がした。
「はい、どうぞ。」と返事をするとライアンが部屋に入ってきて、そっとキャロルの座っている横に腰を降ろした。
「まだ調子が悪いのかい?無理するんじゃないよ。」
そう言いつつキャロルの頭を撫でる。
「お母さんも心配してるけど、僕もロディも心配してるんだよ、何かあるのなら言ってごらん。
 大事な妹なんだからね。」
「・・違うわ・・妹なんかじゃないのに・・・。」
自分でも思ってもいなかった言葉が迸る。
「私・・私・・知ってる・・。ママや兄さん達と血が繋がっていないことも・・・。
 でも兄さんは私のことなんて、ただの妹としか見てくれないんだわ、こんなに兄さんのことが好きなのに!」
そう言ってキャロルはライアンに抱きついた、いつも優しく抱き秘めてくれたその胸に。
「知ってたのか?キャロル・・・。」
「嫌、私以外の女の人と兄さんが一緒に居るなんて嫌!」
泣きじゃくりながらしがみ付くキャロルをライアンはただ抱きしめていた。
だがずっとキャロルへの愛を抱いていたライアンである、愛しいキャロルに愛を告げられていつもの抑制された様子はどこかへ拭き飛んでしまった。
キャロルの顎を持ち上げて顔を上に向けさせると急に唇を重ねたのである。
唇を貪るライアンにキャロルは驚いたが、自分の望みも叶い、ライアンの好きにさせるままだった。

誰か続きをプリーズ!

61 :ライアンぐるぐる:2001/08/20(月) 13:50
>>59
すみません。>>49の続きのつもりで書いてしまいました。

キャロルは変わった、とライアンは思う。ライアンの大事な金色のお姫様は、急に遠くに行ってしまったようだ。もう以前のようにまとわりつかない。以前のように甘えてこない。以前のように・・・。
ライアンはぼんやりと手のひらにのせた指輪を眺めた。ベルギーで買い求めたダイヤの指輪。古典的で繊細優雅な意匠がキャロルに・・・世界一大事な少女に似合うと思った。
「大事な方への贈り物ですか?ご婚約ですか?」
店員は如才ない笑みを浮かべながら、名の知られた名士であるライアンに問いかけたものだ。
「この僕が・・・ここまで意気地のない男だとはな・・・」
ライアンは自虐的に笑った。ライアンはキャロルの心が分からない。
キャロルを花嫁に、という正式の申し込みがラフマーン家からあったのは今日の午後のことだ。

ライアンを想い続けてここに留まるのは辛すぎる、とキャロルは思う。血のつながらない「兄」は遠い存在だった。以前のように屈託なく甘え、独占しようとあれこれまとわりつくことはできない。以前のようには・・・。
ライアンにドロシー・スペンサーが急接近しているのは知っていた。もしライアンとドロシーが結婚するなら、リード家とスペンサー家は強く結びつき、様々な利益を産み出すだろう。
「私は・・・もらわれっ子なのだから。ライアン兄さんを・・・兄さんと呼べるだけで幸せ・・・」
キャロルは静かに涙をこぼした。
一昨日のパーティーの時、アフマドがキャロルに求婚した。あなたを貰うためにおうちのほうに正式に申し込むことを許して欲しい、と言って。
黒い情熱的な瞳。ライアンと同じ黒い瞳。
(こんな私を望んでくれる。望まれるままに私は・・・嫁いだほうがいいかもしれない。兄さんのことも・・・皆忘れて。
アフマドの国は外国人の出入りに厳しい所。一度嫁げば・・・もう家族にもなかなか会えないかも。でもそうすれば・・・忘れられる。何もかも。そして私はアフマドを愛し・・・)

62 :ライアンぐるぐる:2001/08/20(月) 13:50
ラフマーン家の申し出を受ける、とキャロルに言われたとき、ライアンは驚きと怒りで口がきけなかった。
「何故?お前はアフマドの申し出なら受けるのか?急にどうした?お前の本心とは思えない!お母さんにも言ったのか?」
「いえ、まだよ。でも・・・こうするのがいいと思うの。私にはこんなことしかできない」
そういって身を翻して部屋を出たキャロルの背後にライアンが叫んだ。
「そんなこと許さない!この話はここだけのものだ。誰にも言わない!僕は何も聞かなかった!何もなかったんだ!」
(私にはこんなことしかできない、だと?キャロルは自分の生い立ちを知ってそれを負い目にでも思っているのか?何てことだ。キャロル、お前のしようとしていることを僕は許さない。兄として、家長として、そして・・・お前を想う男として!)

それから一週間。リード家とラフマーン家の縁談には何の進展もなく、キャロルは皆を心配させながら塞ぎ込み、やつれていった。
ライアンは葉巻の数がやたらと増え、自分を苛むかのように仕事に没入した。
だがどんなことをしても心はキャロルの面影を追い、心の悲鳴を感じたかのように胃と頭の芯がひどく痛んだ。

63 :ライアンぐるぐる:2001/08/20(月) 13:51
そんなライアンが過労で倒れ、会社からリード家にかつぎ込まれてきたのはリード夫人達がニューヨークに出発して3日目のことだった。
学校の都合で残ったキャロルは驚いて兄を迎え入れた。
医者よ、薬よの混乱が収まった真夜中。キャロルは久しぶりに凛々しい兄の秀麗な顔を眺めた。疲労の色の濃いその顔。苦しそうな寝息。
(兄さん・・・ずっと忙しそうだった。ずっと悩みがあるようだった。私、それを知っていたのに無視したんだわ。兄さんと顔を合わせるのが怖くて。兄さんと向かい合ったら・・・きっといつものように我が儘な妹になって甘えてしまうから。ずっと兄さんの側にいたいって・・・。
いいえ・・・兄さんのお嫁さんになりたいって。私だけを見てって。ドロシーのことなんか見ないでって。私、もらわれっ子だって知ってるのよって)
やがて。
ライアンがはっきりとした意識もないままに水を、と呟いた。じき夜も明けようかという薄明かりの時間。
キャロルは控えめに兄を揺さぶって起こして、水を飲ませようとしたがライアンは悪夢の中にいるのか苦しげに眉をひそめるだけだ。
キャロルはしばらく躊躇したがやがて意を決して、水を口に含んだ。
そのまま身体を傾け、ライアンの唇に自分の唇を当て、舌でそっと押し開きゆっくりと水を飲ませた。
(兄さん・・・・愛しているわ。愛しているわ。たとえ許されない恋でも私は・・・!)

ほんの一瞬、ライアンの唇の感触に恍惚とした気分を味わいながら、キャロルは身を離そうとした。
だが。
力強い腕がキャロルを抱きしめ、思い詰めたような声が耳に響いた。
「行かないでくれ、キャロル。これが夢でないなら・・・離れないでくれ、キャロル!」

64 :以上自作自演でした。:2001/08/20(月) 16:50
ををっ!
ほのぼの落ちか、えちぃ落ちか?
じゅるじゅる期待。

65 :以上、自作自演でした。:2001/08/21(火) 00:04
>ライアンぐるぐるシリーズ
ついに分岐しましたか。(><)
でも私の望みはただ1つ。「GOGOライアン兄さん!」
どちらの続きも気になる木。(妙な書き込みですいません)

66 :以上自作自演でした。:2001/08/21(火) 07:37
ライアンぐるぐるシリーズ!
分岐してるけど、どっちもキスシーンでお約束の「続く」!
私もいけいけゴーゴーきぼーん。
ライアンにーさん、めんぴーの生まれ変わりなら強引に迫るんだ。

67 :ライアンぐるぐる:2001/08/21(火) 13:36
>>63の続きです〜

驚いて声も出ないキャロルをライアンは強く抱き寄せ、深く唇を貪った。
「愛している・・・愛している・・・ずっとそうだった。でも言えなかった。どこにも行くな。ずっと側においで。愛している・・・」
うわごとのようなライアンの告白。
キャロルは最初、抗うようなそぶりを見せたがやがて体から力が抜け、素直にライアンの胸に体を預けるような形になった。
「兄さん・・・どうして?どうして?」
「どうしてだって?お前を失いたくないからだ。アフマドにもジミーにも誰にも渡さない。ずっと側にいてくれると思って・・・まだまだ子供だと思って油断していた。そうしたらお前は勝手にどこかに行こうとする。
お願いだ。側にいてくれ。僕を必要だと言ってくれ。僕はお前が欲しい。お前が必要だ・・・」
ライアンは熱に浮かされたように感情をむき出しにして、思いの丈を告白した。

68 :ライアンぐるぐる:2001/08/21(火) 13:37
「私は・・・この家の娘ではないわ。兄さんにふさわしくない」
キャロルはそれだけをやっと言った。瞳に宿る万感の想い。
(私はもらわれっ子。兄さんに何もあげられない。ドロシーみたいに。もしアフマドと結婚したらリード財閥のために・・・兄さんのために役に立てると想ったのに。やっと決心したのに)
「馬鹿なっ!」
ライアンはキャロルの肩をしっかり掴み、青い瞳を見つめた。
「お前はこの家の大事な娘で、僕の大事な女性だ。分かってくれ。僕はお前を愛している。妹なんかじゃなく・・・一人の女性として。かけがえのない僕のキャロル・・・」
キャロルの頑なな心が、深く封印してきた本当の気持ちが静かに咲き綻ぶ・・・。
「本当に・・・?
兄さんは本当にそう思ってくれるの?私は何も引け目に思わなくていいの?
私は・・・」
キャロルの唇がライアンに塞がれた。
「言っておくれ、キャロル。僕は・・・期待していいのかい?僕は・・・」
キャロルは静かに唇を離し、ライアンに囁いた。
「私・・・ドロシーに焼き餅を焼いて、兄さんを忘れるためにアフマドの言うことに反対しなかったの。
私の我が儘で迷惑をかけたくなかったの」
「我が儘?」
「私は・・・兄さんが・・・好きです。妹としてではなく・・・て、兄さんが好きです」
ライアンの力強い腕がキャロルを抱き寄せる。キャロルは素直に身を任せ、めくるめく喜びに酔った。
恋人同士の口づけを初めて交わす二人。夜明けの太陽が空を黄金色に染める・・・。

69 :ライアンぐるぐる:2001/08/21(火) 13:37
広大なリード邸は今、ライアンとキャロルの二人きりだ。
リード夫人はばあやを伴ってアメリカに渡り、ロディは過労で倒れた兄に代わり仕事を見ている。昼間、通ってくるメイドは食事や掃除・洗濯など最低限の仕事を済ますと帰っていく。
キャロルは心を込めてライアンの世話をし、ライアンは素直にキャロルに甘える。
心を確かめあった二人は穏やかに静かな喜びに満ちた世界の住人だった。優しく抱き合い、そっと口づけを交わす。甘い囁き、冗談めかした恨み言。
朝になれば、挨拶を交わし一日中、一緒にいて・・・そして夜になればそれぞれの寝室に引き取る。また朝に顔を見る喜びを期待しながら。
ライアンは深い喜びを覚えながらも、わざとなのか自然にそうなるのか、以前のように妹のように甘えてくるキャロルに歯がゆさを覚えるようになってきていた。
ライアンが少し大胆なことをしかけようとすれば、キャロルは軽く腕の中からすり抜け子供っぽい笑い声を響かせる。それとなく、すずろごとを言いかけてみてもまるで通じないような。とにかくただただ、無邪気に幼いのだ。
(まぁ・・・焦ってはいけないとは思うが、これじゃ恋人同士というより、やはり兄妹じゃないか。しかしキャロルだって16・・・もう男女のことを教えてもよい頃・・・)

70 :ライアンぐるぐる:2001/08/21(火) 13:37
明日はリード夫人達が帰ってくるという日。ライアンは夕食の後かたづけをして居間に入ってきたキャロルに言った。
「キャロル。明日は皆が帰ってくるね」
「ええ・・・」
「僕らのことを言うよ。いいね?」
「・・・ええ・・・もちろんだわ」
「キャロル。二人きりでいられるのも今日限りだ。僕は・・・お前に渡したいものがあるんだが・・・今晩、部屋に行ってもいいか?」
キャロルは真剣なライアンの視線の真意を悟った。本能的な恐れと愛しい人に求められたという喜びが彼女を混乱させる。
だが。
キャロルは頷いた。ライアンはそっとキャロルを抱き寄せ、幼い頃していたようにそっと頭を撫でた。

ライアンが例の指輪の小箱を持って、キャロルの部屋のドアを叩いたのは10時過ぎのことだった・・・。

71 :以上、自作自演でした。:2001/08/21(火) 17:16
おおっ どうなるどうなる?ワクワクドキドキハラハラウキウキ!!

72 :以上、自作自演でした。:2001/08/21(火) 17:38
いけいけ、ライアン、ごーごーごー!
ぐるぐるぐるぐる・・・

73 :以上、自作自演でした。:2001/08/22(水) 09:28


74 :以上、自作自演でした。:2001/08/22(水) 21:15
ライアンとキャロルのラブシーンかぁ。
うっとり

75 :ぐるぐる:2001/08/23(木) 00:22
は・はよう続きを〜〜

76 :以上、自作自演でした。:2001/08/23(木) 00:50
ど、どうなってしまうんだ?ライアン&キャロル。。
貧困な自分の想像力では全く先がよめないので続きを待望中。

77 :以上、自作自演でした。:2001/08/23(木) 17:59
ライアン、燃えろー!!!つっぱしるんだぁ〜!!

78 :以上、自作自演でした。:2001/08/24(金) 13:12
 

79 :以上、自作自演でした。:2001/08/25(土) 17:08
むはっ、早く続きを・・・・・・・・・・・・・喜ボーン。

80 :以上、治作自演でした。:2001/08/25(土) 23:11
切に、続きをお待ち申し上げております。

81 :らいあんぐるぐる:2001/08/26(日) 09:06
キャロルは薄青のゆったりとした部屋着を着てライアンを迎えた。金色の髪は無造作に垂らされ幼いかんじがする。
ライアンは後ろ手にそっと扉を閉じると優しくキャロルを抱きしめ、二人掛けのソファに座った。
「これを・・・」
ライアンが小箱を開ける。灯りに煌めく指輪。
「兄さん・・・これ・・・。あの・・・あの・・・まるでエンゲージリングみたい・・・」
「妻になる女性に贈る指輪。お前に受け取ってもらえたら、と。
・・・キャロル。この指輪を受け取って欲しい。僕の・・・妻になることを承知して欲しいんだ。
僕はお前に申し込もう。キャロル・・・僕の妻になることを承知してください。ずっとずっとキャロルが好きだった。妹としてではなく最愛の妻として僕の側にいて欲しい。
・・・ミス・キャロル・リード。僕の妻になってくれますか?」
キャロルの頬が燃えるように赤くなり、瞳は喜びに揺らめいた。信じられない幸せ。大きな喜び。キャロルはそっと頷いた。
「はい・・・。私はずっと兄さんの・・・大好きな兄さんの側にいたい」
「・・・愛している・・・!」
ライアンは指輪をキャロルの左の薬指にはめてやった。小さな薄紅色の華奢な手。ライアンの心を永遠に握っている小さな手。

82 :以上、自作自演でした。:2001/08/26(日) 15:08
それからそれから・・・?
じゅるる・・・。

83 :以上、自作自演でした。:01/08/27 06:54 ID:nuIEXKgY
ぐるぐるぐるぐる。

84 :以上、自作自演でした。:01/08/27 17:37 ID:6kfMn/mA
うふふふふ・・・ぐるぐるぐる

85 :以上、自作自演でした。:01/08/27 23:34 ID:VdTzcoWM
王子とキャロルのラブラブの続きも読みたいよー!!

86 :以上、自作自演でした。:01/08/28 15:00 ID:JCRA5OqI
「キャロル・・・お前は僕の妻だ。一生、お前を愛し、守ると誓うよ」
「兄さん・・・嬉しい・・・」
溢れるキャロルの涙をそっと唇で拭ってやるライアン。
ライアンはキャロルの華奢な左手の指を広げ、その間に自分の長くしなやかな指を絡め、手のひらを合わせた。反対側の手でキャロルの顎を持ち上げ、唇を合わせる。それは二人きりの愛の誓いだった。
「兄さん・・・愛しています。私は・・・兄さんだけ・・・」
ライアンは熱い眼差しをキャロルに注いだ。
「お前を・・・妻にして良いだろうか?僕だけのものだ、と・・・印をつけることを許してくれるだろうか」
「・・・!・・・兄さん・・・」
ライアンへの愛、男としてキャロルを求めたライアンへの恐れ、少女っぽい戦き・・・そんなものがキャロル青い瞳を彩った。
緊張し、すくんでしまった小さな柔らかな身体をライアンは抱きすくめた。

87 :以上、自作自演でした。:01/08/28 15:00 ID:JCRA5OqI
「まだ・・・16。ほんの幼いお前。今、妻にするのは酷かも知れない。でも・・・僕はもう待てない。お前を妻にすることを許しておくれ」
キャロルに拒否はできない。恐ろしいと思う気持ちの底から、ライアンと永遠に結ばれたいという強い望みが溢れてきて、キャロルの怖れを押し流す。
「兄さん・・・愛しているわ。私は・・・兄さんの・・・妻・・・になりたい」
あっと思う間もなくキャロルの身体は抱え上げられ、寝台の上に降ろされた。
じっとキャロルを見おろすライアンの熱い視線。

「お前を・・・僕だけのものに・・・!」
ライアンは優しく、しかし時に荒々しく情熱的にキャロルを愛した。
キャロルの全てがライアンの目の前に露わにされ、祝福の口づけが与えられた。幼い身体は怖れおののきつつも、愛しい人の巧みな技の前に花開いていくのだった。
「愛しい・・・」
ライアンはキャロルを深く貫き、愛をそそぎ込んだ。ライアンに穿たれ、裂かれ、苦痛に身もだえるキャロルの涙がライアンの心を揺さぶる。

88 :以上、自作自演でした。:01/08/28 15:01 ID:JCRA5OqI
やがて。
ライアンは腕の中で眠りに落ちた愛しい少女の顔を見つめながら囁いた。
「愛している。愛している。今日・・・僕のためにお前が流した血にかけて・・・僕の愛は永遠にお前のものだ・・・」

翌日。
久しぶりに帰宅したリード夫人を迎えたライアンとキャロルの顔は隠しきれない喜びに光り輝いていた。
ライアンがリード夫人にキャロルと自分の結婚のことを切り出したのはさらに翌日のことだった。先にライアンに話を聞いていたロディの援護もあってどうやらリード夫人は現状を受け入れ、祝福することができた。
「ライアン・・・キャロル。私はあなた方の結婚に賛成よ。
キャロル・・・あなたが色々なことで苦しみ悩んでいたのを知らなかったママを許してね。あなたは幸せになるのよ。誰よりもね。
ライアン・・・どうかキャロルを幸せにしてやってね・・・」

89 :60:01/08/28 19:52 ID:urvKK6kw
うわ〜、続きがある〜!!!
一気に86に続いても違和感なしだねえ・・・。
お疲れ様でございました。

90 :60:01/08/28 19:54 ID:urvKK6kw
続きがある〜!!!
いきなり86に続けて読んでくだせえ。
しかし、これでいいのか・・・。

91 :以上、自作自演でした:01/09/08 21:07
待ってたのよぉぉぉぉ!
今か今かと復活を・・・。(感涙)
作家さん、カモーン!

92 :以上、自作自演でした。:01/09/09 20:34
はあはあ。復活の報を聞きようやくたどり着くことが出来ました。
(ブックマークし忘れていたのでえらく探してしまった・汗)
さてどうなる?楽しみです。

93 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/09 22:07
ご復活おめでとう!!!
というわけで、いきますわん。

「ねぇ、ルカ」とキャロルは自室の窓から外を見ながら尋ねた。
「はい、姫君」とキャロルの足元に傅くルカ。
ヒッタイトのイズミル王子の王宮では静かな日々が続いていたが、
今日に限ってはとても忙しいそうに皆が立ち働き、慌ただしい様子である。
「今日は何かあるの?」
「はい、アッシリアのアルゴン王が到着されると聞いております。」
「アッシリア・・・。」
キャロルの脳裏にアッシリアに関する様々な知識を呼び起こす。
「アルゴン王は世に名だたる女好きだ、帰国するまでおとなしくいたせ。」
聞きなれた王子の声がして、キャロルが振り向くとイズミル王子が部屋に入ってきた。
ルカが心得たように窓を閉め、速やかに退出していく様を見ながら、
王子はゆったりと腰を降ろし、キャロルを引き寄せた。
「おとなしくって、どうするの?」
少し機嫌を害したようなキャロルの声に王子は困ったように苦笑した。
「さぁ、この部屋に閉じ込めておきたいものだがのぅ・・・。」
 多分そなたを見たいのだろう、エジプトの「神の娘」が私の花嫁となるその前に
 隙あらばそなたをさらっていくやもしれぬ。」
キャロルを優しく抱きしめながらも恐ろしい事を言うのでキャロルは王子の衣装を思わず握り締めた。
「ははは、そなたを恐がらせてしまったか、すまぬな、姫よ。」
「・・・でも私は挨拶しなくてもいいのかしら?」
青く澄んだ瞳で王子を見つめるその幾分子供っぽくも在る仕草。
「うむ、なるべく短く切り上げるようにはしよう、私から離れてはならぬぞ、よいな?」
王子の大きく武術に優れたその鍛えた手は驚くほど官能的にキャロルに触れる。
「本当なら身も心も私のものにしてから引き合わせたかったのだが・・・。
 こればかりは思う通りにはならぬゆえな。
 のぅ、姫よ、私は何時になれば兄へではなく、恋人への口付けを得る事ができるのだろうか・・・?」
王子の広い胸の中の小柄な身体はビクリと言葉と優しい愛撫に反応する。
「夜毎そなたを抱きながら、私ほど哀れな男もおるまい。」
「だって王子は、王子は・・・。」
キャロルが必至に何か言おうとするのだが言葉にならないようである。
「姫は私の事が嫌いなのか、うん?」
「違うわ!大好きよ!本当に!いつも優しくて私を守ってくれて・・・。」
「そうか、それはよかった。」
あまり感情を表わさない王子にしては珍しく嬉しそうな表情をキャロルは王子の端正な顔に見たのである。

 多

94 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/09 22:53
自分の胸にもたせ掛けるようにキャロルを抱いているイズミル王子。
「私が怖いのか?そうではないな、姫よ。」
「・・恐くはないけど・・でも・・。」
「いい子だ、それでよい、ただ、私もそういつまでもは待てぬ。」
大きな手がキャロルの額に掛かる黄金の髪を払い、王子の唇が優しく額に、瞼に
すんなり通った鼻筋に、薔薇色に染まった頬に辿っていく。
「いい子だ・・・。」
幾度も幾度も柔らかいキャロルの唇に自身の唇を押し付ける。
キャロルを恐がらせないように王子の手は華奢な身体を撫でる。
「・・そう・・そうだ、口を開けて・・・。」


「ルカ」と王子の呼ぶ声にルカは傅いた。
「姫の側から離れてはならぬぞ、よいな。心して守れ。」
「かしこまりました、王子。」
「・・それと、夜まで姫は休ませておくようにな。今宵は遅くまで酒宴であろうゆえ、
 何か飲ませて寝かしてやってくれ。」
「はい、王子」
「そろそろ広間へいかねばならんだろう、姫を頼むぞ。」
そう言うなり王子は衣装を翻して去った。
「姫君」
ルカが部屋に入っていくと、キャロルは頬を紅潮させたまま座っていた。
「王子が夜までお休みになるようにとのお申し付けです。どなたかお呼びいたしましょう。」
「い、いいえ!一人で、一人でいいから・・。」
「・・では、よく眠れるように薬湯でも差し上げましょう」
「ええ・・。」
ルカには王子が愛する姫君に少しづつ愛の手ほどきをし、今も胸が打ち震えるほどの喜びに包まれているのが
確信でき、ルカも王子と姫が幸せの最中にいることをまた喜びと感じたのである。

95 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/10 09:20
アルゴン王を迎えての宴はとても賑やかなものとなった。
ヒッタイト王は条約を携えてやってきたアルゴン王を歓待した。
踊り子達も華やかに艶やかに舞い踊り、皆が酒を酌み交わす。
そこへムーラにに促されながらベールをつけたキャロルが姿を現した。
「おお、御身がエジプトの神の娘ですな、私はアッシリアのアルゴンと申す。
 このようにお会いできるとはなんという喜び。」
異国の形をしたアルゴン王に小さな手を握られキャロルは驚いたが、
どうにか体裁を繕ってにこやかに挨拶を交わした。
イズミル王子がさりげなくキャロルを自分の方に引き寄せて座らせる様子を見て
酒の入ったアルゴン王は「これはこれは、噂に違わぬ寵愛ぶりぞ。」と雄雄しく笑う。
「アッシリアへも是非参られよ、その節は私が歓待しよう」
「・・はい、ありがとうございます、アルゴン王。」
「イズミルは姫を自分の宮殿に隠しておってわしらにもなかなか見せぬのだ、アルゴン王」
「このように美しい姫なら、私も隠すやもしれませぬぞ、ははは」
キャロルにも酒杯が勧められ、キャロルは杯を受け取ったまま皆の様子を見ていた。
「さぁ、姫も杯を開けられよ,今宵はめでたき夜ぞ。」
「いえ、私は・・。きゃっ・・。」
アルゴン王に酒を継ぎ足されキャロルは驚いた。
「アルゴン王、姫の代わりに私が頂きましょう、姫は酒が飲めぬに」
王子がキャロルの手から杯を取り酒を飲む。
またその様子を見てアルゴン王が笑う。
王子が目配せしてルカを呼びキャロルを下がらせようとすると
「帰国までにはまた是非お会いしたいものだ、ナイルの姫よ。」とキャロルを引き止める有様。
可憐に微笑みながらキャロルはルカに付き添われ宴から退出した。
「今夜は遅くまでにぎやなのね、きっと。」とため息をつくキャロル。
「王子は遅いのかしら・・・。」
少し顔を曇らせたキャロルを可愛らしく思いながら、ルカは慰めた。
「王子はなるべくお早く姫君の元へお戻りになりましょう。まだお疲れではないのでしたら
 書物なりともお持ちいたしましょうか?」
「・・・そうね・・・。」
キャロルは何故今夜に限ってこんなにも王子が側にいないのを寂しく思うのか不思議だった。
優しく抱きしめられるのは慣れていたが、恋人への口付けを受けたのは今日が初めてだったせいか
今も胸が高鳴っているのに気が付いたキャロル。
「・・・早く帰ってきて・・。」とキャロルは一人つぶやいた。

96 :以上、自作自演でした。:01/09/11 06:46
うわぁこんなとこあったんだ。
今まで知らなかったのがめっちゃ悔しい。
ヒッタイトでぐるぐるマジで好き!
続き待ってます。

97 :以上、自作自演でした。:01/09/11 08:01
ひゃっほう!復活だ〜。
ライアンネタ読みました。結局こうなるのねん。

98 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/12 18:01
キャロルはたくさんの書物を床に広げながらため息を一つついた。
もう随分夜も更けた。
こちらの宮殿までは聞こえないが、まだ宴が続いているのだろう。
「姫君、もうお休みになられてはいかがですか?お疲れでしょう。」
「・・・・ルカはどうするの?」
「お側にひかえておりますゆえ・・・。」
「いつもは部屋の外にいるのに、どうかしたの?」
「いえ、王子のご命令でございます。」
いつもとは大分違う夜だ。
そう、いつも夜には王子がいる。
いつも一緒にいる時には自分を抱き寄せて、他愛ない話をしたり
時には地図を持ってきて、王子からいろいろな国の話を聞いたり
自分の持っている知識に王子が耳を傾ける事もある。
話が出来なくても同じ寝台で逞しい腕に守られて眠る。
それが当たり前のように思っていた。
そんな事を思っていると、物音がして、待ち焦がれた王子が入ってきた。
「まだ起きていたのか、姫よ、待っていたのか?」
「おかえりなさいませ、王子、どうぞ水を」
ルカが差し出した杯を受け取り、王子はそれを飲んでからキャロルを抱き寄せた。
「そなたがいればもっと美味い酒であったろうな・・」
「お、王子、いや、お酒の匂いが・・」
王子の胸に両手を突っ張ってキャロルが離れようとするのを見て王子は困ったような顔をした。
「困ったな、そなたに会いたくて早くアルゴン王を酔い潰したというのに・・。
 愛しいそなたに嫌がられるとはな。」
そんな王子を見てキャロルも謝る。
「ごめんなさい・・王子。」
「もう遅いから休むがよい,疲れたであろう?うん?」
王子がキャロルを寝台に入れる。いつものように自分の胸のなかに小柄な少女を抱いて。
いつの間にかルカの姿は消えて、部屋の中も薄暗い。
大きな手がキャロルの身体を優しく撫でさすり、乱れた金の髪を撫で付けながら顔中にキスの雨が降る。
「・・早く宴が終わればよいと、そればかり思うておった・・。そなたの顔が見たくて・・。」
その言葉にキャロルも王子の頬にそっとキスをする。
「・・・・おかえりなさい、本当はずっと寂しかったの。」
もう少しすれば夜があけるだろう。
だが、恋人達は今眠りに付いたばかりである。

99 :王子ぐるぐる:01/09/12 18:27
イズミル王子のもとにクレタの王女が嫁いでくる、と侍女がキャロルに告げたのは秋も深まったある日のことだった。
「何ですと?私はそのようなこと聞いておりませぬ。いい加減なことを申して姫君のお心を煩わせるでない」
「でも、ムーラ様・・・。表の宮殿はその話で持ちきりでございますわ。クレタは縁の深い国。王女様は王子より2才ばかりお年かさだそうでございますが・・・若々しい方だって」
若い侍女の饒舌を叱りとばすムーラをキャロルは内心の動揺を必死に隠しながら宥めた。
「・・・王子は・・・令名高いヒッタイトの世継ぎ。そういうお話もあるでしょう」
「でも姫君!王子は何も申されませぬ。それに姫君というお方がおられながら!」
ムーラは今やすっかりキャロルに心酔してしまっている。
「王子は・・・慎重な性格ですもの。でも噂になっているくらいならじきに話してくれるわ。
とにかく軽々しく騒ぐのはやめましょうね・・・」
強く目をしばたきながら固い声で話すキャロル。ムーラは侍女を下がらせると若い女主人の背を優しく撫でた。
(本当に・・・王子妃として毅然としたお振る舞い。王子や私がお教えした通り気高くお振る舞いになる。
でも何と痛々しい。お気の毒に。王子の寵深いお妃としてこの上なく傅かれ、敬われておられた方が。
姫君・・・どうかこのムーラの前では本当のお気持ちをおっしゃってくださいませ)

100 :王子ぐるぐる:01/09/12 18:28
王子はいつも通りキャロルの待つ自分の宮殿に戻ってきた。
「ふぅっ!父上の酒につき合わされてしまった。酔ってしまったかな。
ほら、姫。シリアの朝貢があったのだ。献上品の絹をそなたに・・・。
どうしたのだ?顔色が冴えぬ」
「何でもないわ・・・ムーラ、王子にお水を。
いえ、王子。何でもないわ。本当よ。大丈夫よ。
・・・・あの・・・王子」
「うむ?何か?」
「いえ・・・ごめんなさい。なんでもないわ」
キャロルは王子に何も聞けなかった。クレタの王女が嫁いでくるという噂は本当なのか、と。
王子とキャロルの閨の闇は深い。少し酒気を帯びた王子はいつもより激しく好色にキャロルの白い身体を弄んだ。
キャロルの中に自身の昂りを解き放ち、王子はしっかりとキャロルの肩を抱き、眠りに落ちた。
王子にぴったりと身を寄せながらキャロルはいつまでも目を開けて闇を見つめていた。
(王子・・・あなたは私以外の人を妻に迎えるの?分かっているわ、私が育った世界とあなたの生きる世界は違う掟に従っている。だから私も・・・覚悟はしていた・・・はず)
(クレタの王女様。どんな方なの?美しい方?あなたはその方を愛すの?その方もまたあなたを愛すの?
いや、いや。私だけを見ていて欲しい。私だけの王子でいて。私にはあなたしかいないの)
(でもクレタの王女も幸せを夢見て嫁いでくるはず。私の我が儘が王女を不幸にするかもしれない。
それに・・・クレタの王女は海の国クレタの威信と富を背負っている。
私は・・・エジプト王女の身分を貰っているとはいえ、この世界では王子だけしか頼り、自分を預ける相手がいない・・・)
キャロルの頬を苦い涙で濡れる。王子は夢うつつでキャロルを引き寄せ、うなじに顔を埋めるように抱きなおすのだった・・・。

101 :以上、自作自演でした:01/09/12 22:54
はう〜。
嬉しい、王子のお話だぁ・・。
続き書いてくだされ〜、早く〜。

102 :以上、自作自演でした。:01/09/13 00:23
ああ。ついにヒッタイト夫婦のところにも一夫多妻問題が・・・。ハラハラ。

103 :以上、自作自演でした。:01/09/15 10:09
おくればせながら復活おめでと〜〜ございます。

マイルドに、結局はやられてしまうんであろうキャロルだとは
わかっていてもグイグイ読んでしまう・・・

104 :103:01/09/15 10:13
ひさしぶりであわてました、以後きいつけます。スマソ

105 :以上、自作自演でした。:01/09/16 01:13
現代も古代も、どっちも続きが楽しみ〜!
もう、ぐるぐるしっぱなしだ!(@@;

106 :王子ぐるぐる:01/09/16 15:30
クレタの王女の噂はますます姦しい。
しかし王子は何も言わない。キャロルへの寵愛は目映いばかり。
キャロルもまた王子に何も問えない。だがどこか鬱屈した想いはキャロルをやつれさせ、その艶めかしい様子がますます王子をそそる。
日々だけが過ぎて行く。
王子はいつしかキャロルの様子がどこかおかしいことに気付いた。だがゆっくりと時間をかけてキャロルの物思いを質すことは難しかった。政務に忙殺される王子は一抹の疚しさを感じながら、キャロルの憂いを取り除く努力を怠った。

(王子はやはり新しい方を迎えるんだわ。まだ教えてくれないのは私に知られるのを怖れているから?
噂ばかりが耳に入るこの苦しさは耐え難い・・・)
(でも・・・王子の立場も分かる。私は・・・王子の幸せを祈らなくてはいけない。私は・・・王子に何をしてあげられるの・・・)
「姫君・・・もう夜も遅うございます。何をなさっておいででございます?まぁ・・・お裁縫でございますか?これは・・・王子のお衣装?」
ムーラは美しく染め上げられ、丹念に仕立てられた衣装を見て、キャロルの裁縫の腕に密かに舌を巻いた。
「晴れ着・・・何やらまるで・・・あの・・・ご婚礼のお衣装のよう」
「ええ・・・。私はこれくらいしかできないわ。王子が新しいお妃を迎えるって・・・大臣の中には祝賀の品を用意している人もいるって聞いたわ。私も・・・せめて・・・」
「姫君!」
ムーラは母親のようにキャロルを抱いた。キャロルが不憫でならなかった。異国から嫁いできて、ヒッタイトの人となろうと努力してきた聡明な姫。人心を掴み、王子の力となれるよう、ヒッタイトの良き王子妃となろうと・・・。

107 :王子ぐるぐる:01/09/16 15:31
心労のためキャロルが倒れたのはそれから2日後のことだった。
王子は青ざめ、浅く呼吸して臥せているキャロルの様子に驚きを隠せない。
ずっと気鬱のようだったが、一体この弱りようはどうだろう?それに王子の見舞いを嫌がっているような素振りさえ見えて。
「何?私が?新しき妃を娶ると?誰がそのようなこと申したかっ!」
ムーラから事情を聞かされた王子は吼えた。
「だから・・・だから姫があのように弱って倒れたのか?あのように塞いでいたのか?」
王子はムーラに見せられた美しい衣装を鷲掴みにした。
「それで・・・姫はこのようなものまで用意したと申すか!」
何故、キャロルは自分にことの真偽をただそうとしなかったのか。
何故、婚儀の噂がまことしやかに流れたのか。
王子は足音も高く、表の宮殿に向かった。
(おのれ・・・!こたびの噂は私と姫を愚弄するものである!)

クレタの王女の輿入れを画策したのはさる大臣とその一派であった。
婚儀が成立すれば彼らは莫大な富と利権を得るはずであった。
ヒッタイト王への根回しも半ば以上すみ、あとは王子に対しクレタ王女との婚姻の勅命を待つばかり・・・であったのだが。
得意の絶頂にあった大臣たちは激怒した王子によって犯罪者、王家を愚弄する無礼者、僭越にも王子に無断で婚儀を画策した愚か者、国王・王子の威信と王子妃の地位を犯す反逆者として捕らえられたのであった。
王子は父国王に言った。
「私は今ある妃以外の者を迎える意志はありませぬ。おわかりになりませぬか、父上。こたびの騒動は姫の母国、大エジプト帝国をも愚弄する我がヒッタイトの醜態。
ヒッタイト王家に連なる者は一致団結して、臣下の暗躍に翻弄された王族の汚名を濯がねばなりませぬ」
王子は、キャロル以外の女性を愛さぬ、という自身の誓いを国益に置き換えたのだ。王子の言葉はもっともなこととして国王や他の臣下にも受け入れられた。

108 :sage:01/09/17 04:26
sage
きゃろるしゃん・・・・けなげー・・・切なすぎ・
作家様 続きお願い。

109 :sage:01/09/17 04:35
げっ!!!!!  すみませぬ どうやら ageちまったらしい。
許されよ。

110 :王子ぐるぐる:01/09/17 13:32
夜更け頃。
浅い不愉快な眠りからふと目覚めたキャロルは枕頭にイズミル王子の姿を認め、小さく悲鳴をあげた。
王子は冥い、物憂い表情でキャロルの顔をのぞき込んだ。
「何故、私を見て怯える?」
「王子が・・・いるとは思わなかったから。つい驚いて。・・・王子?どうしたの?疲れた顔をしているわ。何かあったの?」
キャロルは身を起こして王子の顔をのぞき込んだ。王子の頬にそっと触れる小さな白い手。
「ここの空気は淀んでいてやりきれぬ!」
王子は唐突にキャロルを抱き上げると露台に連れ出した。

新月が細く光る夜空。涼やかな新鮮な空気がキャロルの熱を静かに取り去り、王子の胸の暖かさが心に重苦しくのしかかっていた憂鬱を溶かして行く・・・。
(王子・・・王子。優しくしないで。でないと私、あなたを独占しようとして、どんどん醜い我が儘な心に囚われていく・・・。
クレタの王女様・・・を疎む心に囚われていく・・・)
「姫・・・そなたがここしばらく塞ぎ込んでいた原因は・・・クレタの王女との婚姻の噂・・・か?」

111 :王子ぐるぐる:01/09/17 13:33
「え?」
驚いて王子を見上げるキャロル。王子は厳しい、そして寂しげな哀しい表情でキャロルを見つめていた。
「今日、午後、一部の大臣達の謀反の罪が明らかになった。国王の許しも得ずにクレタとの婚姻同盟を画策したる罪、ぞ。
そなたがここしばらく私に心閉ざし、気鬱に塞ぎ込んでいたは私とクレタ王女との婚姻の噂ゆえであったとムーラにも聞いた」
「・・・」
「今回のことで私は、ほとほとそなたの心根を残念に思った。
私は思っていたのだ。そなたは私にとってかけがえのない者。そして私もそなたにとってかけがえのない存在であろうと。
そなたと私の間には何の隠し事もなく、そなたは身も心も全て私を信じ預けきってくれているであろう、と。
だが今回!そなたは根も葉もない噂に心惑わされ、私に不信を抱きつつも、それを隠し、ついには心労で倒れた。私には何の身の覚えもないことで、そなたは私を信じることを止め、心を隠した。
そなたの為したこと、どれほど私を打ちのめしたか?何故、そなたは一言、私に問いたださなかったぞ」
王子の饒舌がキャロルを羞じらわせ、同時に喜びで満たした。
「王子・・・本当なの?本当なの?私・・・私はただ王子の妃として精一杯のことをしようとしたの。我が儘を言ってはいけないと思ったの。だから・・・。
でも王子、本当なの?本当に・・・」
「我が愛するは天にも地にもそなた一人・・・と誓ったではないか。薄情なこの姫はすぐ私の言葉を忘れる!」

月明かりがほのかに照らし出す露台で。
王子はキャロルを激しく求めた。キャロルの微熱に火照る白い肌が王子をそそり、月明かりで微妙な陰影を見せる身体が王子の探索を促した。
いつもはあまりに子供っぽく、頼りなげなキャロルに遠慮している王子は、かつて戯れの恋の相手に仕掛けたように大胆に激しくキャロルを愛した。
「そなたに我が心を思い知らせようぞ。そなたは我が妃。そなたは私が守ってやらねばならぬ幼い妹ではない。
そなたは我が心を永遠に絡め取る・・・我が最愛の女・・・そなたに思い知らせよう・・・ぞ」
キャロルは悦びと苦痛のない交ぜになった声をあげ、王子の腕の中で花開いた。
「そなたが私の婚儀の噂に嫉妬し、寝込むほどに悩んだとは・・・。ふふ・・・」
王子は深い闇の中で満足そうに呟いた。キャロルは腕の中で深く眠り込んでいる。

112 :以上、自作自演でした:01/09/17 15:13
よかった〜。
やっぱりラブラブでうれしい〜。

113 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/17 16:12
アルゴン王の訪国も無事に終わり、穏やかな日々が続く。
キャロルも大分王宮での暮らしに慣れてきたので、婚儀に向けての準備も少しづつ始まった。
イズミル王子は口には出さないが、父王が密かにキャロルに食指を伸ばそうとしている事に危惧していた。
アナトリアの大地を支配する父王は確かに尊敬もしているのだが
一方で殊に色好みのことでは自分とは考えが違うことを痛感している。
王妃である母は敢えてその事には触れず、父王も王妃のことは慎重に扱っている。
孫とも思えるくらいの歳の離れた踊り子や遊女達が父王に媚びている様を見ては
不快感を感じざるを得ないのだ。
そして同じ男として欲望を感じさせる視線をキャロルに送っていることの不安を自分の胸の内に秘めていた。
ましてや無垢なキャロルに告げられるわけもなく、危惧に憂慮するばかり。

そんなことを思いながらもキャロルを連れて庭に出た。
勿論ルカが護衛に付いている。
しばらくぶりに外へ出られたことに無邪気にはしゃぐ様子のキャロルを見て
王子の顔にも笑みが浮かぶ。
王子とキャロルに多少の距離が開いたその時に何者かの不穏な気配を感じ取ったルカは
その怪しい人影を捕まえた。
「離しや!用があるのはその女じゃ!」と叫ぶ女。
ルカが取り押さえたのは少し前にヒッタイト王が愛でていた踊り子だった。
踊り子の手には短剣が握られ、その憎憎しげに睨む先にはキャロルがいた。
「そなたさえいなければ、王は私の所にくるのに!」
「やめぬか、その姫は私の妃となることが決まっておる。勘違いも甚だしい。」
背後からの王子の声に踊り子は一瞬だけ硬直した。
「違う!王は見ていたのだから!その娘のことを!あれだけ私に寵を下されたのに何故!
キャロルは体が硬直したように動けなくなっているようだった。
王子がキャロルを遠ざけようとした時にルカの腕からすり抜けた踊り子は
キャロルに向かって短剣を振り上げた。
「きゃあ!」とキャロルが叫んだ時にはルカが既に斬り付けた後だった。
「お目を汚しました、お許しください。」とルカが研を鞘に納める。
震えるキャロルを抱き上げると、騒ぎに気が付いた衛兵達が駆けつけてくる。
土の上に横たわる女に冷たい視線を投げかけると
「謀反人だ、姫に斬り付けようとしたのだ、始末を。」
言い捨てると宮殿へと脚を向けた。

114 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/17 17:13
震えるキャロルを連れ帰りムーラを呼ぶ。
侍女達が甲斐甲斐しくキャロルに薬湯を飲ませたり世話をするのを王子は見ていた
「何かございましたか、王子」と問いかけるムーラに簡単に説明する。
「ご無事で何よりでございました。」
「父上には私から申しあげよう、またこのような事があるやもしれぬ。
 姫の身辺の注意を怠ることは罷りならぬ。」
「ごもっともでございます。」
やがてムーラが席を外し、キャロルも少し落ち着きを取り戻した頃
王子は寝台の上に半身を起こしたキャロルを抱きしめた。
「すまなかったな、恐ろしかったであろう。」
「あの人、何故あんなことを・・・。」
胸の内で不安に思っていた事が現実みを帯びてくる。
早く婚儀をあげて身も心も私のものとしてしまわねばならぬ・・・。
しかし繊細で無垢なこの姫に強引に身体を重ねてしまえば
潔癖なところもあるゆえ、心を閉ざされてしまう事もあり得る,ということも王子には判っていた。
天にも地にも自分の妃はこの姫唯一人であり、身体だけではなく心も分かち合いたいと願っているのだ。
今まで慎重に姫の信頼を得てきたのは何故なのであろう。
「そなたがあまりに美しいので嫉妬したのであろう、そなたは皆の注目を集めてしまうゆえな。」
わざと軽口のように言い、キャロルの不安をぬぐってやる。
「いつまでも子供のようにはしゃいでばかりもおられぬな、そろそろ私の妃となる気になったか?」
「え?」さっきまでの脅えた様子も吹き飛んでしまったキャロル。
「だって、今朝はまだもう少し先だって言ってたわ、王子。」
「そなたは目が離せぬゆえな、私の妃となればもう私の胸の内から離さぬぞ。昼も夜もな。」
その言葉にキャロルが頬を染める。
「さあ、返事の口付けは?教えたはずぞ、姫よ。」
「でも、でも・・・。」恥かしがって目を伏せるその初々しい様子にまた胸が熱くなる。
「いい子だ、返事は?」
小さな顎を持ち上げて唇を寄せる。
王子の口付けにおずおずと応えるキャロル。
「・・・・3日だ、それ以上はもう待てぬ、父上に申しあげてくる。」
上気した顔でこっくり頷くキャロル。
眠るに落ちるのをまってから王子はキャロルの部屋を離れた。
胸の内に熱い決心を固めて。

115 :以上、自作自演でした。:01/09/17 17:42
ぐるぐる〜ぐるぐる〜

116 :以上、自作自演でした。:01/09/17 21:35
お"お"っ?、ヒッタイト王....。
私は...ここで色々な王子小説が読める喜びに我を忘れ、
ドキュンなヒッタイト王がキャロルを狙ってる事実をすっかり忘れてました(汗)
夫と息子が同じ女性を争うなんて、ヒッタイト王妃の立場はどんなものなんでしょうね。
ぶくぶく....。

117 :以上、自作自演でした。:01/09/18 08:13
ヒッタイト王とその息子。
生臭い関係なのねん。
でもきっと王子が守ってくれるから大丈夫。続き早く〜。

118 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/18 14:23
イズミル王子の願い通りに婚儀の準備は急速に進められた。
元々皆が待ち望んだ婚儀である。
王妃は事の次第を聞き、王子に異論をはさむ事などあるはずもなく
ヒッタイト王も内心はどうあれ、世継ぎの王子の婚儀を華やかに行う事を断言した。
王子も何も言わずとも警戒を怠ることをよしとせず
常にキャロルを側に置いた。
そういった意味では先日の事件は非常によい口実となり、王子のキャロルへの寵愛ぶりは
人々の噂となるほどである。

深夜キャロルを抱いて眠りについていた王子は不審な気配を感じ、キャロルを起こさぬよう
そっと寝台を降り、側においていた剣を手に取った。
キャロルの部屋と続き部屋となっている自分の部屋の方で控えているルカも王子の身構えた様子を感じ
そっとキャロルの部屋へ忍んで来た。
薄闇の中、2人が身構えていると、すうっと戸が開いた。
そこには王子を慕うミラの姿があった。
「ミラ・・?何用だ、何か母上に大事でもあったか?」
起きていた王子に驚きを隠せないミラ。
「・・いいえ、王妃様に大事などありませぬ、王子様・・。」
王子に対する恋心が募っていたミラにヒッタイト王は
「そこまで慕っておるなら,王子も無下にはすまいぞ、行って確かめて見るがよい。」とたきつけたのである。
そして王子がミラに気を取られている隙にキャロルを・・・と思っていたらしいのだが
ミラにはヒッタイト王の思惑など判らないまま,王子の元へと来たのである。
気心の知れたミラでなければ王子をキャロルから注意を逸らせる事もかなわぬほど
王子はキャロルに細心の注意を払い、自身でキャロルを守っていた。
「このような夜更けに来るなどとは、注意せねばならぬ。ルカ、ミラを送って・・。」
「・・・お願いでございます、どうぞ私をお召になって下さい、ミラはずっと王子様のことを・・。」
ミラの突然の告白に多少の動揺はあったものの、王子には他にも気になることあった。
「・・・王子、数人の気配が致しております、御注意下さい。」
ルカの囁きに頷く王子。剣を握る手に力が入る。
ルカは寝入っているキャロルの側で身構える。
「ミラ、幼馴染のそなたの気持ちは有り難いが,私の愛するは天にも地にもあの姫だけなのだ。
 下がりなさい。」
冷めた王子の口調にミラはなおも追いすがる事も出来ず裾を翻し泪をこぼしながら去った。
ルカは心得たように音も立てずミラの後を追った。
キャロルが目覚ましかけると王子は瞼に口付けをし、華奢な身体をさすってキャロルをまた眠りに付かせた。

119 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/18 15:08
もうじき夜が明ける。
待ちに待った婚儀の日の前夜になんということであろうか。
多分ミラ以外の数人の気配というは、自分がキャロルから目を離した隙に
連れ去ろうとす者ではなかろうか?
子供のように無邪気な寝顔のキャロルを見ながら、王子は自分の中にある嫌な推測を呪った。
流れる黄金の髪、知性を感じさせる額,あまやかな頬、花びらのような唇、なんとみずみずしく美しい姫であろう。
男なら誰しもが触れてみたいと思うであろう。
その姫と婚儀を挙げるその直前まで狙うとは!
だが婚儀を挙げ、正式に王子妃となればうかつに手も出せぬ事もわかっている。
もうすぐ、我が手に愛しい姫の全てが手に入る。
そう思い自分を落ち着けていると、ルカがそっと戻って来たようだった。
「・・・王子、申しあげにくいのでございますが・・・。」
「何事ぞ。」
「ミラ様が後をつけてきた数名の男達北の宮殿の裏にて斬り付けられました。」
「ミラが?」
「王子が召されなかった場合は即刻殺せと命令が出ていたように存じます。男達は表の宮殿に戻っっ手行きましたゆえ・・・。」
「もうよい、聞きとうない、ミラはいかがした?」
「私めが埋めて参りました。」
「・・・この事は知られておらぬだろうな?」
「はい。」
「あいわかった、姫を心して守れ。」
「畏まりました。」
ルカがそっと姿を消すと王子はまたキャロルの横に身体を滑り込ませた。
キャロルの甘い柔らかな身体をそっと抱きしめる。
「王子・・・もう起きてたの?」
眠たそうなキャロルの声。
この姫に余計な事を行って心を痛めさせるわけにはいかない。
薄闇の中での出来事は聞かすまい。
「・・・やっとそなたが私のものになるかと思うとな、目が冴えたゆえな。」
そう言って口付けし、今度は力強く抱きしめた。
「待ちかねたぞ、この日がくるのを。」

120 :王家@落窪物語:01/09/18 18:20
古代エジプトの女王アイシスは弟メンフィスの命を守るべく、20世紀からキャロルを古代の世界に引き込んだ。
念願叶ってアイシスはメンフィスと結ばれるが、キャロルを現代に還すことはできない。可憐な容姿のキャロルがメンフィスの目に触れぬよう、アイシスはキャロルを召使いの身分に落として監禁するのだった。
みすぼらしい一室に軟禁され、いつもベールで顔を隠し、針仕事に追われるキャロル。その存在を知る人は限られていたけれど、美しく気だての良いキャロルは、その哀れな境遇と相まって人々の心を集めるのだった・・・。

「姫様・・・もう遅いですわ。おやすみくださいな」
「あ・・・テティ。大丈夫。アイシスの晴れ着、急ぎのものなのよ。あなたこそお休みなさいな」
「姫様、もったいのうございます。アイシス様もひどいこと。ここまで姫様に辛く当たられるのは何故でございましょう?メンフィス様のお妃としてこの上なくお幸せな日々を送っておいでなのに」
「テティ。姫様、はやめてちょうだいな。私はキャロルよ。私はアイシスの召使い。貴族の娘のあなたのほうが私より身分は上でしょうよ」
「何をおっしゃいます。私は宮殿で多くの方を見てきました。召使いの境遇に甘んじておいででも分かります。あなた様は正真正銘の姫君ですわ。本当に・・・伝説のナイルの女神の娘のような金髪の姫様・・・」
やがてテティは下がっていった。
キャロルは深い吐息をついた。アイシスはキャロルがメンフィスの寵を得ることを怖れている。邪魔ならば20世紀に返してくれればいいのに秘術は一回きりしかできぬという。
(私・・・これからどうなるの?20世紀に還りたい・・・)

121 :王家@落窪物語:01/09/18 18:21
「テティ。遅かったのだな。お役目は大変なのか?」
「あら!ルカ!来ていたのね」
宮殿の中の私室に帰ったテティは、恋人ルカの胸の中に飛び込んだ。ルカはこの王宮に近い王立学園に留学している外国の若君の従者で、テティの恋人。
ルカの主人とは身分を隠したヒッタイトの王子イズミル。
「姫様のところにいたの」
「ああ・・・また姫様、か。きれいで優しい囚われのお姫様だろう?北の粗末な小部屋の姫君だっけ?」
ルカはテティから散々キャロルのことを聞かされている。美しく気だてもいい不遇の姫君。何故かアイシスに疎まれているのは、その容姿からメンフィスの寵姫になることを怖れてのことだとか。
「私の主人にそのお姫様のことをお聞かせしたよ。是非、見たいとおっしゃってね。どうだい、取りはからってくれないかい?」
「あら!だめよ。姫様はそんじょそこらの尻軽じゃないんですから。本物のお姫様よ。それに・・・もしアイシス様に知れたら」
ルカはくすくす笑いながらテティとの話しに興じるのだった。

122 :王家@落窪物語:01/09/18 18:21
翌朝早く。
テティの部屋から抜け出たルカは靄にけぶる庭先で金髪の美しい娘を見かけ,驚くことになる。
(あれが・・・テティの言っていた姫君、か。なんとまぁ美しい!)
テティの話を本気にしていなかったルカだが、目の前に絵に描いたような姫君がいるのだからすっかり心奪われてしまった。
人目を避けて庭にいたキャロルはルカに気付かず、そっと歌を口ずさむ。粗末な衣服を着ているが、匂い立つ気品は粗末ななりを忘れさせる。
王子の許に戻ったルカは早朝の庭先の美しい姫君のことを王子に告げた。
身分を隠しての日々の学問、隠密活動に疲れ、倦んでいた王子はルカの話しに好奇心をそそられた。
王子はその晩、ルカと一緒に王宮に出向き、北向きの粗末な部屋を探した。美しい、珍しい金髪碧眼の娘を見るだけ、と思って。

キャロルの部屋は小さな灯りがついていた。アイシスに頼まれた縫い物を仕立てるキャロル。膝の上には珍奇な絹。それを縫うキャロルはほころびやつぎの目立つ粗末な服を着て。
「疲れた・・・辛いわ、何もかも。還れないならいっそ消え入ってしまいたい・・・」
そっと窓を覗いた王子は予想外のキャロルの美しさに度肝を抜かれた。
(あれほど・・・美しい娘がいるとは!話半分に聞いていたがこれは・・・)
人の気配に気付いたキャロルが怯えた声を出した。人目がない夜半と思い、ベールも何も着けていない。
「誰っ?」
「静かに・・・怪しい者ではありませぬ。」
戯れにキャロルの許を訪れたはずの王子は、自分でも気付かず一瞬にして恋の虜になってしまっていた。粗末な扉から室内に入り込む。
「あなたをお助けしたいと思っている者です」

123 :王家@落窪物語:01/09/18 18:23
源氏物語風王家というのがあったので落窪物語風王家です。
ままこいじめ物語で、かわいそうなお姫様が継母のもとから立派な若君に救い出される話。
お姫様=キャロル、若君=王子、継母=アイシス、お姫様贔屓の侍女=テティってことで!

124 :以上、自作自演でした。:01/09/19 13:12
あ!古典シリーズだ〜。
落窪物語ってたしか継子いじめ話だよね。
詳しくないんですが続き楽しみっす。
でもへりくだった口調の王子は王子ぢゃないよー。

125 :商人イミル(エセ):01/09/21 00:24
>124
へりくだった口調の時の彼は、イミルバージョンなのです・・・たぶん。

126 :王家@落窪物語:01/09/21 16:46
粗末な小部屋の小さな灯火の輪の中で震える小柄な娘。
先ほどまでの軽薄で好色な好奇心も忘れ果て、娘の無垢な美しさに畏怖に近い感情を覚える王子。
先に我に返り言葉を発したのはキャロルの方だった。
「どなたか存じませんが・・・何か思い違いをなさっているのでは・・・。どうか出ていってくださいませ。」
その可憐な声に似合わぬ毅然とした物腰にまた王子は驚かされた。
「このような状況では私を慮外者と思われても仕方ありませぬ。・・・私は・・・イミルと申します。あなたの噂を聞き、あなたにお逢いしたいと思っていました。決して戯れではないし、あなたを辱めるつもりもないのです」
戯れの恋を幾度となく経験し、女の口説き方など手慣れているはずの王子。だが今は、すっかりのぼせ上がり初な若者のように必死にキャロルに語りかける。
邪なことを思えばこの娘は目の前から消えそうな気すらした。ルカが聞かせたとおりの本物の姫君。

127 :王家@落窪物語:01/09/21 16:47
王子の様子にキャロルも少しは安心したようだったが、口から出る言葉は王子の期待からはずれた冷たいもの。
「イミル・・・さん。どうか出ていってくださいませ。あなたは私の噂を聞いたとおっしゃいましたわ。でしたら私に・・・近づく危険もご存知でしょう?私に不必要な関わりを持てば・・・アイシス女王の不興を買います。
お願い・・・お願い・・・」
話すうちに気が高ぶってきたのか涙をこぼすキャロル。王子は愛おしさで切ないほどになって無遠慮にキャロルを抱きしめた。
「つれないことをおっしゃるな。姫君。私は御身にこんなにも惹かれている。あなたは私を虜にしたのだ。出て行けなどと言わないで。ここから出ていく時はあなたを伴って行く。私にはあなたを守るだけの力がある」

「いいえ・・・いいえ。怖い・・・嫌です」
むせび泣くキャロル。
「あなたは私を侮辱するの?粗末ななりをした召使い風情と侮ってこのようなことをするの?こんな・・・みじめな様子を知らない男の人に見られるなんて・・・!」
とりあえず王子が慮外者ではないと思ったキャロルだったが、今度は自分のみじめな様子を夜更けに知らない男性に見られたという屈辱感がこみ上げてきた。
あまりに粗末なその衣。ほころびから肌が覗く。生成りの色も今は薄汚れて。いくら洗っても落ちない汚れ。
(ああ・・・!)
王子は泣きむせぶキャロルの愛らしさに心からの感動を覚えた。見知らぬ男性への本能的な恐れ、嫌悪感。屈辱に震える乙女らしい潔癖さ。そして粗末な衣装を恥じてみせる子供っぽさ。
(まこと汚れなき初な乙女よ。あっさりと陥落すると踏んだ自分が恥ずかしい。しかし・・・しかし心惹かれる美しい姫!)
「姫・・・分かりました。今宵は御身の美しい姿を見、かわいらしい声を聞けただけで満足です。私はあなたを戯れに口説きに来たのではない。
不思議だ・・・心からあなたを・・・あなたの心を得たいと思う、今は。
さぁ・・・姫。これを。私の心の証に」
王子は自分が纏っていた高価な絹のマントを細い肩に着せかけた。
王子は改めてキャロルを抱き直し、その耳に優しい口説を振りかけた。キャロルはただ身体を硬直させ泣きむせぶだけで・・・。
そして夜明け。王子は深い慈しむような接吻をキャロルに与えた。
「姫・・・私は帰ります。あなたに指一本触れなかった私の心を・・・あなたへの想いの深さをどうか察してください。
また・・・今宵・・・」
王子は朝靄の中に消えていった。

128 :以上、自作自演でした。:01/09/21 19:01
いよいよ王子との婚儀の朝ね。。。
楽しみ〜♪
王子ぐるぐる、ヒッタイトでぐるぐる。。。(◎o◎)

129 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/23 00:03
ヒッタイトの近隣諸国からも沢山の客が訪れたなか,、嵐の神の神殿にて厳かに婚儀は行われた。
アナトリアを支配するヒッタイトの誇る美丈夫のイズミル王子、その横に小柄で華奢であるが、
初々しくも優雅で麗しく佇むナイルの姫の姿は後々までの語り草となるほどである。
祝賀の宴も華々しく、ヒッタイト王の酒杯を空けるペースも速いようである。
まだまだ宴の続きそうな最中、王子とキャロルは宴の席を外し、自室に戻って来た。
ムーラや侍女たちに寝支度を手伝われながら、キャロルはこれから先に起こる事に胸が高鳴るのを止められなかった。
口々に祝いの言葉をかけ,ムーラや侍女達は部屋から下がっていった。
キャロルは勿論王子の事が好きだったが、「焦らずに自分に馴染めば良い」と言う王子の言葉を拠り所にしていたので
急に婚儀が進められてしまったことに戸惑いを感じていた。

「疲れたか?姫よ。」
王子の声がすると共に背後からいつものように優しく抱きしめられたキャロルは一瞬ビクリと身体を硬くさせた。
「王子・・・。」
「さぁ、口付けを、我が妃よ。」
穏やかだが有無を言わさぬ口調で王子は唇を重ねた。
キャロルを抱き上げ寝台におろし、自身の着ている寛衣を滑り落とした。
今まではキャロルと添い寝をしていてもキャロルを安心させる為に寛衣を身に付けたまま休んでいたのだ。
薄闇の中に王子の逞しい裸身を見てキャロルは言葉を失った。
「どうした?何時も抱いて寝ているのに」と王子がクスリと笑うとキャロルも少し緊張が解けたのか
「だって、急に脱ぐんですもの。」と言い返した。
「もう夫婦なのだから必要あるまい、邪魔で仕方なかったぞ。」
その言葉で王子が自分を気使ってくれていた事を知ったキャロル。
そしてキャロルの胸も王子への想いで満たされていく。
「今宵はもう寝かさぬぞ・・・。」
寝台の足元にキャロルの身に付けていた夜着が落とされていった。

130 :以上、自作自演でした。:01/09/23 02:08
>129様、私・・・
にっこり笑って余裕でキャロルに挑む王子のご様子が、
大好きだった原作初期の王子と重なって、自分でも妙に思うくらい
ときめいてしまいました(汗汗)
ここは1つ人助けと思って・・・続きをお願いします。(!?)

131 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/24 11:36
イズミル王子は決して焦ることなく、ゆっくりとキャロルに覆い被さっていった。
初めてお互いの肌と肌が触れ合う感触をキャロルが恐れる事がないように、
お互いの温もりを感じあって確かめ合うように、少しづつ慣れさせていくかのようだった。
キャロルが恥かしがって上掛けを掴もうとするその手を押しとどめ、
「そなたの白い胸にこのように唇を這わせたいとずっと願っていたのだ・・・。」と言う。
緊張して頑なになっているキャロルの身体をすみずみまでゆっくりと愛撫する手は止まらず、
王子の唇はキャロルがビクリと反応する場所を探し出しては白い肌に愛した証を残していく。
いつしか頑なだったキャロルの身体も緊張が解け、口からは儚げな戦慄きが零れ落ちていた。
王子の逞しい身体の下でキャロルの身体は花開いていった。
ぼんやりと眼を開けているキャロルに優しく口付けすると
「最初は辛いかもしれぬが、辛ければ声をだすがよい。」と言ってキャロルに覆い被さっていった。

132 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/24 13:32
熱く汗ばんだ王子がキャロルを抱き寄せ、瞼に優しく口付けする。
「辛かったのか?姫よ」
キャロルの青い瞳に涙が浮かんでいるのを見て心配そうな口振りである。
「・・いいえ、大丈夫よ、ただいろいろな事が思い出されて・・それで・・。」
「何を思い出したのだ?うん?」
キャロルの身体を優しく撫でながら問う王子にキャロルは答えた。
「・・・この世界へきてエジプトの宮殿で何の希望もなく途方にくれていた私が、
 今は大好きな王子の妃と呼ばれてるなんて信じられないくらい・・・。
 王子が私をあそこから連れ出してくれると思った時のこと、本当に信じてもいいのかなって疑ってた自分が恥かしいわ。
 いつもいつも私の事を大切にしてくれてはいるけど、もしかしたらメンフィスのように怒ったらどんなにか恐ろしいのかもって
 ずっと心配していたの・・・。」
「私の言葉を信じておらぬとは、仕置きが必要だな,この姫には。」
笑いながら穏やかでいて愛情に満ちた目で王子から見つめられてキャロルは頬を染めた。
「信じていてよかったであろう?愛する姫を裏切るような真似などせぬ。そなたもそうであろう?」
「勿論よ、私も貴方の事を・・・愛してるわ・・。」
そっと手を伸ばし王子の顔に触れる白い手に王子は優しく口付けした。
「さて私の事を疑っていた姫には仕置きせねばならぬ、どうしたものかのぅ・・。」
そう言ってキャロルの白い首筋に唇を這わす王子。
夜明けはまだ先のようである。

133 :自作自演@ぐるぐる:01/09/24 19:57
131.5(藁)の話をアップきぼーん。

134 :以上、自作自演でした。:01/09/24 22:58
さげーい!

135 :以上、自作自演でした。:01/09/24 23:04
わたくしも密かにキボン・・
131.5とか131.7とか・・・ぽ。
ぐるぐるを通りすぎて期待でゴゴゴと大回転の名無しさんより。

136 :以上、自作自演でした。:01/09/25 02:01
131.5もだけど、132の続編も・・・(ぽ)。

137 :131.5:01/09/25 14:09
「姫・・・」
猛り立つ王子自身の艶やかに張りつめた先端がキャロルの薔薇にあてがわれる。驚くほど熱いその先端の荒々しさにキャロルは悲鳴をあげ、腰をひねった。
「いや・・・いや・・・怖い・・・」
王子はキャロルの耳朶に甘く囁く。
「もう容赦はせぬぞ。怖くはないから・・・私にそなたを捧げてくれ・・・」
王子はそっとキャロルの脚の間に手を滑らせた。恐怖と緊張のためか蜜は、はや乾き始めている。
「姫・・・何故、焦らす?これほどまでにそなたに恋い焦がれている私を。私はそなたを愛したいのだ。愛しいそなたをずっと幼い少女のように慈しめと言うのも無理な話だ。
怖くないから・・・恐ろしくないから。身体を楽にいたせ。そなたの幼い身体は何も知らぬ無垢のまま。だからか・・・?快楽すら恐れ、味わうことを避けようとする。私がそなたに教えてやろう・・・」
王子はキャロルの薔薇とその奥の泉に唇を寄せ囁きかける。王子の吐息が薔薇をおののかせ、時折戯れのように与えられる舌先の愛撫が真珠を勃ちあがらせ、蜜を再び湧き上がらせた。
焦らされて、切ない火照りに耐えきれずキャロルはうわごとのように王子を呼んだ。

138 :131.5:01/09/25 14:10
「姫・・・!・・・」
王子は再びキャロルに覆い被さり、濡れそぼつそこに自身を沈めた。キャロルのそこは驚くほど狭隘で丸い先端を飲み込んだだけで、今にもはち切れそうになっている。薔薇の花びらは薄く伸び、真珠は苦しげに蠢き、王子を必死に受け入れようとしている。
キャロルは涙を流し息を詰め、白い喉を震わせて初めての苦痛に耐えている。
「あ・・・ああ・・・い、いやぁ・・・」
「参るぞ・・・苦しくば声をあげよ・・・」
王子は細い腰を持ち上げるように引き寄せ、一気にキャロルを貫いた。
「あーっ!」
荒々しい王子の動作にキャロルはたまらず悲鳴をあげた。金色の髪が乱れて散るのもかまわず逃れようと王子の下で藻掻くキャロルの姿に王子の理性は完全に吹き飛んだ。
未熟なキャロルの身体を気遣うことも忘れ、王子は大きく動いた。王子に穿たれたキャロルは王子に合わせて揺れている。
「痛い・・・王子、お願い・・・痛い」
その細い嘆願の声が王子の理性を呼び戻した。

139 :131.5:01/09/25 14:11
王子は動作を止め、そっとキャロルに囁きかけた。
「すまぬ・・・だが・・・男とはこのようなもの。許せよ、そなたを痛くすることでしか私の愛を証することができぬ。そなたを愛するが故に・・・このようなことをするのだ。
私は・・・そなたを女にする日をずっと待っていたのだ。そなたはこんな勝手な男は・・・嫌い・・・か?」
「・・・いいえ・・・王子・・・」
そっと答え、白い腕を王子の首に差し伸べるそのあえかな美しさ。
王子はその唇を優しく味わい、自身を呑み込んで苦痛に耐える真珠を指先で撫で上げた。王子自身はキャロルの中で熱く脈打っている。
ゆっくりゆっくりと王子は動作を再開していった。キャロルは慣れない苦痛に眉を顰めているが先ほどよりは痛みが薄らいでいるらしいのが分かる。
「まだ・・・痛むか?」
無言でキャロルは首を振った。愛しい人のためにつく優しい嘘。
王子の動作は激しさを増し、苦痛とかすかな悦びの混じったキャロルの喘ぎが高まった。
やがて。
王子は自分の激情をキャロルの奥深く迸らせた。キャロルの脚の間から咲き出した深紅の花を見つめ王子の心は深い感動に満たされた。
「姫・・・愛している・・・愛している。私にはそなたしかいないのだ」
王子の暖かいはしばみ色の瞳を見つめ返し、キャロルはうっとりとした笑みを浮かべ眠りの淵に落ちていった。
王子はたった今、自分で女にしてやった愛しい少女の寝顔をいつまでも見つめていた・・・。

140 :131.5@ぐるぐる:01/09/25 16:30
昼間からどきどき...☆☆

さらに濃密な夜の訪れを期待しつつ・・(しつこくてスマソ)。

141 :以上、自作自演でした。:01/09/25 17:32
おおお・・・ファイヤー!!!

142 :以上、自作自演でした。:01/09/25 17:33
おおお・・・ファイヤー!!!

143 :キャロル@ぐるぐる:01/09/25 20:51
今まで知らなかった心地よい重みと温もりをキャロルは感じてゆっくりと眼を開いた。
自分の顔のすぐ横にはイズミル王子の端正な顔があって、自分が目覚める前から見つめていた優しいはしばみ色の眼と視線が合うと
自然とキャロルの口元はほころんだ。
王子の身体は自分の身体に被さっていて、肌と肌が触れ合う感触も心地よかった。
「よく眠れたのか?」
耳もとで王子の声が囁いている。
「・・ええ・・。」
初めて愛を交わすということを知った夜。
自分がどれほど愛されているかを身体にわからせてくれた夜。
身体の奥深いところはうずいてはいるけれど、それが痛みだけではなく
もっと愛されたいと訴えている事に気がついてキャロルは一人頬を薔薇色に染めた。
「昨日よりももっと美しいな、そなたは。艶めいてもっと抱きたくなる・・。」
王子の暖かな大きな手はキャロルの全身を撫で、密かに息ついて咲き始めた薔薇に触れ
王子を求めている事がわかると、満足げに少し好色めいた眼でキャロルを見た。
もうじき夜が明ける、そうすればムーラや侍女達が部屋に入ってきてしまう。
それを口に出すと愛撫を手を休めることなく王子は笑った。
「新床の花嫁だ、皆にもわかっておる。心配はいらぬ。」
体中を官能の波にさらわれながら必至に儚い抵抗をしているキャロル。
「そなたも私が欲しかったのであろう?そうだな?」
蜜の溢れた薔薇に王子の高ぶりが触れる。
「そうであろう?」
薔薇は熱い王子自身を飲み込みたがっているのに王子はなかなか腰を進めない。
「・・・王子・・・。」
「よい生徒だ、ちゃんと覚えたな。」
「ああっ・・・!」
キャロルは大きな波に飲み込まれ、やがて王子と共にもっと高い波にさらわれていった。

やがて自分の身体のあちこちに王子の愛した証が見受けられるのを見てキャロルは頬を染めた。
「では、それが消えるまではこの部屋からは出さぬ。」
王子はそう言って笑いながらキャロルの白く細い首筋に唇を寄せて愛撫した。
「ひどいわ、それっじゃあいつまでたっても出られないわ。」
キャロルの抗議にも耳を貸さず王子は白い肌に薔薇色のあとを幾つもつけていった。

144 :鼻血御礼:01/09/25 23:20
ピーポーピーポーピーポーピー……
(出血多量の名無し144が運ばれていった音;)

イシュタル女神様が微笑んでくだされた…(涙)
さらなる加護をお与え下さいませ…

145 :以上、自作自演でした。:01/09/26 00:52
うわ、ウイルス騒動で来れない間に乗り遅れたわ・・・・・。
初期の王子ファンの私には、
「そう!この余裕が王子の醍醐味なのよ」と膝を打ちながら読む読む。

・・・・・・余裕を持ってくすりと笑う王子がなによりもグルグル。ハァ〜

146 :鼻血御礼@ぐるぐる:01/09/26 01:08
救急車、追加!

147 :キャロルちゃんたら:01/09/26 07:46
夜明け前。薄明かりの中、キャロルは目覚めた。
大きく広げた王子の腕の脇の下の窪みに頭をつけて眠っていたキャロル。
そっと起きあがったキャロルは我知らず頬を染めて、ようやく結ばれた夫の端正な顔を見つめた。賢そうな気品ある顔立ち。
視線を下に移せば、そこには彫刻のような逞しい美しい身体。まだ暖かい季節。昨夜、睦み合った二人はお互いの身体の温かさだけを身に纏って抱き合って眠った。だから王子もキャロル同様、生まれたままの姿だ。
(きれい・・・)
美しい芸術作品でも見るような気持ちでキャロルは王子の身体を眺めた。逞しい腕、広い胸、引き締まった腹部から腰にかけての線、腰から続く長くしなやかな脚。そしてそして・・・。
(やだっ!私ったら・・・!)
はしばみ色の茂みの中にうずくまるようにして潜んでいるそれ。今は静かに眠り、あの猛々しさ、荒々しさは微塵も感じさせない。ついつい好奇心に駆られてじっくりとそれを観察してしまうキャロル。
(これが・・・男の人の・・・)

148 :キャロルちゃんたら:01/09/26 07:47
我知らずのぼせたようになって、身体全体を薔薇色に染めたキャロルはやがて悪戯心を起こした。
深い寝息をたてる王子の滑らかな肌にそっと唇を近づける。息を詰め、決して決して王子の眠りを妨げないように唇で王子に触れてゆく。
肩に。腕に。手に。胸に。固い筋肉に守られた腹部に。腰に。腿に。
そしてそっと目をあげる。王子は相変わらず眠っているようだ。思い切って視線を移せば、冥い薔薇色をした王子自身が柔らかな茂みの中で憩っている。
(こんな形をしているの・・・)
男性の身体についての知識と言えば、もっとも詳しいものでもダビデ像どまりだったキャロル。いつも王子に翻弄されるばかりで王子のことは何も知らない。
不意に愛しさがこみ上げてきて、キャロルは眠っている王子自身にもそっと唇をつけた。いつも王子がキャロルを口唇でもって巧みに慈しむ仕草を不器用に真似るように。

149 :キャロルちゃんたら:01/09/26 07:49
(え・・・?!)
突然に目の前のものがびくん、と動いた。眠っていた獣が身を起こすように。
あっと思う間もなくキャロルの頭は強い力に押さえ込まれ、キャロルは王子の脚の間に顔を埋めるような姿勢になった。
「姫・・・このいたずら者め・・・が。そのようなことをしては・・・男はもう・・・私は、そなたを気遣うことができぬようになる!」
喘ぐような王子の声。自分がどんなに大胆なことをしていたかを今更のように悟り、羞恥で肌を真っ赤に染めたキャロルは王子の力に抗おうとした。
「や・・・恥ずかしい。ごめんなさい、王子。お願い、許して。もう・・・こんなはしたないことはしません・・・!」
「姫・・・お願いだ」
返ってきたのは王子の切羽詰まったような嘆願の声。
「羞じらうことはない。お願いだ。私がそなたを慈しむように、そなたも私を愛してくれ。教えたはずぞ、夜毎に・・・!」
思い切って口を開いたキャロルの中に麝香の香りのする王子自身が押し入ってくる。不器用に舌を這わせるキャロル。王子は低く呻いて激情をキャロルに流し込んだ。

ややあって。王子は優しくキャロルに言い聞かせていた。
「何も羞じらうことはない。あれは・・・愛し合う者なれば誰でも行う愛の技ぞ。そなたが私を愛してくれた時、どれほど嬉しかったか」

150 :以上、自作自演でした。:01/09/26 13:23
いやーん鼻血、一斗缶(謎・爆)。
王子ったらそんなふうにキャロルを育成したのね。

151 :以上、自作自演でした:01/09/26 17:09
ぶはっ(鼻血出血大サービス!)!
大人の乙女(謎?)のお話だわ〜!
王子、素敵(ぽ)・・。

152 :アルゴン@ぐるぐる:01/09/26 18:47
自分の身体の上に女がゆさりとのしかかり、猛るアルゴン王の高ぶりは快感に包まれる。
時折堪えきれないように女が嬌声をあげる。
右手で女の感じそうな部分を触ってやりながら王も絶頂へと追いやられる。
女が酷く気だるげに横に倒れこむのを見て,ふっと鼻先で笑う。
自分が欲望を感じるのはこのように胸や腰の張り出した悩ましい曲線を持った女で
どの女も熟した果実ように濃厚な女の香りを漂わせた者ばかり。
しかも色事が好きで奔放でそれを楽しめる女が好きなのだ。
だが先頃訪問したヒッタイトにいたナイルの姫はこのような女達とは全く違っていた。
確かに珍しい黄金の髪と澄んだ空色の瞳はしていたが、まだあどけない少女と言った風情。
自分好みの女達が「熟した果実」ならあの姫は「まだ咲き始めの花」といったところか。
自分が握った手も白く小さな手で,異国の客である自分に驚きを隠せなかったような表情だった。
白くすべすべした肌をしていた、あの肌に唇を這わせたらどうのような感じがするだろうか・・?
そんな事を考えている自分い気が付き、アルゴン王はふっと自分を嘲るように唇を歪めた。
「・・なにがおかしんですの?アルゴン様・・・」
横にいる女が問い掛ける、自分が何か無礼をはたらいたかと心配そうに。
「なに、思い出しただけよ、そなたは気にせずともよい。」
「私以外の女のことでございましょうか?それなら嫌でございます、もっと可愛がって頂かなくては・・・。」
女がその姿態でまた誘惑する。
「このように可愛がっているのにそなたは欲張りよのぅ・・。まだ足らぬか?」
右肘をついて顔を支えながらアルゴン王は面白そうに笑っている。
身体に絡みつく腕、押し付けられる豊満な胸や腰,情欲をそそる口付け。
イズミル王子は何故あのような子供のような華奢な姫を寵愛しているのか・・・。
自分の抱いている女がふとナイルの姫と重なったような気がした。
羞恥に恥かしそうに白い肌を染め、何も知らぬ姫に愛の技巧を教えていく・・。
女の張り詰めた腰に腕をまわし、たいらな腹部に唇を走らせながらアルゴン王は答えを見つけたような気がした。
面白いのかもしれぬ、教え込んでいくのもな。
一度肌を合わせてみたいものだ。
不敵に笑いながらアルゴン王は女と共にまた絶頂へ向かって駆け昇って行った。

153 :以上、自作自演でした。:01/09/27 00:29
アルゴンって、女は揉んでも飲まれるな(?)という感じで割り切って楽しんでますよね。
女の習性を知り尽くした上で、ギリギリまで手の内で飼いならしておくような。
(で、ときどきご機嫌をそこねて噛み付かれる)
王子の優雅さも大好きですが、アルゴンはアルゴンで王者らしくて豪快で良いですふふ。

私にも救急車を・・・

154 :(@@;ぐるぐるぐる。。。:01/09/27 03:39
急ぎ私にも、馬ひけーい!
・・・じゃなかった、救急車追加要請ーっ!

155 :王子もんもん:01/09/27 08:55
「王子様・・・?イズミル王子様ではございませぬか?まぁ、どうなさいましたの、このような夜更けに。あの小さな姫君はいかがしたしましたの?あの方を一人で寝かせるなど罪なことをなさる!」
夜更けの露台で艶やかな声を王子にかけた華やかな女性。
豊満な身体つき、月明かりのもとでも照り輝いているような派手な美貌。真珠色に光沢を添えた化粧が彼女を男の好色な夢の中に訪れるという魔物じみてみせる。
「そなた・・・か。久しいな」
苦笑を浮かべながら王子が応える。デリアと呼ばれるその女性はヒッタイト王の寵姫。そして・・・王命を受けて王子に初めて男女のことを手ほどきした女性。
王子はずっと、彼女に惹かれていたことをほろ苦く思い出す。それはそう昔のことではないのに今はずいぶん遠く感じられる。戯れに取っ替え引っ替え女を召しながらも彼女との関係だけは長く続いていたのだ。
「久しい・・・ですか。本当に。もうずいぶん長く王子様にお召しいただいていない。他の女達も嘆いていますわよ。私が手ほどきしたあなた様は女を悦ばせることには長けておいでですもの。
ほっほ。そのようなお顔なさいますな。冷静沈着、でも情熱的な王子様。金髪の姫君にはどのようになさいますの?」
「ふん・・・軽口を。姫のことをそなたが取りざたすることは許さぬ」
短い言葉。でもその中にはデリアを黙らせ、まだ見ぬキャロルへの嫉妬をかき立てるものがあった。
「・・・姫君の御許に行かれなくてよろしいの?」
「ふふん・・・」

156 :王子もんもん:01/09/27 09:00
王子は苦い微笑を僅かに浮かべた。
添い寝はしているものの、まだ指一本触れていない愛しい少女。
優しく接吻を与え、柔らかな身体を守るように撫でる。戯れのように脚の間の場所に触れることもあるが、ほんの一瞬。
キャロルはそこが暖かく濡れそぼつことも、柔らかく開いて貪欲に大きな滾(たぎ)りを呑み込むことも知らない。
固い蕾を無理矢理開いたならば、キャロルの心は閉ざされてしまうだろう・・・その確信が王子をおののかせる。
兄のように、父のように、優しい慈しむような恋人。王子を見上げるキャロルの瞳が王子の心を満たす。
だが好色な欲望の炎は消えるはずもなく・・・。
添い寝の少女を起こさぬように王子は露台に来て火照った身体を冷やそうとしたのだ。

157 :王子もんもん:01/09/27 09:01
一度ならず肌を重ねた若者の懊悩を見抜けぬデリアではなかった。
(まぁ・・・まさか噂通り王子はまだあの姫を女にしていないの?何てこと!あの王子が・・・)
昼間の優れた若者の仮面を脱ぎ捨てた王子の奔放さをデリアは知っている。女の身体を大胆に押し開き、
圧倒的な力で深く満たす。女を悦ばせてくれる、でも決して抱いている女には心開かない冷徹な若者が・・・。
(本当に・・・処女(おとめ)の許嫁を大切に思っているんだわ!
ゆっくりと丹精して・・・婚儀の夜からいろいろ教え込むわけね)
デリアは凄惨なまでに美しい笑みを浮かべた。嫉妬に身もだえる女の美しさ。
「王子・・・おいでなさいませ。来てくださいませ。今宵私と」
デリアは薄絹を滑り落とすと王子に縋った。王子の腕がデリアに回される。
王子の火照った身体は情熱のはけ口を求めて歯止めが利かなくなっていた。
(許せよ、姫。この女をはけ口とすることを・・・)
露台で激しく王子に穿たれながらデリアは月を見上げ嗤った。
(今宵だけは・・・王子は私のもの。あの姫に身も心も絡め取られた哀れな若者が
・・・今宵だけは私の虜・・・)
寵姫の哀しい笑顔を月だけが見ている。

158 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/27 10:31
侍女やムーラがやってきた。
朝の光が部屋を明るく照らし出し、寝台の上でイズミル王子から抱きしめられて動けないキャロルは心底焦った。
明るくなった部屋の中で見る自分の肌に一面に王子の愛した証がくっきりと残っている。
慌てて上掛けで隠そうとするが首筋や腕や胸元についている跡ははっきりと誰でも見えてしまう。
目が覚めると湯浴みをするのが習慣なうえ、介添えされなければならない。
「王子、姫君、お目覚めでございますか?」とムーラの声がかかる。
「うむ、ムーラか。」
王子は相変わらずキャロルを抱きしめたままで放そうとはしない。
「湯浴みはいかがされましょう。」
「・・・そうだな、姫?いかがした?」
王子が恥かしさのあまりにぽろぽろと涙をこぼしているキャロルに気がつき、驚いて声をあげる。
「ムーラ、しばらく下がっておれ、早う!」
声を荒げた王子に動揺しながらムーラや侍女達は急いで下がっていた。
「・・・一体どうしたというのだ?うん?先程まではそのような様子ではなかったに、何が嫌なのだ?」
華奢な身体を抱きしめなおし,黄金の髪を撫でて王子が優しく問いかける。
「だって・・こんなに身体中に・・・王子が・・・・・した跡が残ってて・・・」
王子の胸の中でしゃくりあげている少女の言わんとすることがわかって王子は堪え切れずに笑った。
「当たり前であろう、そなたは花嫁ぞ?身も心も私のものとなったのだ,誰も当然と受け止めること、皆心得ておる。」
「・・でも・・それでも湯浴みだって、着替えだって・・・手伝ってもらわなくちゃ・・いけないのに・・・。」
「私のつけた跡を見られるのが恥かしいのだな?」
王子はキャロルの初々しさをますます愛しく感じながら、涙の零れ落ちる青い瞳に優しく口付けした。
「では私が会添えしてやろう、私がするのなら文句はあるまい。」
「え?」
キャロルが驚いている間に王子は部屋の外にいるムーラに声をかけた。
介添えは自分がするゆえ不要であること、自分とキャロルの衣装を出しておくようにと。
「さぁ、では湯殿へ参ろうか?」と微笑んで王子はキャロルを抱き上げた。
キャロルは結局は王子に介添えしてもらっていては自分の身体についた跡が何時までも消えない事を思い知った。

ようやく2人が人前に出られる姿となった時王子はキャロルに言い含めた。
「そなたはこの私の愛を一身に受ける私の妃なのだ、恥ずかしがる事ないのだ。」と。
そして最後に耳もとに囁いた。
「だがそなたの初々しさも愛している。それは寝台にて私だけに見せてくれ。」

159 :救急車@ぐるぐる:01/09/27 12:29
ああ〜
昼夜を問わず、素敵なお話が〜。

160 :以上、自作自演でした。:01/09/27 17:40
うぅ・・・鼻血が、鼻血がとまらなぃ〜〜
しゃ、しゃくじゅうきゅうばん・・・・

161 :以上、自作自演でした:01/09/27 18:27
王子もんもん・・・。
いいわ〜。
「ふふん」と鼻で笑って苦笑してるところなんてハマリ過ぎる〜!
ううっ、なんてすてき・・・。

162 :ヒッタイトで@ぐるぐる:01/09/27 20:43
キャロルが恥かしがるのであまり外に連れ出すのも可哀想になったのか
イズミル王子は露台へと連れ出した。
遠くまで見渡せ、そよぐ風も心地よい。
あまり人も上がってこないのでキャロルもほっとしたようだった。
風に黄金の髪がなびいて白い首筋が露わになる、そこには王子がつけた愛の証がくっきりと見えた。
頬をほんのり薔薇色に染めて遠くを見やるその姿、清純でありながら少し艶めいて見る者の眼を楽しませる。
王子は自然とキャロルを抱きしめたくなる自分を抑えられそうになく、またその自分に気がついて苦笑した。
その時控えていたルカも王子も人の気配を察して後ろを振り向いた。
そこにはヒッタイト王の寵姫であるデリアと呼ばれる女が王子に気が付き臣下の礼を取っていた。
誰もいないと思ってきたらしいのだが、思いがけず王子とキャロルがいたので驚いたようである。
「・・このような場所でお会いするとは存じませんでしたわ、王子様・・。」
ヒッタイト王が愛でるのも頷けよう、体中から溢れんばかりの色香。
王子自身も幾度となく肌を合わせ、自分に色事を指南した女である。
だが王子のその女を見る視線はデリアが期待したようなものでなく、あくまで冷たいものであった。
キャロルが気がついて王子の方を振り返る。
「王子・・・?」
デリアの方も驚愕している、キャロルの姿は確かに婚儀の時にも遠めに見ていたが
このように間近で見て、その咲き初めの花のような初々しさと美しさに驚きを隠せない。
王子の怒った射るような眼でデリアは自分に全く勝ち目がない事を身に染みさせられた。
「余計な事を言わず早くこの場を去れ!」と口に出していない王子の言葉が聞こえるようである。
また風が吹いてキャロルの金髪がなびく。
デリアはキャロルの首筋に王子の愛撫の跡を認めて、内心嫉妬で苦しいほどであった。
「姫君、風がきつくなって参りましたゆえ、お戻りになられてはいかがでしょう?」
ルカがキャロルに進言する。
王子もすっとキャロルの側へ寄り胸の中に抱いた。
「言う通りにせぬと寝室から出さぬぞ。」と少し不満気なキャロルの表情を見てくすりと笑った。
「もう、王子ったら・・。」
「ルカ、戻るぞ。」
大切に抱きかかえるように王子はキャロルを連れてデリアの側を通り過ぎる。
すれ違う時に王子に投げかけられた冷たい視線がデリアとの別離の証だった。
王子にはもう愛しい姫しか見えていない、判っている。
自分のような立場の者はそういうものなのだとわかっていても、デリアは哀しく流れる涙を止められなかった。
遠ざかるキャロルの声が聞こえてくる。
「ねえ、王子、さっきの方は誰?」
無邪気で疑う事を知らないような軽やかな声だった・・・。

163 :132.5:01/09/27 21:26
王子とキャロルが広間に入ると一斉に好奇心むき出しの視線が降りかかってきた。昨日、婚儀を行い、今朝初めて夫婦としてヒッタイトの国王夫妻に謁見する若い夫婦。
威風堂々たる美丈夫のイズミル王子。その側に寄り添う優雅な王子妃。その頬は薔薇色に染まり、思わず見とれるような美しさに輝いて見える。
(ふうむ・・・婚礼の夜は上首尾であったということかの?)
ヒッタイト王は若い二人をねめ回しながらひとりごちた。
女好きで知られた王はじっくりとキャロルを観察する。王子に身を寄せ、少しぎこちない足運び。首筋にほのかに覗く薔薇色の斑点。
(ふふん、王子め。あれでなかなか、可愛がってやったと見えるわ。姫の顔に僅かに疲れが見えるのも艶めかしくてよいのぉ)
王妃も母の喜びに顔を輝かせて若い二人を見守っていた。ムーラからすでに昨夜の上首尾の報告を聞き、ヒッタイトの最高巫女の資格で清らかな乙女の赤い薔薇を受けた小布をイシュタル女神の祭壇に捧げたところだった。
(ほんに・・・幸せそうな王子。良かったこと。母として・・・これほど嬉しい朝はありませぬ。あの子供のような姫が王子を受け入れられなかったらどうしようかと案じておりましたが。後は和子)
若夫婦に改めて浴びせられる祝福の言葉。王子妃キャロルの初めての仕事は人々の祝福に応えることだった。

164 :132.5:01/09/27 21:27
「疲れたか?姫よ」
王子はぐったりとクッションに寄りかかったキャロルに尋ねた。
「少し。・・・慣れないことばかりだから。早く慣れて王子を助けられるように頑張らないと。
でも・・・皆から早く和子をって言われるのはちょっと・・・恥ずかしいわ。皆、知らん顔していてくれればいいのに」
好色な好奇の視線、露骨な冗談にキャロルは閉口し腹を立てもしていた。特にこれまで王子の寵を受けたことのある女性達の嫉妬は凄まじい。王妃お気に入り、格式高いエジプト王族の資格といったことは少しも役に立たない。女達の世界は厳しい。王子にはそんなことは言わないが。
だが王子には分かっていた。気高く毅然として、それでいて優しいキャロルには女達の下らない嫉妬は理解しがたい煩わしいものでしかないことを。心労のもとでしかないことを。
「そなたは私の大切な妃だ。私の愛しい姫だ」
王子はキャロルを抱きすくめ、唇を奪った。
「私の最高の女だ。自慢の女だ。もっと自信を持って欲しいものだな。詰まらぬ者達のことなど心にかけるな」
わざと磊落な言葉でキャロルに語りかける王子。手は豪華な衣装を手際よく取り去って行く。
「私がそなたに力を与えよう。だからそなたも応えてくれ。私がそなたを最高の女に育ててやる・・・!」

165 :王子初めて物語:01/09/27 23:22
>155さんのを読んで本気でショックを受けていた私....(汗)
でも、そうなんだよね。"女の扱いに長けて余裕の王者"説を採るならば、
当然過去の女性遍歴が前提にあるわけだし。
一体、王子の上を何人の女が駆け抜けていったんだよぅ。
気になるけど知りたくないような気もするよぅ。おぅおぅおぅ....

細川先生画で「王子初めて物語」やってくれないかなあ。(汗)やらんだろうけどさ。

166 :名無しさん:01/09/28 07:44
そっかー。王子は経験豊富なはずだよね〜。
あの王子のおやぢなら息子に女あてがうことだって平気でしそうだし。
キャロルには理解できん世界だろうなー。
あたしも結構ショックだったけどデリアの話しはまた読みたい気も。

167 :名無し:01/09/28 13:53
>>165
「細川先生の画で王子はぢめて物語」
一人で受けてしまいました。(笑)
でも私的にはあんまし見たくないかも〜。顔に斜線いれまくった王子、唾(?)飛ばして王子に秋波を贈る豊満美女・・・。
あの絵はな〜って思うことが多いです。
思い切って言ってしまうと・・・細川先生って絵うまいんでしょーか?

はぁはぁ言ってしまった。ストーリーにははまりまくって王族歴15年ですが・・・
一度言ってみたかったのぉぉぉ!スミマセヌ、逝きます。

168 :以上、自作自演でした。:01/09/28 17:05
「王子はぢめて物語」もいいけど、「ファラオはぢめて物語」もいいかも・・・
ぐもぐも・・・・

169 :見えるわ....:01/09/28 23:01
私には見えるぞよ...。
あの独特の盛り上がらせ方で私を期待の高みに飛ばしつつ、
おお〜っ、と手に汗握って次のページをめくると ---暗転---していて、
――翌朝――になっている、王子初めて物語。(嘆)

45巻番外編のお子様王子がえらく可愛かったので、引き続き少年期も
キヴォンヌ...キヴォンヌー!な私でした。

170 :以上、自作自演でした。:01/09/29 12:16
sage

171 :うぶうぶ王子:01/09/29 18:30
それはイズミル王子が15歳にならんとしたある晩のことである。
まだまだ少年らしい若木のような体つきであっても、文武両道に優れ、皆からヒッタイトの世継ぎと
期待をかけられし日々を過ごしていた王子。
父王が踊り子や寵姫と戯れていたるすると、どうしても視線が女を追ってしまう、と王子も悶々と過ごしていた矢先。
寝台に横になっていると誰かが部屋に入ってきた気配がした。
「何者ぞ?」と問かけるとそこには薄絹だけを纏った妖艶な父王の寵姫であるデリアがいた。
豊満な体つき、濃厚な香り、魔物じみて見えるほど凄まじい色香の漂う女である。
「お休み中にお邪魔致しますわ、可愛い王子様・・。」
デリアが話す言葉には魔術でも掛けてあるのかと思えるほど男をそそらせるものがあって、
勉学熱心で賢き王子と称えられるイズミル王子でも,とても太刀打ち出来るものではなかった。
「私はもう15だ、可愛いなどと言われる年ではないぞ!」
「ほほほ、まだ私から見ればお可愛いうございますわ・・・」
デリアは寝台にそっと腰を降ろした。
近くに迫る豊満な胸や腰にどうしても視線が行ってしまうので王子はデリアから子を背けた。
「一体何用だ、この夜更けに。」
「・・・お話に参りましたのよ,男と女の、ね・・・」
デリアの艶めかしい手が王子の今はまだ細い身体に伸ばされる。
暗闇の中で王子の顔が紅潮し、心臓の高鳴る音が体中に響き渡っているようである。
「・・・そなたは父上の寵姫であろう、何故私の元へ来る?」
「その国王様のご命令ですわ、色事の手ほどきをこの私にと、御命じになられましたの。
 なんて光栄なお話でしょう、貴方様のはじめての女にだなんて・・。」
身分の高い貴族や王家の若者なら誰でも通る慣わしである。
王子自身も頭ではわかっていた、だが父王の寵姫だとは、デリアだなんて思いがけなかったのである。
そしてデリアの言葉に我知らず怒りが何故か込み上げてきたのを王子は自覚した。
その怒りが少しのぼせ上がった王子の心をかえって冷静にさせてしまった。
「・・・ではどのようにするのだ、手ほどきしてみせよ、デリア。」
デリアは妖艶に微笑みながら王子の顔を両手ではさみねっとりとした口付けをした。
そして身に纏っていた薄絹を滑り落とし,王子の手を自分の豊満な胸に導いた。
「私で判る事なら何でもお教えいたしますわ、王子様。」
窓から差し込む月明かりはまだ明るかった。

172 :うぶうぶ王子:01/09/29 19:04
デリアは自分の身体をさらけ出し、王子に女の抱き方を指南した。
何処をどう触れればよいのか、女がどうすれば悦ぶかを王子の手を取って自らの身体を実験台に
勿論自分も王子も楽しめるように教えていった。
いつしか王子の身体は燃え上がり、初めて体験する強烈な快感に包まれた。
デリア自身の花も充分濡れそぼち、年少の王子に手ほどきするということに官能をそそられている。
王子が横になっているところにデリアがのしかかりゆっくりと腰を動かしていく。
さすがの王子も何も考えられなくなり、身体が絶頂に向かって駆けだし、やがて爆発した。
「・・・いかがでございました?ふふ・・。」
少し息を弾ませている王子にデリアは妖艶に問い掛ける。
「・・もうおやめになります?」
その言葉に王子はまた怒りか意地か判らない感情におそわれ、負けずに言い返した。
「まだ夜は長いぞ、そうであろう?」
デリアは王子の身体に腕を絡ませる。
「・・さすがはイズミル王子様ですこと、ほほほ・・・。」
デリアは夜が明けるまで今まで知らなかった王子の奔放な面を見せられた。
そしてこれ以降王子の身体の上を幾人の女達が通り過ぎて行くことになる。
だが身体だけの付き合いで、王子はその心の内を女達に見せることはなかった。

173 :以上、自作自演でした。:01/09/29 19:40
・・・うーん、何だかほっとした。
少年王子はこんな感じで初めての体を任せたのかな、とも思えてきて、
嫌悪感なく読むことが出来ました。さんきゅう。 >書いてくれた人。
率先して色事に励むよりも、理性の外で体が・・・
というのが似合ってますね、王子は。

174 :以上、自作自演でした。:01/09/30 14:18
sage

175 :以上、自作自演でした。:01/10/01 03:49
ファラオ初めて物語もあるんだろうか?
どきどきどき。。。

176 :以上、自作自演でした:01/10/01 18:52
作家さん、かも〜ん!
ああ、王子はなんてすてきなのかしら〜。
堪能させてもらってます。

177 :キャロルちゃん@お昼寝:01/10/02 13:13
イズミル王子が忙しい政務の合間にキャロルの様子を見ようと部屋へ戻った時である。
部屋に入るとキャロルはクッションに見を持たせかけたまま眠っているようであった。
ルカがキャロルの身体に上掛けを掛けていた。
王子が目配せするとルカは何も言わなかったが、キャロルは少し休憩するつもりでいたらしいが
いつしか眠ってしまったと伝えたかったらしい。
王子がキャロルの横へ行くのとすれ違いにルカは退出していた。
皇太子妃となってキャロルは少し忙しくなった。
時折は王子に請われて協議にも出席したり、キャロルの存在価値はますます高まるばかり。
そして夜は夜で,と王子は少し好色な笑みを浮かべながらひとりごちた。
イズミル王子は自分でも驚くほどキャロルに惹かれて離せなくなっていた。
クッションに黄金の髪が波打ち、少し痩せたのか顔が小さくなったように思われる。
目の下にうっすらと隈が見えるのも,自分が昨夜も情熱的に抱いた証だと王子は微笑んだ。
滑らかな首筋の白い肌が王子の官能を刺激するように艶っぽい。
華奢な体つきではあるが、曲線を描く身体は王子にはこの上なく美しく思われた。
いくらキャロルを抱いて愛を交わしても王子には何時もそれでは不足しているようにしか感じられない。
王子がその大きな手で金髪を撫でつけたとき、キャロルもその感触に気がついて目を開けた。
「王子?私・・眠っていたのね?」
「無理もない、そなたも私の妃となってからは雑用が増えたからな。」
王子はキャロルを抱き寄せ、唇を寄せた。
「王子・・誰か見てるかもしれないわ・・。」
キャロルのやんわりとした抗議も王子には聞こえなかったようである。
王子はゆっくりとキャロルの唇を味わっていたから。
キャロルの肌が薔薇色に染まって王子の男としての性を更に刺激する。
「王子、協議の間にて将軍がお待ちでございます。」
部屋の外からルカの声がして王子も立ち上がった。
「そなたと過ごしていたいが、仕方あるまい。」
「・・・王子、あの・・。」
「どうした?姫よ。」
キャロルは王子の身体にそっと腕をまわして恥かしそうにつぶやいた。
「・・・なるべく早く帰って来て・・。」
「いい子だ,すぐ戻ってくる。」
そう言ってまたキャロルに口付けし、王子は満足げに部屋から出て行った。
まだ新婚の日々の皇太子夫妻であった。

178 :もんもん王子:01/10/02 13:49
「姫・・・起きていたのか?」
デリアとのひとときの火照りを冷まして寝台に戻った王子は、驚いて声をあげた。
常夜灯の薄明かりのもと、寝台の上に人形のようなキャロルが心細げな顔をして座っていた。
「気がついたら王子がいなくて・・・どうしたのかと思ったの。戻ってきてくれてよかった」
普段は恥ずかしがりやの彼女にしては珍しく、自分から王子に腕を差し伸べ、身を寄せる。
「姫・・・こんなに冷えて。すまなかったな。ちょっとした用事だったのだ。そなたを起こさぬよう気をつけたのだが。すまなかったな・・・」
(袖口が冷たい・・・泣いていたのか?かわいそうに・・・でも何と愛しい)
王子は優しくキャロルを抱きしめた。腕の中のキャロルはじっと黙って身を寄せている。動きもしないのは緊張と恥じらいのためだ、と王子は思った。
でも。
キャロルは気付いていた。王子に残るデリアの匂い。甘い異国的な香料の匂い。
(まさか・・・王子は女の人といたの?)
一瞬にしてキャロルは真実を見抜く。だから王子の腕の中で動けなかった。口もきけなかった。
(王子は世継ぎの君。他の誰かのことは・・・覚悟はしていたけれどこんなのって。私が側にいたのに。何故、他の人のところに行ったの?私ではだめなの?・・・わ、私が子供だから王子は私のことを求めないの?)
キャロルはますます強く王子に身体を寄せた。初めて知る強烈な嫉妬の情。王子を独占したいという望み。
だが王子はそんなことには気付かず、珍しく激しく身を寄せるキャロルの重みが嬉しいばかりであった。

179 :がんばれムーラ:01/10/02 18:25
「ムーラ、姫の旅行の準備はどうか?」
穏やかな日差しの午後、王子が居間に現れた。
「あ・・・!王子。どうなさいましたの?執務のお時間では?姫君はただいま、王子お差し回しの先生についてお勉強のお時間でございますが・・・お呼びしますか?」
「いや、よい。たまたま使節との謁見が早く片づいたゆえな。どうだ、姫の勉強ははかどっているのかな?」
王子はキャロルの櫃をかき回しながら聞いた。
「はい。姫君は飲み込みも早く、怜悧で驚くほど理解が早いと先生も褒めておいででした。昔の王子のようだと。姫君はヒッタイトを深く理解しようと頑張られて。申し分ないお妃におなりですわ!」
ムーラは誇らしげに言った。
「私が姫の勉強を全部見てやれればよいのだがな。そうもいかぬ。やはり一国の王族ともなれば学問も大切だ。どこに出しても恥ずかしくない我がヒッタイトの誇る王子妃として頼もしき成長ぶりよ」
王子は父親のような口振りで言った。王子とキャロルはじきにミノアの祝祭に出発する。この旅行は実質上、キャロルのお披露目旅行だった。キャロルは王子妃としての公務に、お妃教育にと多忙な毎日を送っていた。

180 :がんばれムーラ:01/10/02 18:26
「ふむ。これが姫の衣装か。ムーラ、良いものを見立てたな。しかし・・・少し簡素にすぎないか?」
王子は櫃から美しい衣装をつまみ上げた。淡い微妙な色彩に染め上げられた絹。美しく上品であるけれど金銀宝石で飾り立てたきらびやかさはない。
「それでよろしいのでございますよ。王子。姫君のお美しさを引き立てるためにもきらきらしい装飾は控えめに。でも絹の染めや襞には心砕いて仕立てさせました。あのお可愛らしいご容貌に見事な御髪でございますもの。他のお方のような重い宝石は却って無粋。
王子妃のおしるしの冠と後は真珠をおつけになるのがよいですわ」
うきうきと説明するムーラに王子は暖かく微笑みかけた。
「礼を申すぞ。ムーラ。そなたはまこと姫の母親のように細かに優しい心遣いをしてくれる」
ムーラは頬を染めた。これまで王子の戯れの恋の相手の女性にも多く接してきたムーラは若い女性については辛辣な見方をする。
王子がさらうように連れてきたキャロルも、最初はあまりの幼さに軽い軽蔑を覚えたほどだった。
だがキャロルの優しい心映え、毅然とした強さ、王子への深い、それでいて控えめに表される愛情表現にすっかり好感を抱いた。
今ではすっかりキャロルの母、の気分だった。ムーラは嬉しさを隠して控えめに言った。
「もったいのうございます。王子」

181 :がーん(涙:01/10/02 23:15
>178
お、王子・・女の匂いを残して帰っちゃいかんですがや(汗)
女の嫉妬が芽生えたキャロルのその後が気になる木。

182 :あれま:01/10/03 07:59
おーじ、アナタともあろうお方が・・・女の匂ひって・・・。
キャロルどうする?ここにはナイルがないから飛び込むのはなしよ。

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